プログラマーの3Kとは?一般的な仕事の3Kとの違いや3Kと言われる理由を解説
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目次
はじめに
プログラマーの仕事は一見華やかなイメージがありますが、その裏には「3K」と呼ばれる厳しい現実が存在します。
本記事では、プログラマーにおける「3K」とは何か、そして一般的な仕事での「3K」との違いを詳しく解説します。
また、プログラマーが3Kと呼ばれる理由や、その現状についても掘り下げていきます。
<この記事を読むメリット>
- プログラマーの仕事に潜む厳しさとその理由が理解できる
- プログラマーの3Kを避けるための具体的な方法が分かる
- 求人情報をチェックする際のポイントが明確になる
プログラマーとしてのキャリアを考えている方や、現在の職場に不安を感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。
一般的な仕事とプログラマーの3Kの違い
一般的な職業の3K(きつい・汚い・危険) | プログラマーの3K(きつい・帰れない・給料が安い) |
きつい:肉体的な負担が大きく、長時間の労働や厳しい作業環境で働くこと。(例:建設作業、運搬業務など) | きつい:精神的な負担が大きく、長時間のコーディングやバグ修正、急な仕様変更に対応する必要がある。 |
汚い:不衛生な環境での作業が求められること。(例:清掃業、工場作業など) | 帰れない:プロジェクトの締め切りに追われ、残業や徹夜が増えることで「帰れない」状況になることがある。 |
危険:事故や怪我のリスクが高い仕事。(例:建設業、土木作業など) | 給料が安い:労働時間や労力に対して給料が見合わないと感じることが多い。特に若手や経験の浅いプログラマーに多い。 |
一昔前までは、結婚相手に求める条件として「3高」、つまり「高身長・高収入・高学歴」などの括りがありました。
日本人はこういった共通認識が大好きなので、どんなことでも3〇と一括りにしてしまいがちです。
そのため、プログラマーや一般的な仕事にも「3K」と呼ばれる共通認識が存在します。
それぞれの職種のネガティブな側面を一括りにしたものですが、現状を認識するには知っておいた方がよいかもしれません。
そこで以下では、一般的な仕事とプログラマーの「3K」についてご紹介します。
一般的な仕事の3Kとは
一般的な仕事の「3K」とは、主に以下の3つを指します。(※「3K労働」ともいわれる)
- きつい
- 汚い
- 危険
これは主に、一般的な労働者が敬遠しがちな仕事の特徴をまとめたものです。
以下で詳しくみていきましょう。
きつい
一般的な仕事の「3K」の内の一つが「きつい」です。
これは主に体力的な負担の大きい職種のことを指しています。
例えば、建設作業員や運搬業務では重い物を持ち運ぶ必要があり、日々の労働が身体に大きな負担をかけます。
また、長時間にわたる立ち仕事や屋外での作業が多く、天候に左右されることもあるため、疲労が蓄積しやすいです。
このような職場では体力が求められるだけでなく、持久力やストレス耐性も必要とされるため、多くの人にとって「きつい」仕事と感じられることが多いようです。
汚い
一般的な仕事の「3K」の内のもう一つが「汚い」です。
これは、不衛生な環境での作業や汚れやすい状況で働く職業を指します。
例えば、清掃員やごみ収集作業員は日常的にゴミや汚物に触れることが多く、その作業内容が「汚い」とイメージされがちです。
また、工場での作業や農業などでは油や泥、化学物質などを扱うため、身体や衣服が汚れることが避けられません。
このような職場では衛生管理が難しく、常に汚れと隣り合わせの環境で働くことになるため、多くの人が「汚い」と感じているようです。
危険
一般的な仕事の「3K」の最後の一つが「危険」です。
これは、事故や怪我のリスクが高い職業を指します。
例えば、建設業や土木作業員は高所での作業や重機の使用が日常的に行われるため、落下事故や重機による事故のリスクもゼロではありません。
また、工場労働者も機械の操作ミスや設備の不具合による事故が発生する可能性があり、これらの職業では常に注意を払う必要があります。
