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業務委託契約で覚書を作成するのはどんな時?覚書の作成方法と作成時の注意点も解説

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はじめに

ビジネスにおいて、業務委託契約を結んだ後に業務内容や納期、報酬などに変更が生じることは少なくありません。

そのような場合、契約書全体を作り直す代わりに「覚書(おぼえがき)」を作成することで変更点を柔軟に記録し、効率よく対応できます。

本記事では、「覚書とは何か」という基本から、契約書や念書との違い、そして業務委託契約における覚書の作成方法と注意点を詳しく解説します。

<この記事を読むメリット>

  • 業務の変更に柔軟に対応する方法を学べる
  • 覚書を作成してトラブルを未然に防ぐポイントがわかる
  • クライアントとの信頼関係を深めるための手法が理解できる

覚書を正しく活用することで業務がスムーズに進行し、トラブルを防ぎながらクライアントとの良好な関係を築けます。

どんな点に注意すべきかも解説していきますので、覚書の基本を知りたい方もぜひ参考にしてください。

覚書とは?

覚書とは1

ビジネスの場ではさまざまな契約書が交わされますが、「覚書(おぼえがき)」というものもよく登場します。

広辞苑によると、覚書とは「忘れないように書いておく文書、メモ」と定義されています。

このように、最初はただのメモや備忘録といった解釈でしたが、ビジネスの場でもよく使われるようになり、転じて「大切な取り決めなどを書類に残したもの」という意味が含まれるようになりました。

契約書と同じように法的拘束力を持つことがありますが、通常は契約書の補完や修正、または条件変更の確認といった場面で使用されるのが一般的です。

例えば、契約書の内容を変更したり追加事項が発生した場合、契約書を再作成する代わりに覚書を交わすことで、その合意を正式な形で文書化するのです。

また、覚書は契約書よりも簡潔で条文やページ数が少ない傾向があり、ビジネス上の取り決めを素早く記録する手段としても活用されています。

このように、覚書はビジネスの場で非常に有効な手段であり、契約書の補足や変更を迅速かつ簡便に行うために使われています。

覚書と契約書の違い

覚書 契約書
目的 契約内容の補完・修正、簡易的な合意の文書化 取引の詳細や双方の権利義務、契約条件を明確に記載し、正式な合意を証明する
使用タイミング 既存の契約に変更・補足が必要な場合や、簡潔な合意を記録したい場合 初めて契約を締結する際、取引の根幹となる条件を定めるために使用
文書の長さ 比較的短く、簡潔な内容が多い 詳細で複雑な内容を含み、複数ページに及ぶことが多い
法的効力 合意内容が記載されていれば法的効力がある 法的効力があり、トラブル時には強い証拠能力を持つ
署名・押印 必要だが、契約書ほど厳格ではないことが多い 署名・押印が必須であり、これにより契約の正式な成立を証明
証拠能力 証拠として使用可能だが、契約書に比べて内容が簡潔なため、詳細な証拠としては劣ることがある 証拠能力が高く、訴訟時に重要な役割を果たす

