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ERP導入サポートで高報酬を得るフリーランスエンジニアになるには

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はじめに

企業の経営を一元的に管理するための基幹システムとして注目されるERP(Enterprise Resource Planning)は、多数の業務機能を統合し、在庫や財務、購買、販売など多岐にわたるデータを横断的に扱います。この導入にはシステム選定からカスタマイズ、ユーザー教育まで複雑な工程が伴うため、プロジェクトの成功には経験豊富なエンジニアの協力が欠かせません。そうした需要を背景に、ERP導入支援を請け負うフリーランスエンジニアの活躍が増え、高い報酬を得るチャンスも拡大しています。ここでは、ERP導入案件の基本的な流れや求められるスキル、フリーランスとしてどのように価値を提供すれば高報酬につながるのかを総合的に解説します。

ERP導入案件の背景と特徴

ERPとは何か

統合的な業務管理システム

ERP(Enterprise Resource Planning)は、企業のあらゆるリソースを一元管理し、業務効率や意思決定のスピードを上げることを目的としたシステムの総称です。具体的には、会計や販売管理、購買、在庫、生産管理、人事などの機能を統合し、それぞれの情報を共通のデータベースで共有することで、部署間の情報連携をスムーズに行います。導入の効果として、二重入力の排除やリアルタイムな経営指標の把握が挙げられ、最終的には企業競争力の強化に寄与すると考えられています。

パッケージとスクラッチ開発

ERP導入には大きく分けて、OracleやSAP、Microsoft Dynamicsなどの既製パッケージ製品をカスタマイズして使う方法と、スクラッチ開発(あるいはOSSのERP基盤など)でゼロから作り上げる方法があります。パッケージ製品を使う場合は、機能が豊富で短期間に導入しやすい利点がある一方、自社業務とのギャップを埋めるために多大なカスタマイズが必要となり、ライセンスコストも高額になることがあります。スクラッチ開発の場合、自由度は高いですが開発リソースと期間が膨大になるリスクがあり、企業の規模や予算によって最適解が変わってきます。

なぜERP案件が増えているのか

DX推進によるシステム統合ニーズ

多くの企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を掲げ、既存の業務プロセスをITで最適化し、新たな価値を生み出そうと試みています。その一環として部門ごとにバラバラだったシステムを統合し、データを横断的に活用できるようにする動きが加速しています。ここで企業が注目するのがERPであり、財務や在庫、生産管理などを統合管理することで、迅速な意思決定やコスト削減を図ろうとしているのです。

コロナ禍とリモートワーク

コロナ禍でリモートワークが増えるにつれ、社内の基幹システムをクラウド上へ移行する動きも加速しました。ERPをクラウド化することで、場所を問わず業務データを一元管理できるようになり、在宅勤務でも正確かつタイムリーに情報共有が可能になります。オンプレミスからクラウドERPへの移行案件は増加傾向にあり、そこにはインフラ知識やセキュリティ対応のノウハウを持つフリーランスエンジニアが求められるのです。

フリーランスエンジニアが関わるメリット

高報酬と長期案件

ERP導入プロジェクトは企業にとって大きな投資であり、プロジェクト期間も半年から数年に及ぶ場合があります。そのため、相応の予算が用意されており、熟練したフリーランスエンジニアを呼ぶことで成功確率を高めたいという企業心理が働きます。結果として高単価を提示しやすく、かつ長期契約になりやすいというメリットがあります。

多彩なスキルを活かせる

ERP導入は単なる技術的なシステム構築だけでなく、業務プロセスの再設計やデータ移行、運用ルール作りなどが含まれる総合的なプロジェクトです。フリーランスエンジニアがアプリケーション開発やDB設計、インフラ構築、さらには要件定義やユーザー教育の支援までをカバーできるなら、より大きな役割を担うチャンスが高まります。技術スキルと業務知識を兼ね備えたエンジニアほど価値が上がりやすいのが特徴です。

