プロジェクトマネージャーがフリーランスになる上で求められるスキルと経験とは?具体的な案件と平均単価も紹介
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目次
はじめに
プロジェクトマネージャーは、非常に専門性の高い職業ですが、高い年収が期待できる夢のある職業ともいえます。
本記事では、プロジェクトマネージャーとしてフリーランスで活躍する場合に求められるスキルや、そのメリットやデメリットについて、具体的な案件の紹介も含めて詳しく解説しています。
誰が読んでもわかるように、難しい専門用語などはできるだけ使わずに、シンプルに解説していますので、ぜひ最後までご覧になってください。
プロジェクトマネージャーに求められるスキルとは
プロジェクトマネージャー(PM)は、多くのスキルが必要とされています。
ここでは、PMに求められるスキルとして代表的な以下の5つについて詳しく解説します。
- 包括的な管理能力・マネジメント能力
- 課題予測・解決能力
- コミュニケーション能力とサポート能力
- 複数の業界への知識と理解
- 上流工程から下流までの一連の業務経験
包括的な管理能力・マネジメント能力
1つ目は、包括的な管理・マネジメント能力です。これは、プロジェクトマネージャーにとって、最も重要なスキルといっても過言ではないかもしれません。
一般的にプロジェクトマネージャーの仕事内容は以下の4つです。
- プロジェクト全体の設計・プランニング
- 人材の配置と開発環境の整備
- スケジュールの調整と管理
- 開発フェーズ毎の品質管理
大規模なシステム開発になればなるほど、大量の人材や調整が必要になってきます。
プロジェクトマネージャーは、クライアントと自社内の板挟みの中で、これら全ての業務を円滑にこなしていく必要があります。
そのためにも、包括的な管理・マネジメント能力は必須能力として、プロジェクトマネージャーには求められます。
課題予測・解決能力
2つ目は、課題予測・解決能力です。
システム開発の現場では、多くのトラブルが発生します。
例えば、クライアントから何の前触れもなく、システムの機能を追加して欲しいと依頼されたり、納期を少し早めるようお願いされるのは日常茶飯事です。他にも、自社内でトラブルが発生することも多くあります。
プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体の責任を一手に引き受けることになる非常に責任の重い立場の職業です。
システムを無事納品するためにも、これらのトラブルを事前に予測し、問題が発生した場合は、周囲への配慮を怠ることなく、冷静に対処していく必要があります。
そのため、プロジェクトマネージャーは、高いレベルの課題予測能力と問題解決能力が求められます。
コミュニケーション能力とサポート能力
3つ目は、コミュニケーション能力とサポート能力です。
プロジェクトマネージャーは、一般的なシステムエンジニアと比較して、多岐にわたる関係者と繋がりをもつ職業です。
クライアントはもちろんのこと、協業関係者や自社内の経営層から現場で実際に働くエンジニアまで、多くの人間とコミュニケーションを取らなければなりません。
また、日本はIT人材不足に長い間悩まされているため、業務経験がそこまで長くないエンジニアにも、現場ですぐに活躍してもらう必要があります。
そういった人材に対するサポートや、チーム間でのコミュニケーションを円滑にするために施策をたてるのも、プロジェクトマネージャーの業務の一つです。
そのため、プロジェクトマネージャーは、多様な人間と深いつながりがもてるコミュニケーション能力と、経験の浅いエンジニアを現場で活躍させるためのサポート能力が求められます。
複数の業界への知識と理解
4つ目は、複数の業界への知識と理解です。
オンプレミス型(自社運用型)のシステム構築などが主流とされていた時代では、そのクライアントの業界の知識を有していれば、そこまで他業種への知識は必要とされていませんでした。
しかし、現在ではオンプレミスでのシステム開発はもはや下火であり、大手ITベンダーはクライアントの業界にあったシステムを提案する必要があります。
例えば、マーケティングに関するシステム開発プロジェクトならば、マーケティングの知識と理解が必要とされます。他にも、システムの改修や再構築などのプロジェクトの場合、その業界で主流のシステムについて知識と理解が必要です。
そのため、プロジェクトマネージャーは、プロジェクトごとにクライアントが変わる可能性もあるため、複数の業界への知識と理解が必要です。
上流工程から下流までの一連の業務経験
