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C言語とC++の違いって何??それぞれの特徴と習得順をご紹介

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はじめに

フリーランスのエンジニアの皆様、日々のプロジェクトにおいて、プログラミング言語の選択は非常に重要な意思決定の一つです。特に、C言語とC++は、多くのシステム開発において中心的な役割を果たしてきました。これらの言語は、それぞれ異なる特徴を持ち、用途に応じて選択する必要があります。本記事では、C言語とC++の基本的な概要、それぞれの言語の特徴、そしてフリーランスのエンジニアとしてどちらの言語を先に習得すべきかについて詳しくご紹介します。

C言語とは何か?

C言語は、コンピュータ科学の歴史において、最も重要なプログラミング言語の一つとして広く認識されています。そのシンプルさとパワーは、開発者にとって、多岐にわたるアプリケーションの開発を可能にし、今日のソフトウェア開発の基礎を築いてきました。このセクションでは、C言語がなぜこれほどまでに普及したのか、そしてエンジニアとしてC言語を学ぶことの価値について掘り下げていきます。

コンパイル型の汎用プログラミング言語

1972年、デニス・リッチーによって開発されたC言語は、コンパイル型の汎用プログラミング言語として設計されました。この言語は、シンプルな構文と高い実行速度を特徴とし、幅広い用途での使用が可能です。C言語の設計思想の核心は、開発者が少ない命令セットを用いても、極めて効率的なプログラミングを行えるようにすることにあります。この哲学は、リソースが限られていた時代に、高性能なソフトウェアを作成する必要があった背景から生まれました。

C言語の構文は、他の多くのプログラミング言語の基礎となっており、後に開発されたC++、C#、Java、JavaScriptなどに影響を与えています。そのため、C言語を学ぶことは、これらの言語を学ぶ上での優れた基盤となります。

C言語でできること

C言語はプログラミングの世界で広く利用されており、その利点は多岐にわたります。以下の小見出しに沿って、C言語の強みと学習の価値をさらに詳しく掘り下げてみましょう。

高速性と効率性

C言語の設計は、高速性と効率性を重視しています。この特性は、リアルタイムシステムや組み込みシステム開発で非常に重要な役割を果たします。これらのシステムでは、プログラムの実行速度がシステムのパフォーマンスに直接影響を及ぼすため、C言語はこれらの分野で広く採用されています。さらに、オペレーティングシステムやデバイスドライバの開発にもC言語が選ばれる理由は、その高い実行速度と効率の良さにあります。特にUNIXオペレーティングシステムの開発は、C言語の代表的な成功例として広く知られており、C言語がシステムプログラミングにおいてどれほど強力であるかを示しています。これらの特性により、C言語は今日でも多くのシステム開発で中心的な役割を担っています。

柔軟性

C言語の柔軟性は、ネットワークプログラミングやデータベース管理システムの開発をはじめ、さまざまなアプリケーションの開発において、その力を発揮します。開発者はC言語を用いて、メモリ管理やシステムリソースの直接制御が可能となり、これによりアプリケーションの性能を最大限に引き出すことができます。また、C言語はハードウェアの特性を活かした低レベルの操作を可能にするため、高度に最適化されたアプリケーションの開発が可能です。このようにC言語は、その柔軟性により開発者に幅広い選択肢と制御の自由度を提供し、高度な最適化とカスタマイズが求められるプロジェクトにおいて、他の言語にはない利点を提供します。

学習リソースとコミュニティ

C言語の普及と長い歴史は、世界中に豊富な学習リソースと活発なコミュニティを築き上げてきました。多くの大学や専門学校では、プログラミングの入門コースとしてC言語が教えられており、基礎的なプログラミングスキルやコンピュータサイエンスの概念を身に付けるための優れた教材とされています。また、オンラインでは、初心者向けのチュートリアルから上級者向けの深いテーマまで、幅広いレベルの学習コンテンツが無料で提供されています。

さらに、オンラインのC言語学習者のコミュニティやGitHubにおけるオープンソースプロジェクトなどを通じて、学習を深めていくことも可能です。これらのコミュニティは、初心者がプログラミングの問題に直面した際に迅速なサポートを受けることを可能にし、学習過程を大きくサポートしています。このような環境は、C言語を学ぶ上で大きな利点となり、プログラミングの基本から応用までを効率的に習得するための強力なサポートを提供します。

