Perlで開発を進めるメリットやデメリットとは

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目次
Perlとは?言語の特徴を紹介
Perlというプログラミング言語をご存じですか?
今なおこちらでシステム開発が進められており、可能ならぜひ習得を目指して頂きたい言語です。
この記事では、そもそもPerlはどのような言語なのか?それを使用するメリットやデメリット、合わせて使用できるとなおよいフレームワークなどを一挙にご紹介します。
これからPerlを学んでみようと思う方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
まずは概要から見てみましょう。
Perlの概要
Perl(パール)は、Larry Wallによって開発された汎用プログラミング言語で、「Practical Extraction and Reporting Language」の頭文字からPerlと言います。
Perlは主にテキスト処理を中心にしたスクリプト言語として知られており、初めはテキスト処理やシステム管理のために設計されましたが、その柔軟性と拡張性から幅広い用途に利用されるようになりました。
TIOBEでは24番目に使われている言語
TIOBE Indexによると、Perlは、TIOBEプログラミングコミュニティインデックスと呼ばれる人気ランキングで、現在24番目に位置しています。
この順位は、プログラミング言語の使用頻度や関連の検索数などを考慮して決定されるものです。
ランキングは100位まで掲載されているので、上位25%には入っている言語です。
Perlで開発を推進するメリットとは
一定数Perlを使用する人はいるようですが、なぜこの言語を使うのでしょうか?
Perlを用いて開発を推進するメリットを6つご紹介します。
歴史あるスクリプト言語でノウハウが多い
Perlは長い歴史を持つ言語であり、多くの開発者が使い方やノウハウを蓄積してきました。
そのため、問題が起きても解決しやすく、開発に関する情報を見つけることも比較的簡単です。
そのため、誰でも学びやすいプログラミング言語と言えるでしょう。
多くのモジュールが開発されている
PerlはCPAN(Comprehensive Perl Archive Network)と呼ばれるオンラインのリポジトリが存在し、数多くのモジュールが利用可能です。
これにより既存のコードを再利用したり開発の効率を向上させたりすることができます。
テキスト処理に優れている
Perlの優れている機能のひとつは、テキスト処理です。
正規表現を使ったパターンマッチングや文字列操作の機能が豊富に備わっており、文字列の分割、検索、置換などの作業を簡単かつ効率的に行うことができます。
互換性が高い
Perlは多くのプラットフォームで動作し、ほかのプログラミング言語との連携も容易です。
さまざまな外部ツールやライブラリとの統合が簡単で、既存のシステムとの連携やデータの取り扱いにおいて優れた互換性を持っています。
学習コストが低い
Perlは比較的シンプルな構文で、初心者でも短期間で学習することができます。
また、Perlの柔軟性により、自分のスタイルに合わせたコーディングが可能であるため、開発者の好みやニーズに合わせて使いこなすことが可能です。
コンパイルが不要
Perlはスクリプト言語のため、コンパイルが必要ありません。
ソースコードを直接実行することができるので、開発とデバッグのサイクルが比較的短くなります。
メリットは多くあるようですが、メリットがある分デメリットも存在します。
続いてはそちらも確認しておきましょう。
Perlで開発を推進するデメリットとは
デメリットは3つあります。
実行速度は他言語と比較して速くない
Perlは柔軟性や表現力を重視するため、CやJavaなどのほかの言語に比べて実行速度が遅くなることがあります。
特に大規模な計算や高負荷な処理においては、ほかの言語の方が効率的である場合があることを覚えておいてください。
コードに統一性を持たすことが難しい
Perlは柔軟性が高い一方、コーディングスタイルやモジュールの選択などにおいて一貫性を持たせることが難しい場合があります。
大規模なプロジェクトでは、コードの保守性や可読性を確保するために適切なガイドラインを導入する必要があります。
