QAエンジニアの転職方法|転職を成功させるコツをご紹介
はじめまして、エンジニアスタイル編集部です!
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本記事が、皆様の参考になれば幸いです。
経験がまだ少ない方にもわかりやすく説明するために、初歩的な内容も記載しております。記事も長いので、実務経験豊富な方は、ぜひ目次から関心のある項目を選択してください。QAエンジニアの案件の一例と、案件一覧を以下からご覧いただけますのであわせてご確認ください。
目次
はじめに
2020年以降、デジタルトランスフォーメーション(DX)が加速し、リモートワークの普及、Eコマースの拡大、そしてサイバーセキュリティの重要性が高まるなど、ソフトウェア開発のニーズが急激に増加しました。
これにより、ソフトウェアの品質を確保し、ユーザー体験を向上させるQA(Quality Assurance)の役割が以前にも増して重要視されるようになりました。
その結果、現在ではQAエンジニアの需要が大幅に高まっています。
本記事では、QAエンジニアの年収事情、将来性、効果的な転職方法、そしてエンジニアが転職を成功させるためのコツを詳しく解説。
一読すれば、QAエンジニアとしてのキャリアパスをより戦略的に計画し、市場価値を高めるための洞察を得ることができます。
最新の転職市場の動向や成功の秘訣を短時間で効率的に学べるので、ぜひ最後までお付き合いください。
<この記事を読むとわかること>
- QAエンジニアとしての平均年収と、フリーランス及び会社員での収入の違い
- QAエンジニアの需要が高まっている現在の市場と将来性
- 効果的なQAエンジニア転職方法と転職活動で知っておくべきこと
- 独立や副業を通じた収入の増加とキャリアアップの可能性
- QAエンジニアの具体的なプロジェクト例
他のQAエンジニアはどのくらい稼いでいるの?
QAエンジニア(Quality Assurance Engineer)とは、製品やサービスが品質基準を満たしていることを保証するための専門家です。
バグやエラー、不具合がないかをチェックし、ユーザーが快適に製品を使用できるようにすることが主な仕事です。
つまり、QAエンジニアはソフトウェア製品の品質を保証するために欠かせない役割を果たします。
近年では、一つ一つのソフトがより複雑になっており、リリース前に品質をチェックするQAエンジニアの需要は高まりつつあります。
では、QAエンジニアになるとどのくらい稼げるのでしょうか?
ここでは、フリーランスと会社員のQAエンジニアの平均年収をご紹介します。
エンジニア全体の平均年収
求人BOXのデータによると、ITエンジニア全体の平均年収は「約480万円」です。
ITエンジニアの仕事は非常に広範囲に渡るため、平均給与もかなり幅があります。
例えば、システムエンジニアとしての平均年収は「516万円」で、給与幅は「349万円から1,066万円」と非常に幅広いです。
ただし、平均年収に関しては、統計の取り方によって結果に大きな違いが出ることがあります。
加えて、職種や経験、地域などの要素によっても平均年収はかなり変わるため、一つのデータだけで全体像を捉えるのは難しいです。
そのため、本データはあくまでも参考の一つとして捉えてください。
フリーランスのQAエンジニアの場合
エンジニアスタイルの2024年3月時点での最新のデータによると、フリーランスのQAエンジニアの月額平均単価は「約97万円」です。
これを年収換算にすると「約1,164万円」という結果になります。
職種別の単価ランキングでは、QAエンジニアは「3位」に位置しています。
過去3年間の月額平均単価の推移を見てみると、2020年9月の65万円から始まり、変動を繰り返しながらも2024年3月には97万円に落ち着いています。
このことから、フリーランスのQAエンジニアの需要が近年急激に高まっていることがわかりました。
言語別の単価ランキングでは、Pythonが「約119万円」で最も高額な言語です。
Pythonはデータ分析、機械学習、ウェブ開発など幅広い分野で使われており、もはやQAエンジニアにとって必須の言語となっています。
総括すると、フリーランスのQAエンジニアは、特にPythonなど特定の技術を使いこなすことができれば、より高い単価を期待できる職種であるといえるでしょう。
会社員のQAエンジニアの場合
求人BOXの2024年3月のデータによると、会社員のQAエンジニアの平均年収は「約655万円」です。
フリーランスの平均年収と比較すると、「約509万円」低く、ITエンジニア全体と比較すると約「約175万円」高いという結果になりました。
フリーランスと比較するとかなり差が開いてしまいましたが、それでもかなり高額な年収が期待できることは間違いありません。
QAエンジニアの年収が全体的に高額な理由は、ソフトウェアの品質保証がビジネスの成功に直結しているからです。
デジタル製品やサービスの品質が高いことは、顧客満足度の向上、ブランドの信頼性の構築、そして最終的には市場での競争力の強化につながります。
そのため、エラーやバグを未然に防ぐことができるQAエンジニアのスキルは、企業にとって非常に価値が高いのです。
どちらがおすすめかは一概にはいえませんが、「年収」を重視するのならフリーランス、「安定性」を重視するのなら会社員の方が良いでしょう。
QAエンジニアの将来性
このように、非常に高額な年収が期待できるQAエンジニアですが、将来性についてはどうなのでしょうか?
