フリーランスの定額減税はいつから?対象となる税金の種類や対象者・減税額を詳しく解説
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目次
はじめに
2024年6月から、フリーランスや個人事業主を対象にした定額減税が実施されています。
この制度では、所得税や住民税に対する一律の減税措置が導入され、特に中低所得者層の税負担が軽減される形です。
本記事では、定額減税の目的や背景、対象となる税金の種類、そして具体的な減税額や適用時期について詳しく解説します。
<この記事を読むメリット>
- 定額減税の仕組みを簡単に理解できる
- 所得税と住民税の対象者と減税額を把握できる
- 2024年6月からの具体的な手続きやスケジュールを確認できる
この記事を読むことで、フリーランスとしてどう税負担が軽減されるのかが明確になります。
これからの税対策を万全に準備するためにも、必ず定額減税制度を利用しましょう!
定額減税とは?
定額減税とは、所得税や住民税などに対して一律の金額を減税する制度です。
すべての納税者に対して同じ金額が減税されるため、収入の多い少ないにかかわらず、同じ額が軽減されます。
定率減税(所得に応じて税率を引き下げるもの)とは異なり、定額減税では具体的な金額が事前に設定され、その金額分が税負担から差し引かれます。
そのため、特に低所得者層にとっては相対的に大きな効果があり、所得が少ない人ほど負担が軽減されやすくなるのが特徴です。
日本では過去に特定の景気対策として定額減税が導入されたことがあり、経済の停滞時に消費を促す目的で実施されるのが一般的です。
定額減税の目的
定額減税の主な目的は、経済活動の活性化と国民の税負担を軽減することにあります。
具体的には、経済が低迷しているときに消費を促し、景気を回復させるための手段として採用されることが多いです。
定額で一律に減税が行われるため、所得が少ない層でも手元に一定の可処分所得が増え、その分を消費や生活費に充てられるという利点があります。
また、定額減税は社会全体に公平な形で負担軽減を行える点でも特徴的です。
高所得者から低所得者まで同じ金額が減税されるため、特定の層に偏ることなく、広範囲にわたって恩恵を受けることができます。
景気対策として経済を下支えする効果を期待されるほか、国民の生活水準を一定に保ち、消費意欲を高めることを目指しています。
定額減税が実施された背景
定額減税が実施される背景には多くの場合、景気の後退や経済の停滞が関係しています。
例えば、日本ではバブル崩壊後の長引く不況や、2008年のリーマンショック後の世界的な経済危機など、厳しい経済状況に対する対策として定額減税が検討されました。
特に、1990年代後半や2000年代初頭には日本経済がデフレに陥り、内需が停滞していました。
このような状況では企業の投資や個人消費が鈍化し、経済成長が期待できないため、政府は国民に対して消費を促す政策を取る必要があります。
その一つが定額減税です。
税負担を一律に軽減することで国民の消費意欲を高め、経済の回復を図ろうとしたのです。
このように、定額減税は経済政策としてだけでなく、社会的な安定や公平性を考慮した施策として特定の時期に採用される傾向があります。
フリーランスの定額減税はいつから?
定額減税は特に低所得者層に大きなメリットをもたらしますが、今まで日本のフリーランスに定額減税制度は適用されていませんでした。
しかし、近年では柔軟な働き方が強く求められた結果、フリーランス人口が急激に増加しています。
これまではフリーランスが利用できる減税措置として、主に青色申告特別控除や必要経費の控除がありましたが、これらは所得に応じた減税であり、定額の減税ではありませんでした。
2024年6月から実施
2024年6月から始まったフリーランス向けの定額減税では、全ての個人事業主やフリーランスに対して一律の減税が行われます。
所得に関係なく一定額が控除されるため、特に低所得のフリーランスには大きなメリットです。
フリーランスの場合、所得税は2024年分の確定申告で申請して還付される形となります。
確定申告の際に手続きするため、実際に減税の効果を実感できるのは2025年初頭の確定申告時期になりますが、住民税に関しては2024年6月以降の納税分から自動的に減額が反映されるため、早い段階で減税の効果が実感できるでしょう。
定額減税の対象となる税金の種類
フリーランスが支払うべき税金にはさまざまな種類がありますが、定額減税の対象となる税金はなんなのでしょうか?