先端的な開発では使われない
Perlは歴史ある言語ですが、最新のトレンドや先進的な開発領域ではあまり使用されていません。
特に機械学習やデータサイエンスなどの分野では、Pythonなどのほかの言語が主流となっています。
Perl開発で使われるオススメな6つのフレームワーク
Perl開発で使用する際には以下のフレームワークを使いこなせると、さらに業務の幅が広がります。
ぜひ確認してみてください。
Mojolicious
Mojoliciousは、モダンなPerlのウェブフレームワークです。
シンプルで使いやすい構文と豊富な機能を備えており、非同期処理やリアルタイムウェブアプリケーションの開発にも適しています。
Mojoliciousは自己完結型であり、外部の依存関係なしに動作します。
さらに、テンプレートエンジンやルーティング、セッション管理、WebSocketsのサポートなど、開発に必要な機能を多く備えています。
Mojoliciousは、シンプルな構文と豊富な機能を組み合わせており、Perlでのウェブアプリケーション開発を効率的かつ迅速に行うことが可能です。
非同期処理やリアルタイム通信を必要とする場合にも対応しており、モダンなウェブ開発に適しています。
Catalyst
Catalystは、柔軟性と拡張性に重点を置いたPerlのウェブフレームワークです。
MVC(Model-View-Controller)のアーキテクチャを採用しており、ルーティング、リクエスト処理、データベースアクセス、テンプレートエンジンなど、ウェブアプリケーション開発に必要なさまざまな機能を提供しています。
Catalystは、さまざまなプラグインを利用してカスタマイズや拡張が可能であり、大規模なプロジェクトにも対応可能です。
Catalystは柔軟性が高く、開発者が自由にカスタマイズできるので、MVCアーキテクチャにより、コードの保守性や再利用性を向上させることができます。
また、豊富なプラグインやモジュールのサポートにより、さまざまな機能を追加することが可能です。
Dancer
Dancerは構文がシンプルでわかりやすく、学習コストが低い軽量なPerlのウェブフレームワークです。
DancerはMVCアーキテクチャを採用しており、ルーティング、テンプレートエンジン、セッション管理などの基本的な機能を提供しています。
拡張性も高く、プラグインやモジュールを使って機能を追加することができます。
Ark
Arkは、高速で拡張性の高いPerlのウェブフレームワークです。
MVCアーキテクチャを採用しており、ルーティング、リクエスト処理、データベースアクセス、テンプレートエンジンなどの機能を提供しています。
Arkは高速でありながら拡張性も高いため、パフォーマンスが求められるウェブアプリケーションの開発に適しています。
また、豊富なプラグインやモジュールのサポートにより、必要な機能を簡単に追加できる点も魅力です。
TripletaiL
TripletaiLは、モダンで拡張性の高いPerlのウェブフレームワークです。
TripletaiLはMVCアーキテクチャを採用しており、ルーティング、テンプレートエンジン、データベースアクセスなどの基本的な機能を提供しています。
また、非同期処理やイベントドリブンなプログラミングもサポートしており、リアルタイムなアプリケーションの開発にも適しています。
非同期処理やイベントドリブンなプログラミングのサポートにより、高速かつ効率的なアプリケーション開発が可能です。
Amon2
Amon2は、シンプルで軽量なPerlのウェブフレームワークです。
機能の一部はMojoliciousから派生しており、シンプルなAPIと効率的な処理を提供します。
Amon2は最小限の依存関係を持ち、パフォーマンスに優れています。
これにより、スリムな状態で開発を行うことが可能です。
これらのフレームワークがPerl開発の際におすすめされる理由としては、それぞれが柔軟性や拡張性に優れており、ウェブアプリケーション開発に必要なさまざまな機能を提供しているからです。
また、開発者の好みやプロジェクトの要件に合わせて選択できる幅広い選択肢があるため、個々のニーズに合ったフレームワークを選ぶことができます。
それぞれのフレームワークをおすすめしましたが、なぜこれらのフレームワークを選ぶとよいのでしょうか?
