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テストエンジニアの転職方法|転職を成功させるコツをご紹介

はじめまして、エンジニアスタイル編集部です!

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経験がまだ少ない方にもわかりやすく説明するために、初歩的な内容も記載しております。記事も長いので、実務経験豊富な方は、ぜひ目次から関心のある項目を選択してください。テストエンジニアの案件の一例と、案件一覧を以下からご覧いただけますのであわせてご確認ください。

はじめに

ソフトウェア開発において、テストフェーズが以前にも増して極めて重要な役割を担うようになりました。

この変化は、アプリケーションやシステムの品質を決定するキーファクターとしての品質保証の重要性が高まったことによるものです。

このようなトレンドの中で、「テストエンジニア」が今注目されています。

本記事では、テストエンジニアとしての転職方法や、転職を成功させるためのコツを詳しく解説。

一読すれば、テストエンジニアの年収相場、将来性、そして実際の転職手段から独立に至る道のりまで、幅広い知識を得ることができます。

現役のテストエンジニアやテストエンジニアへの転職を考えている方には、必読の情報が満載なのでぜひ最後までお付き合いください。

<この記事を読むとわかること>

  • テストエンジニアの平均年収とフリーランス、会社員での違い
  • テストエンジニアの職業としての将来性
  • 効果的なテストエンジニアの転職方法
  • 転職や独立を考える際に知っておきたい重要なポイント
  • テストエンジニアの具体的な案件例

他のテストエンジニアはどのくらい稼いでいるの?

テストエンジニアとは、ソフトウェアや製品の品質を保証するために重要な役割を果たす専門家です。

製品の設計段階からリリースまで、さまざまなテスト手法を用いてソフトウェアのバグや不具合を発見し、修正を促します。

多くの企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)に注力している昨今、ソフトウェア開発プロジェクトの増加に伴ってテストニーズが高まっています。

そのため、以前にも増してテストエンジニアは注目されつつあります。

では、テストエンジニアに転職するとどのくらい稼げるのでしょうか?

ここでは、フリーランスと一般的な会社員のテストエンジニアの平均年収についてご紹介します。

エンジニア全体の平均年収

求人BOXのデータによると、ITエンジニア全体の平均年収は「約480万円」です。

ITエンジニアの仕事は非常に広範囲に渡るため、平均給与もかなり幅があります。

例えば、システムエンジニアとしての平均年収は「516万円」で、給与幅は「349万円から1,066万円」と非常に幅広いです。

ただし、平均年収に関しては、統計の取り方によって結果に大きな違いが出ることがあります。

加えて、職種や経験、地域などの要素によっても平均年収はかなり変わるため、一つのデータだけで全体像を捉えるのは難しいです。

そのため、本データはあくまでも参考の一つとして捉えてください。

フリーランスのテストエンジニアの場合

エンジニアスタイルの2024年3月時点での最新のデータによると、フリーランスのテストエンジニアの月額平均単価は「約59万円」です。

年収換算にすると「約708万円」で、職種別の単価ランキングでは「27位」という結果になりました。

特定の上流職と比較するとやや低めの位置にありますが、それでもプレイヤーとしてみるのなら比較的高い水準にあります。

過去3年間の月額平均単価の推移を見ると、2020年11月と2022年9月、2022年10月は特に単価が高く、その後変動はありつつも現在では約60万円程度で安定しました。

言語別の単価ランキングでは、Apexが100万円で最も高く、次いでRubyやNode.js、Go言語、Scala、TypeScriptが続いています。

これらの言語から読み取れるのは、クラウドサービスの開発やウェブアプリケーション、そして特にApexが関連するセールスフォースのカスタマイズや開発が高い需要を持っていることです。