このように、仕事中に生命や身体の安全が脅やかされる可能性があることから、これらの職種は「危険」とされ、3Kの一つとして挙げられるのです。
プログラマーにおける3Kとは
プログラマーの仕事における「3K」とは、主に以下の3つを指します。
- きつい
- 帰れない
- 給料が安い
これは主に、プログラマーの仕事の厳しさをまとめたものです。
以下で詳しくみていきましょう。
きつい
プログラマーの「3K」の一つが「きつい」です。
これは、プログラマーの仕事が常に高い集中力と持続力を求められることに起因します。
プログラマーは、プロジェクトの締め切りや急な仕様変更に対応するため、長時間にわたってコードを書き続けることが多いです。
また、技術の進化が早く、常に新しいスキルや知識を学び続けなければならないため、精神的な負担も大きくなります。
さらに、バグ修正やテスト作業が予想以上に時間を要することもあり、結果として「きつい」と感じることが多い職業です。
帰れない
次に、プログラマーの「3K」の二つ目が「帰れない」です。
プログラマーは納期が迫ると終電まで働くことが珍しくなく、場合によっては会社に泊まり込むことも少なくありません。
特に、プロジェクトの最終段階や急な仕様変更が発生した場合、残業や休日出勤が増え、帰れない状況に陥ることもよくあります。
しかし、データを見ると、プログラマーの残業時間は他の職種と比べて特別に多いわけではありません。
給料が安い
プログラマーの「3K」の最後の“K”は「給料が安い」です。
プログラマーの給料は平均年収として見れば、他の職種と比べて低いわけではありませんが、特に若手や経験の浅いプログラマーは、労働時間や労力に見合わないと感じることが多いです。
また、スキルや経験、勤務する企業によって給料に大きな差が生じるため、同じ仕事をしていても収入に対する不満を感じる人が多いです。
このような状況が「給料が安い」というイメージを強めています。
プログラマーが3Kと言われる理由は?
このように、プログラマーの「3K」は決してポジティブな印象を与えるものではありません。
ではなぜ、プログラマーは3Kと言われるようになったのでしょうか?
ここからは、もう少し深掘りしてプログラマーの3Kについて解説します。
仕事内容の過酷さ
プログラマーが3Kと呼ばれる理由の一つは、その仕事内容の過酷さです。
プログラマーの仕事は、常に高い集中力と持続力を維持し続けなければなりません。
コードを書き続けるだけでなく、バグ修正やシステムのテストを何度も繰り返し行う必要があります。
また、技術の進化が速いため、常に最新の技術を学び続けなければならないというプレッシャーもあります。
これらの要素が組み合わさり、プログラマーの仕事は非常に精神的な負担が大きいとされているのです。
繁忙期は忙しい
プログラマーの仕事は、プロジェクトの進行状況によって忙しさが大きく変動します。
特に、納期が迫った繁忙期には仕事量が急激に増加し、長時間の残業や徹夜作業が避けられないことが多いです。
バグの発見や仕様変更が発生するとさらなる作業工程が追加されるため、スケジュールが過密になることもしばしばです。
このように、繁忙期の忙しさはプログラマーにとって大きな負担となっています。
クライアントの都合に振り回される
プログラマーは、クライアントの要望に応じてシステムやアプリケーションを開発しますが、その要望が急に変更されることが多々あります。
例えば、仕様が途中で変更されたり、新たな機能の追加が要求されたりすることがあり、そのたびにスケジュールや計画が大きく影響を受けます。
このように、クライアントの都合に振り回されることが多いため、プログラマーの仕事は予測が難しく、精神的なストレスが大きくなります。
長時間労働の実態
プログラマーが3Kと呼ばれる理由の一つに「長時間労働」が挙げられます。
プログラマーの仕事は、プロジェクトの進行状況やクライアントの要望に大きく左右されるため、納期が迫っている場合や急な仕様変更が発生した場合、長時間の残業や休日出勤が避けられないことが多いです。
しかしながら、その他の職業でもクライアントの要望の変化によって長時間労働を強いられることは少なくありません。
では果たして、本当にプログラマーは長時間労働と言えるのでしょうか?