ここでは、QAエンジニアの将来性について、短期的・中長期的な目線の2つから考察していきましょう。
短期(1年~3年)
結論からいうと、QAエンジニアの短期的(約1〜3年)な将来性は非常に明るいです。
近年、多くの企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させています。
DXの実現プロセスにおいて、新たなソフトウェアの導入や既存システムのアップグレードが必要不可欠であり、それに伴い品質保証の重要性は高まっています。
また、AI(人工知能)、機械学習、IoT(モノのインターネット)、ブロックチェーンなどの先端技術の発展により、ソフトウェア開発の複雑性も増しています。
これらの技術を取り入れた製品やサービスは、特に品質面での厳しいチェックが求められ、QAエンジニアの専門性はより一層重要になっている現状です。
加えて、サイバー攻撃の脅威が増大しているのも大きな影響を与えるでしょう。
サイバーセキュリティ大手のESETジャパンの最新の調査によると、日本では2020年から3年連続でサイバー攻撃の件数が世界1位です。
こういった背景から、特に日本市場においてはQAエンジニアの短期的な需要はさらに高まっていくでしょう。
中長期
では、中長期的な目線でQAエンジニアの将来性を見てみるとどうでしょうか。
結論からいうと、中長期的な目線からもQAエンジニアの将来性は非常に明るいといえますが、求められるスキルは現在と異なってくる可能性が高いです。
株式会社グローバルインフォメーションの最新の調査によると、サイバーセキュリティの市場規模は2024年に2,037億8,000万米ドルと推定され、2029年には3,502億3,000万米ドルに達すると予測されており、予測期間中(2024~2029年)のCAGRは11.44%で成長する見込みです。
このことから、中長期的にもQAエンジニアの需要は高まることが予測されますが、使用技術やツールはAI(人工知能)の登場によって様変わりする可能性が高いです。
例えば、AIを活用した自動化テストツールの開発が進むことで、より効率的かつ正確に品質保証が行えるようになります。
これにより、QAエンジニアはテストケースの作成やテスト実行の自動化だけでなく、AIツールの設計や監視、維持管理といった新たなスキルセットを身につける必要が出てきます。
これらの変化に対応するため、QAエンジニアはクラウド技術、セキュリティ、AIの知識を深めると同時に、新たなテスト技術やツールの習得に努めることが重要です。
QAエンジニアの転職方法
では、QAエンジニアに転職するにはどうすればよいのでしょうか?