5つ目は、上流から下流までの一連の業務経験です。
プロジェクトマネージャーの業務内容には、システムの設計も含まれます。
システムの設計を行うためには、クライアントのニーズを的確に汲み取ってシステムに反映させる必要があります。
よくあるシステム開発のトラブルとして、クライアントの要望を設計に組み込んだのはいいものの、なかなか開発が上手くいかずに、納期に間に合わなくなることがあります。
このような場合、責任を強く問われるのはプロジェクトマネージャーです。
こういったトラブルを回避するためには、設計段階のような上流工程の経験だけでなく、開発やテスト工程といった下流工程の経験と知識が必要です。
そのため、プロジェクトマネージャーは、スケジュール通りにシステムを納品するためにも、下流工程も含めた一連の業務経験が求められます。
プロジェクトマネージャーがフリーランスになるメリットとデメリットとは
プロジェクトマネージャーは、フリーランスとしても活躍できる職業です。
フリーランスとして活躍すれば、多くのメリットを享受することもできますが、同時にデメリットも多くなってしまうことは知っておくべきでしょう。
ここでは、プロジェクトマネージャーがフリーランスになるメリットとデメリットについて詳しく解説します。
プロジェクトマネージャーがフリーランスになるメリット
メリットとして挙げられるのは、以下の4つになります。
- 収入をあげられるケースが多い
- 新たな領域にチャレンジできる
- 青色申告で節税ができる
- 幅広い人脈を構築できる
下記にそれぞれ詳しく解説します。
収入をあげられるケースが多い
1つ目のメリットは、収入を挙げられるケースが多いことです。
会社勤めのプロジェクトマネージャーの平均年収は「635万円」です。
対して、フリーランスのプロジェクトマネージャーの月額平均単価は「77万円」で、年収換算にすると「924万円」です。
どちらもかなり高水準の年収といえますが、フリーランスは会社勤めよりも1.5倍ほどの報酬を期待できます。
月額最高単価も「600万円」と、他のエンジニアではなかなか目にすることがない単価となっており、プロジェクトマネージャーの重要性がここからも窺えます。
新たな領域にチャレンジできる
2つ目のメリットは、新たな領域にチャレンジできることです。
先述したように、プロジェクトマネージャーには、様々な業務経験と業種への知識が求められます。
会社勤めのプロジェクトマネージャーであれば、担当するプロジェクトを自ら選べることはほとんどありません。多くの場合、会社の都合で担当プロジェクトが決まります。
対して、フリーランスのプロジェクトマネージャーであれば、担当するプロジェクトを自分で選択することが可能です。
多くの知識と経験が求められるプロジェクトマネージャーにとって、これは大きなメリットといえるでしょう。
青色申告で節税ができる
3つ目のメリットは、青色申告による節税ができることです。
フリーランスのプロジェクトマネージャーに限ったことではありませんが、フリーランスエンジニアとして活躍するためには、「個人事業主」として税務署に「開業届」を申請する必要があります。
一般的なサラリーマンは、自身の所得から自動的に税金が天引きされますが、個人事業主は確定申告を通して、国に税金を納める必要があります。
その際に、「青色申告」ならば特別控除額として、最大で65万円分の税金が控除されます。その他にも、例えば機材の購入費や出張費用なども、場合によっては「事業所得」の必要経費として認められる可能性があります。そのため、会社勤めのエンジニアよりも節税することができます。
もちろん、その分手間はかかってしまいますが、現在では確定申告に関するオンラインサービスやWEBサービスも多く提供されているので、上手く活用すればそこまで手間には感じないはずです。
幅広い人脈を構築できる
4つ目のメリットは、幅広い人脈を構築できることです。
フリーランスのプロジェクトマネージャーは、様々な企業の経営層と直接顔を合わせる機会も少なくありません。
効率的に報酬を上げていくためには、こういった経営層との人脈はとても重要です。
当然ですが、参画するプロジェクトを探すために費やした時間に報酬は発生しません。しかし、プロジェクトに参画しなければ、そもそも報酬を得ることはできません。
これは、フリーランスエンジニアの最も大きなデメリットともいえるでしょう。
決定権を有している経営層と直接つながりのもてるプロジェクトマネージャーならば、「横の繋がり」を構築しやすく、他と比較すると、そのデメリットの影響を受けづらいです。
