AIエンジニアの将来性は明るい?人材不足の背景や需要の高い業界を紹介
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目次
導入
AI技術の発展に伴い、AIエンジニアとして活躍することが魅力的な職業として注目を集めていますが、AIエンジニアになるためのスキルや求人の実情についてはまだ不透明なままの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、AIエンジニアの将来性について、現在の需要や人材不足の背景、需要の高い業界などを紹介します。また、AIエンジニアとして活躍するために必要なスキルや年収、具体的な案件などについても解説します。
AIエンジニアの将来性について詳しく知ることで、AIエンジニアとしてのキャリアを検討している方や、スキルアップを目指している方にとって、必ず役に立つはずです。
AIエンジニアの需要と将来性は?
AIエンジニアの需要と将来性は、一般的には非常に明るいといわれています。
ここでは、その要因として重要な要素をいくつか詳しく解説していきます。
AIエンジニアの現状の需要
AIエンジニアは、将来的にも需要が高まり続けることが予想されます。
経済産業省が2019年に発表した「IT人材供給に関する調査」によると、AIエンジニアの需要は2018年では約4万人であったのに対し、2030年には約24万まで拡大すると予測されています。
AIが用いられる分野は広く、スマートフォン、医療分野における画像解析、農林分野に用いられるAIドローンによる農薬散布などに利用可能です。AIには改善の余地がある限り需要は無くならず、将来性が非常に高いと言えます。また、AIが適用される分野は今後も拡大していくことが予想されます。
しかしながら、現在のAIエンジニアの供給は需要に追いついておらず、IT企業のAI人材は70%以上が不足しているとされています。つまり、AIエンジニアは非常に高い需要があるのに供給が追いついておらず、将来的にも需要が高まり続けるでしょう。
AI市場の規模は拡大傾向にある
AI(人工知能)に関連したビジネス市場は、毎年大きくなっています。
2020年には、新型コロナウイルスの影響で多くの企業がAIを導入し、その売上金額は前年度比で19.9%増加しました。今後も、AIを使って業務効率化やDX(デジタルトランスフォーメーション)を進める企業が増えるため、市場は拡大する傾向にあると予想されています。
AIの分野に参入する企業も増え、機能の差別化や価格競争が起こっています。特に機械学習プラットフォーム市場では成長が見られ、低価格化が進むことで今後も拡大が予想されます。将来的には、AIがビジネスを動かす時代が来るかもしれません。
AI人材の需要に対して供給は大きく不足している
国策として教育改革とAI人材育成を推進している
日本政府は、未来投資戦略2018の中で、AIを活用できる人材育成に力を入れる方針を示しています。
具体的には、自動運転の開発に必要なAIを含むソフトウェア人材の確保に向け、2018年度中に自動運転に係る自動車ソフトウェアに関するスキル標準を策定し、翌年度中にスキル標準を活用した人材育成講座を開始することを目指しています。
また、大学などにおけるAI人材供給の拡大を目指すことや、工学系教育改革を推進するなど、国策として教育改革とAI人材育成を進めています。
産学連携を促進し、海外と同程度の待遇を実現できるよう、人事・給与制度の効果的な見直しを促すことで、幅広い企業や大学・研究機関などにおいてAI人材育成の拡大を支援する予定です。
AIエンジニアの将来は明るい
総じて、AIエンジニアの将来性は明るいといえます。
その理由は、AIスキルを持った人材がまだ日本には少なく、人手不足が問題になっていることや、AIエンジニアの業務が企業の売上に直結しやすいため、高い年収を期待できることなどが挙げられます。
将来的にはAI技術がますます普及することが予想され、AIエンジニアの需要も今後も増加していくことが見込まれています。そのため、AIスキルを身につけることで、安定した職業を手に入れることができるでしょう。
今後さらにAIサービスが日常に浸透していく
今後、AI技術の進歩や利用範囲の拡大により、ChatGPTのようなAIサービスはますます日常生活に浸透していくと考えられます。
例えば、AIによって個人の音声を学習し、より自然な音声合成を実現するサービスや、AIによって医療診断を支援するサービスなど、AIを活用した様々なサービスが生まれることが予想されます。
これらのAIサービスの進化により、今後ますますAIは日常に浸透していくでしょう。
IoT産業が今後さらに成長していく
AIエンジニアにとって、今後のIoT産業の成長は注目すべきポイントです。
IDC Japanが発表した調査によると、2021年の国内IoT市場のユーザー支出額は5兆8,948億円であり、2026年には9兆1,181億円に達する見込みです。特に、製造業においては、幅広い用途でIoTが活用され、支出額が大きくなっています。
また、個人消費者向けのIoT市場も、スマートホームなどのユースケースが牽引することによって、2023年以降には主要産業分野の中で最も大きな支出額規模になると見込まれています。
今後もIoT市場の成長が続くことが予測されており、AIエンジニアとしてIoTに関連する技術の習得やIoT活用に向けた取り組みが重要になるでしょう。
AIエンジニアはいらないという意見もある。その背景とは?
