個人アプリ開発からフリーランスエンジニアへ!副業から本業にするポイント

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目次
はじめに
アプリ開発のハードルが下がり、スマートフォンやタブレット向けの個人アプリを制作・公開するエンジニアが増えています。趣味や副業の延長として開発を始め、ユーザーからの反応が予想以上に良かったり、広告収益などの収入が生まれたりすると、「いっそフリーランスエンジニアとして本格的に活動したい」と考える人も少なくありません。しかし、いきなり本業を辞めて独立するのはリスクが伴うものです。ここでは、副業で培った個人アプリ開発スキルを活かし、どのようにフリーランスとして安定収入を得るまでに至るか、その戦略や心構えを詳しく解説していきます。単にコードを書く技術だけでなく、案件獲得の営業力や継続的な学習姿勢など、総合的なスキルが求められるのがフリーランスエンジニアの現実です。後悔しないキャリア選択のためにも、本記事を通じてポイントをしっかり押さえていただければ幸いです。
個人アプリ開発からフリーランスになる背景
副業としてのアプリ開発の魅力
スマートフォンが当たり前の世の中、アプリを使わない日はないという人も多いでしょう。そんな市場において、個人が趣味や副業の一環で作ったアプリが大きな反響を得たり、広告収入や有料版アップグレードによる収益が得られたりする事例が増えています。もともと仕事とは別の形でスキルを磨きながら開発を続けてきた人が、ある程度の成功を掴んだのをきっかけに「このまま独立してやっていけるのではないか」と考えるのは自然な流れです。
多くの場合、個人アプリ開発者は企業勤めのエンジニアや学生、さらにはITとは関係のない本業を持つ人まで幅広く存在します。副業としてアプリ開発を行う魅力は、以下のような点にあります。
完成したアプリがストアで公開され、多くのユーザーに使われる喜びを味わえる。
広告収益や有料課金によって、本業以外の収入源が得られる可能性がある。
本業で使わない技術やデザイン、マーケティングなど、アプリ開発を通じて多彩なスキルが身に付く。
これらの要素が合わさり、副業アプリ開発で成果を出せた人は「もっと自由に、自分の制作物を世に広めたい」と感じるものです。そして最終的には、自分の力で稼ぐフリーランスエンジニアとしての道を視野に入れることになります。
アプリを育てる醍醐味
副業でアプリを作る場合、リリース直後に爆発的なダウンロード数を記録する例は多くはありません。むしろ少しずつフィードバックを集めながらアップデートを重ね、ユーザーの要望や自分のアイデアを反映して成長させていく過程にこそ、開発者としての喜びが詰まっています。そのアプリが安定して収益を生むようになれば、本業を続けながらでも生活やモチベーションに大きな変化をもたらすでしょう。
この「育てる」過程で、バグ対応や新機能追加、デザイン改善、さらには課金や広告配置の最適化など、エンジニアとしてだけではなくプロダクトオーナー的な視点も身につきます。こうした経験はフリーランスとして独立する際、クライアントに提供できる付加価値になります。単なるプログラミング作業ではなく、企画段階やマーケティング面でも貢献できる人材は重宝されるのです。
副業から本業に移行するメリット
副業として始めた個人アプリ開発を、フリーランスエンジニアとして本業に移行することには大きなメリットがあります。企業や組織の制約に縛られず、好きな技術を使って仕事を選べる自由は何にも代えがたい価値があります。さらに、自分でタイムマネジメントを行い、稼働日数やプロジェクト内容を調整できるため、家族との時間や趣味、他の事業へのチャレンジなどを両立しやすいという利点も見逃せません。
加えて、会社員としての給料は勤続年数や企業の業績に左右されがちですが、フリーランスなら自らの努力やスキルで収益を大きく伸ばす可能性があります。特にアプリ開発の実績があれば、他の企業が運営するモバイルサービスの受託開発などで高単価を狙えるかもしれません。もっとも、こうした自由と高収入の裏には、不安定さや自己責任のリスクがある点を忘れてはなりません。
好きな分野で勝負できる