もちろん、会社勤めのプロジェクトマネージャーでも同様のことがいえるかもしれませんが、その機会は圧倒的にフリーランスの方が多いでしょう。
プロジェクトマネージャーがフリーランスになるデメリット
デメリットとして挙げられるのは、以下の3点です。
- 収入が不安定になる
- 自分のスキルセットでは案件がない場合がある
- 自分のミスや伸びしろに気付きにくい
下記に、それぞれ詳しく解説します。
収入が不安定になる
1つ目のデメリットは、収入が不安定になる場合があることです。
当然ですが、フリーランスエンジニアは、担当プロジェクトが終了すると、翌月からの収入が一切なくなってしまいます。
このような状況をなくすために、人脈構築に日々努めておき、終了時期が近づいた段階で、次に参画するプロジェクトを事前に見つけておかなければなりません。
自分のスキルセットでは案件がない場合がある
2つ目のデメリットは、スキルセット次第で案件が見つからない可能性があることです。
IT業界は、他の業界と比較して流行り廃りのペースが非常に早いです。
そのため、プロジェクトマネージャーにも、常に最新のスキルセットが求められます。フリーランスの場合、その傾向は特に強いです。
担当するプロジェクトが長い間見つからないリスクを避けるためにも、IT業界で求められる最新のスキルセットには、常に目を光らせておきましょう。
自分のミスや伸びしろに気付きにくい
3つ目のデメリットは、自分のミスや伸びしろに気付きにくいことです。
プロジェクトの中核を担うプロジェクトマネージャーであっても、会社内では基本的に外部の人間として扱われることが多いです。
企業勤めであれば、所属企業の評価基準や、長い間業務を共にしてきた戦友とも呼べる人の助言により、自分の過ちや伸びしろに気付くことも多いと思います。
しかし、フリーランスの場合、そのような環境に身を置けることは滅多にありません。
そのため、常に自分を客観視しながら、自らの成長につなげていく必要があります。
プロジェクトマネージャーのフリーランス案件傾向
プロジェクトマネジメントのスキルはベースとしてもちろん必要だが、開発やテクノロジー、DXのような技術に寄った案件が多数。どの領域の需要が高いのか見極め、その領域における実務経験が必要になります。
高単価なプロジェクトマネジメント案件を獲得するために必要な経験とは
フリーランスのプロジェクトマネージャー案件は、非常に高単価な傾向にあります。
ここでは、高単価案件獲得に必要な経験を3つ厳選してご紹介します。
コンサルティングファームでの経験
1つ目は、コンサルティングファームでの経験です。
大手IT企業であっても、PwCやアビームコンサルティングなどのコンサルティングファームに高い相談料を支払うことは珍しくありません。
コンサルティングファームに根付いている考え方や、コンサルタントが習得しているスキルは、IT業界にとっても非常に価値のあるものです。
特にIT業界の代表的なコンサルティングファームに所属していた経験は、非常に重要な経験として重宝します。
システム開発・保守・運用の実務経験
2つ目は、システム開発・保守・運用の実務経験です。
プロジェクトマネージャーは、システム設計から運用までの上流から下流工程の全ての実務経験が必要になります。
これは、プロジェクト進行の現実的なスケジュールを作成するためにも、できるだけ欲しい経験です。
基本的に、クライアント企業は事前に設定した契約に基づいてのみ報酬を支払うため、クライアント側の都合で進行に支障があったとしても、納期が遅れた分の損失に関しては補償しません。
こういったリスクを回避するためにも、上流から下流までの経験は必要とされる場合が多いです。
アジャイル・スクラム案件の経験
3つ目は、アジャイル・スクラム案件の経験です。
アジャイルやスクラム開発は、2010年代以降に注目されている新しい開発手法です。
アジャイル開発とは、大きなフェーズごとにシステム開発を区切ることはせず、非常に短いスパンでシステムをリリースし、ユーザーのフィードバックを通して、再度システム開発を行うサイクルを繰り返していく開発手法のことです。
スクラム開発とは、アジャイル開発の亜種ともいえる開発手法で、小規模なチームを組んでそれぞれの得意な分野を互いに補いあって開発していく手法です。
従来のIT業界では、「ウォーターフォール型」と呼ばれる非常に長いスパンでシステムを納品する開発手法が主流でした。
しかし、現在では刻々と変化していくクライアントの要望に、ウォーターフォール型では対応することが難しくなって来ています。
こういった背景から、「100点を目指すウォーターフォール型」ではなく、「90点を目指すアジャイル・スクラム型」の開発手法が採用されるケースが増えてきています。
