C#はやめとけと言われるのはなぜ?C#エンジニアが人気な理由とキャリアアップの方法を解説
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経験がまだ少ない方にもわかりやすく説明するために、初歩的な内容も記載しております。記事も長いので、実務経験豊富な方は、ぜひ目次から関心のある項目を選択してください。C#の案件の一例と、案件一覧を以下からご覧いただけますのであわせてご確認ください。
目次
はじめに
Microsoftが開発した、オブジェクト指向のプログラミング言語であるC#(シーシャープ)。プログラミング言語の人気をランキング形式で発表しているTIOBE Indexで、C#は2024年5月時点でJavaScriptやGoを抑えて5位にランクインしています。
2002年にリリースされて以降、根強い人気を誇るC#ですが、今から習得するのはやめとけと言われるのはなぜでしょうか。この記事では、C#はやめとけと言われる理由や、それでも根強い人気がある理由などについて解説します。
C#はやめとけと言われる理由は?
C#はやめとけと言われる理由については、優位性や互換性、エンジニアの給与面などさまざまな方面から考えられます。
ここでは、さまざまな角度からC#はやめとけと言われる理由について解説します。
C#は他の言語に比べて独自の優位性が少ない
C#はやめとけと言われる理由の一つに、「他の言語に比べて独自の優位性が少ない」という点が挙げられます。C#は確かに機能的なプログラミング言語であるものの、他の言語と比べた際に特筆すべき独自の強みが少ない傾向にあります。
例えば、ウェブ開発においては、JavaScriptやPythonが非常に人気です。JavaScriptはフロントエンド開発においてよく使用される言語であり、ReactやVue.jsといった強力なフレームワークがあります。また、Pythonは使いやすさやライブラリの豊富さが強みであり、データサイエンスや機械学習の分野で広く使用されています。つまり、JavaScriptやPythonはそれぞれの分野で独自の優位性を持っているため、多くのプロジェクトで選ばれています。
一方、C#は主にMicrosoftの環境で使われることが多く、特にWindowsアプリケーションの開発に強みがあるものの、他のOSやプラットフォームでは同様の強みを発揮しにくいという点がデメリットとされています。例えば、モバイルアプリ開発においては、Swift(iOS)や Kotlin(Android)がそれぞれのプラットフォームに最適化されており、クロスプラットフォーム開発にはFlutterやReact Nativeが選ばれることが多い傾向にあります。
また、ゲーム開発においてもUnityエンジンでC#が使われることは多いですが、C++の方が性能面で優れているため、AAAタイトルのゲーム開発ではC++が依然として主流です。さらに、バックエンド開発ではJavaやNode.js、Goがパフォーマンス性が高いため、C#よりも好まれることが多い傾向にあります。
要するに、C#に代わって他の言語が各分野で独自の優位性を持っていることが多いことが「C#はやめとけ」と言われる理由の一つと考えられます。
Windows以外のOSとの互換性や柔軟性に欠ける
C#はやめとけと言われる理由の二つ目は、Windows以外のOSとの互換性や柔軟性に欠ける点が挙げられます。C#はMicrosoftが開発したオブジェクト指向プログラミング言語であるため、主にWindows環境での開発を念頭に置いて設計されています。つまり、LinuxやmacOSなど他のOSでの利用には制約が伴うのがデメリットです。
例えば、GUIアプリケーションの開発に用いられるWindows FormsやWPF(Windows Presentation Foundation)は、C#でGUI(グラフィカルユーザインターフェース)アプリケーションを開発するための、Windows専用の技術です。そのため。他のOS上での動作は難しく、クロスプラットフォーム開発を目指す場合には、制約となる場合があります。