フリーランスエンジニアとして働く際、好きな言語やフレームワークで勝負できるのは大きな魅力です。本業の会社員であれば、プロジェクトや会社の方針で技術スタックが決まってしまい、自分の得意分野を伸ばしにくいことも多いでしょう。一方、個人アプリの実績があれば、その技術スタックを自分の強みとしてアピールし、案件を獲得しやすくなります。同じ技術を使いたい企業やスタートアップから、声がかかる可能性も高まるのです。
副業から本業にするための準備
リスクと収入源の確保
副業を本業に切り替えるには、いくつものリスク要因を事前に検討しておく必要があります。会社員であれば安定収入や社会保険が保障されていますが、フリーランスになると収入が途切れたり、案件獲得が難航したりすると、生活への影響が大きいです。そのため、貯蓄や他の収入源を確保しておくことがポイントになります。
独立直後は大きな案件が取れなくても、個人アプリからの収益が多少あると心強いです。アプリの広告収入や課金モデルを整備したり、関連するサービスを複数作ったりして、パッシブインカムを育てておくのも一つの方法でしょう。少なくとも、生活費を数カ月分カバーできるだけの蓄えを用意しておけば、焦って安売りしたり、条件の悪い案件を引き受けたりするリスクを減らせます。
生活コストの見直し
独立後に収入が不安定な時期が来ても生活を維持できるよう、住居費や保険、通信費など固定コストを見直すのも大切です。たとえば会社員向けに用意されていた社宅や福利厚生が使えなくなる場合、同じ生活レベルを続けると出費が増えるかもしれません。フリーランスになってリモートワーク中心のスタイルに移行するなら、通勤費用を削減できる一方で自宅の光熱費が増えるなどプラスマイナスがあるため、家計全体を再設計する必要があります。
スキルセットとポートフォリオの整備
副業アプリ開発が軌道に乗っていても、フリーランスとして継続的に案件を得るにはさまざまなスキルが求められます。技術スタックを広げる、または特定の領域で専門性を極めることはもちろんですが、契約交渉や提案書の作り方、プロジェクト管理、クライアントとのコミュニケーションなど、ビジネス面の能力も不可欠です。
ポートフォリオサイト
個人アプリ開発で培った成果を形として示すため、ポートフォリオサイトを整備しましょう。画面キャプチャやユーザー数の推移、実装した機能の解説などを載せておくと、クライアントに実力をアピールしやすくなります。またGitHubなどで公開できる部分があれば、コードの品質やプログラミングスタイルを見てもらうことも可能です。さらに、アプリ開発以外の開発案件やデザイン実績があれば併せて掲載し、自分の多彩なスキルを提示すると案件の幅が広がります。
フリーランスとしてのマインドセット
会社員とフリーランスでは働き方や責任範囲が大きく違うため、マインドセットを切り替えることが求められます。納期や予算、契約内容などはすべて自己責任で管理する必要があり、トラブルが起きた際には自分で対処しなければなりません。さらには、交渉力や営業力がなければ適切な報酬を得られないこともあり、技術力だけではカバーしきれない要素が多いです。
自分が経営者
フリーランスは個人事業主としての立場であり、言い換えれば自分自身が経営者になります。技術的な問題だけでなく、請求書の発行や確定申告、社会保険などの手続きをすべて自分でやらなければなりません。場合によっては税理士や社労士などの専門家に依頼してマネジメントコストを下げることも検討すべきでしょう。これらを「面倒だから」と放置すると、後々大きなトラブルにつながる可能性があります。
個人アプリの展開から本業化へのステップ
収益モデルを確立する
個人アプリを副業から本業にするには、安定した収益モデルが必要です。無料アプリに広告を載せるだけでもある程度の収入は得られますが、ユーザー数や広告単価の変動が激しく、安定性には欠けるかもしれません。一方、有料アプリやサブスクリプションモデル、アプリ内課金など、ユーザーに直接料金を支払ってもらう形態を取り入れると収益基盤が強化されます。ただし、ユーザーが課金するだけの価値や利便性をアプリに持たせるためには、サービス企画やマーケティングに力を入れる必要があります。