ビジネスの場では、たまに「覚書」と「契約書」を混同しているケースが散見されます。

ニュアンス的には同じようなものに思えますが、実際にはその役割や使い方に明確な違いがあります。

契約書は契約を締結する際に用いられる書類

まず、契約書は法律行為としての契約を正式に締結する際に作成される文書です。

取引の具体的な条件、双方の権利義務、そしてトラブルが発生した場合の対応策など、詳細な情報が盛り込まれているのが一般的です。

例えば、製品の購入契約やサービス提供契約の場合、契約書には「購入金額」「納品日」「支払い条件」「違反があった場合の対処」などが明確に記載されています。

これにより、後日トラブルが生じた際に契約書が証拠となり、当事者の主張を裏付ける重要な役割を果たします。

契約書が存在することで取引の透明性や信頼性が高まり、法的にも強い証拠能力を持つのが特徴です。

また、契約書には通常、双方の署名や押印が必要です。特に企業間の取引や高額な契約では、契約書が欠かせません。

契約は契約書がなくても双方が合意した時点で成立する

法律上、契約は契約書がなくても、当事者同士の合意が成立した時点で法的に成立します。

これは「契約自由の原則」に基づくもので、契約の成立に書面は必須ではありません。

例えば、口頭での合意や電子メールやメッセージアプリでのやり取りも契約として有効です。

しかし、口頭契約や簡単なメッセージだけでは後日トラブルが発生した場合に、合意内容を証明するのが難しいことが多いため、通常は書面に残すことになります。

特に、ビジネスの場では当事者間の信頼関係を基にした契約であっても、後々のトラブル防止のために契約書を作成することが一般的です。

覚書と念書の違い

覚書 念書
目的 契約内容の補完・修正、簡易的な合意の文書化 一方的な約束を記録し、義務を果たすことを誓約する
使用タイミング 既存の契約に変更・補足が必要な場合や、簡潔な合意を記録したい場合 一方が相手に対して義務を履行することを誓う場合(例: 債務の返済、業務の履行など)
文書の長さ 比較的短く、簡潔な内容が多い 通常短く、シンプルな内容が多い
法的効力 合意内容が記載されていれば法的効力がある 内容によっては法的効力を持つ場合があるが、主に一方的な誓約である
署名・押印 必要だが、契約書ほど厳格ではないことが多い 署名・押印が通常必要であり、作成者が自らの義務を果たす意図を明示する
証拠能力 証拠として使用可能だが、契約書に比べて内容が簡潔なため、詳細な証拠としては劣ることがある 証拠能力はあるが、念書は通常、一方的な約束を記録したものであり、契約書や覚書に比べて法的に弱い場合もある

覚書と間違えやすい書類の一つが「念書(ねんしょ)」です。

両者はどちらも合意や約束を記録するための文書ですが、その内容や法的性質は異なります。

ビジネスや法律の場では、覚書と念書の使い分けを正しく理解することが求められます。

それでは、両者の違いについて詳しく見ていきましょう。

覚書は双方が合意した事項を記載する書類

先述したように、覚書は当事者双方が合意した内容を簡易的に記録する文書です。

契約書と似た性質を持ち、双方の権利と義務を明確にした合意事項を文書化するために使用されます。

覚書は契約書の補完的な役割を果たすこともありますが、法的拘束力を持つこともあるため、当事者間の合意がしっかりと反映されていることが重要です。

例えば、企業間の取引においてすでに契約が締結されている場合、その後の条件変更や追加事項が発生した場合に覚書が作成されます。

念書は作成者が一方的に約束を果たす場合の書類

念書(ねんしょ)は、一方の当事者が自らの義務や約束を記録する文書です。

主に作成者が相手方に対して何かを実行することを誓約する場合に使われます。

つまり、念書は一方的な意思表示を記録するものであり、相手方の同意を必ずしも必要としません。

例えば、取引先とのビジネスミーティングにおいて、ある企業の担当者が「次回の契約更新までにサービスの改善項目をすべて実行することを誓います」と記載した念書を作成したとしましょう。

この例では、担当者が自身の義務を明確にするものであり、取引先側には特に義務が生じるわけではありません。

念書は、このように一方の義務の履行を記録し、相手方への信頼を示すためによく用いられます。

また、プライベートな約束や借用書など、個人的なシーンで使用することも多いです。

このように、覚書と念書は双方の合意か一方的な誓約かという点で大きく異なります。

ただし、その内容によっては法的拘束力を持つ場合がある点には注意が必要です。

業務委託契約で覚書を作成するのはどんな時?

業務委託契約では、契約締結後に様々な理由で契約内容に変更や追加が必要になることがあります。

このような場合、契約書全体を改訂するのではなく覚書を作成して変更点を記録し、当事者間で合意を得ることが一般的です。

では、具体的にどのようなケースで覚書を作成するのでしょうか?

