デザイナーって何種類ぐらいある？種類ごとの特徴を解説

2024.03.02(公開: 2024.03.02)

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はじめに

デザイナーと一言で言っても、その種類は実に多岐にわたります。

インターネット関連のUI/UXデザイナーから、映像や画像を手掛けるCGデザイナー、実用品をデザインするインダストリアルデザイナーやプロダクトデザイナー、空間や建築の美を追求する空間デザイナー、そして印刷・紙媒体を美しく仕上げるエディトリアルデザイナーまで、各分野に特化したデザイナーが活躍しています。

この記事では、それぞれのデザイナーの特徴や活躍する業界、求められるスキルについて解説します。

デザイナーってどんな種類があるの？

デザイナーは、カテゴリごとに以下のように分けられます。

カテゴリ	デザイナーの種類
インターネット関連	UI/UXデザイナー Webデザイナーゲームデザイナー
画像・映像関連	イラストレーター CGデザイナーゲームデザイナー
モノ作り	テキスタイルデザイナーインダストリアルデザイナープロダクトデザイナー
建築	建築デザイナー空間デザイナー
印刷・紙媒体	エディトリアルデザイナー DTPデザイナーブックデザイナー

デザイナーが活躍できる世界は幅広く、それぞれの分野が特有のスキルやセンスを求められます。インターネット関連から建築、印刷・紙媒体まで、各デザイナーは独自のクリエイティビティと技術で、美しさだけでなく機能性やユーザー体験を私たちの日常や業界にもたらしてくれます。

インターネット関連のデザイナー

インターネット関連のデザイナーとして挙げられる、以下3点の職種です。

UI/UXデザイナー
Webデザイナー
ゲームデザイナー

上記のデザイナーは、インターネットが日常生活のあらゆる側面に浸透している現代で、使い勝手の良いデジタル環境を創り出すことで企業や製品の成功に貢献しています。

UI/UXデザイナー

UI/UXデザイナーは、ユーザーインターフェース（UI）とユーザーエクスペリエンス（UX）の設計を専門とするデザイナーです。UI/UXデザイナーの主な目的は、製品やサービスの使いやすさや効率性、楽しさを最大化することにあります。

UI/UXデザイナーの仕事は、ユーザーのニーズを深く理解した上で、ニーズを基に直感的で使いやすいインターフェースを作り出す技術が求められます。デザインプロセスにおいては、ユーザーリサーチやペルソナ作成、ユーザーフローの設計、プロトタイピング、ユーザビリティテストなど、さまざまな手法が用いられます。

UI/UXデザイナーは、テクノロジー業界をはじめ、教育、エンターテインメント、金融などさまざまな企業で活用しています。企業は競争の激しい市場において、優れたユーザーエクスペリエンスを提供することで差別化を図りたいと考えているため、実現するにはUI/UXデザイナーのスキルが不可欠です。

UI/UXデザイナーに向いている人は、ユーザー中心の思考を持ち、創造性と同時に論理的な解決策を見出せる人です。また、テクノロジーへの深い理解と共に、コミュニケーション能力も重要です。デザインの提案をチームやクライアントに理解してもらうためには、効果的なプレゼンテーションスキルが求められます。

なお、UI/UXデザイナーに必要なツールのスキルには、デザインとプロトタイピングのためのソフトウェアの習得が含まれます。主に、Adobe XDやSketch、Figmaといったユーザーインターフェース設計専用のツールが重要です。各ソフトウェアは、インタラクティブなプロトタイプ作成やワイヤーフレームの設計、ユーザーインターフェースのビジュアルデザインを効率的に行うために開発されました。

加えて、UsabilityHubやOptimal Workshopのようなユーザーリサーチとテストを支援するツールやサービスへの理解も必須です。さらに、UI/UXデザイナーは、Adobe PhotoshopやIllustratorのようなグラフィックデザインツールにも精通している必要があり、ビジュアルアセットの作成や編集が求められます。さまざまなツールを使いこなすことで、ユーザーのニーズに合わせた直感的で使いやすいデザインの実現が可能になります。