一方、JavaやPythonなどの他のプログラミング言語は、クロスプラットフォームでの開発が得意であるため、OSに依存しないアプリケーションの開発が可能です。Javaで開発されたアプリケーションは、JVM(Java Virtual Machine)上で動作するため、同一のコードベースでWindows、Linux、macOSなどの異なるOS上で実行できます。Pythonも同様に、幅広いOSでの動作をサポートしており、クロスプラットフォームのスクリプトやアプリケーションの開発に適しています。
C#のクロスプラットフォーム対応は、.NET Coreや.NET(2024年5月時点の最新はNET 9)によって改善されてきました。しかし、それでも完全な互換性や柔軟性を確保するには課題があり、特に既存のC#プロジェクトを他のOSに移行する場合、対応するライブラリやツールの不足、動作の違いなどが障壁となることがあります。
つまり、C#はWindows環境に特化しているため、他のOSとの互換性や柔軟性に欠ける点がデメリットとなり、クロスプラットフォームの開発を重視するエンジニアには不向きとされることがあります。
C#はコンパイルが必要
C#はやめとけと言われる理由の三つ目は、「コンパイルが必要」という点です。
コンパイルを必要とする言語とは、コードを書いた後にコンパイラを使ってソースコードを実行可能な形式(バイナリ)に変換する必要がある言語を指します。開発者は変更を行うたびにコンパイルを実行し、その後にアプリケーションを実行して結果を確認しなければなりません。
例えば、Web開発を行う場合、HTMLやJavaScriptのようなスクリプト言語では、コードの変更を保存してすぐにブラウザで結果を確認できます。一方、C#でASP.NETを使用してWebアプリケーションを開発する場合、コードを変更するたびにプロジェクト全体を再コンパイルしなければなりません。手間がかかるため、開発サイクルが長くなり、開発の効率が低下することがあります。
また、C#はコンパイル時に多くのエラーを検出できる反面、ランタイムエラーの検出にはコンパイル後の実行が必要です。スクリプト言語では、コードの実行と同時にエラーが検出されるため、デバッグの際に即時フィードバックが得られるのに対し、C#ではコンパイルの段階でエラーがないことを確認した後に実行し、ランタイムエラーを確認するという二段階のプロセスが必要になります。
つまり、C#がコンパイルを必要とする言語であるため、頻繁にコードを変更しなければならないプロジェクトでは、スクリプト言語に比べてコンパイルの時間が開発者の負担となります。
ただし、コンパイルによる事前のエラーチェックが堅牢なアプリケーション開発には有益であるため、コンパイルが必要なことがC#のデメリットであるとは一概には言えません。
会社によっては給与が相場より低い
C#はやめとけと言われる理由の四つ目は、「会社によっては給与が相場より低い」という点です。C#は主にMicrosoftに依存する企業で使用されることが多く、特に中小企業や特定の企業においては、給与が相場より低い場合があります。
「2024年エンジニア言語の年収ランキング」によると、C#エンジニアの平均年収は903万円で、12位にランクインしています。1位のGO言語・1,362万円と比較すると、平均年収の差は約460万円です。
プログラミング言語によって年収に差があるのは、主に需要の違いから生じています。ランキングによると、GO言語に続いて2位Kotlin(1308万円)3位Python(1,249万円)と続いていますが、KotlinはAndroidアプリ開発で広く使用されており、モバイル市場の成長に伴って需要が高まっています。また、Pythonはデータサイエンスや機械学習、AI開発で主流となっており、これらの分野は高い給与水準を誇っています。
一方、C#は主に企業内の業務アプリケーションやWindowsプラットフォーム向けの開発に使用されることが多く、結果として給与水準が比較的低い傾向にあります。
C#エンジニアがそれでも人気な理由は?