以下では、覚書を作成する必要があるケースをご紹介します。

業務内容の変更

業務委託契約では、当初合意した業務内容が業務の進行に伴い、変更や追加が必要となることがあります。

このような場合、契約書を再度作成することは時間や手間がかかるため、覚書を作成して当初の契約に対する変更点を明確にしておくのが一般的です。

追加の業務が発生した場合

業務委託の進行中に、当初の契約には含まれていなかった新しい業務が発生することはかなり多いです。

例えば、ウェブサイトの開発契約で当初の契約に含まれていなかったページの追加や機能の拡張を依頼された場合、覚書を作成してその変更内容を記録し、追加報酬や納期について合意することが一般的です。

覚書があれば、後で「そんなことは頼んでいない」「聞いていない」といったトラブルを回避できます。

既存の業務内容に変更が生じた場合

当初の契約で定めた業務内容がプロジェクト進行中に変更されることもあります。

例えば、顧客の要求が変わり業務の一部を削除したり、優先順位を変更したりする場合です。

このようなケースでは、覚書を作成して変更後の業務内容を正確に記録し、双方がそれに同意していることを明示しましょう。

具体的には、デザイン業務で「この部分のデザインを削除し、代わりに別のデザインを作成する」といった変更があった場合、その内容を覚書に記載しておくことで、作業の範囲を明確にし、報酬や納期に対する影響も合意の上で進めることができます。