また、新しい技術やフレームワークへの適応能力が高単価を維持するための鍵となっています。

会社員のテストエンジニアの場合

求人BOXの最新のデータによると、会社員のテストエンジニアの平均年収は「約377万円」です。

フリーランスのテストエンジニアの平均年収と比較すると、「約332万円」低いことになります。

ITエンジニア全体の平均年収「約480万円」と比べると、「約102万円」低い結果になりました。

データとしてみると、会社員のテストエンジニアの平均年収はかなり低い水準になってしまいましたが、これには理由があります。

テストエンジニアの求人を見てみると、「未経験歓迎」の文言が非常に多いです。

下流工程を担当するテストエンジニアというのは単純作業が多く、誰にでもできるような仕事を任されることになります。

そのため、未経験であってもマニュアル通りに根気よく進めればどんな人でもある程度はこなせてしまいます。

しかし、こういった求人というのは若手をターゲットにしていることもあり、平均年収がかなり低いです。

そのため、この部分がデータに過度に反映してしまったことが予測されます。

専門知識を問われるようになると、テストエンジニアはかなりの年収アップが期待できるのでご安心ください。

テストエンジニアの将来性

「テストエンジニアはキツいからやめとけ」

インターネットでテストエンジニアと検索すると、こんな論調の記事をよく目にします。

確かに、以前までのテストエンジニアの印象は「単純作業の繰り返し」というイメージが定着していました。

そのため、精神的にかなりキツく、すぐにやめてしまう人が多い職種として有名でした。

しかし、現在ではテスト自動化ツールなども増えてきており、一概に「キツい」とは言えなくなっています。

IT業界を取り巻く環境も変わりつつある中、果たしてテストエンジニアに将来性はあるのでしょうか?

ここでは、テストエンジニアの将来性を短期的な目線と中長期的な目線の2つの視点で考察していきます。

短期(1年~3年)

結論からいうと、テストエンジニアの短期的(約1〜3年)な将来性は非常に明るいです。

テスト事業を専門にしているバルテス・ホールディングス株式会社の「ソフトウェアテスト効率化カオスマップ(2023)」によると、2009年度から2020年度までの間にソフトウェア開発工程におけるテストが占める割合は31%から37%に増加しています。

さらに、推定ソフトウェアテスト市場規模も、2009年度の約2.9兆円から2020年度には約6.2兆円と、約10年間で倍以上の成長を遂げています。

一方で、ソフトウェア開発のアウトソース化が進んでいるにも関わらず、テスト専業企業の市場占有率はまだ1〜2%と低いままです。

したがって、日本国内のテスト市場は現在ブルーオーシャン、つまり競争相手がほとんどいない状態です。

そのため、今後テスト事業を専門に展開する企業が増えてくることが予想され、それに伴ってテストエンジニアの需要も上がっていくことになるでしょう。

中長期

では、中長期的な目線でテストエンジニアの将来性を見てみるとどうでしょうか。

結論からいうと、テストエンジニアは中長期的にも非常に将来性が高いといえますが、業界の変化に適応し続けるためには今までのスキルセットを更新し続ける必要があります。

まず、テスト自動化ツールの進化と普及は、テストエンジニアの仕事の方法を根本から変えています。

自動化ツールを活用することで、テストの効率性と再現性が大幅に向上し、より高速で品質の高いソフトウェア開発サイクルが実現可能になるのです。

しかし、これらのツールを最大限に活用するには、プログラミング能力や新たなテストフレームワークに関する深い知識が必要です。

従来の手動テスト中心のスキルセットだけでは不十分であり、テスト自動化に関する技術を習得することが求められます。

加えて、生成AI技術の進化はテストケースの生成やテストデータの準備といった面を劇的に改善する可能性が高いです。

しかし、AIをテストプロセスに組み込むためには、AI技術の理解とともに、その出力を適切に解釈し、品質保証プロセスにどのように役立てるかを考える能力が必要です。

したがって、テストエンジニアの中長期的な将来性は非常に明るいといえますが、テクノロジーの進歩に伴う新しい技術や手法を積極的に学び、自らのスキルをアップデートしていくことが、その将来性を実現するための鍵となるでしょう。

テストエンジニアの転職方法

このように、テストエンジニアは現在劇的な変化を遂げている職業です。

では、テストエンジニアに転職するにはどのような方法があるのでしょうか?