結論からいうと、2024年6月から実施された定額減税制度の対象となるのは「所得税」と「個人住民税」です。
以下で詳しく見ていきましょう。
所得税
フリーランスや個人事業主に対する定額減税の大きな特徴の一つは、所得税が対象となる点です。
所得税の定額減税は2024年分の所得に対して適用され、減税額は一律3万円です。
フリーランスの場合、減税の効果を実感できるのは2025年初頭の確定申告時です。
確定申告を通じて自動的に減税が反映され、結果的に還付という形で戻ってくる仕組みです。
また、同一生計配偶者や扶養親族がいる場合、その人数に応じて所得税の減税額が追加されます。
そのため、特に家族を扶養するフリーランスはさらに大きな恩恵を受けられます。
個人住民税
定額減税の対象には個人住民税も含まれます。
住民税に関しては2024年6月分から減額が反映され、住民税の負担が軽減されます。
減税額は一律1万円となっており、所得税と同様に、同一生計配偶者や扶養親族がいる場合には追加の減税が適用されます。
なお、住民税の減税は自動的に市区町村が計算し、納税通知書に反映されるため、特別な手続きは必要ありません。
また、住民税の減税額が控除しきれなかった場合、翌月以降に繰り越して適用されます。
所得税減税の対象者と減税額
個人事業主の対象者 | 合計所得金額が1,805万円以下の日本国内居住者 |
対象の税金 | 令和6年分の所得税 |
個人事業主の減税額 | 本人3万円、同一生計配偶者・扶養親族1人につき3万円 |
実施時期 | 予定納税かそうでないかで異なる |
2024年6月から施行された所得税減税制度には、「所得税」と「個人住民税」のみが適用されることはご理解いただけたかと思います。
ここからは、両者の対象者と減税額についてさらに詳しく見ていきましょう。
まずは、所得税減税の対象者と減税額についてです。
個人事業主の対象者
定額減税において、個人事業主が対象となるには、合計所得金額が1,805万円以下であることが条件です。
1,805万円を超える場合、所得税の定額減税の対象外となり恩恵を受けられません。
また、個人事業主であることが条件ですが、所得の種類によって異なる扱いはありません。
合計所得金額が1,805万円以下の納税者である居住者
なお、合計所得金額は事業所得に加えて、給与所得、不動産所得などすべての所得を合計した額を指します。
つまり、複数の収入源がある場合でも、その合計が1,805万円を超えないことが条件です。
例えば、株式投資やFXでの収入がある場合、それらの所得も合算して1,805万円を超えてはいけません。
また、この基準は日本国内に居住している納税者に適用されます。日本国外に居住している非居住者は対象外です。
対象の税金
個人事業主の定額減税の対象となる税金は、令和6年分の所得税です。
以下で詳しく見ていきましょう。
令和6年分の所得税
令和6年分の所得税とは、2024年1月1日から12月31日までの期間に得た所得に対して課される税金です。
所得税は個人事業主やフリーランスにとって重要な税金で、事業収入を得る際に生じる総所得から必要経費や各種控除を差し引いた後の「課税所得」に対して課税されます。
この令和6年分の所得税に対して、2024年6月から始まる定額減税が適用されます。
つまり、2024年中に発生した事業所得に基づく所得税が一律で減額され、2025年の確定申告を通じて、この減税の効果が適用されるという仕組みです。
個人事業主の減税額
定額減税において、個人事業主の減税額は本人に対して一律3万円です。
以下で詳しく見ていきましょう。
本人3万円
個人事業主本人が受けられる減税額の3万円は所得税に対して適用され、2024年の所得に基づく税額から直接控除されます。
重要なのは、この3万円は所得の大小にかかわらず一律で適用されるため、特に中低所得の個人事業主に大きな恩恵があることです。
所得が少なくても必ず3万円が減税されるため、個々人によって効果の大小はあれど必ず税負担が軽減されます。
同一生計配偶者等1人につき3万円
個人事業主本人に対して3万円の減税が適用されるだけでなく、同一生計の配偶者や扶養親族に対しても、1人あたり3万円の減税が適用されます。
これは、家族を養う個人事業主にとっては大きなメリットです。
例えば、配偶者と子ども2人がいる場合、配偶者および子どもそれぞれに3万円が適用され、合計で9万円の減税が受けられます。
ただし、対象となる配偶者や扶養親族は所得が一定以下の必要があり、例えば、配偶者の場合は年間の合計所得金額が48万円以下(給与所得者であれば103万円以下)であることが条件です。
実施時期