納期の変更

業務委託契約において、プロジェクトの進行状況やクライアントの都合により、納期の変更が必要になることがあります。

契約書に記載された納期が変更される場合、その内容を明確に記録するために覚書を作成することが一般的です。

納期の変更は業務全体に大きな影響を与える可能性があるため、双方の合意を明確に文書化しておくことが重要です。

納期の延長や短縮が必要な場合

納期の延長や短縮が必要な場合には、覚書を通じて新しい納期を正式に合意します。

例えば、追加の業務や予期せぬトラブルが発生し、作業の完了が当初の計画より遅れる場合、納期を延長するための覚書を作成します。

逆に、クライアントの急な要望により納期を短縮しなければならない場合も、覚書を使って合意を取り、短縮後の納期を明確に記録しましょう。

特に、短期間での作業がクオリティやコストに影響する場合、その条件についても覚書に記載しておくことで後のトラブル回避に役立ちます。

このように、納期変更に関する覚書を作成することで、双方の期待に応じたプロジェクト完遂を目指せます。

報酬の変更

業務委託契約では、業務量や作業内容が当初の予定から変動することがよくあります。その結果、報酬に影響が生じることがあります。

このような場合、報酬の変更を反映するために覚書を作成し、双方が合意した新しい条件を明文化することが重要です。

業務量の変動に応じて報酬の調整を行う場合

契約締結後に業務量が大幅に増加したり、追加の作業が発生した場合、当初の契約で定めた報酬では不十分になることがあります。

このような場合、業務量に応じた適切な報酬の増額について双方が合意し、その内容を覚書に記録しましょう。

例えば、追加の業務を行うことになった場合、1件ごとに追加報酬を支払うといった具体的な金額や支払い条件を覚書に記載することが必要です。

なお、業務量が減少した場合も報酬が減額される可能性があります。

このような状況でも減額に関する合意内容を覚書に記載し、双方がその変更に同意していることを明確にしておくことで、トラブルを防止できます。

報酬に関する変更は契約全体の重要な部分であり、特にトラブルに発展しやすいので覚書を利用して書面に残すことが重要です。

契約期間の変更

業務委託契約において、契約期間は非常に重要な要素です。

しかし、プロジェクトの進行状況やクライアントの要望により、契約期間を延長または短縮する必要が出てくることがあります。

このような場合、契約書全体を改訂する代わりに覚書を作成して期間変更の内容を記録し、双方の合意を明確にすることが一般的です。

契約期間の延長や短縮があった場合

契約期間の延長が必要になるケースとしては、プロジェクトが予想以上に長引いたり、追加の作業が発生したりする場合が考えられます。

この場合、覚書に新しい契約終了日を明記し、期間延長に伴う報酬や納期の調整を行いましょう。

例えば、ウェブ開発の業務委託契約で当初の納期が3か月だったものがクライアントの要望で6か月に延長される場合、覚書を作成してその延長を記録します。

逆に、契約期間の短縮が必要な場合も覚書でその変更を明記しましょう。

例えば、業務が予定より早く完了した場合や、クライアントの事情でプロジェクトが中止された場合などです。

この場合、短縮された契約期間に応じて報酬や業務の範囲も調整されるため、その詳細を明確に文書化しておくことが重要です。

覚書の作成方法と作成時の注意点

フリーランスになったばかりの方は、覚書の作成方法がわからない方も多いでしょう。

現在では、覚書のテンプレートなどもインターネットを検索すれば無料で入手できます。

しかし、中には粗悪なものもよく散見されるので、以下に紹介する覚書の作成方法と注意点については必ず確認しておきましょう。

覚書に記載する主な項目

覚書を作成する際に記載する主な項目は以下の通りです。

  • タイトル
  • 日付
  • 当事者の名称
  • 変更内容
  • 署名欄

以下で詳しくみていきましょう。

タイトル

覚書のタイトルには、内容を簡潔に表現する名称をつけることが一般的です。

例えば、契約の変更内容を記録する場合であれば、「〇〇契約に関する覚書」「〇〇に関する変更覚書」といったタイトルが適切です。

タイトルをつける際のポイントは、内容がすぐに把握できるものにすることです。

契約の種類や変更事項を簡潔に示すことで、後で確認する際に内容がすぐに分かるようにします。

「納期変更に関する覚書」「報酬変更に関する覚書」といった具体的なタイトルをつけると、覚書の内容が明確になります。

日付

日付は、覚書が正式に締結された日を明確に記録するために非常に重要な項目です。

覚書に記載する日付は、双方が覚書に合意し、署名した日を記載します。

この日付は、覚書の法的効力が発生するタイミングを示すものとして使われることが多く、トラブルが生じた際には、合意の成立時点を明確にするために役立ちます。

日付の書き方は、通常「令和○年○月○日」という形式が一般的ですが、企業や契約内容によっては「西暦」を使用する場合もあります。

重要なのは正確な日付を記載することです。

この日付が契約の有効期間や変更の開始日などに関わることも多いため、間違えないように注意しましょう。

当事者の名称

覚書を作成する際には、合意する双方の当事者を明確に記載することが必要です。

