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フリーランスエンジニアが狙うべきFirebase案件:スピード開発の需要と実態

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はじめに

Webやモバイルの開発サイクルが日々加速するなか、迅速にアプリを構築・運用し、グロースのスピードで勝負するスタートアップや中小規模の企業が増えています。こうした現場で人気を集めるのがFirebaseです。サーバーの構築や複雑なインフラ設定をほぼ意識せずに、バックエンド機能を素早く取り入れられるのが魅力で、フリーランスエンジニアとしても案件を見つけやすいジャンルのひとつとなっています。ここでは、Firebaseが求められる背景や実際の導入パターン、フリーランスとしての戦略を含めた総合的な情報を解説していきます。

Firebase案件が注目される背景

スピード開発が当たり前の時代

MVPとアジャイル文化

スタートアップを中心に、MVP(Minimum Viable Product)を素早く作り上げ、市場の反応を見ながら機能を追加・改善するアジャイル文化が定着しつつあります。事業アイデアを検証する段階では、クラウドインフラを本格的に構築するよりも、ある程度出来合いのサービスを活用して最低限の機能を迅速にリリースしたいと考える企業が多いです。Firebaseは認証やホスティング、データベース(Firestore・Realtime Database)などをワンストップで利用できるため、MVPを短期間で立ち上げるのに非常に相性が良いというわけです。

メンテナンス負荷の軽減

自社サーバーを運用する場合、セキュリティパッチの適用やOSのアップデート、ロードバランサーの設定など、多くのメンテ作業が発生します。クラウドサービスを使う場合でも、仮想マシンやコンテナの管理を自分たちで行う必要があれば、それなりのインフラ知識が必要です。FirebaseならインフラをほぼすべてGoogleが管理しているため、インフラ管理の手間が最小限に抑えられます。その時間をアプリの機能開発に集中させたい企業にとって、Firebaseは理想的な選択肢となります。

スマホアプリの需要拡大

バックエンド不要のBaaS(Backend as a Service)

モバイルアプリ開発においてFirebaseが注目される大きな理由の一つが、バックエンドを自前で作らなくてもユーザー認証やプッシュ通知、リアルタイムDBが簡単に使えるBaaSとして提供されている点です。iOS、Android問わずSDKが充実しており、ハイブリッドフレームワーク(FlutterやReact Native)でもスムーズに連携できます。フリーランスエンジニアがクライアントの小規模アプリをサクッと立ち上げたいときに、Firebaseの認証機能とクラウドメッセージング(FCM)などを組み合わせれば、最小構成でもユーザー管理や通知機能を実装できます。

リアルタイム同期とユーザー体験

SNSやチャットアプリなど、リアルタイム同期が重要なサービスの場合はRealtime DatabaseやFirestoreのリアルタイム更新機能が大きなアドバンテージです。サーバーサイドのWebSocket実装を自前で行うのは手間がかかりますが、Firebaseを使えば比較的簡単にリアルタイムコラボレーションやチャット機能を構築できます。UI/UXを向上させてユーザーを獲得したい企業にとっては、スピードを重視したフリーランスエンジニアがFirebaseを提案することが最適なケースも多いのです。

Firebaseが提供する主要サービス

認証(Authentication)

メールアドレス・SNSログイン

Firebase Authenticationは、メールアドレスとパスワードによる認証はもちろん、GoogleやFacebook、TwitterといったSNS認証をワンストップで扱える強力な機能です。フリーランスエンジニアがログイン機能を一から作るよりも、Firebase Authを使うほうが安全性が高く、実装スピードも格段に上がります。カスタマイズも可能で、UIライブラリの導入やカスタムトークンを活用すれば企業独自の要件にも対応可能です。

セキュリティルールの設定

Firebase Authenticationで認証されたユーザーのデータアクセスは、FirestoreやRealtime Databaseのセキュリティルールと連動する形で管理されます。たとえば、「ユーザー自身のデータにしか書き込みできない」「管理者ロールを持つユーザーだけが特定のコレクションにアクセスできる」などのルールを記述できるわけです。こうしたルール設定を正しく行うかどうかが、安全運用のカギとなるため、フリーランスエンジニアがセキュリティ面を熟知していると評価が高まるでしょう。

データベース(Firestore・Realtime Database)

Firestoreの特徴と使い分け

Firestore(Cloud Firestore)は、旧Realtime Databaseの機能を拡張・進化させたドキュメント志向のNoSQLデータベースです。クエリの柔軟さやコレクションの階層構造、トランザクションのサポートなど使いやすさが向上し、現在はFirebaseの主力DBとして位置づけられています。Realtime Databaseと異なりセキュリティルールやオフライン対応が洗練されており、大規模アプリでも扱いやすいのが魅力です。

リアルタイム更新の実装

Firestore、Realtime Databaseのいずれもリアルタイム更新に対応し、クライアントSDKでリスナーを登録しておくとデータが変更された瞬間にUIが反映されます。チャット機能や共同編集機能などを実装する際に非常に有用で、フリーランスエンジニアがこうしたリアルタイム機能をスピーディに取り入れることで、クライアントに高い付加価値を提供できます。開発スピードが速いだけでなく、可用性やスケーラビリティもGoogleのインフラが担保してくれる点が大きいです。