AIの発展に伴い、自動化や機械学習の技術が進化する中で、AIエンジニアはいらないという意見が一部に存在しています。
ここでは、なぜそのような意見が出ているのか、詳しく解説します。
AI技術の発展により、そのAIに取って代わられるという意見
AI技術が発展するにつれて、AIに取って代わられるという意見があります。
しかし、現在のAIは人間に代わることができる職務は限られており、AIエンジニアのような職種においては、AIを作る側であるため、人間独自の思考や判断が必要不可欠です。
さらに、AIが人間に代わることができるようになるには、まだまだ時間がかかるということも指摘されています。
つまり、AIに取って代わられる可能性がある職種は限られており、AIエンジニアなどの専門職については、今後も需要が継続することが予想されます。
部分的なAI開発しかできないと淘汰される
AIエンジニアは、部分的なAI開発しかできないと、淘汰される可能性があるという意見もあります。
例えば、「AutoML」と呼ばれる画期的な自動化ソリューションが登場しましたが、AIエンジニアは依然として重要な存在です。しかしながら、AIの発展とともに、AIエンジニアに求められる能力も変化しています。
今後は、AI開発のすべてのプロセスを手がけるフルスタックAIエンジニアがより重要視されるようになるでしょう。つまり、AI開発の各段階において必要な技術や知識を持ち、それを組み合わせてAIシステムを開発することが求められるようになります。
そうした中で、部分的なAI開発しかできないエンジニアは淘汰される可能性があるため、AIエンジニアは自己研鑽を続け、AIの最新技術やトレンドに対応できるように努力する必要があるでしょう。
AIエンジニアの需要が高い業界って?
AIエンジニアの需要が特に高い業界はどのような業界なのでしょうか。
ここでは、特に需要が高いとされる5つの業界について、その理由を詳しく解説していきます。
- メーカー(キーエンスやソニーなど)
- IT/Web業界
- 金融・保険業界
- 製造業界
- アパレル(EC)
メーカー(キーエンスやソニーなど)
キーエンスやソニーなどに代表されるメーカーは、AIエンジニアの需要が高まっています。
例えば、ソニーでは、AIとロボティクスの領域で要素技術と最新の技術を融合して研究開発に取り組むエンジニアを募集しています。特に、aibo、ドローンをはじめとするロボット商品・サービス事業や、ソニーコンピューターサイエンス研究所(Sony CSL)でのAI関連の研究成果が目立っており、AI関連技術に力を入れていることがわかります。
また、キーエンスでは、プロジェクトの特性に応じて自動化・ロボット化に関わる最先端技術の導入を自ら提案することができるエンジニアを募集しています。エンジニアは、自身の技術力を磨き、改善を積み重ねていくことで、キーエンスの付加価値を高めていくことができます。
IT/Web業界
IT/Web業界では、AIエンジニアの需要が高まっています。
これは、ITエンジニアの需要が増加し、データ活用に関わるAIやビッグデータを専門とするエンジニアや、データ保護のためのセキュリティ分野に詳しいエンジニアのニーズが高まっているためです。また、AIエンジニアの仕事内容は高度かつ専門的であるため、企業側は経験者を求めています。
Webエンジニアの需要も高まっており、スタートアップ企業が増え、Webアプリで作られたサービスが多くなっているため、Webエンジニアの需要も人手不足の傾向にあります。
IT/Web業界のIT人材は不足しており、今後も需要と供給の差が大きく開いていくことが予測されているため、IT/Web業界ではAIエンジニアの需要が高まっているといえます。
金融・保険業界
金融・保険業界では、AIエンジニアの需要が高まっています。
金融業界では、AIを活用した取引用ロボット助言サービスやアルゴリズム取引、予測分析など多様なAI活用が進んでおり、金融サービス業界の経営幹部の52%がAIに「かなりの」投資をしていることが報告されています。さらに、金融業界にAIサービスを導入するメリットとして、データ処理の効率化、審査の最適化、不正行為の予防、需要の予測、雇用の効率化、顧客満足度の向上、新しい働き方の提供が挙げられています。
また、保険業界でもAIを活用した保険診断や車両修理見積をAIで自動点検するなど、多様なAI活用が行われており、保険業界でもAIエンジニアの需要が高まっています。
以上から、金融・保険業界でもAIエンジニアの需要が高まっているといえます。
製造業界
製造業界におけるAIエンジニアの需要は高まっていると言えます。