さまざまな制約があり、給与面でも決して高いと言えないC#ですが、それでもプログラミング言語の人気ランキングで5位と根強い人気を誇っているのはなぜでしょうか。
ここでは、C#という言語や、C#を扱えるエンジニアが人気である理由について紹介します。
C#のスキルを求める企業が多い
C#エンジニアがそれでも人気な理由はいくつかあります。その中でも特に重要な点は、C#のスキルを求める企業が多いということです。C#はMicrosoftが開発した言語であり、特に企業内の業務アプリケーションやWindowsベースのシステム開発で広く使用されています。このため、企業は既存のシステムを維持・改修するために、C#のスキルを持つエンジニアを必要としています。
アプリケーションからゲーム開発まで汎用性が高い
C#の汎用性の高さは、人気であり続ける理由の一つです。デスクトップアプリケーションをはじめ、ウェブアプリケーション、モバイルアプリケーション、ゲーム開発に至るまで、さまざまな分野でC#が使用されています。
特に、Unityを使用したゲーム開発ではC#が主要なプログラミング言語として採用されており、ゲーム業界でもC#エンジニアの需要が高い傾向にあります。つまり、幅広い用途で使える言語であるため、C#のスキルを持つエンジニアはさまざまなプロジェクトに関与できます。
昔から使われている言語のためシステム改修が必要
C#は2002年にリリースされて以来、長年にわたり使用されている言語です。
そのため、多くの企業がC#で構築された既存のシステムを持っており、システムの保守や改修が必要とされる場合にC#エンジニアが重宝されます。また、古いシステムを新しい技術に移行する際にも、C#の知識が必要になることが多く、結果としてC#エンジニアの需要が継続的に存在します。
未経験でも歓迎してもらえる企業がある
C#エンジニアがそれでも人気な理由の一つは、未経験者でも歓迎してもらえる企業が多いという点です。
多くの企業では、既存のC#で構築されたシステムやアプリケーションを保守・改修するために、C#の知識を持つエンジニアを必要としています。そのため、新たに採用したエンジニアに対してC#の新人研修を行った上で自社のシステムを理解してもらい、効率的に保守・改修できるように育成します。つまり、実績がない・未経験の方でもC#に関して一定の知識やスキルがあれば歓迎してもらえる場合があります。
さらに、C#はゲーム開発やウェブアプリケーション開発、デスクトップアプリケーション開発など、幅広い分野で利用されているため、未経験者でも多様なプロジェクトに参加できるチャンスがあります。特に、Unityを使用したゲーム開発では、C#が主要なプログラミング言語として採用されているため、ゲーム業界に興味のある未経験者にとっても魅力的です。
要するに、未経験者でも歓迎してもらえる企業が多いことは、C#エンジニアが人気であり続ける理由の一つです。
リモート案件が多く自由度の高い働き方ができる
C#エンジニアが人気を集める理由の二つ目は、リモート案件が多く自由度の高い働き方ができる点です。昨今のリモートワークの普及に伴い、求人サイトにはC#エンジニアのリモート案件を多く掲載しています。地方在住の方も、自宅やコワーキングスペースを活用して仕事ができるため、自由な働き方をしたい方にC#はおすすめです。
また、C#エンジニアはVisual Studio CodeやGitHubなどのツールを使用してプロジェクトを効率的に進められるため、リモート環境でもチームメンバーとリアルタイムでのコミュニケーションやコードレビューを行えます。
つまり、リモート案件が多く、自由度の高い働き方が可能なことは、C#エンジニアが人気を集める大きな理由の一つです。柔軟な働き方を実現しつつ、多様なプロジェクトで経験を積むことで、エンジニアとしての成長とキャリアアップを同時に追求することができるため、多くのエンジニアがC#を選択しています。
様々なキャリアパスを選べる
C#エンジニアが人気を集める三つ目の理由として、汎用性が高く、幅広い分野で活用できるため、エンジニアが自身の興味やキャリア目標に合わせて多様なキャリアパスを選択できる点が挙げられます。
まず、C#はWindowsのアプリケーション開発に強いため、デスクトップアプリケーション開発者としてのキャリアパスが考えられます。企業の内部システムや業務用ソフトウェアの開発において、業務効率化や自動化に携わるエンジニアとしての役割を果たせるでしょう。Windows Presentation Foundation(WPF)やWindows Formsを使用して、よりよいユーザーインターフェースを持つアプリケーションの開発も可能です。
また、C#はゲーム開発でも広く使われており、Unityエンジンを用いたゲーム開発者としてのキャリアパスも選べます。Unityはクロスプラットフォームのゲームエンジンであり、モバイルゲームやPCゲームなど様々なプラットフォーム向けのゲームを開発できます。
さらに、C#はWeb開発でも利用されており、ASP.NETを使用したWebアプリケーション開発者としてのキャリアパスもあります。ASP.NETは、高性能かつ拡張性のあるWebアプリケーションを開発するためのフレームワークであり、エンタープライズレベルのシステム構築に適しています。
さらに、C#はAzureプラットフォームを活用したクラウドエンジニアとしてのキャリアも考えられます。クラウド技術の普及に伴い、クラウドネイティブなアプリケーション開発やインフラ管理のスキルはますます重要視されています。
つまり、デスクトップアプリケーション開発やゲーム開発、Web開発、クラウドエンジニアリングなど、様々なキャリアパスを選択できるのが、C#エンジニアが人気を集めている理由の一つです。
C#エンジニアが避けた方が良い企業は?