そのため、アジャイル・スクラム型の開発案件に携わった経験は、非常に価値の高いものとなっています。
フリーランスプロジェクトマネージャーの平均年収と具体的な案件を紹介
フリーランスのプロジェクトマネージャーの平均年収と、具体的な案件はどういったものがあるのか、気になる人も多いと思います。
ここでは、フリーランスのプロジェクトマネージャーの平均年収と、具体的な案件をいくつか紹介します。
プロジェクトマネージャーの平均年収
フリーランスのプロジェクトマネージャーの月額単価相場は「77万円」で、年収換算では「924万円」となっています。
最高単価についても「600万円」と、他の職種ではなかなかみることのできない報酬です。
総じて、フリーランスのプロジェクトマネージャーの平均年収は、高水準であるといえるでしょう。
プロジェクトマネージャーの具体的案件と単価
具体的な案件については、仕事内容や必要なスキルを、いくつか厳選したものを紹介いたします。
案件例①:ECサービスにおいてのマーケティングディレクション
漫画やゲームなどのデジタルコンテンツを購入できるECサービスのマネジメント案件です。
仕事内容としては、プロジェクトの立上げからリリースまで全てを担当します。また、品質管理を非常に重要視しているため、テスト設計の経験が優遇されるでしょう。
漫画やゲームなどの二次元コンテンツは、今後も成長が見込まれている領域であり、漫画・ゲーム好きならばその知識も大いに活かせることが期待できます。
案件例②:PMO スーパーマーケット向けの商品管理システム
アジャイル方式を取り入れた、スーパーマーケット向けの商品管理システムのPMO案件です。
業務内容としては、課題障害進捗管理・各種報告レポートの作成が主なものになっています。開発環境がかなりWeb寄りなので、Web関係の業務経験が豊富で、アジャイルに挑戦したいという方にはおすすめの案件といえるでしょう。
プロジェクトマネージャーは知っておきたいフリーランス案件の獲得方法とは
フリーランスのプロジェクトマネージャー案件の獲得方法についても、知りたい方は多いと思います。
ここでは、案件の獲得方法についても、いくつか代表的なものを紹介致しますので、ぜひ参考にしてください。
SNSを使って自分で営業をする
TwitterやFacebookなどのSNSを通して、自分を営業して案件を獲得することもできます。
大手企業であっても、プロジェクトに参画する人材を探す際に、当たり前のようにSNSを利用して探しています。
求人サイトやフリーランスサイトを通して人材を探すには、どうしても多額の費用がかかってしまい、実際に会ってその人の人となりを判断する手間もかかってしまいます。
SNSを利用すれば、その人の過去の投稿を確認することで、事前にある程度の判断が可能になるため、企業側は効率的に有能な人材にオファーをかけることができます。
フリーランス人材にとっても、企業に直接アプローチをかけることも可能になるため、SNSを利用した営業スキルは必須になっています。
友人をはじめとした紹介で獲得する
友人や、以前勤めていた企業の関係者から案件を獲得できることも覚えておいた方がいいでしょう。
紹介をもとにした案件は、他の候補者がまだ出揃っていない場合も多く、報酬の交渉がしやすいです。
こういった機会を増やして営業の工数を減らすためにも、日々の人脈構築には力を入れておくべきといえます。
エージェント経由で獲得する
最も確実なのが、フリーランス専門のエージェントに頼ることです。
もちろん、紹介料としてある程度の手数料は覚悟しないといけませんが、参画案件が長い間見つからないリスクを避けるには、最も堅実な方法といえるでしょう。
フリーランス専門のエージェントについては、下記に代表的なエージェントをご紹介するので、ぜひご参考ください。
まとめ
今回は、フリーランスのプロジェクトマネージャーに関する代表的な疑問を、具体的な案件などの紹介を通して詳しく解説しました。
プロジェクトマネージャーは、すぐになれるようなものではなく、多くの経験と下積みが必要な職業ですが、同時に高い年収とやりがいを両立することのできる職業です。
近年では、ChatGPTに代表されるようなAIが登場し、今後エンジニアの仕事もいくつか代替されることが危険視されています。
しかし、プロジェクトマネージャーのような、専門性の高い業種は、今後もAIなどに代替される可能性は少なく、安定した業種といえるはずです。
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