課金体系の見直し
最初は広告収益を狙っていたアプリでも、ユーザーコミュニティが形成されていけば新機能の有料化を検討するタイミングが訪れます。たとえば、基本機能は無料で使えるが高度な機能や追加コンテンツは有料というフリーミアムモデルを導入することも多いです。副業の段階で収益化に成功したのであれば、その延長で本業として運営しながら機能拡張し、さらに売上を伸ばすことが可能かもしれません。
アプリのマーケティング
アプリをリリースすれば必ずユーザーが集まるわけではなく、適切なマーケティング施策が欠かせません。キーワードやアイコン、スクリーンショットを最適化するASO(App Store Optimization)や、SNSでの口コミ拡散、プレスリリースの配信など、多角的なアプローチを行うことでダウンロード数やユーザー定着率を向上させます。フリーランスとしての本業化を考えるなら、マーケティングの基礎を身につけることでアプリの収益が安定しやすくなるだけでなく、クライアント案件でも提案力を発揮できます。
データ分析と改善
アプリの利用データやアクセスログを分析し、ユーザーがどの画面で離脱しているか、どの機能を最も使っているかを把握することは改善に直結します。個人アプリ開発と侮らず、Google Analytics for Firebaseなどの解析ツールを活用して、数値に基づいたUI/UXの改善を重ねると、アプリの評価が上がって収益向上や口コミ拡散につながりやすいです。こうしたデータドリブンな手法は、フリーランスのクライアント案件でも重宝される知識になります。
クラウドファンディングやスポンサーシップ
個人アプリを副業から本業に移行する過程で、開発資金やマーケティング費用が足りないと感じたら、クラウドファンディングを活用する手もあります。ユーザーやファンから直接支援を受けて新機能を開発したり、海外へのプロモーションを展開したりと、資金があれば実現できる施策は広がります。スポンサーやパートナー企業を募る方法もあり、個人の枠を超えて事業として成立させるまでのステップを踏むチャンスとなるでしょう。
リワード設計
クラウドファンディングに成功するには、支援者へのリワードを魅力的に設計する必要があります。たとえば、有料機能の永久利用権や個別サポート、アプリ内のクレジット表記などを設定するケースもあります。フリーランスとして企業案件ばかりをこなすのではなく、自分のプロダクトを持ち事業化を目指すなら、こうしたファン作りや資金調達の手腕も学んでおくと役に立ちます。
フリーランスエンジニアとしての案件獲得方法
直請けかエージェントか
フリーランスエンジニアの案件獲得には、大きく分けて「直接企業と契約する」直請けか、「仲介業者(エージェント)を利用する」パターンがあります。直請けの場合、報酬から仲介手数料が差し引かれないため収益性が高い反面、営業や契約交渉、報酬未払いリスクの管理などを自己責任で行う必要があります。エージェントを活用すれば比較的スムーズに案件が見つかるうえ、報酬や契約面でのサポートも期待できますが、手数料が差し引かれるため実質的な収入は減少する可能性があるでしょう。
自分の強みを整理
直請けを狙うにしても、エージェントを利用するにしても、自分の強みや得意分野をはっきりさせないと案件が見つかりにくいです。個人アプリ開発の経験はもちろん、バックエンド開発やUI/UXデザイン、機械学習の知識など、どこにプラスアルファの価値があるのかを明確に示すことで企業の興味を引けます。「幅広く何でもできます」よりも「モバイルアプリのUI最適化に強い」「Androidネイティブのパフォーマンスチューニングが得意」など具体性を持たせることが重要です。
SNSとコミュニティ
SNSを活用して自分の開発状況や技術的トピックを発信することで、思わぬところから案件が舞い込むことがあります。エンジニア向けのコミュニティや勉強会で登壇するのも効果的で、自身の技術力や人柄を直接見てもらえれば信頼が生まれやすいです。
GitHubやQiita