ポータビリティ

C言語のもう一つの大きな利点はそのポータビリティです。C言語で記述されたプログラムは、異なるハードウェアやオペレーティングシステム間での移植が容易であり、これにより開発者は一度作成したソフトウェアを多様な環境で再利用することができます。このポータビリティは、C言語が低レベルのアクセスと高い効率を提供する一方で、様々なプラットフォーム上で一貫した動作を実現できるという特性によってもたらされます。

また、この特性はC言語を組み込みシステムやクロスプラットフォームアプリケーションの開発に非常に適している理由の一つです。開発者はプラットフォーム固有の問題に煩わされることなく、ソフトウェアの本質的な機能に集中でき、結果として効率的な開発プロセスと高品質なソフトウェアの生産を実現することができます。このように、C言語のポータビリティは、ソフトウェア開発の柔軟性と効率を大きく高める要素となっています。

基本的なプログラミング概念の理解

C言語は、プログラミングの基本を学ぶための理想的な言語です。変数、データ型、ループ、条件分岐、関数、配列、ポインタといった基礎的な概念を、具体的かつ直接的な方法で学ぶことができます。これらの概念は、プログラミングの世界における共通言語のようなものであり、C言語を通じてこれらを深く理解することは、他の高級プログラミング言語を学ぶ上での強固な基盤を築きます。特に、ポインタやメモリの直接的な操作を理解することは、ソフトウェア開発の深い知識を得る上で非常に価値があります。C言語でこれらの基本をしっかりと学ぶことで、より複雑なプログラミング概念や言語機能に対する理解も深まります。

汎用性

C言語の汎用性はその最大の魅力の一つです。この言語は、組み込みシステムの開発からオペレーティングシステム、デスクトップアプリケーション、さらには高性能コンピューティングやゲーム開発まで、あらゆる種類のプロジェクトに利用することができます。C言語がこれほど広範囲にわたって使用される理由は、そのシンプルさ、効率性、そして移植性の高さにあります。また、ハードウェアに近いレベルでのプログラミングが可能なため、システムの最適化が必要な場合にもC言語は非常に強力なツールとなります。C言語を習得することは、これら多様な分野でのキャリア構築において、不可欠なスキルを得ることにつながります。

C言語は、その歴史と実績により、今日でも多くの分野で活躍しています。これらの特徴から、C言語が現代のプログラミングにおいていかに重要な役割を果たしているかがわかります。プログラミングの基礎から、より高度な技術まで、C言語は幅広い知識とスキルの習得に役立つ言語です。

C++とは何か?

C++は、プログラミング言語の世界において、技術的な洗練と高度な抽象化を可能にする言語として位置づけられています。その起源はC言語にありますが、C++はオブジェクト指向の概念を取り入れることで、ソフトウェア開発の新たな地平を開きました。このセクションでは、C++がどのようにしてC言語の機能を拡張し、現代のプログラミングにおけるその役割と可能性について探求します。

C言語を拡張させたオブジェクト指向のプログラミング言語

1983年に発表されたC++は、C言語の直接的な拡張として開発されました。その目的は、ソフトウェアの再利用性、保守性、管理のしやすさを向上させることにありました。この目標を達成するため、C++はクラスと継承、多態性といったオブジェクト指向プログラミングの核心概念を導入しました。これらの概念により、データと操作を一つの単位にまとめ、コードのモジュール性と柔軟性を高めることが可能になります。

オブジェクト指向プログラミングの採用により、C++は複雑なソフトウェアシステムの開発を容易にし、開発プロセスをより効率的かつエラーの少ないものに変えることができました。さらに、C++はジェネリックプログラミングのサポートを通じて、より広範囲な再利用性と柔軟性を提供します。テンプレートを用いることで、型安全性を保ちながら様々なデータ型に適用可能な関数やクラスを定義できるようになりました。

C++でできること

C++が提供する多様な機能は、さまざまなプロジェクトに適用可能であり、開発者に強力なツールセットを提供します。以下の点からC++の可能性と、それを利用する分野を探ります。

ゲーム開発の可能性

C++はゲーム業界で非常に重宝されている言語です。その理由は、C++が提供する高度なグラフィックス処理能力と高速な計算速度にあります。これらの特性は、快適なゲーム体験をプレイヤーに提供するために不可欠です。さらに、C++の効率的なメモリ管理は、リアルタイムでの応答性の高いゲームエンジンの構築を可能にし、ゲームのパフォーマンスを最大化します。これにより、開発者はプレイヤーに忘れがたいゲーム体験を提供することができます。また、C++は多くの3Dグラフィックスエンジンやゲーム開発ツールキットがサポートしており、ゲーム開発プロジェクトにおける効率と生産性を大幅に向上させます。