以下では、テストエンジニアへの転職方法を3つ厳選してご紹介します。

自分で企業に問い合わせる

1つ目のテストエンジニアへの転職方法は、自ら積極的に企業に問い合わせて転職する方法です。

この方法では、自分自身のスキルや経験、なぜその企業に興味を持ったのかといった情報を直接伝えることができ、履歴書や職務経歴書を通じてではなく、人としての魅力も伝えられる点が非常に大きなメリットといえます。

また、この方法はほとんどの転職者が実践していない方法です。

多くの人が転職サイトやエージェントを利用する中で、自分から直接企業にアプローチすることは、他の応募者と差別化を図れるので大きなアドバンテージとなります。

企業側から見れば、自分たちの会社に興味を持ち、積極的にアプローチしてくる応募者は非常に印象に残りやすく、採用を検討する際にプラスの要素となり得るのです。

転職エージェントを利用する

2つ目のテストエンジニアへの転職方法は、転職エージェントを利用して転職する方法です。

転職エージェントは専門のキャリアアドバイザーがサポートしてくれるため、転職活動が初めての方や、どのように転職活動を進めていいかわからない方にも安心です。

キャリアアドバイザーは、履歴書や職務経歴書のブラッシュアップ、面接対策、年収交渉など、転職活動のあらゆる段階でサポートしてくれます。

加えて、転職エージェントを利用することで、公開されていない非公開求人にアクセスできることも大きな利点です。

これらの非公開求人は、企業が競合他社に情報を知られたくない場合や、特定のスキルセットを持った人材を探している場合に限定して募集されることが多いため、よりマッチした求人に出会える可能性が高まります。

<テストエンジニアにおすすめの転職エージェント>

求人サイトを利用する

3つ目のテストエンジニアへの転職方法は、求人サイトを利用して転職する方法です。

求人サイトと転職エージェントはよく混同されますが、実際にはかなり違いがあります。

求人サイトとは、インターネット上で様々な企業からの求人情報を集約し、ユーザーが自由に検索して応募できるサービスです。

幅広い業界や職種の求人をカバーしており、ユーザーは自分の希望条件に合った求人を探すことができます。

一方転職エージェントとは、専門のキャリアコンサルタントがユーザーの転職活動を個別にサポートするサービスです。

コンサルタントは、ユーザーのスキルや経験、キャリアの希望を聞いた上で、最適な求人を紹介し、履歴書の添削や面接対策など、転職活動全般にわたって手厚いサポートを提供します。

つまり、求人サイトは自分で積極的に情報を探し、応募プロセスを管理したい人におすすめの転職方法です。

自分のペースで転職活動を進められるので、既に何回か転職を経験したことがある方は検討してみるのも十分にありです。

エンジニア転職するなら知っておきたいこと

ここからは、テストエンジニアのみならず、エンジニア全般が転職するときに知っておくべきことをいくつかご紹介します。

転職活動の流れ

まずは、転職活動の流れを把握しておきましょう。

一般的なITエンジニアの転職活動の流れは以下の通りです。

STEP1:自己分析と市場調査

自分のキャリア目標、希望条件、持っているスキルや経験を明確にします。また、現在のIT業界の市場状況や求められるスキルについての調査も行います。

自己分析と市場調査を行うことで、どのような企業や職種が自分に合っているか、どのようなスキルが求められているかを理解しましょう。

STEP2:履歴書・職務経歴書の作成

次に、履歴書や職務経歴書を準備します。

特にITエンジニアの場合、具体的なプロジェクト経験や使用技術、達成した成果などを詳細に記述することが重要です。

STEP3:求人情報の収集と応募

求人サイト、転職エージェント、直接企業のウェブサイトなど、様々な方法で求人情報を収集します。

興味がある求人が見つかったら、準備した履歴書や職務経歴書を用いて応募しましょう。

STEP4:面接

応募した企業から面接の機会を得たら、面接の準備に入ります。

面接では、専門的な知識やスキルを問われることが多いため、事前の準備が欠かせません。

STEP5:オファーの検討と決定

面接を経て、企業からオファー(内定)を受けた場合、条件面を含めて慎重に検討します。

年収、勤務条件、キャリアパスなど、自分の希望と合っているかを確認し、必要であれば条件交渉を行います。

STEP6:入社手続きと退職手続き

オファーを受諾した後は、新しい職場での入社手続きと現在の職場での退職手続きを行います。

退職手続きは、可能な限りスムーズに行うよう心がけ、良好な関係を保ちながら退職することが望ましいです。

テストエンジニアであっても、基本的に上記の流れの通りに転職活動を進めます。

ただし、テストエンジニア特有のスキルセットや経験をアピールすることが重要であり、特に技術面接ではテスト関連の知識や経験、問題解決能力を詳細に説明することが求められます。