UI/UXデザインは、技術の進化とともに常に変化している分野であるため、成功するには、最新のデザイントレンドやツールに常にアンテナを張り、学び続ける好奇心と情熱が不可欠です。

webデザイナー

Webデザイナーは、インターネットの顔とも言える重要な役割を担っており、ウェブサイトのビジュアルデザインを担当し、ユーザーが訪れる際の第一印象を形成します。

主な仕事内容は、ウェブサイトのレイアウト設計や色彩やフォントの選定、画像やアイコンの作成などが挙げられます。また、ユーザー体験（UX）の観点から使いやすいインターフェースの設計も重要です。

Webデザイナーは、スタートアップから大手企業まで、さまざまな業界で活躍できます。また、広告業界やデジタルマーケティング、Eコマースなど、幅広い分野でWebデザインスキルが求められています。

なお、Webデザイナーとして仕事をするには、創造性と技術的スキルを兼ね備えている必要があります。美的センスに加えて、Web技術への理解も求められるため、HTML、CSS、JavaScriptなどのコーディングスキルや、Photoshop、Illustratorなどのデザインツールの操作スキルが必要です。さらに、プロジェクト管理能力やチーム内でのコミュニケーション能力も重要です。

ゲームデザイナー

ゲームデザイナーは、ゲームのコンセプトや世界観を創造し、ルールやストーリー、キャラクター、レベルデザインを制作する役割を担います。

仕事内容は多岐にわたり、ゲームの初期コンセプト開発から始まり、プレイヤーが直面する課題の設計、ゲーム内のインタラクションや報酬システムの構築、最終的なテストと調整に至るまで、ゲーム開発のあらゆる段階に関わります。

ゲームデザイナーが活躍できる業界は、従来のコンソールゲーム開発からモバイルゲーム、PCゲーム、さらにはVR（仮想現実）やAR（拡張現実）などの新しいプラットフォームに至るまで幅広くあります。この職種は、エンターテインメント業界内での需要が高く、ゲームの人気が高まるにつれて、その活躍の場はさらに広がっています。

ゲームデザイナーに向いている人は、創造性と論理的思考を兼ね備えている必要があります。ゲームの楽しさを深く理解し、ユーザーがどのような体験を求めているかを把握する洞察力が求められます。また、複雑なゲームメカニクスやストーリーを考案し、それらを実現するための技術的な問題を解決できる能力も不可欠です。

また、コミュニケーションスキルも重要で、プログラマーやアーティスト、サウンドデザイナーなど、多様な専門職と協力してプロジェクトを進める必要があります。

ゲームデザイナーは、本人がゲームに強い関心があるのはもちろん、プレイヤーに新しい体験を提供することに情熱を持っている人にとっては非常に魅力的です。ゲームの世界を形作ることに喜びを感じ、プレイヤーの反応を直接見られるため、やりがいを感じやすい仕事です。創造性を発揮しつつ、チームワークを大切にし、常にプレイヤーの視点を念頭に置いて作業を進められる人に最適な職種です。

画像・映像関連のデザイナー

画像・映像関連のデザイナーとして、以下の3職種が挙げられます。

イラストレーター
CGデザイナー
グラフィックデザイナー

イラストレーターは物語やコンセプトをアートに落とし込み、CGデザイナーは3Dモデリングやアニメーションを駆使してリアルなビジュアルエフェクトを生み出します。また、グラフィックデザイナーは、視覚的コミュニケーションを通じてメッセージを伝えるデザインを制作します。

上記3職種は、映画や広告、ウェブサイト、ゲームなど、多様なメディアでそのスキルを活かしています。

イラストレーター

イラストレーターは、雑誌のカバーや広告、アニメーション、アプリケーションのグラフィックなど、さまざまなメディアで活躍できる職業です。

イラストレーターの仕事内容は、クライアントの要望を基にオリジナルのイラストやビジュアルを作成する流れが多い傾向にあります。また、プロジェクトに応じて、特定のスタイルやテーマに沿った作品を扱うことも求められます。

