Kotlinのフレームワークの概要、目的別のオススメフレームワークを徹底解説!

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目次
Kotlinとは?
Kotlinは、JetBrainsが開発したJava仮想マシン(JVM)上で動作する静的型付き言語であり、AndroidアプリケーションやWebアプリケーション、サーバーサイドアプリケーションなどの開発に使用されます。KotlinはJavaよりも簡潔で生産性が高く、同じ機能を実現するために必要なコード量が少ないため、コードの保守性が高くなります。
Kotlinのフレームワークとは?
Kotlinのフレームワークは、KotlinでWebアプリケーションやサーバーサイドアプリケーションを開発するためのライブラリとツールセットです。これらのフレームワークは、Webアプリケーションやサーバーサイドアプリケーションの開発を容易にし、開発者がアプリケーションの開発に集中できるようにします。
Kotlinフレームワークを利用するメリットは?
Kotlinフレームワークを用いて開発することのメリットは以下の6点になります。
Javaとの親和性が高い
KotlinはJavaとの親和性が非常に高いため、Javaで書かれたコードとの互換性が高く、既存のJavaライブラリを利用することができます。そのため、JavaからKotlinに移行することも比較的容易で、既存のJavaアプリケーションとの統合もスムーズに行えます。
また、KotlinはJavaと同様にJVM上で動作するため、既存のJavaのエコシステムを活用することができます。例えば、Javaで書かれたWebフレームワークやデータベースアクセスライブラリなどをKotlinのアプリケーションで利用することができます。
さらに、KotlinはJavaのように静的型付け言語であるため、Javaプログラマーにとっても比較的簡単に学ぶことができます。そのため、既存のJava開発者にとってはKotlinの導入が比較的容易であるといえます。
高速でエラーが少ない
Kotlinは静的型付け言語であり、実行時のエラーを事前に検知できるため、エラーの少ない高品質なコードを書くことができます。また、Javaと同じJVM上で動作するため、Javaのライブラリやフレームワークを利用することができます。このようにJavaとの親和性が高いため、Javaのエコシステムにアクセスでき、開発効率も向上することが期待できます。さらに、Kotlinはコード行数が少なく、関数型プログラミングの特徴を持っているため、高速な開発を実現することができます。これらの要因が組み合わさり、高速でエラーが少ない開発が可能となっています。
コードの可読性が高い
可読性が高いメリットは、コードの理解性が向上し、開発者間のコミュニケーションやチーム開発を促進するための基盤となります。また、可読性が高いコードは、保守性が向上し、バグ修正や機能追加などの変更に対するリスクを軽減することができます。さらに、可読性が高いコードは、品質が高くなり、ソフトウェア開発の生産性や効率性を向上させることができます。
フレームワークの選択肢が豊富
KotlinはJavaと同様に、多くのフレームワークが利用可能です。Spring Boot、Micronaut、Ktor、Javalinなどのフレームワークがあり、それぞれ特徴や得意分野が異なります。それぞれのフレームワークには、異なる特徴や利点があり、開発者はプロジェクトの要件や目的に合わせて最適なフレームワークを選択することができます。このようなフレームワークの多様性は、開発者が柔軟にアプリケーションを構築することを可能にし、開発プロセスを効率化することができます。また、競争の激しいフレームワーク市場においては、新しいフレームワークの登場や既存フレームワークの改良が行われることで、開発者にとって常に最新の技術を取り入れることができる可能性があります。
コミュニティが活発
Kotlinのコミュニティは急速に成長しており、多くの情報や資料が利用可能です。また、Kotlinの開発者コミュニティは積極的に開発を進めており、新しい機能や改善が定期的にリリースされています。
Android開発にも利用可能
KotlinはAndroid開発でも利用可能であり、Androidアプリケーションの開発に適しています。KotlinはJavaに比べてコードの量が少なく、エラーが少ないため、Androidアプリケーションの開発効率を高めることができます。
Kotlinフレームワークを利用するデメリットは?