デスクトップアプリケーション開発の選択肢

C++はデスクトップアプリケーション開発においても強力な選択肢です。その豊富な標準ライブラリと強力なGUIフレームワークのサポートにより、開発者は直感的でユーザーフレンドリーなインターフェースを持つアプリケーションを効率的に構築することが可能です。C++で開発されたアプリケーションは、パフォーマンスが高く、さまざまなデスクトップオペレーティングシステムでスムーズに動作します。また、C++にはQtやwxWidgetsといった強力なクロスプラットフォームGUIフレームワークがあり、一度の開発で複数のプラットフォームに対応したアプリケーションを提供することができます。これにより、開発の効率化と広いユーザーベースへのアプローチが可能になります。C++は、高度な機能を必要とする専門的なデスクトップアプリケーションの開発にも適しており、計算速度やデータ処理能力が要求される場合に特にその強みを発揮します。

サーバーサイドプログラミングへの応用

C++は、サーバーサイドプログラミングにおいてもその強力なパフォーマンスで知られています。リアルタイム処理や高負荷処理を要求するアプリケーションでは、C++の高速な実行速度と効率的なメモリ管理が開発者に大きな価値を提供します。特に、データベース管理、ネットワーク通信、サーバーの負荷のロードバランスなど、サーバーサイドで求められる厳しいパフォーマンス要件を満たすソフトウェアの開発にC++は適しています。また、マルチスレッドや非同期処理といった高度なプログラミングモデルをサポートしており、スケーラブルなサーバーアプリケーションの構築を可能にします。

組み込みシステム開発の基盤

リソースが限られた環境で求められる組み込みシステム開発では、C++の提供する低レベルアクセス能力と効率の良さが大きな強みとなります。C++による開発は、ハードウェアに近いレベルでの制御が可能であり、性能要件を満たすソフトウェアの開発を実現します。これにより、組み込みデバイスやリアルタイムシステムでのアプリケーション開発が可能となり、高いパフォーマンスと効率を実現するソフトウェアを提供することができます。C++は、組み込みシステムのための豊富なライブラリとフレームワークも提供しており、開発プロセスをさらに加速します。

科学技術計算と金融モデリングのサポート

C++は科学技術計算や金融モデリングの分野においても広く使用されています。その高速な実行速度と精密な数値計算能力は、大量のデータを扱い、複雑な計算を必要とするアプリケーションの開発に最適です。シミュレーション、統計分析、リスクモデリングなど、高度な数値解析が求められるタスクでは、C++の数学的なアルゴリズムと高度な計算機能が強力なサポートを提供します。また、C++は並行処理とマルチスレッディングを効率的に扱うことができ、計算資源を最大限に活用することが可能です。これらの特性により、科学技術計算や金融モデリングの分野でのC++の利用は、複雑な問題を解決し、新たな発見を促進するための強力なツールとなっています。

先進的機能の活用

C++は、効率的かつ堅牢なソフトウェア開発をサポートする多数の先進的な機能を提供します。これらの機能には、例外処理やテンプレートメタプログラミングが含まれ、これにより開発者は安全かつ再利用可能なコードの作成が可能になります。例外処理を用いることで、エラー状態を効率的に管理し、プログラムの安定性を高めることができます。また、テンプレートメタプログラミングを通じて、コンパイル時に高度な計算を行い、実行時のパフォーマンスを向上させることが可能です。これらの機能は、特に大規模で複雑なアプリケーション開発において、コードの保守性と拡張性を大幅に向上させます。

サードパーティライブラリとの統合

C++は幅広い分野でのアプリケーション開発を支援するために、豊富なサードパーティライブラリへのアクセスを提供しています。これにより、マルチメディア処理、データベース連携、ネットワーク通信といった機能を、効率的にアプリケーションに統合することが可能になります。例えば、BoostやQtといったライブラリは、C++開発者に広く利用されており、GUI開発、数値計算、画像処理、データベースアクセスなど、多様な機能を提供します。これらのライブラリを利用することで、開発プロセスを加速し、アプリケーションの機能を豊かにすることができます。また、これらのライブラリは、開発者が新たな技術やトレンドに迅速に適応することを支援し、ソフトウェアの品質と競争力を高めるための強力なツールとなります。