また、品質保証の観点からプロジェクトにどのような貢献ができるかを示すことが、テストエンジニアとしての魅力を高めるポイントです。

転職までにかかる時間は3〜6ヶ月が目安

一般的に、エンジニアに転職するまでに要する時間は約3〜6ヶ月です。

もちろん個人差はありますが、基本的にこれくらいの時間を想定しておきましょう。

ただし、エンジニア転職の場合は自身が現在担当しているプロジェクトの進捗を確認しておく必要があります。

仮に転職先がすぐに見つかったとしても、現在担当しているプロジェクトがまだ初期段階なのであれば、すぐに離脱するとトラブルの元になりかねません。

こういったトラブルを避けるためにも、転職活動を始める前に現在のプロジェクトのスケジュールを確認し、可能な限りプロジェクトの一区切りをもってから転職活動を本格化させると良いでしょう。

年齢によって求められるスキルは変わる

エンジニアはただプログラミングスキルや専門ツールの知識を深めるだけでは効率的にキャリアアップできません。

その他の一般職と同じように、エンジニアも年齢によって求められるスキルは変化します。

参考までに、テストエンジニアが年齢によって求められるスキルを見てみましょう。

主に求められるスキル おすすめの資格
若手(20代〜30代中盤) ・基本的なプログラミング能力(Java、Pythonなど)
・ソフトウェアテストの基礎知識
・コミュニケーションスキル
・ISTQB® Foundation Level Certificate
・基本情報技術者試験
・JSTQB認定テスト技術者資格 など
中堅(30代後半〜40代) ・高度なテスト自動化スキル(自動化スクリプト、テストフレームワークなど)
・パフォーマンステストとセキュリティテスト
・プロジェクト管理能力
・ISTQB® Advanced Level Certificate
・PMP® (Project Management Professional) など
ベテラン(50代以上) ・戦略的テスト計画
・テストコンサルティング
・最新テクノロジーへの専門的な知見
・ISTQB® Expert Level Certificate
・ITストラテジスト試験 など

このように、年齢が上がるにつれて組織を意識したスキルが求められるようになってきます。

エンジニアが転職を成功させるコツ

日本では少子高齢化によって人材不足が深刻になってきていますが、IT業界は特に人材不足が深刻です。

経産省の報告によると、2030年までに日本のIT人材は約79万人不足するとも言われています。

そのため、現在の日本のIT業界は過度なまでに「売り手市場」、つまり転職がしやすい業界です。

しかし、それでも転職を早期に成功させる人とそうでない人がいます。

一体両者にはどんな違いがあるのでしょうか?

ここでは、エンジニアが転職を成功させるコツをいくつかご紹介します。

実績を定量的に伝える

1つ目のエンジニア転職成功のコツは、職務経歴書や面接の際に実績をなるべく定量的に伝えることです。

定量的なデータで物事を伝えることで自身の成果や貢献度を明確にし、採用担当者にあなたの能力と貢献度をより理解してもらいやすくなります。

また、数字を使ってロジカルに物事を捉える能力はエンジニアの基本です。

そのため、IT業界の採用担当者は定量的な説明を好む傾向にあります。

以下に、テストエンジニアの実績を例にとって悪い例と良い例をみてみましょう。

<悪い例>

  • 「プロジェクトの効率を改善しました。」
  • 「チームの生産性を向上させた。」

これらの表現は抽象的で、具体的な成果や改善の度合いが不明確です。これでは実際の貢献を推測するのが難しいと言わざるを得ません。

<良い例>

  • 「プロジェクト管理ツールの導入により、プロジェクト完了時間を20%短縮しました。」
  • 「新しいテスト自動化フレームワークを開発・導入することで、チームの生産性を30%向上させ、バグ発見率を50%改善しました。」