Kotlinフレームワークを利用し開発することのデメリットとしては以下の2点が挙げられます。
初学者には学習コストが高い
KotlinはJavaに比べて新しいプログラミング言語であり、まだそれほど広く普及しているわけではありません。そのため、初めてKotlinフレームワークを利用する場合、学習コストが高いと感じることがあるかもしれません。
ドキュメントが不足している
Kotlinは比較的新しい言語であり、そのためフレームワークのドキュメントが不足している場合があります。これは、開発者がフレームワークを理解し、最適な方法で利用するために必要な情報が不十分であることを意味します。
Javaとの互換性に制限がある
KotlinはJavaと互換性があるため、Javaと同じようにJavaライブラリを利用することができます。しかし、Javaと完全に互換性があるわけではないため、KotlinでJavaライブラリを利用する際には、制限がある場合があります。
コミュニティがまだ小規模
Kotlinのコミュニティは成長していますが、まだJavaのコミュニティほど大きくはありません。そのため、Kotlinフレームワークを利用する場合、Javaフレームワークと比較して、コミュニティが提供するサポートや情報源が限られる可能性があります。
Kotlinのおすすめフレームワーク
実際にKotlinフレームワークを用いて開発を行っていく際におすすめのフレームワークをご紹介します。
Spring Boot
Spring Bootは、Javaアプリケーションを簡単かつ迅速に構築するためのフレームワークであり、Kotlinとの相性も非常に良いことで知られています。Spring Bootの特徴は以下のようになります。
シンプルなパッケージ
Spring Bootは、シンプルなパッケージングを提供することで、アプリケーションのデプロイメントを簡単に行うことができます。また、必要な依存関係を自動的に解決するため、アプリケーションのビルドにかかる時間を短縮することができます。
記述コードが削減可能
Spring Bootは、多くの自動構成機能を提供するため、開発者は必要最小限のコードでアプリケーションを構築することができます。これにより、開発者の生産性が向上し、アプリケーションの保守性が向上します。
XML設定ファイルが不要
Spring Bootは、アノテーションによる構成を提供することで、XML設定ファイルが不要になります。これにより、アプリケーションの開発および保守が簡単になります。
コミュニティが成熟している
Spring Bootは、Spring Frameworkの一部であり、非常に成熟したコミュニティを持っています。そのため、多数のコントリビューターが存在し、安定性や品質の向上に努めています。また、豊富なドキュメントやコミュニティサポートもあり、初心者から上級者まで幅広い層が利用することができます。
以上のように、Spring Bootはシンプルでありながらも強力な機能を持ち、アプリケーション開発に非常に役立つフレームワークです。Kotlinとの相性も非常に良いため、Kotlin開発者にもおすすめのフレームワークとなっています。
wasabi
wasabiはKotlinで書かれたWebフレームワークで、以下のような特徴を持っています。
MVCがない
wasabiはMVC(Model-View-Controller)アーキテクチャを採用していません。これは、Webアプリケーションを設計するためにMVCの規則に従わなければならないという制限を回避することができるため、より柔軟性があります。
WebAPIを提供可能
wasabiは、RESTfulなWebAPI(2 つのコンピュータシステムがインターネットを介して安全に情報を交換するために使用するインターフェース)を簡単に作成できるように設計されています。Kotlinの強力な言語機能を利用して、コードの量を削減しながら、高速でスケーラブルなAPIを構築することができます。
開発が活発
wasabiは、積極的に開発が進められており、最新のバージョンが頻繁にリリースされています。また、wasabiのGitHubページでは、ユーザーがフィードバックを提供し、問題を報告し、改善提案を行うことができます。
Ruby言語のWebフレームワークsinatraと同系のフレームワーク
wasabiは、Ruby言語で書かれたsinatraと同様の軽量なWebフレームワークです。sinatraは、Rubyの開発者によって愛され、広く使われています。wasabiは、sinatraの概念をKotlinに移植し、KotlinでWebアプリケーションを開発することができるようになります。
Jooby
Joobyは、Kotlinで書かれたWebアプリケーションのためのマイクロフレームワークで、以下のような特徴を持っています。
マイクロフレームワーク
Joobyはマイクロフレームワークであるため、開発者が必要とする機能に集中することができます。また、ライブラリやフレームワークの組み合わせによって構築されたアプリケーションよりも、実行時のオーバーヘッドが少なくなるため、高速で軽量なアプリケーションを構築することができます。
高い拡張性
Joobyは、開発者がアプリケーションに必要な機能を自由に組み合わせて利用できるように設計されています。多数のプラグインが提供されており、HTTPルーティング、データベースアクセス、セキュリティ機能など、多岐にわたる機能を実現することができます。
型安全
Kotlinは、静的型付け言語であり、コンパイル時に型チェックが行われます。このため、Joobyを利用することで、実行時のエラーを事前に防ぐことができます。
学習コストがやや高い
Joobyは、フレームワークの機能が多岐にわたっており、多数のプラグインが提供されているため、初めて利用する開発者にとっては学習コストがやや高いというデメリットがあります。しかし、Kotlinを利用したことがある開発者であれば、学習コストは比較的低くなるでしょう。また、豊富なドキュメントやチュートリアルが提供されているため、効率的に学習することができます。
ktor
Ktorは、Kotlin向けの軽量なWebフレームワークで、以下のような特徴を持っています。
軽量処理
Ktorは、非同期I/Oを利用して高速なWebアプリケーションを実現するため、軽量で処理速度が速いという特徴があります。
最低限の機能のみ提供