次はフレームワークの選び方をお教えします。
Perl開発におけるフレームワークの選び方とは
Perl開発におけるフレームワークはいくつかありますが、フレームワークを選ぶ際は以下の3つを意識してみてください。
自分の習得言語との親和性
Perlのフレームワークを選ぶ際には、自身の既存のプログラミング言語の知識やスキルとの親和性を考慮してみてください。
もしほかの言語を習得している場合は、その言語との相互運用性や学習コストを比較検討するとよいでしょう。
既に習得している言語との親和性を考慮することで、新たに学ぶフレームワークの概念や文法に馴染みやすくなります。
なぜなら、同じような構文や設計思想を持つフレームワークを選ぶことで、既存の知識や経験を活かしながら効率的に学習できるからです。
また、習得言語との親和性が高い場合、コードの保守性や可読性も向上する場合があります。
一通りのフレームワークを触ってみて決める
Perlのフレームワークは個々の特徴や機能が異なるため、実際にいくつかのフレームワークを試してみることをおすすめします。
自分の開発スタイルやプロジェクトの要件に合ったフレームワークを選ぶことが重要です。
フレームワークの公式ドキュメントやチュートリアルを読むだけでは、実際の開発の感覚や好みを把握することは難しい場合があります。
実際にフレームワークを触ってみることで、開発フロー、コーディングスタイル、提供される機能などを体験でき、自分の好みや開発スタイルに合ったフレームワークを見つけることが可能です。
開発内容に合わせて決める
最後に、開発内容や目標に基づいてフレームワークを選ぶことも重要です。
Webアプリケーションの開発に特化したフレームワークや、テキスト処理やシステム管理に適したフレームワークなど、開発するアプリケーションの性質に合ったものを選ぶことが求められます。
開発する内容によって必要とされる要素や機能は異なりますが、それぞれの目的や領域に特化しているフレームワークを選びましょう。
たとえば、ウェブアプリケーションの場合はMojoliciousやCatalystが豊富な機能を提供していますが、APIの場合はシンプルなDancerやAmon2が適しているかもしれません。
開発するアプリケーションの要件や目標に合わせてフレームワークを選ぶことで、開発効率を向上させることができます。
Perlは24番目に使用されている言語だと先ほどお伝えしましたが、実際のエンジニアのニーズと将来性が気になることではないでしょうか?
続いてはそちらも確認しておきましょう。
Perlエンジニアのニーズと将来性とは
Perlエンジニアとしてのニーズはあるものの、やはりほかの有名言語に比べると将来性はやや低いのが現状のようです。
詳しく見てみます。
新規の需要は減りつつある
Perlは古くから使われてきた言語ですが、近年では新規の需要が減少している傾向があります。
Python、JavaScript、Goなどほかのモダンな言語やDjango、Flaskなどのフレームワークの台頭により、新規プロジェクトや特定の開発領域での需要は減っていると言えます。
Perlで開発されたシステムの保守は続く
一方で、Perlで開発されたシステムやレガシーコードの保守は今でも継続されています。
多くの企業や組織がPerlベースのシステムを使用しており、それらの維持やアップデートを行うエンジニアの需要は一定程度存在しています。
Perl以外のWeb系言語の取得がおすすめ
将来性を考える際には、Perl以外のPythonやRubyなどモダンなWeb系言語の習得も検討してみましょう。
これにより、幅広い開発ニーズに対応できるスキルセットを持つことができます。
Perlのフリーランス案件でみる将来性
Perlエンジニアは会社員で働く方法とフリーランスで働く選択肢があります。
それぞれの年収や案件を見てみます。
会社員の場合
ビズリーチの「プログラミング言語別年収ランキング(2018年度)」によると、Perlの平均年収中央値は525万円、最大年収は1,200万円です。
年収で見ると悪くないように感じます。
フリーランスの場合
エンジニアスタイル(エンジニアスタイル)によると、フリーランスPerlエンジニアの平均年収は816万円です。
これは平均月単価68万円を12ヶ月分算出したものなので、概ねこのくらいの年収と捉えてください。
年収は会社員の中央値より多く、仕事を選べるフリーランスならではと言えるでしょう。
フリーランスは自分で仕事を獲得しないといけませんが、実際に仕事を探せるのか不安かと思いますので、いくつか具体的な案件をご紹介します。
Perlの具体的なフリーランス案件
Perlのフリーランス案件を3つ見てみましょう。
A社(通信機器会社向け会計システム刷新プロジェクト支援/設計メイン)
【業務内容】
- 料金計算領域を中心に要件整理
- 新システムへの移行に向けた設計工程
- 顧客の要望と設計書の内容の整合性チェック
【求めるスキル】
- 業務スキル(請求、購買、会計)
- 設計(基本、詳細)
- 構築(開発言語は問いませんがC言語、perlの開発実績があると良い)
【報酬】
- 単価80万円〜
B社(Perl / Python など toC向けサービスの開発・保守・改修業務)
【業務内容】
- toC向けサービスの開発・保守・改修業務
- 新機能の設計開発や既存機能の保守・改修
- ユーザーや社内の声を反映したプログラム改善
【求めるスキル】