イラストレーターが活躍できる業界は非常に多岐にわたります。出版業界では、子供向けの絵本や小説、教科書の挿絵が一般的です。広告業界では、商品の魅力を引き立てるビジュアルやキャンペーン用のイラストが必要とされます。また、ゲームやアニメーション業界では、キャラクターデザインや背景アートなど重要な役割を担います。

イラストレーターになるには、クリエイティブ性と芸術的センスを持ち合わせている他に、クライアントの要望を視覚的に表現する能力が求められます。技術的なスキルとしては、手描きイラストレーションだけでなく、近年ではAdobe PhotoshopやIllustratorなどデジタルイラストレーションツールの使用スキルも求められています。

CGデザイナー

CGデザイナーは、コンピュータグラフィックスを用いて、映画や広告、ウェブサイトなどに向けたビジュアルコンテンツを制作します。リアルタイムの3Dモデリングからアニメーション、ビジュアルエフェクト（VFX）、環境デザインまで、非常に幅広いスキルを要求されます。

CGデザイナーが活躍できる業界は、主に映画やテレビ、ゲーム業界です。特殊効果や背景の作成にCGが欠かせません。ゲーム業界では、キャラクターのデザインやゲーム内の環境を作り出すためにCG技術が用いられます。広告業界では、商品の魅力を最大限に引き出すビジュアルコンテンツの制作にCGが活用される他、建築やプロダクトデザインの分野では、本物のような3Dビジュアライゼーションが求められます。

CGデザイナーに向いている人は、強い視覚的センスと技術的なスキルの両方をバランスよく兼ね備えている人です。また、新しいソフトウェアツールやテクノロジーの迅速な習得が求められるため、学習意欲が高く柔軟性のある人が成功しやすい傾向にあります。

CGデザイナーになるには、まず基本的なデザインの原則とコンピュータグラフィックスの基礎学習が重要です。通信講座や専門学校で、PhotoshopやMaya、Blenderといった業界標準のソフトウェアの操作を習得するのがおすすめです。

グラフィックデザイナー

グラフィックデザイナーは、主に2Dのビジュアル制作に焦点を当てており、印刷物やデジタルメディアのグラフィック作成を担当する職業です。

なお、イラストレーターは主に絵を描く仕事であるのに対し、グラフィックデザイナーは宣伝や広告、商材のデザインを中心に、情報を伝えるビジュアルを作成するという点で異なります。

グラフィックデザイナーに向いている人は、ビジュアルコミュニケーション（視覚的要素を用いて情報を伝達するコミュニケーション手法）に興味があり、視覚的なメッセージを効果的に伝える能力が高い人です。また、クリエイティブなアイデアを形に変えるための技術スキルと、最新のデザインソフトウェアに対する知識が必要です。

グラフィックデザイナーになるには、まず基本的なデザインの原則と、Adobe PhotoshopやIllustratorなどの操作技術の習得が重要です。実践的な経験を積むためには、コンペ形式のプロジェクトに参加するのがおすすめです。

モノ作りに関連するデザイナー

モノ作りに関連するデザイナーは、以下の3職種です。

テキスタイルデザイナー
インダストリアルデザイナー
プロダクトデザイナー

テキスタイルデザイナーは布地や織物のパターンをデザインし、ファッションやインテリア業界で活躍しています。また、インダストリアルデザイナーは、家電製品から家具まで、使い勝手と美しさを兼ね備えた製品を設計し、プロダクトデザイナーは、ユーザーのニーズに応える革新的な製品の開発に注力し、機能性と形状の両方で価値を生み出します。

つまり、モノ作りに関連するデザイナーは、実用性と美しさのバランスを追求することで、私たちの生活環境を形作っています。

テキスタイルデザイナー

テキスタイルデザイナーは、織物や布地のデザインを専門とする職業で、衣服をはじめ、カーテンや寝具などの家庭用テキスタイルに使用される生地のパターンや色、質感を生み出します。テキスタイルデザイナーが活躍できる業界は、主にファッション業界やインテリアデザイン、さらには自動車や航空宇宙業界における特殊な布地の設計に至るまでさまざまです。