ERP導入プロジェクトの流れ

要件定義とFIT&GAP分析

現行業務の洗い出し

ERP導入の第一歩は、現行の業務フローや使用しているシステムを徹底的に調査し、どのような業務課題をERPで解決したいのかを明確にすることです。ここでフリーランスエンジニアが活躍する場面があり、IT部門や業務担当からヒアリングを行い、要件を整理してドキュメント化するスキルが重要になります。特に大企業の場合、部署やシステム間の連携が複雑であり、表面的なヒアリングだけでは実態を把握できないケースも多いため、根気強いコミュニケーションが必須です。

FIT&GAP分析

ERPパッケージを導入する場合、「FIT&GAP分析」は欠かせない工程です。これは「現行業務や要件がERPパッケージの標準機能で対応可能(FIT)か、あるいはギャップがありカスタマイズが必要(GAP)か」を判定するプロセスです。GAPが大きければカスタマイズコストが膨れ上がる恐れがあるため、フリーランスエンジニアはクライアントと相談しながら「業務をパッケージに合わせるのか」「カスタマイズを優先するのか」の判断を後押しする役割を担います。

設計と開発

カスタマイズ要件の洗い出し

FIT&GAP分析の結果、GAPが残った機能についてはカスタマイズや拡張機能の開発が行われることが多いです。フリーランスエンジニアとしては、このカスタマイズ要件を整理し、実装方法を検討して設計書に落とし込むステップで専門知識を発揮できます。ERPパッケージごとに拡張ポイントやプラグインの仕組みが違うため、SAPやOracle E-Business Suite、Dynamicsなど、特定製品に特化した知識があると高報酬を狙いやすいです。

インターフェース連携とマスタ統合

ERPは企業内の他のシステム(給与計算、勤怠管理、物流システムなど)と連携する場合が多く、データフォーマットや通信プロトコル、APIなどを統合する設計が必要です。また、マスタデータ(顧客マスタ、商品マスタなど)をどう一元化して重複をなくすかという課題も大きいです。フリーランスエンジニアがETLツールやESB(Enterprise Service Bus)、各種APIゲートウェイを使いこなしつつ、運用しやすい形を提案すれば企業からの信頼が上がり、報酬アップにつながる可能性があります。

テストと移行

システムテストと受け入れテスト

ERPの導入テストは範囲が広く、単体テストや結合テストだけでなく、実際に業務プロセスを回す総合テストが重要です。フリーランスエンジニアがここでリーダーシップを発揮し、テストシナリオを作成し、ユーザー部門と共同でテストを実施しながらバグや不具合を洗い出して改修する流れをうまくマネジメントできれば、高い評価を得られます。また、外部システムとの連携テストや負荷テスト、セキュリティテストも含めた全体最適を意識することが大切です。

データマイグレーション

既存システムからERPに移行する際には、大量のマスタやトランザクションデータをどのようにコンバートし、整合性を保つかが大きな課題です。データクレンジングやフォーマット変換、重複排除、参照整合性のチェックなど、多くの工程をスクリプトやツールで自動化する必要があるでしょう。フリーランスエンジニアがこうしたマイグレーションスクリプトを用意し、テスト環境でリハーサルを繰り返すことで、本番移行のリスクを大幅に下げられます。

フリーランスエンジニアが必要とされるスキル

ERP製品知識とカスタマイズ経験

パッケージ別特徴の理解

SAP、Oracle、Dynamics、その他国産ERP(OBIC7など)にはそれぞれ特徴やアドオンの方式が異なり、エンジニアが一度習得したスキルは別のパッケージにそのまま流用できない場合もあります。特にSAPではABAP言語を使った開発が中心となり、Oracle EBSではPL/SQLやJavaなどが使われるなど、技術スタックが異なるのです。フリーランスとしては一つの製品に特化してエキスパートを目指すか、複数の製品を幅広く把握するか、戦略を立てる必要があります。

パラメータ設定とアドオン開発

パッケージERPは設定画面やマスタのパラメータを細かくいじって多くの業務ロジックを表現できる一方、どうしても標準機能で対応できない要件が出ればアドオン開発を行う必要があります。フリーランスエンジニアがこのアドオン部分を担当し、標準機能との整合性を保ちながら拡張できれば、企業にとって貴重な戦力です。アドオンはバージョンアップ時の影響も大きいため、将来にわたる保守性を考慮した設計が求められます。