ここからは、QAエンジニアへの転職方法についてご紹介します。
自分で企業に問い合わせる
1つ目のQAエンジニアへの転職方法は、自分で転職したい企業に問い合わせる方法です。
自分から積極的にアプローチすることで、興味を持っている企業に対してダイレクトに熱意を示すことができます。
「やる気」や「熱意」というと少し旧態依然とした印象を受けるかもしれませんが、日本のIT企業というのはこういった積極性を非常に高く評価します。
というのも、現在の日本のIT業界では人材不足が深刻化しており、プロジェクトを途中で離脱されると現場のエンジニアたちの負担は想像以上のものです。
こういった背景から、途中でいきなりプロジェクトを投げ出すような可能性の高い人、つまりやる気のない人を事前に見極めようとします。
自ら企業に問い合わせてくるような人材はIT業界でも極めて稀です。
したがって、差別化という観点からも自分で企業に問い合わせる方法はおすすめです。
転職エージェントを利用する
2つ目のQAエンジニアへの転職方法は、転職エージェントを利用して転職する方法です。
転職エージェントを利用する最大のメリットは、専門のキャリアアドバイザーが一人ひとりの転職活動をサポートしてくれる点です。
これにより、履歴書や職務経歴書の作成、面接の準備、キャリアプランの相談など、転職活動における様々な段階でのアドバイスを受けることができます。
特に、IT業界やQAエンジニアのポジションに特化したエージェントであれば、業界のトレンドや求人情報に精通しており、個々のニーズに合ったアドバイスが期待できます。
また、転職エージェントは非公開求人の情報を豊富に持っている点も魅力の一つです。
特に、QAエンジニアとしてのキャリアを目指す場合、業界に精通したエージェントの支援を受けることで、自分の能力やキャリア目標に最も合った職場を見つけ出すことができるでしょう。
<QAエンジニアにおすすめの転職エージェント>
- エンジニアスタイル – 業界最多30万件のフリーランス案件を誇る
- レバテックキャリア – IT専門の求人が豊富で、多くの年収アップ実績あり
- ギークリー(Geekly) – エンジニア専門のサポートが充実
- Direct type – 有名企業からスタートアップまで幅広い選択肢
- TechStars Agent – 経験豊富なコンサルタントがキャリアアップをサポート
- ウィルオブテック – 高額年収の求人が多く、年収アップを目指す人におすすめ
- マイナビITエージェント – 大手から中小企業までの求人が充実
- ワークポート – IT業界に特化しており、30,000件以上の豊富な求人
- リクルートエージェント – 業界最大手で非公開求人が20万件以上あり
求人サイトを利用する
3つ目のQAエンジニアへの転職方法は、求人サイトを利用して転職する方法です。
求人サイトと転職エージェントはよく混同されますが、根本的にサービスの性質が異なります。
転職エージェントは個別のキャリアアドバイザーが一対一でサポートを提供し、転職活動全般をサポートします。
一方で、求人サイトは多数の企業からの求人情報を一覧で提供し、利用者が自ら情報を検索し、応募する形式です。
つまり、求人サイトは自主性に基づいて活動する必要がある点が特徴です。
そのため、自分で情報を探し、自分のペースで転職活動を進めたい方におすすめです。
エンジニア転職するなら知っておきたいこと
ここからは、QAエンジニアのみならず、エンジニア全般が転職の際に知っておくべきことについてご紹介します。
転職活動の流れ
基本的に、ITエンジニアの転職活動は以下のような流れで進みます。
STEP1:自己分析・市場調査
自分のスキル、経験、得意分野を明確に理解し、同時に求人市場の状況を把握します。
STEP2:履歴書・職務経歴書の準備
自己分析を元に、履歴書や職務経歴書を準備します。
この際、応募する企業やポジションに合わせて内容をカスタマイズすることが重要です。
STEP3:求人検索・応募
求人サイトや転職エージェント、直接企業に問い合わせるなどの方法で、求人情報を検索し、応募します。
STEP4:面接準備・面接
応募した企業からの面接の機会を得たら、面接の準備をしっかりと行い面接に臨みます。
STEP5:内定・条件交渉
面接を経て、内定を得た場合は条件交渉に入ります。
給与や勤務条件、入社日などの詳細を確認し、納得できる条件であれば正式に契約を結びます。
STEP6:入社・キャリアのスタート
入社日が決まったら、新しい職場でのキャリアをスタートさせます。
QAエンジニアの転職活動も上記の流れと基本的には変わりませんが、強いていうのであれば、特定の技術スキルやテスト経験をより強調する点が異なります。