上記の例では具体的な数字が記されており、改善の具体的な効果が明確に伝えられています。

このように、定量的な実績を伝えることで、自身の経験とスキルが具体的な結果にどのようにつながったかをわかりやすく伝えることができるのです。

キャリアアップの方向性を固めておく

2つ目のエンジニア転職成功のコツは、キャリアアップの方向性を明確にしておくことです。

その他の職業と比較して、エンジニアはキャリアの幅が非常に広いです。

例えば、テストエンジニアであればQAエンジニアになる道もありますし、全く別の分野、例えばデータサイエンティストやAIエンジニアへの道も考えられます。

しかしよくありがちなのが、さまざまなキャリアに手を出しすぎて、結局専門的スキルが極められない事態に陥ることです。

特に、転職を頻繁に繰り返すエンジニアはこういった事態に陥りがちです。

IT業界に長く勤めていると、こういったエンジニアをよく見かけます。

もちろん、採用担当者は基本的にIT業界の経歴が非常に長いので、こういった通例はよく知っています。

つまるところ、ITエンジニアというのは「色んなことができる人」よりも「一つのことに詳しい人」の方が需要が高いです。

そのため、明確なキャリアプランを持っているかどうかは、スペシャリストであるかどうかを判断する指標となるわけです。

社外とのコネクションを作る

3つ目のエンジニア転職成功のコツは、常に社外とのコネクションを作るように心がけておくことです。

先述したように、IT業界は現在非常に深刻な人手不足に陥っています。

そのため、企業はIT業界専門の求人媒体を利用するわけですが、この掲載費用もバカにできないほどのコストがかかります。

企業側の本音としては「求人媒体なんて使わないで人材を採用したい」というのが正直なところなのです。

したがって、コネクションを利用した採用、つまりリファラル採用が近年増えつつあります。

リファラルの場合、企業側にコストが一切かからないので優先して採用される可能性が高まります。

もちろん、だからといってポストに合わない人材を無理に採用することはありませんが、こういった企業側の裏の事情があるので、IT業界においてコネクションは非常に重要です。

今の時代は転職するより独立した方が安定する?

昨今の日本では、働き方の柔軟性が以前よりも重要視されるようになり、フリーランスや個人事業主として独立する人も増えてきました。

厚労省の調査によると、2018年時点で労働人口の約6分の1がフリーランスとして就業しているというデータもあります。

2019年以降は新型コロナによってさらに柔軟な働き方が重視されるようになったので、現在ではその数はさらに増えているでしょう。

こういった背景もあり「今の時代は転職するより独立した方が安定するのでは?」という意見も多く聞くようになりました。

確かに、フリーランスは一般的な会社員よりも「収入面」においては高い傾向にあります。

しかし、先述したように「安定性」においては依然として会社員の方が高いと言えるでしょう。

つまるところ、フリーランスは個々人の努力や能力によってかなり収入に差が出るので「フリーランスになると収入が上がる!」と漠然と信じるのはやめておきましょう。

実は実務経験が2.3年あれば十分独立できる

2000年代以前の日本のIT業界は、とにかく経験年数がものをいう時代でした。

エンジニアに転職するにしても、経験年数がなければお話にすらならなかったのです。

しかし時代は進み、現在では実務経験はあまり重視されなくなりました。

IT業界というのは日進月歩で進化していくので、経験という曖昧な判断基準が役に立たなくなってきたのです。

経験年数よりも「何ができるのか」「どんなツール、プログラミング言語が使えるのか」の方が重視されつつあります。

これにより、フリーランスとして活動しやすくなり独立する方が増えています。

例えば、以下に紹介する案件などは実務経験が2. 3年程度でも十分に参画できる可能性のあるテストエンジニア案件なので、ぜひ参考にしてください。

案件例①ETLツールを用いた開発案件のテスト


この案件は、ETLツールを用いた開発案件のテストを担当する案件です。

ETLツールとは、データの抽出(Extract)、変換(Transform)、ロード(Load)のプロセスを効率化するソフトウェアのことです。

データを一つの環境から別の環境へ移動させる際に、データを適切な形式に変換し、効率的に転送するために必要になってきます。

データ移行やシステム統合のプロジェクトにおいて、データの正確性と整合性を保証するため、テストエンジニアはぜひとも触っておきたいツールになります。

<具体的な業務内容>

  • ETLおよびBIツールを用いた開発作業のテスト
  • 仕様変更、追加開発、不具合対応に関する詳細設計のテスト
  • 製造過程のテスト
  • 単体テスト、結合テスト、総合テストの実施