業務知識とコンサルティング力

会計・生産管理・人事などのドメイン理解

ERPは企業のコア業務を扱うため、単なるプログラミング技術だけでなく業務領域の知識が不可欠です。たとえば会計モジュールなら複式簿記の基礎や勘定科目の扱いを知り、生産管理モジュールなら製造業の生産計画や在庫管理の理論を理解するなど、エンジニア視点を越えた視野が必要です。フリーランスがこうしたドメイン知識を身につければ、要件定義やユーザーとの調整においても大きな貢献が可能で、高単価のポジションを得やすいと言えます。

プロジェクトマネジメントとファシリテーション

ERP導入は多くの部門が関わり利害関係が複雑になりやすいため、フリーランスエンジニアが調整役として活躍する場面も出てきます。会議の進行やステークホルダー間の意見調整、スケジュール管理などのプロジェクトマネジメントスキル、さらにワークショップやディスカッションを円滑に進めるファシリテーション力が求められます。技術力だけでなくコミュニケーション力やリーダーシップを発揮できる人材は、より高い報酬や上流工程への参画が期待できます。

インテグレーションとインフラ知識

API連携とデータフォーマット

ERPを外部システムと連携させる場面では、REST APIやSOAP、ファイル連携などさまざまなプロトコルが使われる可能性があります。フリーランスエンジニアがAPI開発やETLツールの活用に習熟し、安定したデータ交換を設計できれば、システム間の整合性を維持しながら効率化を実現できます。また、JSONやXML、CSVなど複数のデータフォーマットを扱う知識も不可欠です。

クラウドインフラとセキュリティ

最近ではクラウドベースのERP(SaaS型)や、パッケージERPをクラウド環境(AWSやAzureなど)にデプロイする例が増えています。フリーランスエンジニアがクラウドインフラを構築し、セキュリティグループやVPNの設定、負荷分散、バックアップまで一括して手がけられるなら、大規模案件で重宝されやすいです。特に機密情報を多く扱うERPでは、認証や暗号化、監査ログなどのセキュリティ対策が厳格に求められ、そこをクリアできれば企業の信頼度も上がります。

高報酬を得るためのポイント

専門領域の明確化

特定パッケージに特化するか、複数扱うか

フリーランスエンジニアがSAPやOracle EBSなど特定製品に深く通じている場合、エキスパート枠で高い報酬を得やすい傾向があります。逆にDynamicsや国内ベンダーのERP、あるいはオープンソースERPを複数経験しているなら、幅広い案件を選べる利点があります。どの路線を取るかは自身の得意分野や市場の需要、案件の単価などを総合的に判断して決めましょう。

ドメイン別の強み

会計に強い、製造業の生産管理に強い、流通のロジスティクスに強いなど、業種特化の業務知識を持つエンジニアは企業から見て非常に魅力的です。ERP導入で共通的な機能は理解できるエンジニアが多くとも、特定業種の業務フローや規制、慣習を知っている人はそう多くありません。フリーランスならではの強みとして「○○業界でのERP導入を複数経験し、在庫最適化や原価計算にも精通している」といったアピールができると大きな差別化になります。

コミュニケーションとリーダーシップ

会議やワークショップの主導

ERP導入には業務部門との連携が不可欠であり、技術面を一方的に押しつけるわけにはいきません。そこで、会議やワークショップでうまくファシリテーションし、業務担当者の課題や要望を引き出しながらシステム要件に落とし込むスキルが求められます。フリーランスエンジニアが「要望の洗い出しから要件定義まで円滑に進められるリーダーシップ」を示すことができれば、高い報酬と長期契約を獲得しやすいでしょう。

オーナーシップを発揮する

大手SIerやコンサル会社を通す案件だと、フリーランスエンジニアはあくまで一部工程を担当するだけになりがちです。しかし、チーム内で率先してイニシアチブを取り、問題解決やリスク管理に積極的に取り組むことで評価はぐっと上がります。ミーティングでの発言や情報共有、問題が起きたときの対応スピードなど、基本的なビジネススキルが報酬に直結しやすいのがERP導入の特徴でもあります。