GitHubでオープンソースに貢献したり、自作ライブラリを公開する人も増えています。企業がエンジニアを探す際にGitHubの活動履歴をチェックすることが珍しくなく、活発なリポジトリを持っている人ほど「ちゃんとしたコードが書ける」と評価されやすいです。Qiitaなど技術ブログのプラットフォームで記事を投稿し、検索で見つけてもらう方法もあります。個人アプリ開発のメイキングやテクニカルなノウハウを書くと、多くのエンジニアや企業担当者の目に留まる可能性が高いでしょう。
個人アプリとクライアント案件の両立
時間管理とタスク整理
フリーランスとして独立後、個人アプリの更新や新機能開発を続けるのか、クライアントワークをメインにするのか、バランスを取るのはなかなか難しい課題です。クライアント案件に集中しているうちに、自分のアプリがおろそかになってユーザー離れが進む可能性もあります。逆に、自分のアプリに没頭してクライアントの納期を遅らせると信用を失ってしまうでしょう。効果的な時間管理ツールやタスク整理のメソッドを活用し、定期的な進捗チェックを欠かさない習慣をつけることが成功への鍵です。
スプリント方式
アジャイル的な考え方を取り入れ、1〜2週間単位のスプリントを設定してタスクを計画・実行・振り返りする方法は、個人や小規模チームでも有効です。自分のアプリ開発とクライアント案件を分けてスプリント計画を立て、それぞれに目標とタスクを設定しておけば、どちらか一方が滞ってもすぐに気付けますし、調整がしやすくなります。
継続的リリースの仕組み
クライアント案件をメインにしたとしても、個人アプリのユーザーを維持するには定期的なアップデートが不可欠です。自動テストやCI/CDパイプラインを構築しておけば、短時間で新機能をリリースしやすくなり、ユーザーに飽きさせない運用が可能になります。フリーランスエンジニアが個人でCI/CDを回している事例は多く、クラウド上の無料または低コストのサービスを活用すれば、複雑なサーバー構築をしなくても導入できる点が魅力です。
事前の告知とベータテスト
ユーザーコミュニティを巻き込んでベータテストを行い、フィードバックを受け取りつつアプリを磨き上げるというサイクルは、個人開発であっても非常に効果的です。大型アップデートの前にはSNSやプッシュ通知などで告知し、ユーザーの期待を高めておけばリリース後の評価が集まりやすいです。クライアント案件との両立が忙しい時期でも、こうしたコミュニケーションを怠らなければユーザーとの関係を保ち、アプリの成長ペースを維持できるでしょう。
スキルアップと自己投資
新たなフレームワークの学習
モバイルアプリの世界は、ネイティブ開発(iOS・Swift、Android・Kotlin)に加えてReact NativeやFlutterなどのクロスプラットフォームフレームワーク、さらにはUnityによるゲーム開発など、さまざまな選択肢があります。フリーランスとして活躍の場を広げたいなら、1〜2種類のフレームワークに深く精通するのはもちろん、周辺ツールへの興味を持ち、少しずつ対応範囲を拡大していくとアプローチ可能な案件の幅が広がります。
FlutterやReact Native
FlutterはGoogleが開発を主導しており、高速なレンダリングやホットリロード機能で注目を集めています。特にスタートアップやモバイルゲーム感覚のUIを実装したい場合に好まれることが多いです。React NativeはJavaScriptベースであり、Webフロントエンドの知識があるエンジニアには比較的導入が容易といえます。副業時代にこれらのフレームワークを使ったアプリを作っておけば、フリーランス本業化後にReact Native案件やFlutter案件が来ても対応しやすいでしょう。
デザインやUXへの配慮
アプリ開発はコードだけでなく、UIやユーザー体験にも大きく関わるため、デザインへの理解があるエンジニアは強みを発揮できます。基本的なUI原則や色彩感覚、タイポグラフィなどを学習し、操作感や視認性に優れた画面を作れるようになれば、企業が雇ったデザイナーと円滑にやりとりできるだけでなく、個人アプリでのユーザー満足度も向上するでしょう。フリーランスエンジニアとして、デザイン面まで踏み込んだ提案を行えるなら報酬アップにつながる可能性があります。
ユーザビリティテスト