<必要なスキル>

  • ETLツールおよびBIツールの使用経験
  • SQL(特にSQLServer)の知識と経験
  • プロフェッショナルなビジネスマナーと協調性

この案件は、データの移動と変換プロセスを理解し、それらをテストする能力を要求しています。

そのため、ETLツールとBIツールを使用した開発経験がある方、SQLに習熟している方には非常におすすめな案件です。

案件例②Kotlinを利用したアルバイト検索アプリの改修


この案件は、アルバイト検索アプリの改修を担当する案件です。

Kotlinとは、Androidアプリ開発のためにGoogleが公式言語として採用しているプログラミング言語になります。

Javaの代替言語として開発され、Javaの強力な機能を持ちながら、より簡潔で読みやすいコードが特徴です。

現在、Androidアプリ開発はKotlinやSwiftを中心に移行しているプロジェクトも多いため、テストエンジニアにとってもKotlinは非常に重要なプログラミング言語といえます。

<具体的な業務内容>

  • 要件定義から設計、開発、単体テスト、結合テストまでの一連の開発工程
  • Kotlinを使用したアルバイト検索アプリの開発および改修作業
  • スクラムを用いたアジャイル開発プロセスの実践
  • アーキテクチャ設計の検討および実装

<必要なスキル>

  • KotlinもしくはSwiftでの開発経験2年以上
  • 設計フェーズ経験3年以上
  • テストフェーズ経験3年以上
  • GitHubを利用した複数名での開発経験

この案件は、Kotlinによるアプリ開発における全工程を経験することができる貴重な案件です。

そのため、アプリ開発における設計やテストの経験が豊富で、特にKotlinやSwiftに習熟している方は、ぜひとも応募したい案件と言えるでしょう。

案件例③保険業の顧客管理システム再構築PJにおけるテストフェーズ支援


この案件は、顧客管理システム再構築プロジェクトを担当する案件です。

Tera Termとは、オープンソースの端末エミュレーターです。

主にSSH (Secure Shell) やTelnet通信に使われ、リモートのコンピュータにログインして作業を行う際に利用されます。

Tera Termは、テスト作業においてリモートのシステムやサーバーに安全にアクセスし、操作やデータの確認、環境設定の変更などを行えるのでテストエンジニアにとって非常に有用なツールです。

<具体的な業務内容>

  • 大手保険会社の保険申込・管理システムのITサポート、システムテスト支援
  • システムの障害報告、確認作業、管理台帳の起票
  • Webブラウザのバージョンアップに伴う対応OSでの動作確認
  • テストケースの確認と修正
  • ドキュメントの整理と作成
  • テストデータの作成(DB操作を含む)

<必要なスキル>

  • テストフェーズのプロジェクト参画経験
  • Tera Term等のエミュレーター使用経験
  • データベース操作(データ作成・修正・取得)の経験
  • 設計書を理解できる能力