働き方の自由度が高いのがC#エンジニアの特徴であるものの、できれば就職・転職を避けた方がよい企業も存在します。
ここでは、C#エンジニアが避けるべき企業の条件について紹介します。
下請け企業
C#エンジニアが避けた方が良い企業の一つに、下請けや孫請け企業があります。
下請けや孫請け企業では、親会社や元請けからの指示に従って作業を進めるため、クリエイティブな問題解決や新しい技術の導入が難しくなります。エンジニアとしての成長機会が限られてしまうため、C#エンジニアとして業界のトレンドに遅れを取るリスクが高まります。
さらに、下請けや孫請け企業は、納期に追われることが多く、過酷な労働環境にさらされるリスクもあります。納期を守るために残業や休日出勤が常態化することがあり、ワークライフバランスが崩れやすくなる場合も考えられます。
つまり、C#エンジニアとして成長しつつもキャリアを築くためには、下請けや孫請け企業は避け、成長できるような企業を選ぶことが重要です。
ITへの理解が低い企業
C#エンジニアが避けた方が良い企業として、ITへの理解が低い企業も挙げられます。
ITへの理解が低い企業では、経営陣が技術の重要性を認識していないことが多く、技術的な投資が不足し、最新の開発ツールやインフラが導入されない場合があります。
例えば、最新のクラウドサービスや開発フレームワークが利用できないと、エンジニアは時代遅れの技術で作業を行わなければならず、スキルアップの機会を失います。また、効率的な開発環境が整備されていないため、生産性が低下し、作業に対するモチベーションも下がるでしょう。
さらに、ITへの理解が低い企業では、プロジェクトの進行が非効率的になることが多いです。例えば、経営陣やプロジェクトマネージャーが技術的な側面を十分に理解していない場合、無理な納期設定や不適切なリソース配分が行われることがあります。これにより、エンジニアは過度なプレッシャーにさらされ、品質の低い成果物を納品せざるを得なくなることもあります。
つまり、C#エンジニアが充実したキャリアを築くためには、ITへの理解が深く、技術に対する投資を惜しまない企業を選ぶことが重要です。
教育体制が整備されていない企業
C#エンジニアが避けた方が良い企業として、教育体制が整備されていない企業も挙げられます。
教育体制が整備されていない企業では、新しい環境やプロジェクトに適応するための基本的な知識やスキルが身につかないまま、現場での作業を強いられる場合もあり得ます。例えば、C#の基本的な文法や.NETフレームワークの理解が不足している状態でプロジェクトに参加すると、効率的に作業を進めることが難しくなり、プロジェクト全体の進行に悪影響を与える可能性があります。
また、メンター制度やチーム内での知識共有が不十分な企業では、エンジニアが自己学習に頼るしかなく、効率的なスキル習得が難しくなります。特に複雑なプロジェクトや高度な技術に挑戦する際には、経験豊富なメンターからのサポートが欠かせませんが、教育体制が整備されていない企業では、エンジニアが孤立し、問題解決に時間がかかるというデメリットも考えられます。
C#エンジニアとしてキャリアアップするには?
C#エンジニアとして需要が高い人材になるには、どのような対策を取れば良いのでしょうか。
ここでは、C#エンジニアを志す方が将来的にキャリアアップし、高年収を得るための具体的な方法について解説します。
C#以外のプログラミング言語も学ぶ
C#エンジニアとしてキャリアアップするには、より多くのチャンスを掴むためにC#以外のプログラミング言語も学ぶことが重要です。
例えば、JavaScriptやPythonを習得することで、フロントエンド開発やデータ分析など、C#以外の領域でも活躍できるようになります。
JavaScriptは、Web開発において必須の言語であり、フロントエンドフレームワークのReactやVue.jsと組み合わせることで、モダンなWebアプリケーションの開発が可能です。一方、Pythonはデータサイエンスや機械学習の分野で広く使われており、データ処理や分析に強力なライブラリが豊富です。
さらに、C#と同じくオブジェクト指向の言語であるJavaや、システムプログラミングに強いRustなど、他のバックエンド言語を学ぶことで、システム全体の設計や開発に対する理解を深めることができます。多言語のスキルは、企業内でのポジションアップや、新しいプロジェクトへの参加を容易にし、エンジニアとしての市場価値を高めることができるでしょう。
また、異なる言語を学ぶことで、プログラミングに対する考え方やアプローチが多角的になり、問題解決能力が向上します。異なる言語の特徴やメリットを理解することで、最適な技術を選択し、プロジェクトを効率的に進行できます。