QAエンジニアの場合、上記のプロセスでテスト自動化やCI/CDなどの現代的な開発プラクティスに対する理解も求められることが多いです。
これらの特定の知識や経験をアピールすることで、他の候補者との差別化を図ることができます。
転職までにかかる時間は3〜6ヶ月が目安
エンジニアが転職活動に要する時間は平均して約3〜6ヶ月程度です。
もちろん個人差はありますが、このくらいの期間を目安に転職活動を進めましょう。
ただし、エンジニアの場合はこれに加えて現在担当しているプロジェクトの進捗や工程も事前に確認しておくべきです。
例えば、動き出したばかりのプロジェクトを担当している場合、転職先が決まったからといってすぐに離脱すると、無用なトラブルを招いてしまいます。
プロジェクトの初期段階では、設計や基盤作りといった重要な工程が多く、この時期に担当エンジニアが抜けるとプロジェクト全体の遅延や品質の低下に繋がるリスクがあります。
そのため、転職を考えているエンジニアは、自身が担当しているプロジェクトのタイミングを考慮し、可能な限りスムーズに移行できるよう配慮しましょう。
年齢によって求められるスキルは変わる
エンジニアというと、プログラミング言語や専用ツールに関するスキルを極めていけば良いだけと思われがちですが、他の一般職と同じく年齢によって求められるスキルは変化します。
<QAエンジニアが年齢によって求められるスキルや資格>
主に求められるスキル | おすすめ資格 | |
20〜30代中盤(若手) | プログラミング言語(Python、Java)、テストケース作成、SQL、コミュニケーションスキル | ISTQB認定テスター(Foundation Level)、JSTQB認定テスター |
30代後半〜40代(中堅) | テスト自動化(Selenium、JUnit)、アジャイル・DevOps、品質保証戦略、プロジェクト管理 | ISTQB認定テスター(Advanced Level)、CAT(Certified Agile Tester)、CSTE(Certified Software Tester) |
50代〜(ベテラン) | リーダーシップ、テストアーキテクチャ設計、クラウド・AI技術、変化管理 | ISTQB認定テスター(Expert Level)、CSQA(Certified Software Quality Analyst)、AWS Certified Solutions Architect |
年齢を重ねるごとに、単にテクニカルスキルを超えた戦略的思考、リーダーシップ、革新的な技術の適応能力が求められるようになります。
このように、年齢と共に成長し、柔軟なスキルセットを持つことがQAエンジニアにとっての持続可能なキャリアを築く鍵となります。
エンジニアが転職を成功させるコツ
日本では少子高齢化によって人材不足が深刻になってきていますが、IT業界は特に人材不足が深刻です。
経産省の報告によると、2030年までに日本のIT人材は約79万人不足するとも言われています。
そのため、現在の日本のIT業界は過度なまでに「売り手市場」、つまり転職がしやすい業界です。
しかし、それでも転職を早期に成功させる人とそうでない人がいます。
一体両者にはどんな違いがあるのでしょうか?
ここでは、エンジニアが転職を成功させるコツをいくつかご紹介します。
実績を定量的に伝える
転職を成功させるための1つ目のコツは、自分の実績をなるべく定量的に伝えることです。
こうすることで、面接官や採用担当者が成果を客観的かつ具体的に理解しやすくなります。
また、あなたのスキルや成果が企業のニーズにどの程度マッチしているかを明確に示すことができるのです。
QAエンジニアの実績を例に取って見てみましょう。
<定量的ではない実績の例>
- ソフトウェアの品質向上に貢献した。
- チーム内でテストプロセスの改善をリードした。
- バグの発見と修正を手伝った。
これらの実績は貢献した内容が分かりますが、具体的な成果の規模や影響度が不明です。
<定量的な実績の例>
- ソフトウェアのリリース前に発見したバグの数を20%減少させ、品質向上に直接貢献した。
- チーム内で実施したテストプロセスの改善により、テストの完了時間を30%短縮し、プロジェクトの納期を1週間前倒しできた。
- 6ヶ月の間に500以上のバグを発見し、その修正により顧客満足度が10%向上した。
このように定量的な情報を伝えることで専門性や成果が具体的かつ明確に伝わります。
キャリアアップの方向性を固めておく
2つ目の転職成功のコツは、キャリアアップの方向性を転職する前からしっかりと固めておくことです。
