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小規模スタートアップ案件のメリットと注意点:フリーランスエンジニアのリアル

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はじめに

小さなチームが素早くサービスを開発し、大きなインパクトを狙う、そんな小規模スタートアップの働き方は、フリーランスエンジニアにとって多くの可能性を秘めています。開発者同士の距離が近く、新しい技術を積極的に取り入れたいと考えている企業が多いため、裁量の大きな仕事を任されるチャンスが豊富です。一方で資金調達の不確実性や、整備されていない運用体制などのリスクもあり、十分な注意が必要になります。ここでは、フリーランスエンジニアが小規模スタートアップの案件へ参画するときに得られるメリットと、押さえておきたい注意点を詳しく解説します。

小規模スタートアップ案件のメリット

参画しやすい流動性

即戦力として期待される

小規模スタートアップは組織規模が小さく、常に優秀なエンジニアを求めていますが、給与や福利厚生面で大企業と競合するのは容易ではありません。そのため、プロジェクトベースで柔軟に参画できるフリーランスを重宝するケースが増えています。即戦力を求めているので、実務経験や開発実績がしっかりしていればスピーディに採用されやすいです。面接や技術試験も比較的短期間で進む傾向にあり、他の案件より参画決定までが速いというメリットがあります。
さらに、新規プロダクトやサービスの立ち上げ段階であれば、アーキテクチャ設計や技術選定に大きく関与できるため、フリーランスが持つノウハウを大いに発揮しやすい環境といえます。大企業に比べて組織のルールが少なく、即断即決が求められるため、現場の声を直接開発に反映するスピード感を味わうことができるのです。

多様なプロジェクトの経験

小規模スタートアップではプロジェクトの規模がコンパクトなため、フリーランスエンジニアが幅広い領域を担当するチャンスに恵まれやすいです。フロントエンドからサーバーサイド、インフラ周り、さらにはデザインやUXを踏まえた実装まで、スキルの広がりが期待できます。大企業のように役割が細分化されていないので、一人ひとりの裁量が大きく、プロダクト全体を俯瞰しながら技術選定を行える点は大きな魅力です。
もちろん、そのぶん責任も重くなりますが、結果を出せば即座に評価されるのも小規模スタートアップ案件の特徴です。そうした実績はポートフォリオとして蓄積し、次の案件に繋げられるので、フリーランスとしてのキャリアアップに大いに役立ちます。

経営層との距離が近い

ビジネス面での成長可能性

小規模スタートアップでは、経営陣やCTOとの距離が非常に近いため、技術的な要求だけでなくビジネス戦略やマーケティングといった視点に触れられる機会が多いです。フリーランスエンジニアでも打ち合わせやブレストに参加し、サービスの方向性やユーザー要望を直接聞く場面に立ち会うことが珍しくありません。このような経験は、「単なるコーダー」にとどまらない価値を身につけるうえで非常に有益です。
たとえば、新機能の実装を検討する際、売上やユーザーエンゲージメントといった指標と照らし合わせて優先度を判断するプロセスを間近で見られるのは、エンジニアにとって大きな学びです。自分のコードがビジネスにどう寄与しているかを実感できるため、モチベーションも高まりやすく、結果的に高いパフォーマンスを発揮しやすいと言えるでしょう。

新しい技術への柔軟さ

小規模スタートアップは既存のレガシーシステムに縛られにくいため、最新のフレームワークやクラウドサービス、DevOpsツールなどを積極的に導入する傾向があります。フリーランスエンジニアとして最先端の技術スタックで開発を行い、実務経験を積めるのは大きなメリットです。自分の得意な技術を提案して採用されることも多く、技術選定に関わる面白さを味わえます。
また、素早い意思決定が行われるため、試作やPoC(概念実証)を積極的に実施し、うまくいかなかったらすぐに方針転換するなど、学習サイクルが高速で回る環境に身を置けるのも刺激的です。こうした失敗と成功を繰り返して実務経験を積むことは、フリーランスとして長期的にキャリアを伸ばす土台になるでしょう。

小規模スタートアップ案件の注意点

財務基盤の不透明性

キャッシュフローリスク

小規模スタートアップは資金調達直後であったり、自己資金で運営していたりと、財務基盤がまだ確立していないケースが少なくありません。短期的なトラブルや市場環境の変化で資金繰りが悪化すると、開発予算が削られたり、最悪の場合プロジェクトが突然ストップする可能性もあります。フリーランスエンジニアにとっては、契約継続が不確実になったり、報酬の支払いが遅れるリスクを考慮しなければなりません。
そのため、契約書を結ぶ段階で支払いサイトやキャンセル条件を明確にしておくことが重要です。特に小規模スタートアップとの直接契約では、エージェントを介さないぶんリスク管理が自分の責任になるため、慎重な交渉が不可欠です。

追加投資の不確定要素

スタートアップは定期的に資金調達を行い、ラウンドごとに評価額や投資家の意向が変わることがあります。シリーズAやBで思ったように資金が集まらなければ、プロジェクト全体が縮小される恐れもあるのです。フリーランスとしては、契約更新の時期が投資ラウンドや経営判断と重なると、突然契約終了の可能性がある点を認識しておきましょう。もし依存度が高い場合はリスクヘッジのために他の案件を並行して探すなどの戦略が必要です。

リソース不足と多岐にわたる業務

スキル外の仕事への対応

小規模スタートアップでは人手が限られているため、エンジニアリング以外の業務を頼まれる可能性があります。運用やサポート対応、ドキュメント作成やユーザートレーニングなど、想定外のタスクが降ってくることも珍しくありません。もしフロントエンドだけをやりたい、バックエンドだけに専念したいという希望がある場合には、契約前に役割分担を明確にしておかなければ、後で不満が生じるかもしれません。
一方で、フリーランスとして複数の役割をこなせると評価され、今後の案件獲得にもプラスになるでしょう。自分の得意分野を活かす一方、適度に対応可能な範囲の業務は柔軟に引き受ける姿勢を見せると、スタートアップからの信頼が厚くなります。