資格を取得する
C#エンジニアとしてキャリアアップを目指すなら、関連する資格を取得することも有効な手段です。資格はスキルの証明となり、採用担当者やクライアントに対して信頼性をアピールできます。
例えば、Microsoftが提供する「Microsoft Certified: Azure Developer Associate」は、Azureを活用したクラウド開発のスキルを証明する資格です。クラウド技術は現代のIT業界で不可欠な要素となっており、Azure Developer Associate資格を持つことで、クラウドベースのプロジェクトに参加する機会が増えるでしょう。
また、プロジェクトマネジメントの資格である「PMP(Project Management Professional)」の取得もおすすめです。プロジェクト管理の知識とスキルを身につけることで、上流工程に携わることができ、より責任のあるポジションに昇進する可能性も高まります。
資格試験の勉強を通じて、体系的な知識を習得し、実務に応用することで、実際のプロジェクトにおいても質の高い成果を出せるようになります。
上流工程に必要なスキルを習得する
C#エンジニアとしてキャリアアップを目指すためには、上流工程に必要なスキルを習得することも重要です。なお、上流工程とは、システム開発の初期段階で行われる要件定義や設計などのプロセスを指し、ここでのスキルが高いほど、プロジェクト全体の品質や成功に大きく貢献できます。
まず、要件定義のスキルを磨くことが重要です。クライアントやユーザーとのコミュニケーションを通じて、具体的なニーズや期待を正確に把握し、それを基にシステムの仕様を決定します。このプロセスでは、ビジネス要件を技術的な仕様に落とし込む能力が求められます。具体的には、ヒアリング技術や文書化のスキル、論理的思考力などが挙げられます。
次に、システム設計のスキルを習得することも重要です。システム全体の構成や各コンポーネントの役割、データフローを設計することで、効率的にシステム構築できます。特に、オブジェクト指向設計やデザインパターンの理解が深いと、C#を使った効果的なシステム設計が可能です。
さらに、プロジェクト管理のスキルも上流工程には欠かせません。プロジェクトの進行状況を管理し、リソースを適切に配分し、チームメンバーの作業を調整する能力が求められます。プロジェクト管理ツールやアジャイル開発手法の理解と活用が、効率的なプロジェクト運営に役立ちます。
上流工程のスキルを習得することで、プロジェクト全体を俯瞰して管理できるようになり、より高いポジションへのキャリアアップが可能となります。
ITコンサルタントになる
C#エンジニアとしてキャリアアップを目指す一つの方法は、ITコンサルタントになることです。ITコンサルタントは、クライアントのビジネス課題を技術的な視点から解決する役割を担うため、高度な専門知識と分析力が求められます。
ITコンサルタントとして成功するためには、ビジネスの視点を持つことが重要です。技術的なソリューションを提供するだけでなく、クライアントのビジネス目標や戦略に合致した提案が求められます。C#でいうと、業務システムの改善提案において、業務効率の向上やコスト削減、売上増加など、具体的なビジネス成果を見据えた提案を行うことが求められます。
また、ITコンサルタントにはコミュニケーションスキルも不可欠です。クライアントやチームメンバーとの円滑なコミュニケーションを通じて、プロジェクトの進行をスムーズにし、信頼関係を築いていけます。他にも、プレゼンテーションや交渉のスキルを磨くことで、クライアントに対して効果的に提案できるでしょう。
つまり、C#エンジニアとしての経験を活かしつつ、ITコンサルタントとしてのキャリアを築くことで、より多くのクライアントと関わりながら、ビジネスの視点からITの価値を最大化する役割を担えます。
プロジェクトマネージャーになる
C#エンジニアとしてキャリアアップを目指すためには、プロジェクトマネージャー(PM)になることも選択肢として挙げられます。
プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体の進行を管理し、チームをリードする役割を担う職種です。技術的なバックグラウンドを持つC#エンジニアがPMになることで、技術とマネジメントの両方の視点からプロジェクトを成功に導けます。
なお、プロジェクトマネージャーとして必要なスキルは、計画の立案やリソース・リスク管理、コミュニケーション能力などさまざまです。プロジェクトの目的を明確にし、具体的なタスクとタイムラインを設定します。リソース管理では、チームメンバーのスキルや作業負荷を考慮して適切に配分し、プロジェクトの進行状況を常に把握します。