自分のキャリアの目標と進むべき道がはっきりしていると、それに合った企業やポジションを選択しやすくなります。
つまり、自分の能力や経験が活かせる、かつ自分のキャリアプランに沿った職場を見つけることができるのです。
さらに、面接時に自分のキャリア目標や将来のビジョンを明確に伝えられると、採用担当者にあなたの真剣さや長期的な計画を示すことができます。
これは、ポジションに対するあなたの適合性だけでなく、組織へのコミットメントを判断する上で非常に重要な情報になります。
結果として、他の候補者と差別化され、より魅力的な候補と見なされる可能性が高まります。
参考までに、QAエンジニアと関連性の深いITエンジニア職を以下に紹介するので、ぜひ参考にしてください。
<QAエンジニアと関連性の深いITエンジニア職>
理由 | |
ソフトウェア開発者 | ソフトウェアの品質に直接的に影響する開発作業に携わるため、QAエンジニアと密接に協力して品質を確保する必要がある。 |
システムエンジニア | システムの設計と実装において、全体の品質を保証するためのテスト戦略を考慮し、QAプロセスと連携する。 |
テスト自動化エンジニア | テストプロセスの自動化により、テストの効率と正確性を向上させるため、QAエンジニアの作業を直接支援する。 |
データベース管理者 (DBA) | データの整合性とセキュリティを保証することは、ソフトウェアテストの重要な側面であり、DBAとQAエンジニアはこの点で連携する。 |
DevOpsエンジニア | 開発と運用のギャップを縮め、テストとリリースのプロセスを自動化することで、品質保証プロセスを強化する。 |
セキュリティエンジニア | セキュリティはソフトウェア品質の重要な要素であり、セキュリティテストは品質保証プロセスの一部として重要。 |
パフォーマンスエンジニア | システムのパフォーマンスと安定性をテストし、最適化することは、全体的なソフトウェア品質を保証する上で重要。 |
プロジェクトマネージャー(PM) | プロジェクトの成功は品質に大きく依存しており、品質保証戦略をプロジェクト計画に統合し、QAプロセスを監督する必要がある。 |
社外とのコネクションを作る
3つ目の転職成功のコツは、社外とのコネクションを常に意識して作っておくことです。
そもそも、できることなら求人媒体を利用して人材を募集したくないというのが企業側の本音です。
大手求人媒体というのは、掲載するだけでもかなりのコストがのしかかり、検索上位に表示させるためにはさらにコストがかかります。
その上、最終的に人材を見つけられなかった場合、そのコストは全くの無駄になってしまいます。
そのため、うまく回っているITプロジェクトというのは内々の紹介で回っていることも少なくありません。
また、コネクションを通じた転職の場合、販管費がかかっていないので条件交渉がしやすいのも大きなメリットです。
したがって、こういった恩恵を享受するためにも、なるべくコネクションを意識して構築しておきましょう。
今の時代は転職するより独立した方が安定する?
昨今の日本では、働き方の柔軟性が以前よりも重要視されるようになり、フリーランスや個人事業主として独立する人も増えてきました。
厚労省の調査によると、2018年時点で労働人口の約6分の1がフリーランスとして就業しているというデータもあります。
2019年以降は新型コロナによってさらに柔軟な働き方が重視されるようになったので、現在ではその数はさらに増えているでしょう。
こういった背景もあり「今の時代は転職するより独立した方が安定するのでは?」という意見も多く聞くようになりました。
確かに、フリーランスは一般的な会社員よりも「収入面」においては高い傾向にあります。
しかし、先述したように「安定性」においては依然として会社員の方が高いと言えるでしょう。
つまるところ、フリーランスは個々人の努力や能力によってかなり収入に差が出るので「フリーランスになると収入が上がる!」と漠然と信じるのはやめておきましょう。
実は実務経験が2.3年あれば十分独立できる
2000年代以前の日本のIT業界は、とにかく経験年数がものをいう時代でした。
エンジニアに転職するにしても、経験年数がなければお話にすらならなかったのです。
しかし時代は進み、現在では実務経験はあまり重視されなくなりました。
IT業界というのは日進月歩で進化していくので、経験という曖昧な判断基準が役に立たなくなってきたのです。
経験年数よりも「何ができるのか」「どんなツール、プログラミング言語が使えるのか」の方が重視されつつあります。
これにより、フリーランスとして活動しやすくなり独立する方が増えています。
例えば、以下に紹介する案件などは実務経験が2. 3年程度でも十分に参画できる可能性のあるQAエンジニア案件なので、ぜひ参考にしてください。