この案件は、Tera Termをはじめとしたエミュレーターの利用経験はもちろん、データベース操作やドキュメント作成のスキルも必要とされます。

そのため、多様なシステムテスト経験とともに、エミュレーター使用やDB操作に習熟している方は、ぜひとも応募したい案件といえるでしょう。

仕事に拘束される時間が減りインプットする時間を増やせる

フリーランスは会社員よりも基本的に仕事に拘束される時間が少ないです。

この理由としては、フリーランスは自分の時間を自由に管理でき、プロジェクトやタスクを選択する際に自身のスケジュールに基づいて決定することができるからです。

また、リモートワークやフレキシブルな働き方が一般的であり、通勤時間が削減されることも、時間の自由度を高める要因の一つとなっています。

このように、比較的空き時間を確保しやすいため、新しい知識を習得するための時間を作りやすいのです。

テストエンジニアのような技術職では、技術の進化が非常に早く、新しいプログラミング言語、ツール、開発手法などが次々と登場します。

これらの新しい技術やトレンドを学び、自身のスキルセットに組み込むことは、競争力を維持し、高い報酬を得るために不可欠です。

したがって、専門性をより高めていきたいのなら、フリーランスは非常におすすめできる働き方といえるでしょう。

年収が大幅にアップする

基本的に一般的な会社員のエンジニアよりも、フリーランスの方が平均年収が高いです。

これは、フリーランスには福利厚生や天引きされる金額が含まれていないため、基本的に想定年収が高くなる傾向にあります。

また、フリーランスは自分で参画するプロジェクトを選べるため、報酬の低いプロジェクトは基本的に好まれません。

特に、テストエンジニアはフリーランスとして独立すると、年収が大幅にアップする可能性の高い職業です。

先述したように、フリーランスのテストエンジニアの平均年収は「約708万円」です。

それに対し、会社員のテストエンジニアの平均年収は「約377万円」でした。

つまり、テストエンジニアはフリーランスに転身することで「約331万円」の年収アップが期待できるということになります。

もちろん個人差はありますが、これだけの差がある職業は非常に稀なので、収入面を重視するのならフリーランスの方がおすすめです。

それでも独立するのが怖い人は副業で年収アップ!

いくら年収が高いからといっても、やはりフリーランスとして独立するにはどうしてもリスクがつきまといます。

そのため、

「失敗したらどうしよう…。」

「自分には一人で仕事がもらえる気がしない…。」

このような不安を覚えるのも無理はありません。

そこでおすすめなのが「副業」という働き方です。

副業であれば、仮に失敗したとしても本業に支障が出ることはありません。

もちろん、だからといって手を抜いていいわけではありませんが、それでもフリーランスよりかは気持ちは楽になるはずです。

例えば、以下のようなテストエンジニア案件でも副業としてプロジェクトに参画できるので、独立するのが怖いと感じている方はぜひ参考にしてください!

案件例:AS400/RPG、ILEを利用したインボイス対応


この案件は、インボイス対応を担当する副業案件です。

2023年10月度からインボイス制度が始まったため、最近ではこういったインボイス関連の案件も増えつつあります。

AS400とは、IBMが開発したミッドレンジサーバーで、正式名称はIBM iシリーズです。

業務用の大規模なアプリケーションを動かすのに適しており、特に金融機関や製造業などの分野で広く使用されています。

ILE(Integrated Language Environment)は、AS400上で動作する複数の言語を統合したプログラミング環境です。

ILEを利用することで、RPG、 COBOL、Cなどの異なるプログラミング言語を組み合わせて使用でき、アプリケーションの性能向上や再利用性の高い開発が可能になります。

<具体的な業務内容>

  • インボイスシステムの設計・製造・テスト
  • 上位会社の社員と協力して作業を行う
  • AS400/RPG、ILE環境での開発作業

<必要なスキル>

  • AS400/RPG、ILEでの開発経験
  • 良好なコミュニケーション能力

この案件はAS400/RPG、ILEに関する深い知識と経験を持つテストエンジニアにとって非常に適した仕事です。

特に、インボイス制度に関連するプロジェクトでの作業は、今後さらに需要が増えると予想されるため、これらのスキルを持っている方はぜひとも応募したい案件といえるでしょう。

まとめ

本記事では、テストエンジニアとしての転職方法や、転職を成功に導くためのコツを幅広くご紹介しました。

テストエンジニアという職業は、ソフトウェア開発における品質保証の重要性が高まる中で、ますます注目を集めています。

品質保証の専門家としての彼らの役割は、開発プロセスのあらゆる段階で重要なものとなっており、その需要は今後も増加することが予想されます。

そのため、テストエンジニアは技術の進化に合わせて継続的に学習し、新しいツールや技術を自身のスキルセットに組み込んでいくことが成功の鍵となるでしょう。

「エンジニアスタイルマガジン」では、今後もこういったエンジニアにとって役立つ情報を随時お届けいたします。

それでは、また別の記事でお会いしましょう。今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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