ホスティングとFunctions

SPAや静的サイトのホスティング

Firebase Hostingは、HTMLやCSS、JavaScriptといった静的ファイルから、Nuxt.jsやNext.jsなどのSPA/SSGビルド成果物を簡単にホスティングできるサービスです。独自ドメイン設定やSSL化も自動で行え、CDNを活用した高速配信も組み込まれています。フリーランスエンジニアが小〜中規模のWebアプリを素早く公開したい場合に非常に便利で、デフォルトでHTTPS対応なのもセキュリティ上安心です。

Functions (Cloud Functions for Firebase)

バックエンドのサーバーを用意しなくても、イベント駆動でNode.jsのコードを実行できるのがFirebase Functionsです。例えばユーザーがデータベースを書き込んだタイミングで追加処理を行ったり、HTTPトリガーや定期実行(cron)でバッチ処理を行ったりと、サーバーレスで自由度の高い開発が可能になります。フリーランスエンジニアが複雑な業務ロジックをFirebase Functionsで実装すれば、フルスタックに近い形でアプリを仕上げることができ、開発期間の短縮とコスト削減につながります。

フリーランスとしてFirebaseを扱うメリット

スピーディなプロトタイプ開発

MVP向きの機能

起業直後のスタートアップがよく採用する手法として、MVPを短期間で作成し市場で検証を行うという流れがあります。Firebaseは認証、DB、ホスティング、Functionsなど主要なバックエンド機能をワンストップで提供しており、サーバーサイドのコードを書かなくても最低限のAPIとデータ管理が実装可能です。フリーランスエンジニアがこうした利点を活かし、数週間程度でアプリを公開できれば、クライアントから重宝されることは言うまでもありません。

コード量の削減

Firebaseを利用することで、セッション管理やOAuth連携、データベースのCRUD処理などを極めて短いコード量で記述できます。これによりバグの発生リスクが下がり、レビューやメンテナンスの負担も減らせます。フリーランスが他案件と並行しながらでも、短期納期に対応しやすくなるメリットがあるため、請負案件を増やして売上を伸ばしたい人に適した選択肢となるでしょう。

運用コストと規模拡張

スケーラビリティをGoogleが担保

Firebaseが背後で動作するGoogle Cloudインフラは、世界規模の可用性とスケーラビリティを誇ります。アプリがバズって瞬間的にアクセスが急増しても、FirestoreやHosting、Functionsが自動的にスケールアップ/アウトしてくれるため、フリーランスとして運用負荷を過度に抱え込まなくても済みます。
大規模になると料金が上がることもあるのでクライアントと費用面を調整する必要はありますが、物理サーバーを新規調達するなどの手間を比較すれば圧倒的に楽です。

ハードウェア管理不要

オンプレサーバーやコンテナクラスタを自分で管理すると、セキュリティパッチの適用やOSアップデート、ログ監視、アプリケーション負荷に応じたスケール設定など多岐にわたる作業が発生します。Firebaseなら基本的にこれらをGoogle側が担っているため、フリーランスエンジニアはビジネスロジックやUI/UXの改善に注力できます。保守運用フェーズでもトラブルが起こりにくいので、長期契約で安定報酬を得られる可能性が高まります。

注意点とリスク

ベンダーロックイン

依存度が高い設計

Firebaseに大きく依存するアーキテクチャを作り込むと、後から他のクラウドに乗り換えたい際に移行コストが膨大になる問題が生じます。FirestoreやFunctionsのイベント駆動などFirebase独自の仕組みに寄せすぎると、アプリ全体のリファクタリングが必要になる可能性があります。フリーランスエンジニアとしては、「将来のデータ移行を見越した設計か」「ビジネス要件的にFirebase以外の代替案を検討すべきか」をクライアントと相談しながら判断する必要があるでしょう。

国内外のリージョン・規制

Firebaseのデータセンターは海外も含めていくつかのリージョンが選べますが、顧客情報や機密データを扱う際に、日本の個人情報保護法やGDPRなどとの兼ね合いをチェックする必要があります。どのリージョンにデータが置かれるのか、法的リスクはないのかを明確にし、クライアントに説明する力がフリーランスエンジニアには求められます。大手企業や公共系の案件では、セキュリティや法務の要件がさらに厳しくなる点に注意が必要です。

コスト管理と無料枠

無料枠を超えた際の費用急増

Firebaseには一定の無料利用枠がありますが、アプリが成長してトラフィックが増えると、読書きリクエストやストレージ使用量がすぐに無料枠を超えてしまう可能性があります。フリーランスエンジニアが料金を気にせず機能を実装した結果、突発的に請求額が高騰してクライアントとトラブルになる事例もあります。あらかじめUsage計画を立て、警告やモニタリングの仕組みを導入しておくことが大切です。

スケーリングは便利だが費用対効果の検討必須

スケーリングの自動化は一見便利な反面、トラフィック増加時にコストが跳ね上がるリスクも伴います。特にRealtime DatabaseやFirestoreで、大量の読み書きを何らかのバグで生んでしまうと、一晩で巨額の利用料を請求されかねません。フリーランスがこのリスクを想定し、クエリ設計を最適化したり、データ構造を正しく設計したりするアドバイスをするのが、プロとしての責務といえるでしょう。