案件例①開発プロダクトのフルリニューアル案件(アジャイル)
この案件は、アジャイル開発でのフルリニューアルを担当するQAエンジニア案件です。
アジャイル開発とは、短い開発サイクル(通常は2〜4週間のスプリント)を繰り返しながら柔軟に変更に対応し、顧客のフィードバックを積極的に取り入れて製品を開発する方法です。
変更に迅速に対応できる柔軟性と、継続的な改善を重視する点で特徴があります。
アジャイル開発はリリース速度が非常に早いため、本案件ではQAを精確かつ迅速に作成する必要があります。
<具体的な業務内容>
- テスト計画の作成、テストケースの設計から実施までを担当
- APIテスト、E2E(エンドツーエンド)テスト、UIテスト、リグレッションテストの設計と実行
- テストプロセスの最適化、新技術の導入によるQCD(Quality, Cost, Delivery)の最大化
- テスターやQAチームメンバーのマネジメント
<必要なスキル>
- WebアプリケーションやスマートフォンアプリのQA業務経験
- アジャイル開発環境でのQA業務経験
- テスト自動化(特にE2Eテスト)の作成と運用経験
- 非機能要件(脆弱性試験、負荷試験など)のテスト計画および実行経験
- プロジェクトを社内横断的に推進した経験
- 開発だけでなく、ビジネス面を含めた品質改善活動を主導した経験
- 不具合分析やテストプロセス改善の経験
- QAやテストに関連する資格保有
テスト自動化技術や非機能要件のテストに関する深い知識と経験が求められるため、これらのスキルや経験をお持ちの方はぜひとも応募したい案件といえるでしょう。
案件例②自社プロダクトの開発リードQAエンジニア
この案件は、自社プロダクトの開発リードQAエンジニアを担当するQAエンジニア案件です。
本案件では、プロダクトの品質に関わる上流から下流に至る全てのプロセスに深く関与し、改善をリードするポジションであるため、技術的スキルに加えてチーム内外とのコミュニケーション能力やマネジメント経験も重要です。
<具体的な業務内容>
- 開発プロセス上流での仕様レビューや仕様改善
- テスト計画、設計、実施、管理及びバグ報告
- エンジニアとの交渉及び調整業務
- テスト効率化及び自動化の推進、API・E2E・UI・リグレッションテストの設計と実装、運用保守
- アジャイルを前提にした開発プロセス全体の改善業務
<必要なスキル>
- 事業会社での開発もしくはQA経験3年以上
- QAチームのマネジメント経験
- ソフトウェアテストの知識や経験
- 日常会話レベルの英語
QAのマネジメント経験や、アジャイル開発環境での仕様レビューやテスト自動化の推進経験がある方は、この案件に特に適しているといえるでしょう。
案件例③物流WebサービスのQAエンジニア
この案件は、物流WebサービスのQAエンジニアを担当する案件です。
本案件では、テスト自動化を前提としているプロジェクトになります。
テスト自動化では、スクリプト作成能力や自動化ツールの使用経験が特に重要です。
また、複数のシステム間でのデータフローを理解し、それに基づいた統合テスト(E2Eテスト)を設計・実施できる能力も求められます。
<業務内容>
- マニュアルテストのテストケースの作成、実施、スケジュール管理
- E2Eテスト、フロントエンド、バックエンドの自動テストの運用
- 不具合が発生した際の関連部署との連携、調査、及び改善のためのアクションプランの作成
<必要なスキル>
- WebサービスやスマホアプリのQA経験 1年以上
- チームやプロジェクトのリードを担当した経験
- ビジネス要件を踏まえたテストシナリオの設計能力
- ユースケースからシステムに対して必要なテストを洗い出す能力
- PMやエンジニアと連携してリリースを進めるコミュニケーション能力
このように、テストプロセスの全体的な管理と運用に加えて、自動化テストの実装と運用が本案件の中心部分です。
したがって、テスト自動化技術に加え、プロジェクト管理能力とチーム内コミュニケーション能力がある方はぜひとも応募したい案件といえるでしょう。
仕事に拘束される時間が減りインプットする時間を増やせる
フリーランスは会社員よりも仕事に拘束される時間が少ない傾向にあります。
この理由の一つは、フリーランスは自身のスケジュールを自由に管理できるからです。
会社員として働く場合、定められた労働時間や場所に縛られますが、フリーランスはプロジェクトやクライアントとの契約に基づき、仕事の時間や場所を柔軟に設定できます。
その結果、効率的な仕事の進め方を選ぶことで作業時間を減らし、個人的な時間を増やすことが可能になります。