最後に、C++は進化し続ける言語です。C++11、C++14、C++17といった標準の更新により、新たな機能が定期的に追加されています。これにより、C++は現代のプログラミング要求に応え続けることができ、開発者に良い刺激を提供し続けています。C++を習得することは、技術的なスキルセットを拡大し、将来にわたって多様なプロジェクトに取り組むための強固な基盤を築くことに他なりません。

C言語とC++の違い

C言語とC++は、多くのシステム開発プロジェクトで中心的な役割を果たしているプログラミング言語です。両者は共通のルーツを持ちながらも、それぞれ独自の特徴と設計哲学を持っています。このセクションでは、これら二つの言語の間に存在する主な違いを探り、各言語がどのような場面で適しているのかを解説します。この比較を通じて、プログラミング言語の選択において重要な視点を提供します。

オブジェクト指向

C++はオブジェクト指向プログラミング(OOP)をフルサポートしており、これが最も重要な特徴の一つです。オブジェクト指向のアプローチでは、データ(属性)とそれを操作する関数(メソッド)をクラスという単位でカプセル化します。このカプセル化により、データと機能が密接に結びつき、より直感的にプログラムを設計できるようになります。さらに、クラスから派生するオブジェクト間での継承や、インターフェースを通じた多態性の実現が可能になるため、ソフトウェアの再利用性、保守性、拡張性が大幅に向上します。これらの特徴は、大規模なソフトウェア開発において特に価値があります。一方、C言語は手続き型プログラミングに基づく言語であり、これらオブジェクト指向の概念は直接的にはサポートされていません。

ジェネリックプログラミング

C++の別の強力な特徴は、テンプレートを用いたジェネリックプログラミングです。テンプレートを使うことで、型に依存しない汎用的な関数やクラスを定義できます。これにより、異なるデータ型に対して同じ関数やクラスを再利用できるため、コード量が減少し、保守性が向上します。ジェネリックプログラミングは、複雑なアルゴリズムやデータ構造を効率的に実装する際に特に有用です。C言語では、このような強力なジェネリックプログラミングのサポートはありませんが、マクロやvoidポインタを駆使することで、型に依存しないプログラミングを実現することは可能ですが、C++ほど直接的かつ安全ではありません。

例外処理の対応

C++では、例外処理メカニズムが言語レベルでサポートされています。これにより、エラーが発生した際にプログラムの制御フローを安全かつ効率的に管理できます。tryブロック内で発生したエラーをcatchブロックで捕捉し、適切なエラー処理を行うことができます。この機構により、エラー処理コードがプログラムの主要なロジックから分離され、コードの可読性と保守性が向上します。C言語では、このような組み込みの例外処理メカニズムは提供されておらず、エラー処理は戻り値やグローバル変数を通じて行う必要があります。

言語構造の有無

C++は、C言語の強力な基盤の上にさらに多くの進化した言語構造を加えています。クラス、名前空間、参照変数、オーバーロードされた関数や演算子の導入は、C++を用いた開発において、より洗練されたプログラミングテクニックの使用を可能にします。これらの新しい言語構造により、データのカプセル化、コードのモジュール化、再利用性の向上が促進され、開発者はより表現力豊かで読みやすいコードを書くことができます。さらに、C++のテンプレートとテンプレートメタプログラミングは、ジェネリックプログラミングを実現し、コードの抽象化と柔軟性を大きく高めます。これに対して、C言語ではこれらの高度な機能や構造がサポートされておらず、プログラミングの表現力に制限があります。

キャストの違い

型変換に関しても、C++はC言語よりも進んだアプローチを提供します。C++では、型変換をより安全に行うために、static_cast、dynamic_cast、const_cast、reinterpret_castといった明示的なキャスト演算子が導入されています。これらのキャスト演算子は、開発者が型変換の意図を明確にし、型安全性を保ちながらプログラミングすることを助けます。例えば、dynamic_castは実行時に型の安全性をチェックし、不適切な型へのキャストを防ぐことができます。これにより、プログラムの安全性と信頼性が向上します。一方、C言語のキャストはより基本的で、開発者が型安全性を自ら管理する必要があります。C言語のキャストは、誤った使用がプログラムのバグに直結する可能性があるため、注意深い使用が求められます。C++の明示的なキャスト演算子は、このようなリスクを軽減し、より安全なプログラミング環境を提供します。