覚書では、通常、「甲(こう)」「乙(おつ)」という略称が使われます。

「甲」は覚書を作成した側や契約を提供する側、「乙」はそれに同意する側のことです。

例えば、企業Aが業務委託契約を依頼し、フリーランスのBがその業務を引き受ける場合、企業Aが「甲」、フリーランスのBが「乙」として記載されることになります。

<記載例>

——————————–

甲:株式会社〇〇

住所:〇〇市〇〇町

代表取締役:〇〇

乙:株式会社△△

住所:△△市△△町

代表取締役:△△

——————————–

また、当事者が個人の場合もフルネームと住所を正確に記載し、後で特定できるようにすることが大切です。

変更内容

「変更内容」は、覚書の中心的な要素であり、双方が合意した具体的な変更や追加事項を明確に記載する部分です。

この項目では、何がどのように変更されるのかを具体的に、かつ分かりやすく記載する必要があります。

例えば、契約内容の修正、業務内容の追加、報酬や納期の変更などがある場合、その詳細を明確に記述します。

覚書の変更内容を記載する際には、以下の点に注意しましょう。

具体的に記載する

変更箇所や追加事項を曖昧にせず、正確かつ具体的に記述します。

例えば、「第○条の業務範囲に〇〇を追加する」といった形で、誰が見ても理解できるように記載することが重要です。

箇条書きで整理する

内容が複雑な場合は、箇条書きで整理して記載すると読みやすくなります。

文章が長くなると解釈の違いが生じやすいため、ポイントごとに簡潔にまとめることが大切です。

変更の効力発生日

変更がどの時点から有効になるのかを明確にしておくことも重要です。「この覚書は〇年〇月〇日から有効とする」といった形で記載します。

変更内容を明確に記載することで、後日、誤解やトラブルが生じるリスクを最小限に抑えられます。

署名欄

覚書の署名欄は、当事者双方が覚書の内容に同意し、正式に合意したことを示すために必要な重要な項目です。

署名または押印があることで覚書の法的効力が確立され、トラブルが生じた際には当事者双方がこの合意に同意したという証拠になります。

署名欄には、当事者のフルネームや役職、そして会社名や住所を記載し、その後に署名や押印するのが一般的です。

法人同士の場合は、代表者の氏名と会社名を記載し、個人事業主やフリーランスであれば自署と個人の住所を記載します。

<記載例>

——————————–

株式会社〇〇

代表取締役 〇〇〇〇

住所:〇〇市〇〇町

署名(または印):

株式会社△△

代表取締役 △△△△

住所:△△市△△町

署名(または印):

——————————–

(※コピペにご活用ください)

なお、法律上、必ずしも署名や押印が必要とされるわけではありませんが、実務的には双方の合意を明確に証明するために署名や押印を行うのが一般的です。

覚書を作成する際の注意点

覚書を作成する際の注意点は以下の3点です。

  1. 曖昧な表現を避ける
  2. 契約書との整合性を保つ
  3. 必要に応じて専門家に相談する

それぞれについて、詳しくみていきましょう。

曖昧な表現を避ける

覚書に記載する内容は、具体的かつ明確に書くことが大切です。

曖昧な表現や解釈の余地が残る記述は、後日、当事者間で誤解や争いの原因となり得ます。

例えば、「できる限り早く」「適切なタイミングで」といった表現では、それぞれの当事者が異なる解釈をしてしまいかねません。

代わりに、「〇年〇月〇日までに」や「〇〇円」といった具体的な期日や金額を示すことで、誰が見ても同じ意味に捉えられる表現にしましょう。

<記載例>

  • NG:「適切な期間内に支払う」
  • OK:「2024年10月31日までに〇〇円を支払う」

明確な記述を心がけることで、双方の理解が一致して将来的なトラブルを回避できます。

契約書との整合性を保つ

覚書は通常、既存の契約書の一部変更や追加事項を反映するために作成されます。そのため、覚書の内容が元の契約書と矛盾しないように注意が必要です。

特に、契約書の内容を変更する際には、その変更箇所や影響範囲を正確に反映し、契約書全体の整合性を保つことを心がけましょう。

例えば、報酬額や納期などの条件を変更する場合、契約書のどの条項が変更されるのか、具体的に記載する必要があります。

<記載例>

「本覚書により、〇年〇月〇日に締結された〇〇契約書の第〇条を以下の通り変更する。」

このように、契約書との整合性を保つことで双方の合意が明確になり、後で契約書と覚書の内容が食い違ってトラブルになることを防げます。

必要に応じて専門家に相談する

覚書を作成する際、法律に関わる部分が複雑な場合や、重大な契約変更を行う場合は、専門家(弁護士や法務担当者)に相談するのも一つの手段です。

専門家に相談することで契約や法律に関するリスクや適法性を確認でき、後日不測の事態が発生するリスクを最小限に抑えられます。

特に高額な取引や複数の条項にわたる変更がある場合、専門的な視点からリーガルチェックを行うことで、契約の適正さを確保できます。

自分で覚書を作成する場合でも、最終確認の段階で専門家にチェックを依頼することを検討するとよいでしょう。

フリーランスにとっての覚書のメリット

フリーランスとして働いていると、クライアントから覚書を提示されることがよくあります。

では、フリーランスにとって覚書は何かメリットがあるのでしょうか?