テキスタイルデザイナーの特徴は、センスとクリエイティブ性の他に、色彩に対する深い理解を持ち合わせている点にあります。また、繊維の種類や織り、プリント技術に関する専門知識も不可欠です。トレンドを敏感に捉えつつも、新たなトレンドを生み出すことも求められます。

テキスタイルデザイナーに必要なスキルには、手描きスケッチ能力とAdobe PhotoshopやIllustratorなどデジタルデザインツールの操作スキルの他、プロジェクトの概念から最終製品までを管理するプロジェクト管理スキルと、クライアントやサプライヤーとのコミュニケーション能力も求められます。

なお、近年テキスタイルデザインの世界では、サステナブルな素材への関心も高まっており、環境に配慮した素材選びや製造プロセスに関する知識も重要です。

インダストリアルデザイナー

インダストリアルデザイナーは、製品の機能性や使用者の利便性、市場の要求を満たすための形状・色・素材を考えるデザイナーです。家具や自動車、日用品まで、あらゆる製品の設計に関与します。インダストリアルデザイナーとして成功するには、製品の美しさのみならず、人間工学や持続可能性など、多方面にわたる知識が求められます。

インダストリアルデザイナーは家電や自動車、航空宇宙、医療機器など、さまざまなジャンルでスキルを必要とされています。また、新たなテクノロジーの発展に伴い、ウェアラブルデバイスやスマートホーム製品などの新しい市場も、インダストリアルデザイナーにとっての活躍の場となっています。

インダストリアルデザイナーに必要なスキルには、クリエイティブな問題解決能力や視覚的コミュニケーション能力、SolidWorksやRhinocerosなどの3Dモデリングソフトウェアの操作スキルが含まれます。また、製品開発プロセスにおけるプロトタイピング技術や材料科学、製造方法に関する深い理解も不可欠です。

つまり、インダストリアルデザイナーは使いやすく、環境に優しく、視覚的にも魅力的な製品を通じて、私たちの生活を豊かにしてくれる職業です。

プロダクトデザイナー

プロダクトデザイナーは、使用者のニーズと市場の要求を満たす製品を生み出すために、機能性・形状・材質をデザインする職業です。日用品から電子機器、家具、さらには医療機器まで、生活を豊かにするあらゆる物理的製品の開発に関わります。プロダクトデザイナーの目標は、実用性と美的魅力を兼ね備えた製品を通じて、ユーザーの生活品質を向上させることです。

なお、プロダクトデザイナーは特定の製品やアイテムの設計に焦点を当てる一方で、インダストリアルデザイナーは製品だけでなくシステムやプロセスを含む産業全体のデザインに関与します。両者は似ているものの、インダストリアルデザイナーの方が、範囲がやや広いという違いがあります。

プロダクトデザイナーが活躍できる業界は家具デザインやスポーツ用品、自動車業界など、さまざまです。また、環境に配慮した製品設計の重要性も増しています。

プロダクトデザイナーに必要なスキルセットには、ユーザー中心のデザイン理念や、SolidWorks・Autodesk Fusion 360などの3D CADソフトウェアの操作スキルが含まれます。また、アイデアを視覚化するためのスケッチ能力やプロトタイピング、ユーザビリティテストを通じて製品コンセプトを検証する能力も必要とされます。さらに材料学の知識、製造プロセスへの理解、プロジェクト管理能力も不可欠です。

プロダクトデザイナーは持続可能でユーザーフレンドリーな製品をデザインすることで、企業に貢献する役割を担っています。

建築に関連するデザイナー

建築に関連するデザイナーは、以下の2職種が該当します。

建築デザイナー
空間デザイナー

建築デザイナーは、建物や構造物の外観と機能を設計し、美しさや安全性、耐久性を考慮して新しい空間を創出します。一方、空間デザイナーは、インテリア空間の配置やデザインを手がけ、商業施設の効果的な利用や快適性を追求します。

