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実装別にみるデータレイクの種類とAWSで構築するのに役立つ5つのサービス

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データレイクとは?

近年、AI化が進むに連れてデータの量と多様性も急速に増えています。ビックデータを扱う企業としても、さまざまなソースから収集される大量のデータを効果的に管理し、活用する必要があります。

一方、企業が保有するデータはさまざまなソースやフォーマットで分散しているため、使いやすいよう整理して、データの繋がりや相関関係を理解できるよう取り組むことが重要です。そんな課題を解決できるのが、データレイクです。

この記事では、データレイクの概要や種類、AWSで構築するために役立つサービスについて紹介します。

最初に、データレイクの概要や活用法について説明します。

データレイクの概要

データレイクとは「大量の構造化・非構造化データを収集し、格納するためのストレージシステム」です。異なる形式やソースからのデータをまとめ、将来の分析や処理のために保存しています。

データレイクは「データの保存場所」として機能しており、データの変換や事前定義されたスキーマの適用は必要ありません。顧客の行動パターンや市場トレンドの把握など、ビジネス上の要求に応じてデータの取り込みや分析ができます。

データレイクの活用法とは

データレイクのビジネスでの活用法は多岐に渡ります。例えばデータレイクに蓄積された膨大なデータを分析し、ビジネス上の洞察を得ることで売上の予測や市場トレンド分析、顧客セグメンテーションなどに役立ちます。

また、データレイク内のデータを活用して機械学習モデルをトレーニングすれば、購入意志が高い顧客の行動や、不審者の行動予測などにも利用できます。

データレイクのメリットとは

データレイクのメリットは、さまざまなデータソースをまとめることで、データの繋がりや相関関係を把握しやすくなり、データへのアクセスや分析が容易になる点です。

また、データレイクはリアルタイムのデータ更新が可能であるため、新しいデータが集まるとすぐにデータレイクに統合され、即座に利用できます。

スケーラビリティの高さもメリットで、大量のデータを効率的に処理できます。また、クラウドベースのデータレイクでは必要なリソースのみに課金される場合が多く、コストを最適化できます。

データレイクを使った分析を実現させるために必要な4つの要素

AWSの公式HPによると、データレイクを使った分析を実現させるためには、4つの要素が必要です。

データの移動

データレイクに保存されたデータは、分析やクエリの前に必要な前処理が必要な場合があります。データの移動を介して、データの変換やフィルタリング、クレンジングなどの前処理を実施できます。

また、リアルタイムなデータ分析を実現するためには、データの定期的な移動や更新が必要です。新しいデータをデータレイクにまとめるために、定期的なデータの移動や同期が行われます。

データのセキュアな保存とカタログ化

データレイクに保存されるデータは、データの暗号化やアクセス制御、監査ログの実施など、適切なセキュリティ対策を講じて保護する必要があります。

また、データレイク内のデータへのアクセスや管理も重要です。データのアクセス制御や権限管理を適切に行い、データの利用者に対して適切なレベルのアクセスを提供します。また、データのバージョンやデータのライフサイクル管理もデータの効果的な管理に必要です。

機械学習

機械学習はデータの中に存在するパターンやトレンドを自動的に検出し、予測モデルを構築できます。データレイクに蓄積された大量のデータを分析する際には、機械学習アルゴリズムを活用することでパターンの発見・予測を効果的に行えます。

機械学習ではデータレイクに格納されたデータをリアルタイムで分析し、機械学習モデルを適用することで、リアルタイムの意思決定が可能です。

分析

データレイク内のデータを分析することで、問題の特定や原因の追跡、解決策の提案が可能となります。データの探索的分析や統計的手法を使用して、売り上げ向上や将来の需要を予測するなど、ビジネス上の課題に対処するための洞察が得られます。

データレイクからデータを取得するためによく使用されるフレームワークは以下の通りです。

フレームワーク 機能
Apache Hadoop Hadoop Distributed File System(HDFS)を使用してデータレイク内のデータにアクセスし、MapReduceなどの処理モデルを使用してデータの抽出や変換を実行する
Apache Spark 分散処理や機械学習などのタスクを実行するための高レベルのAPIを提供
Presto 異なるデータソースやフォーマットに対して高速なクエリ処理を提供する分散SQLクエリエンジン