ドキュメントや運用体制の不備

スタートアップは製品開発に注力しがちで、コーディング規約やドキュメント整備、運用手順のマニュアル化などが追いついていないことが多いです。フリーランスエンジニアがプロジェクトに入った時点で、既存の仕様やコードを把握するのに苦労したり、運用面で手探り状態が続くリスクがあります。
この問題を解決するためには、着任初期の段階で自分から積極的に情報を引き出し、必要なドキュメントを整備するプロセスを提案すると良いでしょう。面倒ではありますが、そうした取り組みはプロジェクトの品質向上に直結し、自身の評判も高める効果があります。

実際の案件参画プロセス

案件の探し方と営業

SNSやコミュニティ、ハッカソン

小規模スタートアップの案件は必ずしもエージェントに登録されているとは限りません。代表やCTOがTwitterやLinkedIn、技術コミュニティなどでエンジニアを探していることもしばしばです。ハッカソンやピッチイベントに参加して直接話を聞き、興味を持ったらアプローチするのも有効です。こうした場では企業側もマッチングを狙っており、意外な大物スタートアップと繋がる可能性があります。

エージェントの利用価値

もちろんエージェントを通じて紹介を受ける方法もあり、手続きや契約面で安心感が高いのが利点です。大企業だけでなく、有望なスタートアップがエージェントと提携して募集をかけている場合もあるので、幅広い選択肢を確保したいなら並行して活用すると良いでしょう。ただし小規模スタートアップだと仲介手数料を負担できないケースもあり、直接契約の方がスムーズに進む場合もある点に留意しておきましょう。

交渉と契約

報酬モデルと株式報酬

スタートアップによっては、資金が潤沢でないかわりに株式やストックオプションを報酬の一部として提供するオファーを出してくるケースがあります。将来の上場や事業拡大によって株式価値が高まれば大きなリターンが見込める一方、失敗した場合は紙くずになるリスクがあります。フリーランスとしては、現金報酬と株式のバランスを慎重に検討し、自身のキャッシュフローに支障がない範囲で株式報酬を受け取るのが望ましいです。

契約期間と支払いサイト

小規模スタートアップの契約では、短期(3カ月〜6カ月)での契約更新が多く、プロジェクトの進捗や資金調達の結果次第で延長が決まることがよくあります。支払いサイトも30日〜60日程度と、エージェントを通す案件より多少長めになる場合があり、キャッシュフローを管理する必要があります。可能なら支払いサイトの短縮を交渉し、リスク分散のためにも複数の案件を並行または徐々に調整するなどの対策を講じましょう。

具体的なスキルセット

フルスタック志向

フロントからバックまでカバー

小規模スタートアップでは、エンジニアの頭数が少ないため、フロントエンド、バックエンド、インフラまで一貫して対応してほしいと期待されることが多いです。フリーランスエンジニアとしても、ReactやVue.jsといったモダンフロントエンドフレームワーク、Node.jsやPython、Rubyなどバックエンドの言語、そしてAWSやGCPなどのクラウド設定まで幅広くこなせると優位に立てます。もちろん全てを完璧にこなすのは難しいですが、最低限の知識を持っているだけでも案件獲得に大きく寄与するでしょう。

メンテナンス性とリファクタリング

急成長を狙うスタートアップでは、スピード重視でコードが書かれがちですが、後から保守しにくいスパゲッティコードになってしまうリスクも大きいです。フリーランスエンジニアが適切なコード規約やリファクタリング手法を導入し、継続的に改善できる体制を築くことで、長期的な技術負債を軽減する付加価値を提供できます。アーキテクチャやテスト戦略の提案に自信があれば、スタートアップとしても喜んで採用してくれるでしょう。

コミュニケーションと調整力

ステークホルダーとの対話

小規模スタートアップは代表やCTO、営業部門などが密接にコミュニケーションしており、エンジニアも直接ビジネスサイドから要望を受け取ることが多いです。このとき技術的な専門用語ばかり使ってしまうと相手が理解できず、逆にわかりやすく説明しすぎると本質が伝わらないなど、調整が難しい場合があります。フリーランスエンジニアとしては、非エンジニアの視点を踏まえたわかりやすい説明と、技術的要件を両立させるバランス感覚が必要です。

ミーティングのファシリテーション

特にリモートワーク中心のスタートアップでは、オンライン会議で素早く課題を洗い出し、タスクを振り分ける能力が求められます。フリーランスエンジニアがミーティングをファシリテートし、次のアクションアイテムを明確にして議事録を共有するといった形でリーダーシップを発揮できれば、チーム全体の作業効率やモチベーションが向上します。技術だけでなくコミュニケーション力を評価されることで、契約延長や信頼関係の強化に繋がりやすいです。

まとめ

小規模スタートアップ案件は、フリーランスエンジニアにとって裁量が大きく、最先端の技術導入や業務全体を俯瞰できるやりがいに満ちています。即戦力として重宝されるため、スピーディに参画が決まるケースも多く、幅広い領域を経験できるのはキャリアアップにもつながるでしょう。ただし、資金調達や運用体制が不安定な面もあり、報酬や契約安定性には注意が必要です。複数案件を見比べ、契約書で支払い条件を明確にする、マルチスキルで臨むなどリスクヘッジ策をとりながら取り組むことで、スタートアップ案件ならではの大きなリターンを得ることができるはずです。

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