両職種は、人々の生活や活動に直接的に影響を与える空間を形成することで、機能性と美観のバランスを実現します。

建築デザイナー

建築デザイナーは、建築物の概念設計から詳細設計に至るまで、建物の形状や機能、環境との調和を考慮して設計する職種です。住宅やオフィスビル、商業施設、公共施設など、さまざまなタイプの建築プロジェクトに建築デザイナーが携わっています。

建築デザイナーの仕事は、単に美しい建築を創造することだけではなく、持続可能性やエネルギー効率、ユーザーの快適性と安全性を考慮して設計することが求められます。

建築デザイナーに必要なスキルには、視覚要素を具体的に伝えるコミュニケーション能力やクリエイティブ性、技術的な知識が挙げられます。特にAutoCADやRevitのようなCADソフトウェアをはじめとするデジタルツールを駆使して設計図を描く技術が不可欠です。なお、Revitは、建築情報モデリング（BIM）に特化したソフトウェアで、建物の設計・施工・管理を一貫して行うためのツールです。3Dでのビジュアル化やシミュレーション、ドキュメント生成ができ、建築プロジェクトの効率性を高められます。

また、建築規則へ理解や、構造設計や建築材料に関する知識も重要です。プロジェクト管理能力と、クライアントやエンジニア、コンサルタントとの効果的なコミュニケーション能力も、建築デザイナーとしての成功を左右します。

さらに、現代の建築デザイナーには、環境に配慮したデザインを考えるためのサステナビリティへの意識や、新しい建築技術や材料に関する最新の知識が求められます。

つまり、建築デザイナーは、スキルと知識を活かして時代の要請に応えられるような実用的かつ美しい建築を創り出す職業です。

空間デザイナー

空間デザイナーは、室内や屋外の空間の美しさを保ちつつ、機能的に設計する職業です。主に住宅やオフィス、商業施設、イベントスペースなど、さまざまな環境において人々が利用しやすい空間づくりを担当します。

空間デザイナーの特徴は、ユーザーのニーズと空間が持つ可能性を見極めた上で、融合させる創造性と技術的な知識を持ち合わせている点にあります。

空間デザイナーに必要なスキルには、空間計画とレイアウトデザインの能力、色彩や照明、材料選択に関する知識、そして建築やインテリアデザインの基本原則への理解が含まれます。

また、CADソフトウェアやAutoCAD・SketchUp3Dのようなモデリングツール（を使った視覚化技術も必要です。AutoCADは、2D図面や3Dモデルを作成するための業界標準のCADソフトウェアで、SketchUpは直感的な操作性が特徴の3Dモデリングツールです。

さらに、プロジェクトのコンセプト開発から実施計画、施工管理に至るまで、空間デザインの全過程にわたるプロジェクト管理能力が求められます。

ヒューマンスキルとしては、一般的なコミュニケーション能力の他、エンジニアや建築家、施工業者など、さまざまな専門家と協力するためのチームワークとスケジュール調整能力も欠かせません。

つまり、空間デザイナーはデザイン性を追求しつつも、機能性や安全性を考慮した空間を作りたい方におすすめの職業です。

印刷・紙媒体関連のデザイナー

印刷・紙媒体関連のデザイナーとして、以下の3職種が該当します。

エディトリアルデザイナー
DTPデザイナー
ブックデザイナー

エディトリアルデザイナーは雑誌や新聞のレイアウトを、そしてDTPデザイナーはデジタルツールを使って印刷物を制作し、ブックデザイナーは書籍の表紙をデザインします。上記3職種は、読者に魅力的なビジュアルを提供するためのスキルやセンスが求められます。

エディトリアルデザイナー

エディトリアルデザイナーは、雑誌や新聞、書籍などのレイアウトと視覚的なレイアウトを担当するデザイナーです。テキストと画像を組み合わせて、情報を魅力的かつ理解しやすい形で伝えることで、読者の注意を引き、内容を際立たせるのが主な役割です。