これは、特にQAエンジニアにとって重要です。
QAエンジニアはソフトウェアの品質を保証するために、最新のテスト技術やツール、開発プロセスに常に精通している必要があります。
技術の進化は速く、新しいテストフレームワークや自動化ツール、セキュリティ脆弱性に対する知識など、学ぶべき内容は絶えず変化します。
したがって、フリーランスとして働くことで得られる柔軟なスケジューリングは、これらの最新知識を習得し、自己のスキルセットを拡張するための学習時間を作る上で非常に有利です。
年収が大幅にアップする
大抵の場合、会社員からフリーランスに独立することで年収が大幅にアップします。
特にQAエンジニアはフリーランスと会社員の平均年収の差が顕著です。
冒頭でも紹介したように、会社員のQAエンジニアの平均年収は「約655万円」です。
それに対し、フリーランスのQAエンジニアの平均年収は「約1,164万円」です。
つまり、QAエンジニアは会社員からフリーランスとして独立することで、「約509万円」の年収アップが期待できます。
もちろん個人差はありますが、それでも収入面のみを重視するのならフリーランスのQAエンジニアの方がおすすめです。
それでも独立するのが怖い人は副業で年収アップ!
ここまで説明してきたように、フリーランスとして独立することで数多くのメリットを享受できます。
しかし、やはり独立となると
「失敗したらどうしよう…。」
「自分には家庭があるから無謀な挑戦は避けたい…。」
このような不安が常についてまわります。
そういった不安をお持ちの方におすすめなのが「副業」という働き方です。
副業というと、以前まではグレーゾーンな印象がありましたが、現在では大手であっても副業を解禁する企業が増えつつあります。
もちろん、副業を始める時は自身の所属する企業の就業規則に沿う必要がありますが、それでも副業に対する考え方は昔とはかなり違います。
例えば、以下に紹介する案件でも副業として参画できるので、独立する決心がつかない方はぜひ参考にしてください。
案件例:インフラ系QAエンジニア案件
この案件は、インフラ系QAエンジニアを担当する副業案件です。
インフラ系の案件になるので、クラウドサービスへの理解、サーバーOSの知識、ネットワークの基礎、および監視ツールの利用方法などに精通している必要があります。
これらのスキルは、テスト計画の立案から実施、結果の分析、そしてインフラ環境の最適化提案まで、一連のQAプロセスを効率的かつ効果的に遂行する上で不可欠です。
<具体的な業務内容>
- テスト計画の作成と実施
- テスト結果のレポート作成
- システムの仕様書作成・更新
- テスト結果に基づくインフラ環境の最適化提案
<必要なスキル>
- インフラに関するQAテストの経験
- テスト計画、レポートの作成、仕様書作成の経験
- テスト結果を分析し、最適なインフラ環境を提案できる能力
- 大手企業案件におけるQAテストの経験、特に厳しい審査基準での対応経験
本案件では、単にソフトウェアの品質を保証するだけでなく、サービスのパフォーマンスや安定性を高めるためのインフラ環境に関する深い知識が求められます。
特に、クラウドサービス(Azure)、サーバーOS(Red Hat Enterprise Linux)、テストツール(Jmeter)、監視ツール(Zabbix)などの具体的な技術に対する理解と経験は、この案件における成功の鍵です。
そのため、高度なテスト計画の立案と実施、そして結果に基づく効果的なインフラ提案が可能なため、ぜひとも応募したい副業案件といえるでしょう。
まとめ
本記事では、QAエンジニアとして転職市場における現状と将来性、さらに転職を成功させるための具体的な方法とコツを掘り下げました。
QAエンジニアの役割は、ソフトウェア開発プロセスにおいて不可欠なものであり、品質保証はテクノロジーが進化するにつれてさらに重要な領域になっています。
今後も、デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速と共に、QAエンジニアの需要は続くことが予想されます。
そのため、最新技術のトレンドを常に学習を続けることが、QAエンジニアとしてのキャリアで成功を収めるための鍵となるでしょう。
「エンジニアスタイルマガジン」では、今後もこういったエンジニアにとって役立つ情報を随時お届けいたします。
それでは、また別の記事でお会いしましょう。今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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