また、プロジェクトの進行中には予期しない問題が発生することがありますが、あらかじめリスクを予測しておき、事前に対策を講じることが求められます。問題が発生した際には迅速に対応し、プロジェクトの進行に影響を与えないように調整する能力が必要です。
なお、プロジェクトマネージャーとしてのキャリアを築くためには、先述したようにPMP(Project Management Professional)などの資格を取得することも有効です。
つまり、プロジェクトマネージャーを目指すことでC#エンジニアとしての技術的な知識と経験を活かしつつ、プロジェクト全体を管理するスキルを磨くことができ、より高いポジションへのキャリアアップが可能です。
C#エンジニアが案件を探す方法
C#エンジニアとして高年収を得たいかたや、興味関心のある分野のプロジェクトに参加して実績を積みたい方は、フリーランスエンジニアとしての働き方もおすすめです。
ここでは、フリーランスC#エンジニアの方が、効率的に優良案件を獲得するための方法について紹介します。
エンジニアスタイルに登録する
C#エンジニアが案件を探す際、まずはエンジニアスタイルの案件検索機能を活用してみましょう。エンジニアスタイルは、フリーランスエンジニア向けに特化した求人サイトで、多くの企業からの案件情報が掲載されています。2024年5月時点で、C#のフリーランスエンジニア向け案件は17,000件以上を掲載中で、月単価60万円〜70万円の内容が多い傾向にあります。
なお、エンジニアスタイルに登録すると、スキルや経験に応じた案件がAIによって自動的にマッチングされるため、効率的に適切な案件を見つけられます。さらに、優良エージェントによるサポートも受けられ、案件獲得後のフォローアップも充実しているため、安心してプロジェクトに取り組めます。
クラウドソーシングサービスを利用する
クラウドソーシングサービスを利用することも、特に初心者のC#エンジニアが案件を探す際におすすめの方法です。LancersやCrowdWorksなどでは、幅広い分野のプロジェクトを掲載しており、C#のスキルを活かせる案件も多く見つかります。
なお、クラウドソーシングサイトでは短期的なプロジェクトから長期的な契約まで、さまざまな形式の仕事が掲載されており、自分のスケジュールや希望に合わせて選ぶことができます。プラットフォーム内での評価システムにより、実績を積むことで信頼を獲得しやすいのも特徴です。
スキルシェアサービスを活用する
スキルシェアサービスを活用することで、C#エンジニアは自身の専門知識を活かして案件を獲得できます。
Udemyなどのスキルシェアプラットフォームでは、自分の得意分野に関するコースを作成し、クライアントと繋がれます。自分の技術を他人に教えることで収入を得るだけでなく、受講者からのフィードバックやネットワークを通じて新しい案件に繋がることも期待できます。
SNSで情報発信する
SNSで情報発信を行うことも、C#エンジニアが案件を探すための有効な手段です。XやLinkedInなどのSNSを活用して、日々の学習内容やプロジェクトの進捗状況、技術的な知見を発信することで、自分の存在を広く知ってもらうことができます。
特にLinkedInは、ビジネス向けのSNSとして多くの企業やリクルーターが利用しているため、技術的なネットワークを構築しやすい傾向にあります。定期的に投稿しつつ、業界のニュースに対するコメントを通じて、エンジニアとしての信頼性を高め、クライアントやエージェントからの注目を集めることができます。
まとめ
この記事では、C#を今から習得するのはやめとけと言われる理由や、それでもC#が世界的に人気であり続ける理由、C#エンジニアとしてキャリアアップするための方法について紹介してきました。
C#のスキルは、多くの企業が求めており、特にMicrosoft製品を多用する環境では欠かせないものです。また、アプリケーションからゲーム開発まで幅広い用途に対応できる汎用性の高さも魅力です。さらに、昔から使われている言語であるため、既存システムの改修や保守が必要な現場ではC#エンジニアが重宝されることも少なくありません。
もちろん、C#には独自の優位性が少ない、Windows以外のOSとの互換性や柔軟性に欠ける、コンパイルが必要であるなどのデメリットがあります。しかし、デメリットを把握した上で十分な対策を講じることで、C#エンジニアとしてのキャリアアップは充分可能です。
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