他職種と比べると残業時間は多くない?
統計データを見ると、プログラマーの平均残業時間は他職種と比べて特別多いわけではありません。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によれば、プログラマーの月平均残業時間(超過実労働時間数)は約13時間とされており、これは1日あたり約0.8時間の残業に相当します。
全職種の平均残業時間が約13.4時間なので、プログラマーの残業時間は突出して高いわけではありません。
ただし、残業が少ない職場も存在する一方で、納期が近づくと長時間労働が常態化する職場も多く、職場やプロジェクトによって実態は大きく異なります。
給与の現状
先述したように、プログラマーの3Kの一つは「給料が安い」です。
確かに、日本は文系職の比率が比較的高い国なので、プログラマーのような理系職は以前から給料が不当に低いと指摘されてきました。
事実、アメリカやスイスなどの一部先進国と比較すると、日本のエンジニアは半分程度の水準になっています。
しかしながら、現在は円安がかなり進行しているので、一概に世界各国と平均年収を比較することはできません。
では、日本での他職種の平均年収とプログラマーの平均年収を比較してみるとどうなるでしょうか?
プログラマーの年収は日本の平均年収よりも高い
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、現在の日本人労働者の平均年収は約443万円です。
一方で、プログラマーの平均年収は約558万円とされており、全体の平均年収よりも約115万円高いことがわかります。
このことから、プログラマーは他の職種と比較して「給料が低い」とはいえません。
むしろ、プログラマーは高度な技術と知識が求められるため、相応の報酬が与えられているといえます。
平均年収は企業によって大きく異なる
ただし、プログラマーの平均年収は勤務先の企業規模や業種によって大きく異なる点には注意が必要です。
例えば、大企業に勤めるプログラマーの平均年収は中小企業よりも高い傾向があります。
具体的には、従業員が1,000人以上の企業では平均年収が約598万円に達する一方、従業員が10〜99人規模の企業では平均年収が約512万円にとどまります。
このように、企業の規模や業種がプログラマーの年収に大きな影響を与えているので、安定した高収入を目指すのなら、やはり大企業で働くのが一番と言えるかもしれません。
プログラマーが3Kと思われるのはなぜ?
ここまで解説してきたように、プログラマーの「3K」は現状とは少しかけ離れている点が目立ちます。
ではどうして、プログラマーに3Kのようなネガティブなイメージがついてしまったのでしょうか?
ここからは、プログラマーに3Kのイメージが定着してしまった理由を解説します。
離職率が高いというイメージが強い
プログラマーに3Kのイメージが定着してしまった理由の一つに、離職率が高いというイメージが根強いことが挙げられます。
しかし、実際のデータを見るとこれは必ずしも正しいとは言えません。
令和5年上半期の情報通信業における離職率は6.9%であり、産業全体の離職率である8.7%よりも低いです。
また、同じ期間の入職率は7.3%で離職率を上回っています。
つまり、情報通信業界では離職する人よりも新たに入職する人が多く、離職率が特別高いわけではありません。
それにもかかわらず、過去の過酷な労働環境や不安定な就労条件が原因で、離職率が高いというイメージがいまだに根強く残っているのです。
下請け企業の給与が低い
プログラマーが3Kと呼ばれるもう一つの理由は、特に下請け企業やSES(システムエンジニアリングサービス)企業で働くプログラマーの給与が低いという現実です。
SES企業では派遣契約で働くことが多く、給与水準が低く抑えられる傾向があります。
さらに、派遣先の変更やプロジェクト終了後の不安定な雇用状況が、給与の不満や将来への不安を増幅させています。
このような背景も、プログラマーの仕事に対する3Kイメージが拭いきれない理由の一つです。
スキルを学ぶのが大変
プログラマーの仕事は、常に新しい技術やスキルを学び続けなければならないというプレッシャーが伴います。
IT業界は技術の進化が早いため、最新のプログラミング言語やツール、フレームワークを習得し続ける必要があります。
この継続的な学習の必要性は、特に時間やリソースが限られている中小企業で働くプログラマーにとっては大きな負担となりがちです。
この負担感も、プログラマーの仕事が3Kと見なされる要因の一つでしょう。
プログラマーが3Kの職場を避けるための方法
ここまで解説してきたように、プログラマーに対する3Kイメージのほとんどは、ごく一部を切り取って過度に誇張したものにすぎません。
しかしながら、日本のIT業界というのは多重請負構造が原因で、いわゆる「ブラック企業」が数多く存在するのも事実です。
近年ではそういった企業の数はかなり減りましたが、できればそういった企業で働きたくないというのが本音かと思います。
では、3Kの職場を避ける方法はあるのでしょうか?