エディトリアルデザイナーに必要なスキルには、タイポグラフィに関する深い知識、色彩理論、ページレイアウトの原則への理解が含まれます。また、Adobe InDesignやPhotoshopなどのグラフィックデザインソフトウェアを使いこなす技術も不可欠です。彼らは、テキストの読みやすさを最大化し、画像や図版を効果的に配置することで、全体のデザインコンセプトに沿ったレイアウトを作成します。

エディトリアルデザインには、コンテンツの性質に適したデザインを選択する能力が求められます。

例えば、子ども向けの絵本では鮮やかな色使いとシンプルなイラストを用いることで、若い読者の注意を引きつけ、物語の雰囲気を伝えます。一方で、専門的な科学雑誌では、データを視覚化する図表やグラフを効果的に使用し、複雑な情報を明瞭に伝えることが重要です。

また、ファッション雑誌では、最新トレンドを反映したスタイリッシュなフォントと大胆な写真レイアウトを採用することで、洗練されたイメージを演出します。

エディトリアルデザイナーは、編集者やライター、写真家などと密接に協力し、コンテンツとデザインが合うように作業します。また、締め切りを守りながら複数のプロジェクトを管理するための優れた時間管理能力が求められます。

出版業界のトレンドや新しいデザイン技術、読者のニーズに興味がある方は、エディトリアルデザイナーに向いています。

DTPデザイナー

DTPデザイナーの主な業務は、デジタルツールを駆使した印刷物のレイアウトとデザインです。エディトリアルデザイナーが雑誌や書籍などの出版物に特化しているのに対し、DTPデザイナーは雑誌や書籍、チラシ、名刺、ポスターなど、さまざまな紙媒体の制作に携わります。DTPデザイナーの特徴は、コンピュータソフトウェアを使用してテキストと画像を組み合わせ、読みやすく視覚的に魅力的なページを作成する能力にあります。

DTPデザイナーに必要なスキルは多岐にわたります。まず、Adobe InDesignやQuarkXPressのようなDTPソフトウェアに精通していることが必須です。また、Adobe PhotoshopやIllustratorなどのグラフィックデザインソフトウェアのスキルも重要で、画像の編集やイラストの作成に役立ちます。

タイポグラフィに関する知識も不可欠です。適切なフォント選びとレイアウトが、印刷物の読みやすさと全体の美しさを左右します。色彩理論に関する理解も重要で、色の選択がデザインの雰囲気やメッセージ伝達に大きく影響します。

加えて、DTPデザイナーは印刷プロセスにおける技術的な制約を理解し、ファイルを正確に準備することで、印刷時の問題を避けるなど細部に注意を払うことが求められます。

つまり、DTPデザイナーは、視覚的なメッセージを効果的に伝えるデザインを提供することで、印刷メディアの価値を高める職業です。

ブックデザイナー

ブックデザイナーは、カバーデザインやタイポグラフィ、ページレイアウト、図版配置など、読者にとって魅力的かつ読みやすい本を生み出すためのデザイナーです。ブックデザインは、内容の理解を助けるのみならず、書籍のテーマやトーンを視覚的に表現することで、本の全体的な価値を高めます。

ブックデザイナーに必要なスキルは多岐にわたるものの、まずは優れた視覚的センスとクリエイティブなデザイン能力が基本です。特に、タイポグラフィに関する深い知識は不可欠で、適切なフォント選択とレイアウトが、テキストの読みやすさと美しさを左右します。また、カラーパレットの選定や画像や図版とテキストの調和のとれた配置にも、高い技術とセンスが求められます。

ブックデザイナーは、Adobe InDesignなどのDTPソフトウェアを使いこなすことで、精密なページレイアウトの作成が可能です。加えて、印刷プロセスと製本技術に関する理解も必要で、デザインが実際の印刷物として最適な形で実現されるようにします。

さらに、プロジェクトのビジョンを共有し、著者の意図や書籍の目的に沿ったデザインを提案・実現するためのコミュニケーションスキルも欠かせません。ブックデザイナーは、書籍を通じて物語や情報を伝えるための重要な役割を担い、読者の記憶に残るようなデザインを生み出します。