実装別にみるデータレイクの種類とは

データレイクの種類を選ぶ際には、ビジネスの内容やセキュリティ、スケーラビリティ、コストパフォーマンスなどを考慮し、最適な選択を行うのが重要です。

ここでは、実装別にみるデータレイクの種類について説明します。

クラウド・データレイク

クラウドデータレイクは、クラウド上に構築される大容量のデータストレージです。異なる形式やソースのデータをまとめ、アクセスや分析が可能になります。

クラウドプロバイダーには、クラウドデータレイクを実現するためのさまざまなサービスがあります。例えばAmazon Web Services (AWS)では、Amazon S3を使用してデータレイクを構築します。S3はスケーラブルなオブジェクトストレージであり、データの保存とアクセスに使用されます。さらに、AthenaやRedshiftなどのサービスを組み合わせることで、データのクエリと分析が可能です。

また、Microsoft Azureでは、Azure Data Lake Storageを使用してデータレイクを構築します。大量のデータを格納し、Azure Data Lake AnalyticsやAzure Synapse Analyticsといったサービスを使用して、データの処理と分析を行います。

そしてGoogle Cloud Platform (GCP)では、Google Cloud Storageを使用してデータレイクを構築します。Cloud Storageはオブジェクトストレージであり、データの保存とアクセスに使用されます。さらに、BigQueryやDataflowなどのサービスを組み合わせることで、データの処理と分析が可能です。

オンサイト・データレイク

オンサイト・データレイクは、組織が自社の内部でデータレイクを構築・運用する方法です。具体例として、企業が専用のサーバーやストレージシステムを使用して複数のデータソースからデータを統合・格納します。データ品質の管理、データの整理、ETLプロセスなどを自社で実施することで、データ分析やビジネスインテリジェンスのためにデータを活用します。オンサイト・データレイクは金融業界や医療業界など、セキュリティやコンプライアンスの規制が厳しい業界で多く使用されています。

ハイブリッド・データレイク

ハイブリッド・データレイクは、オンプレミス環境とクラウド環境を組み合わせたデータレイクです。オンプレミス環境で重要なデータを保持しながら、クラウド環境をバックアップや復旧に活用できます。オンサイト・データレイクでは必要なリソースを自社で管理・保有する必要がありますが、ハイブリッド・データレイクではクラウドプロバイダーがクラウド環境のリソースを管理・保有してくれるため、クラウド環境のスケーラビリティを利用できるのがメリットです。

ハイブリッド・データレイクもオンサイト・データレイクと同様に、セキュリティ性が必要とされる金融業界・医療業界に向いている他、リアルタイムの生産データの収集と分析が重要な製造業にも向いています。オンプレミス環境でデータを収集しながら、クラウド環境で高速な分析や予測メンテナンスを実行することで、生産プロセスの最適化が可能です。

データレイクをクラウドで実装する課題とメリット

データレイクをクラウドで実装する際には、課題やメリットについても把握しておく必要があります。

データレイクをクラウドで実装する課題

データレイクのクラウド実装にはいくつかの課題が残っています。データのセキュリティや品質やコストを確保しながら活用する必要があります。

まず、データセキュリティとプライバシーの確保が重要である点です。データの暗号化やアクセス制御、監査ログの実施など、万全なセキュリティ対策が必要です。クラウドプロバイダーが提供する暗号化サービスの活用や、データ転送・保存時にも暗号化することが重要です。ロールベースのアクセス制御やマルチファクタ認証、アクセスログの監査などを導入して、権限のないアクセスを防止するのもおすすめです。

また、データの整合性と品質管理も、データレイクのクラウド実装における課題です。定期的にデータのライフサイクルを管理し、データの保管期間や更新頻度に基づいてデータの整理と削除を行うのが重要です。不要なデータを削除することで、データの品質や効率が向上します。

そして、クラウドコストと最適化も課題です。適切なストレージタイプを選択し、クラウドリソースの最適な利用について検討する必要があります。

データレイクをクラウドで実装するメリット

データレイクをクラウドで実装することには多くのメリットがあります。まず、クラウドプロバイダーはリソースを自動的に拡張できるため、データレイクの容量やパフォーマンスも必要に応じて調整が可能です。