- サーバーサイドの経験5年以上(Perl, PHP, Pyhonなど)
- toCサービスの開発経験
- 長期で稼働できる方
【報酬】
- 単価60万円〜
C社(Python・Perl / 大規模toCサービスのサーバーサイド開発)
【業務内容】
- 大規模toCサービスのweb版におけるサーバーサイド開発
- 新機能開発や既存機能改修開発
- Python、Perlなどのフレームワーク・ライブラリを利用した開発
【求めるスキル】
- サーバーサイドエンジニアとしてのご経験3年以上
- PerlもしくはPythonでの開発経験
- MySQL/MariaDBの使用経験
- Memcached, Redisの使用経験
- クラウド環境下での開発経験
【報酬】
- 単価50万円〜
Perlと比較される言語との違いとは
Perlと似ていて比較される言語に、PHP、Python、Rubyがあります。
それぞれの言語について見てみましょう。
PHP
PerlとPHPはどちらもスクリプト言語であり、テキスト処理やWeb開発に利用されることが多いです。
しかし、PHPは主にWebアプリケーションの開発に特化しており、Perlよりも機能が絞られています。
Perlより優れている点
- ウェブ開発に特化しており、広く使用されている
- 多くのウェブサーバーがPHPをサポートしており、拡張性と普及率が高い
- PHPは簡単に学習できる言語であり、初心者でも取り組みやすい
- PHPには豊富なオープンソースのフレームワークやライブラリがあり、開発の効率性が高い
- データベースとの連携が容易で、MySQLとの相性が特に良い
Perlより劣っている点
- 柔軟性に欠ける場合がある
- 言語の設計や構文が複雑で一貫性に欠けるため、メンテナンスが困難になることがある
- パフォーマンス面では、ほかの言語と比較して劣る場合がある
- 特に高負荷なアプリケーションや処理速度が要求される場合には、他の選択肢が考慮される
Python
PerlとPythonはどちらも柔軟性や拡張性に優れた言語ですが、Pythonは幅広い用途に利用される汎用プログラミング言語として知られています。
Pythonは特にデータサイエンスや機械学習の分野で人気があります。
Perlより優れている点
- シンプルな構文と直感的な記述方法が特徴であり、学習コストが低い
- 初心者にも優しい言語として人気がある
- データサイエンスや機械学習の分野で強力な生態系を持っており、豊富なライブラリやフレームワークが利用できる
- 多くのプラットフォームで動作し、クロスプラットフォームの開発が容易
- パフォーマンスは比較的高く、実行速度が速い
Perlより劣っている点
- 動的型付け言語であるため、静的型付け言語に比べてエラーチェックが厳密ではない
- 大規模なプロジェクトでの保守性に課題がある
- ディレクトリやパッケージの構造が複雑になることがあり、プロジェクトの規模が大きくなると管理が難しくなる
Ruby
PerlとRubyはどちらもスクリプト言語であり、柔軟な記述方法やテキスト処理の能力を持っています。
Rubyはシンプルな文法と豊富なフレームワークにより、Web開発やアプリケーション開発において強力なツールです。
Perlより優れている点
- シンプルで読みやすい構文なので、開発者の生産性を向上させる
- 可読性が高く、美しいコードを書くことができる
- プログラミングの楽しさを重視した言語であり、開発者コミュニティも活発
- Ruby on Railsというフレームワークが強力で、ウェブアプリケーションの開発を効率化できる
Perlより劣っている点
- パフォーマンス面では、ほかの言語に比べて劣る
- 特に高負荷なアプリケーションや処理速度が要求される場合には、パフォーマンスに課題がある
- Rubyの実行環境やライブラリの選択肢は比較的限られており、他の言語に比べて生態系がやや狭い
選択する言語はプロジェクトの要件や開発者の好みによって異なるため、それぞれの特徴を把握して最適な選択をできるようになりましょう。
まとめ
今回の記事のまとめです。
- Perlは歴史ある言語で今もなお使われているが、やや将来性には欠ける
- Perl開発にはおすすめのフレームワークがあるので、そちらも使いこなせるとよい
- Perlエンジニアはフリーランスとしても仕事は十分にある
Perlのみならず、フレームワークも使用できるようになるとエンジニアとして一段階レベルアップできるので、ぜひ習得してみてはいかがでしょうか?
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- 学習
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この記事を書いた人

1992年生まれ、北海道出身。トレンドスポットとグルメ情報が大好きなフリーライター。 衣・食・住、暮らしに関する執筆をメインに活動している。 最近のマイブームは代々木上原のカフェ巡り。
この記事を監修した人

大学在学中、FinTech領域、恋愛系マッチングサービス運営会社でインターンを実施。その後、人材会社でのインターンを経て、 インターン先の人材会社にマーケティング、メディア事業の採用枠として新卒入社し、オウンドメディアの立ち上げ業務に携わる。独立後、 フリーランスとしてマーケティング、SEO、メディア運営業務を行っている。