デザインを磨き上げるには、ユーザビリティテストを実施し、ユーザーがどこでつまずくか、どの画面が分かりにくいかを定量・定性的に把握することが効果的です。アプリ内にアナリティクスを導入し、画面遷移やタップ数を可視化するといった手法を用いれば、フリーランスでも本格的なUX改善が行えます。この経験をクライアントワークで生かせば、技術だけでなくユーザー視点の統合的なコンサルティングが可能となり、高い評価を得られるでしょう。
海外市場へのアプローチ
多言語対応と海外ストア
個人アプリを多言語化して海外のApp StoreやGoogle Playにリリースすると、日本国内だけでなく世界中のユーザーにアクセスできます。英語や中国語などメジャー言語への対応ができれば、ユーザー数の大幅な増加が期待できるかもしれません。フリーランスとして本業化を目指すなら、海外ユーザーからのフィードバックや売上が副業時代の収益を超えるケースもあります。
為替のリスクと決済手段
海外ユーザーを対象に課金モデルを導入すると、為替レートや国ごとの決済手段などを考慮しなければなりません。アプリ内課金の仕組みはプラットフォームが整備しているので比較的スムーズですが、別途グローバル向けの決済ゲートウェイを使う場合は手数料や換金タイミングに注意が必要です。また、税務上の国際取引の処理をどうするかも事前に確認しておくと安心です。
海外クライアントとの契約
フリーランスエンジニアとして、海外の企業やスタートアップと直接契約を結ぶケースも増えています。英語力や時差の管理が必要になりますが、日本市場にはない技術要件や高単価報酬を期待できる場合があるため、視野を広げる価値は十分にあります。特に、アプリ開発の経験を買われて海外向けローカライズを手伝う、または海外スタートアップの日本展開をサポートするなど、グローバルな案件が狙い目です。
コントラクトと法的チェック
海外クライアントと契約を結ぶ際、契約書は英文が基本となり、準拠法や裁判管轄が海外になる可能性もあります。日本語しか使えないと契約内容を正確に把握できず、後々トラブルが起きる恐れがあるため、弁護士や翻訳者に助言を求めるか、英語力を磨いて自分で理解することが求められます。報酬の送金方法についても、PayPalや国際銀行送金など手数料や為替差損を考慮したうえで最適解を探す必要があります。
長期的な展望と成長
個人ブランドの確立
副業で個人アプリをヒットさせ、フリーランスとして独立するなら、その成功体験をブランド化し、さらに多くの顧客を引きつける戦略が考えられます。講演や著書、YouTubeでの情報発信などを通じて、自分の名前を業界に浸透させれば、営業せずとも向こうから案件の相談が来るようになる可能性があります。技術ブログやSNSで定期的に活動報告を行い、ユーザーや企業との接点を保ち続けることが重要です。
プロダクト開発から派生する案件
自分のアプリを成功させた実績があると、企業は「同じような仕組みをうちのサービスにも導入してほしい」と依頼してくるケースがあります。これに対応できるよう、コードを汎用化したり、モジュール化してライブラリとして整備しておけば、開発期間を短縮しつつ高い報酬を得られるかもしれません。個人アプリの累積的なアップデート経験が、企業向けアプリ開発のイノベーションにつながるという好循環が生まれるわけです。
スキルの深化と横展開
フリーランスエンジニアとして安定して稼ぎ続けるためには、特定の技術だけに固執するのではなく、必要に応じて新たな領域へ横展開する柔軟性も必要です。たとえば最初はiOSアプリだけだったが、React NativeやFlutterでマルチプラットフォームに拡張したり、バックエンドAPIやインフラの設定にも手を広げたりするなど、スキルセットを増やしていくことで対応できる案件が増えます。
継続的な学習環境づくり
フリーランスは組織的な研修や教育を受けにくいので、自分で学習環境を整える工夫が欠かせません。オンライン講座やコミュニティ、書籍や実際のプロジェクトを教材にしながら常にアップデートしていく姿勢が大切です。副業から本業に移行した後も、学習をやめてしまえばすぐに時代に取り残されるリスクがあり、収益や評価が低下しかねません。むしろ独立後は時間をうまく使って学習に投資し、技術的優位を保ちたいところです。