製造業界でも、自動化・効率化の推進や品質管理・メンテナンスの向上などを目的として、AI技術が導入されつつあります。また、AIを活用した製品・サービスの開発や、AIチップの開発にも注力している企業もあります。
以上から、製造業界においてもAIエンジニアの需要は高まっており、今後も増加すると予想されています。
アパレル(EC)
アパレル業界やECサイトにおいて、AIエンジニアの需要は高まっています。
アパレル業界では、需要予測をはじめとした様々な分析作業にAIを活用することで、業務の効率性や効果の向上が求められており、すでにAIによる需要予測が定番化しています。また、ECサイトに参入する企業も増えており、トレンドの変化も早いため、AIの活用がますます求められています。
他にも、AIを使っておすすめ商品を提案するサービスなども注目を集めています。例えば、商品の色味やデザイン、素材などの好みをAIに学習させて、顧客の好みを分析することにより、AIが自動的にユーザーに的確な商品を提示することも可能です。
以上から、アパレル業界やECサイトにおいては、AIエンジニアの需要が高まっています。
AIエンジニアの将来性を考えた時に今後求められるスキルとは
AIエンジニアの将来性を考えた時に求められるスキルについて、自分の専門分野に応じた強みを活かすことが重要です。
具体的には、データサイエンティストや機械学習エンジニアなどの職種によって全てのスキルを身につける必要はなく、ベースとなるスキルを持っていることが大切です。
そこから自分の専門分野に応じたスキルを磨くことで、強みをさらに伸ばすことができます。
ベースとなるスキルの専門性を高める
では、ベースとなるスキルにはどういったものがあるのでしょうか?
ここでは、AIエンジニアのベースとなるスキルを、3つ厳選してご紹介します。
- 機械学習・ディープラーニング
- Pythonをはじめとしたプログラミング
- 統計学・数学的知識
機械学習・ディープラーニング
AIエンジニアに必要なスキルの中でも、最も重要なのは機械学習やその発展形であるディープラーニングの知識と技術です。これは、AIの根幹となる部分であり、大量のデータを扱う上で必要なスキルです。
しかし、AIエンジニアに必要なスキルは、職種や業界によって異なるため、データサイエンティストや機械学習エンジニアなど、自分が目指す職種によってスキルを選択する必要もあります。
ただし、どの職種になるにせよ、機械学習とディープラーニングについての基礎的な知識と、その応用に必要なライブラリの理解は必須です。また、機械学習による大量のデータ処理において、論理的な思考力や、好奇心や学習能力など、向いている性格も必要とされます。
Pythonをはじめとしたプログラミング
Pythonをはじめとしたプログラミング言語の理解もAIエンジニアにとって重要なスキルとなります。
Pythonは、多くのAIライブラリが存在することや、機械学習やディープラーニングにおいて扱うデータの前処理がしやすいことから、AIエンジニアにとって必須のプログラミング言語となっています。
AI活用において重要となるのは、AIに学習させる大量のデータを解析する能力です。Pythonをはじめとしたプログラミング言語を理解し、データ解析の能力を身につけることが、AIエンジニアのベースとなるスキルといえます。
統計学・数学的知識
統計学や数学的知識はAIエンジニアのベーススキルの一つです。
AI技術は数学的な理論をベースとして成り立っており、数多くのデータを集め、分類や予測を行うモデルを構築します。 そのため、AIエンジニアには数学的な知識が求められます。具体的には、回帰や数理モデルといった数学的な知識が必要です。
また、AIエンジニアは、統計量や確率論といった統計学の知識も必要とされます。
以上のように、AIエンジニアには統計学や数学的知識が必要であり、これらはAIエンジニアのベーススキルの一つです。
データをどのように活用するのかを意思決定できる経営・戦略スキル
IoTやAIサービスなどで収集される大量のデータを分析し、ビジネスに活かすためには、経営・戦略スキルが不可欠です。
AIエンジニアは、データ分析の専門家として、データを収集し、分析することによって企業に有益な情報を提供することが求められます。データをどのように活用するかを意思決定するためには、ビジネスに関する知識、経験、洞察力が必要です。
これらのスキルを持つAIエンジニアは、ビジネスの戦略的な決定を支援し、企業価値の向上に貢献することができるため、今後も活躍が期待されます。