また、サーバーの設置・保守やバックアップと復旧の管理などはクラウドプロバイダーが行ってくれるため、企業は運用コストと時間を節約できます。

後述しますが、クラウドでは多数のデータサービスや分析ツールが利用可能です。データレイクに格納されたデータを直接クエリできるサービス「Athena」や、高速なデータウェアハウス「Redshift」、視覚化ツール「QuickSight」など、幅広いデータ処理と分析のオプションがあります。

AWSでデータレイクを構成するのに役立つ5つのサービス

ここでは、AWSでデータレイクを構成したい時に役立つサービスを5つ紹介します。

Amazon S3

Amazon S3(Simple Storage Service)は安全で耐久性や拡張性が高いストレージソリューションで、データレイクを構成する際に広く活用されます。

データレイクを構築するためには、まずS3バケットを作成し、データをバケットにアップロードします。構造化・非構造化データやバッチ・リアルタイムデータをS3に保管し、必要に応じてデータの整理やパーティショニングを行います。データレイクでは、S3のバケットをデータの蓄積場所として使用し、S3の機能を活用してデータへのアクセスやセキュリティ管理を行います。

Amazon Redshift

Amazon Redshiftは高速かつスケーラブルなクエリ処理が可能で、大量のデータを効率的に分析できます。

データレイクを構築する際には、まずデータをAmazon S3に蓄積し、その後Redshiftスキーマを定義し、S3上のデータをRedshiftにコピーします。データは列指向のフォーマットに変換され、圧縮された状態でRedshiftに格納されます。これにより、高速なクエリ処理と大規模なデータセットの分析が可能です。データレイクでは、S3がデータの蓄積場所となり、Redshiftがデータの分析とクエリ処理の場所として活用されます。

Amazon QuickSight

Amazon QuickSightは、AWSのビジュアルデータ分析サービスです。直感的なダッシュボードや視覚的なレポートを作成してくれるので、データの可視化や考察に便利です。

Amazon QuickSightでデータレイクを構築する場合、まずデータをAmazon S3に格納し、S3のデータソースをAmazon QuickSightに接続します。Amazon QuickSightではデータの自動検出やデータの結合、変換などを行い、ダッシュボードやレポートを作成します。データレイクでは、S3がデータの蓄積場所として活用され、QuickSightがデータの可視化と分析のプラットフォームとして活用されます。

Amazon Athena

Amazon Athenaは、AWSのサーバーレスなインタラクティブクエリサービスです。

Amazon Athenaを使用すると、データレイク内のデータを直接クエリ化できるため、SQLを使用してデータを分析できます。データレイクを構成する場合、まずデータをAmazon S3に格納し、S3上のデータをAthenaにテーブルとして登録します。

テーブルを定義するためのメタデータをAthenaに提供するだけで、データの事前加工や変換は不要です。Athenaはサーバーレスなので、必要に応じてクエリを実行するだけで結果を取得できます。

AWS Lake Formation

AWS Lake Formationは、AWSのデータレイク構築とセキュリティの自動化サービスです。AWS Lake Formationはデータレイクの構築と管理が簡単で、データのアクセス制御やデータカタログの作成もサポートしてくれます。

データレイクを構築するには、まずLake Formationを使用してデータカタログを作成し、S3バケット等のデータソースを登録します。次にデータのメタデータを定義し、アクセスポリシーを設定します。Lake Formationはデータカタログを使用することで、AthenaやRedshiftなどのクエリエンジンや、QuickSightのようなビジュアルツールと連携が可能です。

まとめ

今回の記事では、データレイクの概要やメリット、AWSでデータレイクを構築する方法について説明しました。データレイクはさまざまなソースから大量のデータを集め、分かりやすく整理してくれるストレージです。データの統合と分析の容易さ、スケーラビリティの高さなどメリットが多い反面、データ品質とセキュリティの確保、適切なデータ管理と整理が必要です。企業でデータレイクを採用する場合は取り扱いに十分注意しましょう。

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