Ktorは、必要な機能だけを提供するミニマルなフレームワークです。Webアプリケーションを開発するために必要な機能は、すべてKtorに組み込まれていますが、過剰な機能は提供されていません。
高い拡張性
Ktorは、標準の機能に加えて、拡張機能を提供しています。これにより、アプリケーションの機能をカスタマイズできます。例えば、Ktorは、Auth、Metrics、WebSocketsなどの拡張機能を提供しています。
動作環境を選ばない
Ktorは、Javaのバージョン8以上で動作するため、Java仮想マシン(JVM)上で動作するほとんどの環境で使用することができます。また、Ktorは、Kotlin/Nativeでビルドすることもできます。これにより、モバイルアプリや組み込みシステムなど、JVM以外のプラットフォームでも使用できます。
javalin
軽量
javalinは軽量なフレームワークで、非常にシンプルな構造を持ち、必要な機能だけを提供します。そのため、起動が非常に速く、リクエストの処理も高速に行うことができます。また、必要な機能だけを提供するため、メモリ使用量も少なく抑えられています。
設計がシンプル
javalinは、KotlinとJavaの両方の言語をサポートしていますが、Kotlinのコードで記述することを推奨しています。Kotlinによる開発により、コードの可読性が向上し、開発者が簡単にjavalinを理解することができます。また、javalinのAPIは非常にシンプルで直感的なため、コードの記述も簡単に行うことができます。
非同期リクエストに対応
javalinは、非同期リクエストに対応しています。非同期処理により、Webアプリケーションのパフォーマンスを向上させることができます。また、javalinは、JavaのCompletableFutureやKotlinのcoroutineなどの非同期処理に対応しているため、開発者が自由に選択できます。
Gradle
Gradleは、ビルド自動化ツールの1つであり、AntやMavenと並んでよく使われています。Gradleは、プロジェクトのビルドを行うためのDSL(Domain Specific Language)であるGroovyをベースに設計されており、Groovyの豊富な構文を使って、ビルドスクリプトを記述できます。
曖昧な文法
Gradleの特徴の1つとして、「曖昧な文法」が挙げられます。Groovyの構文を使って記述されたGradleのビルドスクリプトは、非常に自然な言語に近い文法を持っています。しかし、その反面、構文が複雑になりやすく、コードが読みにくくなることがあります。また、Gradleのビルドスクリプトでは、同じタスクを複数回実行するなどの問題が発生しやすいため、注意が必要です。
ビルドの高速化に秀でている
一方で、Gradleはビルドの高速化に優れており、ビルド時のパフォーマンスが優れていることが特徴です。また、Mavenと比較して柔軟性が高く、カスタマイズ性に優れています。ビルドスクリプトをGroovyで記述できるため、標準ライブラリだけでなく、外部のライブラリも使うことができます。さらに、Gradleは、Androidアプリケーションのビルドにも使われており、Javaだけでなく、Kotlinのビルドもサポートしています。
Gradleは、曖昧な文法を持ち、学習コストが高いというデメリットがありますが、ビルド速度や柔軟性、拡張性に優れているため、多くの開発者に利用されています。
Android開発におすすめのフレームワークは?
Android開発におすすめのKotlinフレームワークは、Android Jetpackです。Android Jetpackは、Androidアプリケーションの開発に必要なライブラリとツールセットであり、Kotlinとの相性が良く、高速かつ堅牢なアプリケーションを開発することができます。
Kotlinの将来性は?
Kotlinは、Javaに代わる主要なプログラミング言語の1つになる可能性があります。Kotlinは、GoogleによってAndroidアプリケーションの公式言語として採用されており、Kotlin Multiplatformを使用することで、iOSやWebアプリケーションなど、複数のプラットフォームで開発することができます。さらに、Kotlinは、Javaとの相互運用性が高く、Javaのエコシステムとの親和性があります。そのため、Kotlinを学ぶことで、Javaにも容易に移行することができます。
また、Kotlinは、コンパイル時の安全性や効率性が高く、記述コードが少なくて済むため、開発者の生産性を高めることができます。これらの理由から、Kotlinの将来性は非常に高いと考えられています。
まとめ
Kotlinは、Javaに代わる主要なプログラミング言語の1つであり、Javaとの相互運用性が高く、コンパイル時の安全性や効率性が高いため、将来性が非常に高い言語です。また、Kotlinフレームワークを利用することで、開発者はアプリケーションをより簡単に開発することができます。
おすすめのKotlinフレームワークとしては、Spring Boot、Wasabi、Jooby、Ktor、Javalinが挙げられます。それぞれのフレームワークには、利点と欠点があります。開発者は、自分のプロジェクトに合ったKotlinフレームワークを選択することが重要です。
Android開発においては、Android Jetpackがおすすめです。Android Jetpackは、Kotlinとの相性が良く、高速かつ堅牢なアプリケーションを開発することができます。
最後に、Kotlinを学ぶことで、Javaにも容易に移行することができるため、今後のキャリアにおいて非常に有用なスキルとなるでしょう。
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この記事を書いた人

1992年生まれ、北海道出身。トレンドスポットとグルメ情報が大好きなフリーライター。 衣・食・住、暮らしに関する執筆をメインに活動している。 最近のマイブームは代々木上原のカフェ巡り。
この記事を監修した人

大学在学中、FinTech領域、恋愛系マッチングサービス運営会社でインターンを実施。その後、人材会社でのインターンを経て、 インターン先の人材会社にマーケティング、メディア事業の採用枠として新卒入社し、オウンドメディアの立ち上げ業務に携わる。独立後、 フリーランスとしてマーケティング、SEO、メディア運営業務を行っている。