案件の探し方と営業

エージェントとコンサル系企業

ERP案件は大手コンサルティングファームやSIerがまとめて請け負い、一部をフリーランスに委託する形が多いです。そうしたルートを探るには、エンジニア向けエージェントだけでなく、コンサル系や高単価案件に強いエージェントと関係を築くのが有効です。自己紹介時には「SAPコンサル経験あり」「Dynamicsカスタマイズ経験あり」など具体的な実績を示し、担当者が案件を紹介しやすいように整えておきましょう。

自己ブランディングと実績公開

案件を見つけるもう一つの手段として、個人のブログやSNS、技術コミュニティでERP関連の知見を発信する方法が挙げられます。とくにABAPやOracle EBS、Dynamicsなど特定分野で専門性の高い情報を発信していれば、検索で見つけた企業担当者から直接問い合わせが来る可能性もあります。たとえば、「SAPのモジュール別カスタマイズ事例」や「DynamicsのAPI連携で失敗しがちなポイント」など実務寄りのテーマを掘り下げると、需要がある読者を引き寄せやすいです。

成功事例と実践的Tips

大手製造業のグローバルERP導入

スタート:要件定義から参画

あるフリーランスエンジニアが大手製造業のグローバルERP導入プロジェクトに参画し、中国や欧州など複数拠点にまたがる業務を統合する取り組みに参加しました。もともと別の業務システムを扱った経験を活かして、要件定義フェーズのヒアリングや文書化を担当し、海外拠点との英語コミュニケーションにも対応したことで重宝される存在となりました。

カスタマイズと運用支援

SAPをベースにしたERPを導入するにあたって、独自の生産管理ロジックや複雑な為替処理などが必要になり、ABAPによるアドオン開発をチームで進めました。フリーランスエンジニアがテストやユーザー訓練、運用マニュアル整備を積極的にリードし、プロジェクト後半には海外拠点の運用サポートまで任される形で報酬を大幅にアップ。企業からの信頼度が高まり、他拠点展開フェーズでも継続契約が決まる成功事例が生まれたのです。

中堅企業のクラウドERP移行

クラウド選定とアプリ連携

別のフリーランスエンジニアは中堅企業でオンプレミスのERPを使っていた環境を、クラウドERPにリプレイスするプロジェクトに参加しました。主なタスクは、複数のクラウドベンダーやERP製品(SaaS)から最適な組み合わせを検討し、既存の勤怠管理や給与システムとのAPI連携を設計することでした。調査からPoC、ベンダーとの交渉まで一貫して関わり、導入後の運用設計も担当したことで企業から「セキュリティやコスト面まで含めた包括的な提案が助かった」と評価され、追加プロジェクトも任されることになったといいます。

ステップバイステップ移行

この企業は一度にすべてを切り替えるリスクを避けるため、まず会計と在庫管理だけをクラウドERPへ移行し、成功を確認してから販売管理や顧客管理を段階的に移行していくアプローチを取りました。フリーランスエンジニアが細やかな移行スクリプトやテストシナリオを用意し、各フェーズで影響範囲や注意点を明確にしたため、大きなトラブルなく移行を完了できたとのことです。企業はこれを機に他のシステムにもクラウド導入を検討し始め、さらなる契約が続いたと報告されています。

まとめ

ERP導入サポートは企業にとって重大な投資であり、業務変革やDX推進の要となる一大プロジェクトです。その成功の可否は、エンジニアの技術力だけでなく、業務知識やコミュニケーション力、プロジェクトマネジメント力など多面的なスキルに左右されるため、フリーランスエンジニアの活躍の場が広がると同時に高報酬を狙える領域といえます。
具体的には特定ERP製品(SAP、Oracle、Dynamicsなど)への深い知識を持ち、カスタマイズやインテグレーション、移行スクリプトの作成、ユーザー教育にまで踏み込めると、企業にとってかけがえのないパートナーとなるでしょう。また、業務部門との調整やファシリテーション、セキュリティ・インフラ面を含むトータルな設計を提案できる人材は特に高く評価されます。ERP導入は期間も予算も大きいプロジェクトが多いため、長期的な安定収入を得るチャンスとなるはずです。フリーランスとしてさらなる飛躍を目指すなら、ぜひERP導入サポートのスキルを磨いてみてはいかがでしょうか。

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