クラスの導入(構造体の違い)

C++におけるクラスは、C言語の構造体を大幅に拡張したものです。C言語の構造体がデータの集まりを一つにまとめるのに対し、C++のクラスはデータとそれを操作するメソッドを組み合わせることができます。この違いは、オブジェクト指向プログラミングの核心であり、データのカプセル化、情報隠蔽、そして再利用性の向上を実現します。

C++のクラスでは、アクセス修飾子を使ってメンバの可視性を制御でき、クラスの振る舞いを細かく指定することが可能です。また、コンストラクタとデストラクタにより、オブジェクトの生成と破棄を管理できます。これにより、リソースの適切な管理とプログラムの安全性が保たれます。

C++のクラスとC言語の構造体の違いは、プログラムの設計と保守性に大きな影響を与えます。C++のクラスを利用することで、より複雑なソフトウェアの開発が可能となり、コードの再利用性が向上します。

STL(標準ライブラリ)

C++の標準テンプレートライブラリ(STL)は、その強力なライブラリの一つであり、開発者がより効率的にプログラムを構築できるように設計されています。STLは、汎用のコンテナクラス(例えばベクター、リスト、マップ)、広範囲にわたるアルゴリズム(ソート、検索、変換など)、イテレータという3つの主要なコンポーネントから構成されています。これらのコンポーネントを組み合わせることで、開発者はデータ構造とアルゴリズムを簡単に利用し、複雑な操作を行うことができます。STLの利点は、その再利用可能性と汎用性にあり、一貫したインターフェースと高いパフォーマンスを提供します。これに対し、C言語ではSTLのような豊富な標準ライブラリや汎用コンテナが提供されておらず、同様の機能を実現するためにはより多くの手作業が必要になります。

コメント記号

C++はプログラミングの便利さを向上させるために、C言語の複数行コメント「/* */」に加えて、単一行コメント「//」を導入しました。この単一行コメントは、開発者がコードにメモや説明を簡単に追加できるようにすることで、コードの読みやすさと保守のしやすさを大きく向上させます。特に、コードの特定の部分を一時的に無効化する際にも、「//」を使用して手軽にコメントアウトできるため、開発プロセスがスムーズになります。C言語の標準ではこの単一行コメントは正式にはサポートされていませんが、現代の多くのCコンパイラでは非公式に「//」を使用することが可能です。C++におけるこのような小さな改善は、プログラミング作業の効率性とコードの可読性を高めるために重要です。

変数宣言と初期化

C++では、プログラム内の任意の場所で変数を宣言し、その場で初期化することが可能です。この柔軟性により、コードの可読性とプログラムの安全性が大きく向上します。変数を使用する直前に宣言することで、初期化忘れによるエラーを防ぎ、変数のスコープを限定することができるため、プログラムの保守が容易になります。C言語では、伝統的に変数の宣言は関数またはブロックの先頭でのみ可能でしたが、C99標準からはC++と同様に、関数内の任意の場所で変数を宣言できるようになりました。この変更により、C言語のプログラミングスタイルもより柔軟性が高まり、モダンなプログラミング言語の特性を取り入れることができるようになりました。

関数のオーバーロードとデフォルト引数

C++では、関数のオーバーロードがサポートされており、これにより同一の関数名で異なる引数のセットを持つ複数の関数定義を可能にします。これは、関数に渡される引数の型や数が異なる場合に、それぞれに適した処理を実行するための柔軟な手段を提供します。さらに、C++では関数の引数にデフォルト値を設定することができるため、関数呼び出し時に特定の引数を省略できます。これにより、よりシンプルで読みやすいコードを書くことが可能となり、関数の使い勝手が向上します。C言語では、これらの特徴はサポートされておらず、異なる処理を行うためには複数の関数を定義し、それぞれに異なる名前を付ける必要があります。C++の関数のオーバーロードとデフォルト引数の機能は、プログラミングの柔軟性と表現力を大幅に高めるものです。