ここでは、プログラマーが3Kの職場を避けるための方法を紹介します。
下請け企業は避ける
プログラマーが3Kの職場を避けるための最初の方法は、下請け企業、特に多重請負構造に巻き込まれている企業を避けることです。
多重請負構造ではプロジェクトが複数の下請け企業に分割されるため、プログラマーが働く環境や条件が悪化しやすいです。
このような構造では、仕事が直接受注された企業からさらに下請けや孫請けに分配されるため、労働者への負担が増加し、給与や労働条件が低下する傾向にあります。
こうした企業を避けるためには、求人情報で企業の役割や契約形態を確認し、可能であれば一次請けの企業や直接雇用されるポジションを選ぶことが重要です。
企業の評判や離職率を確認する
企業の評判や離職率を確認することも、3K職場を避けるための有効な手段です。
特に、離職率が高い企業は3Kの環境である可能性が高い傾向にあります。
離職率の確認方法としては、企業の公式発表や労働組合の報告書、または企業説明会で直接尋ねるのも一つの手です。
また、厚生労働省が公開している「雇用動向調査結果」などの公的なデータも参考にするとよいでしょう。
求人情報をしっかりチェックする
求人情報を注意深くチェックすることも、3K職場を避けるために不可欠です。
特に、IT企業が一般労働者派遣事業許可を持っている場合、その企業がSES(システムエンジニアリングサービス)事業を展開している可能性が高いです。
SES事業ではプログラマーが他の企業に派遣され、短期間の契約で働くことが多いため、労働環境の安定性に欠ける場合があります。
そのため、雇用形態や契約条件をしっかり確認するようにしましょう。
面接で気になる点を質問する
面接で気になる点を積極的に質問することも、3K職場を避けるためには重要です。
具体的には、「どのようなプロジェクトに携わるのか」「残業時間はどのくらいか」「給与や昇進の仕組みはどうなっているのか」などを質問しましょう。
面接の場でこういった質問をすると気まずい空気になるかもしれませんが、入社後に3K労働環境が発覚してすぐに退社するよりは双方にとってメリットです。
また、現在の日本のIT業界というのは深刻な人材不足に悩まされているので、実力さえあれば転職は比較的容易です。
ただし、面接の最初にこのような質問をしてしまっては人間性を疑われかねませんので、質疑応答の時間に尋ねましょう。
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フリーランス向けのクラウドソーシングサービスを展開しているランサーズ株式会社の調査によると、フリーランスの数は2021年時点で労働人口の約22.8%を占めています。
年々フリーランスになる人の数も右肩上がりで増え続けているので、プログラマーの2人に1人はフリーランスという時代も到来するかもしれません。
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まとめ
本記事では、プログラマーにおける「3K」と一般的な仕事の「3K」の違いや、なぜプログラマーの仕事が3Kと呼ばれるのか、その理由について詳しく解説しました。
プログラマーの仕事は、繁忙期やクライアントの都合に左右されやすく、給与や労働環境に不安を感じることも少なくありません。
しかし、これらの課題を乗り越えることで、プログラマーとしてのキャリアをより充実させることが可能です。
今後もIT業界の発展とともに、プログラマーの仕事に対する認識や労働環境は変わっていくでしょう。
特に、技術の進化や働き方改革が進む中で、3Kとされる職場環境が改善されることが期待されます。
より良い働き方を見つけ、プログラマーとしての成長と成功を目指してください。
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それでは、また別の記事でお会いしましょう。今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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