ここでは最後に、フリーランスにとっての覚書のメリットをご紹介します。

柔軟な対応が可能

フリーランスの仕事では、プロジェクトの進行中に業務内容や条件が変更されることがよくあります。

その際、覚書を作成することでクライアントからの新たな依頼や変更に柔軟かつ迅速に対応できます。

契約全体を見直す手間をかけずに追加や修正を正式に記録できるため、スムーズに業務を進めることが可能です。

業務の変更や追加事項に迅速かつ柔軟に対応できる

例えば、ウェブデザイナーがクライアントからホームページ制作を依頼された場合を考えてみましょう。

当初の契約では、10ページのサイトを制作することになっていたとします。

しかし、プロジェクトの途中でクライアントが「さらに5ページ追加してほしい」と依頼してきました。

このような場合、覚書を使って「追加の5ページの作成」とそのための報酬・納期を正式に文書化することで、契約全体を再作成することなく柔軟に対応できます。

トラブルを事前に回避

フリーランスの仕事では、合意内容を明確にしておくことが非常に重要です。

口頭でのやり取りや曖昧な記録に依存すると、後々トラブルが発生するリスクが高まります。

覚書を作成することで、業務内容や報酬、納期などの条件を正式に記録し、後日発生する可能性のある誤解や紛争を未然に防げます。

後々のトラブルを防ぐために記録を残せる

例えば、ライターが企業から特定のテーマに関する記事を書くよう依頼されたとしましょう。

口頭やメールだけで「だいたいこの範囲で」と曖昧な内容のまま進めてしまうと、納品後に「これが期待していた内容ではない」とクライアントが不満を持つことがあります。

このようなトラブルを防ぐために、覚書を使って「何文字数で」「どのテーマを」「どのようなスタイルで書くか」といった具体的な内容を明文化できます。

これにより、双方の合意事項が明確になり、後日、「聞いていない」や「伝えたつもりだった」といった誤解やトラブルを防げます。

クライアントとの信頼関係を構築

フリーランスとして長期的に成功するためには、クライアントとの信頼関係が不可欠です。

覚書を活用して双方の合意内容を明確にすることで、クライアントに対して透明性を示し、共通認識を共有できます。

この透明なコミュニケーションが信頼の基盤となり、将来的なパートナーシップや継続的な仕事につながることが多いです。

クライアントとの間で共通の認識を持てる

例えば、建築の設計士がクライアントと家の設計プランを話し合った場合、クライアントが「シンプルでモダンなデザイン」と漠然とした希望を述べてきたとしましょう。

この場合、「シンプル」という言葉の解釈は人によって異なるため、曖昧なまま進めると、最終的にクライアントが「これは自分のイメージと違う」と感じるリスクが高まります。

このようなケースでは、覚書を使って「シンプル」という言葉を具体的な要素に分解し、「シンプルなデザインには〇〇といった要素を含む」と明確に記載することで、双方が同じ認識を持てます。

結果として、設計プロセスがスムーズに進み、クライアントが最終的に満足する成果を得やすくなるのです。

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覚書とは2

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まとめ

本記事では、業務委託契約における「覚書」の役割、作成方法、注意点について詳しく解説しました。

覚書は契約内容の変更や追加事項を正式に記録するための重要な手段であり、契約書や念書とは異なる特徴を持っています。

覚書を適切に作成することで、業務の変更に柔軟に対応し、トラブルを防ぎ、クライアントとの信頼関係を深めることが可能です。

本記事を参考に、業務委託契約で覚書を積極的に活用し、ビジネスのトラブルを未然に防ぎ、円滑な業務運営に役立てていただければ幸いです。

エンジニアスタイルマガジン」では、今後もこういったフリーランスエンジニアにとって役立つ最新情報を随時お届けいたします。

それでは、また別の記事でお会いしましょう。今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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