学習アプローチとスキル向上

Firebase公式ドキュメントとサンプル

ステップバイステップのチュートリアル

Firebaseの公式サイトには各機能(Authentication、Firestore、Hostingなど)ごとにチュートリアルが掲載されています。初学者はこれらをプロジェクトベースで試し、自分のポートフォリオ的な小規模アプリを作ってみるのがよいでしょう。認証機能を持つ簡単なチャットやTodoアプリなどは典型的な入門例であり、実践的な経験を得るのに最適です。

CLIツールとローカルエミュレータ

Firebase CLIを使うと、FirestoreやFunctionsのエミュレータをローカル環境で起動でき、オンライン接続なしでも開発やテストが行えます。本番環境との切り替えが容易になるため、チーム開発や自動テストの導入がスムーズに進みます。フリーランスエンジニアとしては、エミュレータを使いこなしつつCI/CDと連携させるノウハウを持っていれば、開発効率をさらに高められるでしょう。

コミュニティとイベント参加

Firebase Summitなど

Googleが主催するFirebase Summitや各種勉強会で最新情報をキャッチアップするのはもちろん、他のエンジニアの成功事例や失敗談を聞く絶好の機会です。業務で触れていない機能(例えばML KitやTest Labなど)を学ぶことで提案の幅が広がり、クライアントに対してより総合的なソリューションを提供しやすくなります。

OSSプラグインやコミュニティライブラリへの貢献

Firebase関連のOSSやコミュニティが開発したプラグインなどは多数存在します。フリーランスがこれらにコントリビュートすれば、実名で活動実績を残すことができ、検索からの流入や企業への信頼感を高められます。また、特定のフレームワーク(React、Vue、Angularなど)とFirebaseを連携させるためのライブラリも充実しているため、そうしたコードベースを追って自分なりに改善提案するのも立派なアピールになります。

具体的案件成功例

スタートアップのMVP開発

機能要件とスピード重視

あるフリーランスエンジニアが携わった案件では、スタートアップがモバイルアプリのMVPを3週間でローンチする必要があり、バックエンドをFirebaseで一気に構築したそうです。Firebase AuthenticationでSNSログインを実装し、Firestoreでユーザーデータや投稿データを管理、HostingでWeb管理画面を公開。Functionsを使って定期タスクを実装するなど、サーバーレスな構成により事実上インフラを意識せずにアプリ開発に専念できました。

成果と拡張性

結果的に計画どおり3週間でアプリをリリースし、ユーザーが増えてもFirestoreがスケールしてくれたためサーバー増強の手間もなく対応できたとのことです。フリーランスエンジニアはプロジェクト後半でも追加機能やテストの最適化を支援し、ローンチ後も改修を継続受注できたといいます。Firebaseの限界を超えそうになった際にはCloud FunctionsやBigQueryなどの周辺サービスを組み合わせる道が残されており、拡張性においても問題が少なかったそうです。

既存サービスの一部切り出し

部分的にFirebase導入

別の事例では、大手企業の既存Webサービスにチャット機能を追加する際、サーバーサイドを改修するコストが高すぎるため、Firebaseを新規に導入する決断を下したといいます。フリーランスエンジニアがリアルタイム更新や通知関連のみをFirebaseで担当し、ユーザー認証は既存アプリのOAuthトークンをカスタムトークンに変換してFirebase Authenticationと連携。チャットメッセージはRealtime Databaseに保管する形を取りました。

スムーズなリリースと評価

本来ならサーバーサイドのMVCフレームワークを大改修するところを、Firebaseの追加導入により工数を大幅に削減できたそうです。クライアント実装もJavascript SDKを取り入れるだけで済み、既存のフロントエンドにチャットウィンドウを自然に組み込めたとのこと。最終的にユーザーからは「スムーズに動く新機能」として評判が良く、フリーランスエンジニアは他の新規機能にも呼ばれる形で継続契約を得られたと報告されています。

まとめ

Firebaseは、認証やデータベース、ホスティング、Functionsなどを一体化したBaaSとして、スピーディにアプリを開発したい企業にとって非常に魅力的な選択肢です。インフラ管理の手間を最小化できるだけでなく、リアルタイム更新やセキュアな認証といった機能を標準装備しており、フリーランスエンジニアが短期間で高品質なMVPや本格サービスを立ち上げやすい点が特長となっています。
一方、ベンダーロックインやコスト管理といったリスクを踏まえたうえで、適切な設計やモニタリング体制を整えることが不可欠です。フリーランスとしては、単純な機能実装にとどまらず、セキュリティやコスト、拡張性まで含めてアドバイスできると評価が高まり、案件獲得と報酬アップを実現しやすくなるでしょう。実際のプロジェクトではUI/UXやバックエンド連携、DevOpsとの組み合わせなど総合力が試されるため、継続的な学習とコミュニティ参加を通じてスキルを磨いていくことが成功への近道です。

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