具体的な成功事例
元会社員エンジニアの独立
たとえば、あるエンジニアが会社勤務の傍らAndroidアプリを個人で開発し、副業としてリリースしていたところ、ある機能がユーザーに受けて広告収益が毎月安定して入り始めたとします。このエンジニアは副業で得た収入が本業の半分程度に達した時点で独立を決意し、フリーランスとして活動を開始しました。企業からはAndroidネイティブアプリの開発や改修案件が複数舞い込み、さらには自作アプリの実績が評価されてマネタイズ戦略のコンサルも依頼されるようになり、結果的に副業時代より大幅な収益増を実現したという事例があります。
収入の安定化プロセス
このエンジニアは最初はエージェントを使い、企業案件をこなしながら個人アプリのアップデートを続け、ある程度エンジニア間で知名度が上がったところで直請け案件を増やしていきました。3年ほど経った時点で、個人アプリから得られる広告収益と企業案件の売り上げを合わせ、当初の会社員収入の約2倍にまで成長したそうです。こうした成功例は、ビジネススキルやコミュニケーション能力、そして地道な学習が合わさった結果ともいえます。
ゼロから始めた駆け出しエンジニアの飛躍
別の事例としては、文系出身でプログラミング未経験だった人が独学でモバイルアプリを開発し、副業としてストアにリリースしたところ、ニッチなユーザーニーズを満たしたことでSNSを中心にバズり、収益が一気に増えたケースもあります。この人は会社員を辞めることにリスクを感じつつも、ハッカソンや勉強会で得た人脈を活かしてフリーランスの案件を初めて受注。さらに複数のスタートアップから「自社サービスのアプリ版を作ってほしい」という要望が入り、独立後も短期間で安定した案件数を確保できました。
学習コミュニティの活用
駆け出し時代はプログラミングスクールやオンラインコミュニティを活用してスキルを身につけ、その過程をSNSで発信し続けることで支援者やファンを獲得していたのがポイントです。アプリ開発の成功体験を発信する中で企業関係者に注目され、フリーランスとしての道が開けたという流れです。こうしたアウトプットが営業活動の一部となり、案件獲得に直結する例は珍しくありません。
まとめ
個人アプリ開発の副業からフリーランスエンジニアへのステップを踏むには、技術的なスキルだけでなく、マーケティングや営業、契約リスク管理など多方面の知識が必要です。副業時代に培ったアプリ開発の経験は、大きな強みになり得る一方で、フリーランスとして安定して稼ぎ続けるには継続的な学習やビジネス的な視野の確保が欠かせません。自由な働き方を得るためにも、まずは余裕を持った資金計画やポートフォリオの整備、プロジェクト管理能力の向上など、一歩ずつ準備を進めることが大切です。
個人アプリを育てながら得たユーザーとの接点やノウハウを、フリーランス本業化後にも活かし、追加機能や別の新規アプリを展開することで収益源を増やしていく道があります。また、企業案件とのバランスを取りながら自身のサービスを拡充することで、自分のブランド力がさらに高まり、案件獲得も円滑に進むでしょう。副業で始めたアプリ開発をきっかけに独立を果たすエンジニアは今後も増えるはずです。自分の得意技術や企画力を武器に、リスク管理を怠らず着実にステップを踏んでいけば、理想の働き方と安定収入の両立が十分に可能となります。
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この記事を書いた人

海外、コスメが好きな東北人。2015年に世界一周一人旅をしたアクティブ女子。 コスメECの運営業務に従事後、独立し。現在は、取材を中心にフリーランスWEBライターとして活動中。
この記事を監修した人

大学在学中、FinTech領域、恋愛系マッチングサービス運営会社でインターンを実施。その後、人材会社でのインターンを経て、 インターン先の人材会社にマーケティング、メディア事業の採用枠として新卒入社し、オウンドメディアの立ち上げ業務に携わる。独立後、 フリーランスとしてマーケティング、SEO、メディア運営業務を行っている。