インライン関数とテンプレート

C++の強力な特徴の一つに、インライン関数とテンプレートの使用があります。インライン関数は、コンパイラによって関数呼び出しのオーバーヘッドを削減することを指示するもので、関数の本体が呼び出し元のコード内に直接展開されます。これは、特にループ内や頻繁に呼び出される小さな関数でその効果を発揮し、プログラムの実行速度を向上させることができます。一方、テンプレートはジェネリックプログラミングを可能にするC++の強力な機能で、関数やクラスを一般化して異なるデータ型で再利用することができます。これにより、安全なコードを保ちながら、コードの重複を大幅に減らし、メンテナンスや拡張性を向上させることが可能です。C言語では、インライン関数やテンプレートといった概念がサポートされていないため、これらの便利な機能を利用することはできません。

引数の参照渡し

C++では、関数の引数を参照渡しすることが可能です。これにより、特にメモリ使用量が大きなオブジェクトや構造体を扱う場合に、オブジェクトのコピーを生成することなく直接操作でき、パフォーマンスの向上を実現します。参照渡しは、関数に渡された実引数を直接変更できるため、データの整合性を保ちつつ効率的なプログラミングが可能になります。一方、C言語では関数の引数を渡す際にポインタを使用することで似たような効果を得ることができますが、参照渡しと比べるとシンタックスが複雑になりがちで、誤用のリスクが高まります。C++の参照渡しは、プログラムの可読性を保ちつつ、より安全で効率的なコードを書くための強力なツールです。

C言語・C++・C#どれから習得すべき?

プログラミング言語の選択は、エンジニアのキャリアパスを形成する上で非常に重要な決断です。特に、C言語、C++、C#という3つの言語は、それぞれ異なる用途と機能性を持っており、学習する言語を選ぶ際には、自身の将来のプロジェクトや興味のある分野を考慮することが必要です。ここでは、これらの言語が最も適している開発領域について詳しく解説し、どの言語から習得を始めるべきかについてのガイドラインを提供します。

組み込み系の開発なら速度の速いC言語

C言語は、システムの根幹に近いレベルでの開発に非常に適しています。その高速性と効率の良さは、組み込み系の開発やオペレーティングシステム、デバイスドライバの作成に理想的です。C言語を学ぶことで、メモリ管理やポインタなどの基本的な概念について深い理解を得ることができ、これらの知識は他の高レベル言語を学ぶ上でも非常に役立ちます。また、C言語はプログラミングの基礎を学ぶための優れた言語であり、コンピュータの動作原理や低レベルのアーキテクチャに対する理解を深めることができます。

C++は業務システムや組み込み系向き

C++は、C言語の効率性を保持しつつ、オブジェクト指向プログラミングやジェネリックプログラミングといった高度な概念を導入しています。これにより、ソフトウェアの再利用性と保守性が大幅に向上し、業務システムの開発や複雑な組み込み系プロジェクトに最適です。C++を学ぶことで、C言語の基本概念に加えて、オブジェクト指向設計やテンプレートを利用した高度なプログラミング技法を習得することができます。これらのスキルは、ソフトウェア開発の幅広い分野で求められています。

C#はWebアプリやスマホアプリ向き

C#はマイクロソフトによって開発された高度な言語で、.NETフレームワーク上で動作します。この言語は、Webアプリケーションやモバイルアプリケーション、デスクトップアプリケーションの開発に適しています。C#を学ぶことで、イベント駆動型プログラミングやGUIアプリケーションの開発など、現代のソフトウェア開発に必須の技術を習得することができます。また、C#はプログラマーにとって学習しやすく、直感的な言語設計がされており、開発の生産性を高める多くの先進的な機能を提供します。

最終的には、これらの言語はそれぞれが異なる強みを持っており、時間をかけて全てを学ぶことができれば、あなたのスキルセットは大きく広がります。初学者としては、興味のある分野や将来の目標に基づいて、一つの言語から始めてみることが大切です。そして、基本的なプログラミングの概念や思考法を身につけた後で、他の言語へと学習の範囲を広げていくのがおすすめです。

まとめ

本記事では、C言語とC++の違いと特徴、そしてどちらを先に学ぶべきかについて解説しました。C言語はシンプルで高速なコンパイル型言語であり、組み込み系やオペレーティングシステムの開発に適しています。一方、C++はC言語の基本にオブジェクト指向やジェネリックプログラミングなどの機能を追加し、より複雑なソフトウェア開発に対応します。プログラミングの基本を学びたい初心者にはC言語から始めることをお勧めし、その後C++に進むことで、より高度なプログラミングスキルを身に付けることができるでしょう。

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