ハードウェアに関する知識や実務経験・組み込みエンジニアとしてのスキル
AIエンジニアになるためには、ハードウェアに関する知識や実務経験も必要です。
組み込みエンジニアとしてのスキルを身につけることで、より高度なAIシステムの開発が可能になります。組み込みエンジニアは、ハードウェアやソフトウェアの両方に関する基礎知識が必要であり、CPUや周辺IC、電子デバイスなどについても知識を持つ必要があります。
AIシステムを実際にハードウェアに組み込むことで、高度な機能や性能を発揮することができるため、組み込みエンジニアとしてのスキルを身につければ、AIシステムの開発において重要な役割を果たすことができます。
AIエンジニアの年収はどれくらい?会社員とフリーランス案件例を交えて紹介
AIエンジニアの年収は、実際にはどのくらいなのでしょうか。
ここでは、AIエンジニアの年収を会社員の場合とフリーランスの場合にわけて解説し、フリーランスAIエンジニアの具体的な案件を紹介します。
- 会社員の場合:AIエンジニア全体の平均年収
- フリーランスAIエンジニア全体の平均年収
- フリーランスAIエンジニアの具体的な案件
会社員の場合:AIエンジニア全体の平均年収
AIエンジニアが会社員として働く場合の平均年収は約600万円で、日本の平均年収よりも高い傾向にあります。正社員の給料分布を見ると、ボリュームが多いのは550〜642万円の水準で、平均年収の600万円もこの範囲に含まれます。
ただし、全体の給与幅が365万円から1,104万円と比較的広いため、経験やスキル、勤務先によって大きな差がでるでしょう。なお、海外のAIエンジニアの平均年収は1,000万円を超える場合が多く、日本と比較すると高めになっています。
フリーランスAIエンジニア全体の平均年収
日本のフリーランスのAIエンジニアの平均年収は、単価73万円をもとに算出すると、おおよそ876万円となります。ただし、最高単価は160万円、最低単価は10万円と幅があり、単価によって大きな差があることがわかります。
フリーランスとして働く場合は、自己責任で仕事を獲得する必要があるため、単価だけでなく仕事量や獲得案件数によって年収が大きく変わってくることに留意しておきましょう。
フリーランスAIエンジニアの具体的な案件
フリーランスAIエンジニアの具体的な案件を確認することで、実際の仕事内容を概ね理解することができます。
ここでは、フリーランスAIエンジニアの案件をいくつか紹介いたします。
案件例①:MLOps 機械学習モデルのためのCI/CD環境構築
この案件は、機械学習モデルのデプロイを効率的に行うための環境構築や、データ処理のためのミドルウェア開発、インフラの構築などを行う仕事です。
具体的には、ビジネス課題の整理や機械学習ワークフローの設計・開発・運用、データ提供APIの設計・開発・運用、CI/CDパイプラインの構築などが想定されます。
この案件に向いているのは、CI/CDの経験があり、Pythonを使った開発経験やインフラ開発経験、監視ツールの導入・運用経験を持つ人です。また、ビジネス課題に対する深い理解があり、柔軟なコミュニケーション能力がある人が求められます。AIエンジニアとしては、中級の案件といえるでしょう。
案件例②:【Python】新規AI系SaaSプロダクト開発案件
この案件では、AI Automation事業のプロダクトの開発に携わり、主にサーバーサイド開発を行います。
具体的には、企画・設計・実装・テスト並びに各技術選定、安定したサービス提供のための改善及び新しい技術の利活用、パフォーマンスチューニング等の作業に携わります。
Pythonを用いた新規AI SaaSプロダクトの開発に携わりたい方、新しい技術を学び、素早く身につけたい方、トレンドの「ディープラーニング」について触れたい方、スピード感や大きな変化を楽しみながら作業を進めたい方におすすめです。
まとめ
AIエンジニアは今後ますます需要が高まり、その将来性は明るいと言えます。
AI市場の拡大傾向に加え、現在のAI人材の需要に対する供給不足や国策によるAI人材育成の推進も後押しとなるでしょう。
一方でAI技術の発展によりAIに取って代わられるという意見もあることも事実です。
AIの分野は非常に急速に発展しており、新しいアルゴリズムやツールが次々に登場しています。
AIエンジニアとして活躍し続けるには、常に最新の技術やビジネスのトレンドに敏感であり、継続的なスキルアップとコミュニケーション能力を磨くことが必要不可欠です。
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