定額減税の実施時期は、2024年における納税スケジュールに依存しますが、予定納税の対象者かどうかで適用のタイミングが異なります。
予定納税とは、個人事業主が翌年の所得税を分割して前もって納める制度のことです。
予定納税の対象者の場合
予定納税の対象者は、2024年7月に支払う第1期分の予定納税から定額減税の恩恵を受けられます。
予定納税額から3万円の減税分が控除される形で反映される形です。
もし控除しきれない分が残った場合は、第2期分(2024年11月)や最終的に確定申告の際に調整されることになります。
また、扶養している配偶者や親族の分を減額したい場合は、予定納税額の減額申請を行う必要があります。
したがって、扶養者分の減税も7月の予定納税額に反映させることが可能です。
予定納税の対象者ではない場合
予定納税の対象ではない個人事業主やフリーランスの場合は、定額減税は2025年の確定申告を通じて適用されます。
2024年分の所得税から3万円が控除される形で反映され、結果的に還付金が出るか、納付額が減少する形です。
この場合、確定申告時に正しく減税を申告することが重要です。
このように、実施時期は事前に納税するか、確定申告を通じて行うかで異なります。
どちらの方法でも最終的には定額減税の恩恵を受けられるため、事前にスケジュールを確認し、適切な対応を取ることを心がけましょう。
個人住民税の対象者と減税額
個人事業主の対象者 | 合計所得金額が1,805万円以下の日本国内居住者 |
対象の税金 | 令和6年度分の個人住民税 |
個人事業主の減税額 | 本人1万円、同一生計配偶者・扶養親族1人につき1万円 |
実施時期 | 2024年7月から2025年5月までの11ヶ月間 |
続いて、「個人住民税」の対象者と減税額について詳しく見ていきましょう。
個人事業主の対象者
個人住民税の定額減税における対象者は、合計所得金額が1,805万円以下の日本国内の納税者です。
以下で詳しく見ていきましょう。
合計所得金額が1,805万円以下の納税者である居住者
個人住民税の定額減税の対象となる個人事業主は、所得税と同様、合計所得金額が1,805万円以下の納税者です。
所得税同様、すべての収入源(事業所得、不動産所得、給与所得など)の合計が1,805万円を超えない場合、この減税が適用されます。
日本国内に住所を有する居住者が対象で、非居住者は減税対象外となります。
対象の税金
個人住民税も所得税と同じく、令和6年度分が対象です。
以下で詳しく見ていきましょう。
令和6年度分の個人住民税
令和6年度分の個人住民税が定額減税の対象となります。
住民税は前年の所得に基づくため、2024年の減税は2023年に得た所得に対して適用されます。
定額減税は住民税のうち「所得割」に対して適用されるため、所得に応じて課される部分が減額される形です。
また、2024年6月の納付分から自動的に適用され、住民税の年間総額が減額されます。
その後、減額後の税額を11か月間(2024年7月〜2025年5月)に分けて徴収されます。
住民税の減税は自動的に反映される仕組みとなっており、特別な手続きをする必要はありません。
個人事業主の減税額
個人事業主の個人住民税の減税額は一律で1万円です。
以下で詳しく見ていきましょう。
本人1万円
個人事業主の定額減税では、本人に対して1万円の減税が適用されます。
この1万円は所得にかかわらず、対象となるすべての納税者に対して一律に適用される金額です。
具体的には、個人住民税の所得割部分から1万円が控除されます。
2024年7月から2025年5月までの期間で分割して減税されるため、月ごとの税負担が軽減される仕組みです。
控除対象配偶者等1人につき1万円
定額減税では控除対象配偶者や扶養親族がいる場合、1人につき1万円が追加で減税されます。
控除対象となる配偶者や扶養親族は日本国内に居住していることが条件であり、年収や所得が一定額を超えない人が対象です。
例えば、扶養している配偶者や子どもがいる場合、それぞれに対して1万円が住民税の所得割から減額される形です。
具体的には、納税者本人、配偶者、そして扶養する子どもが1人いる世帯であれば、合計で3万円の減税が受けられます。
そのため、扶養する家族が多いほど税負担の軽減効果が大きくなります。
実施時期
個人住民税の定額減税の適用時期は、2024年7月から2025年5月までの11ヶ月間にわたって実施されます。
この期間中に、減額された住民税が分割して徴収される仕組みです。
2024年6月分の住民税については特別徴収されず、2024年7月以降の納付分から、減税額が反映された住民税が徴収されることになります。
特に個人事業主やフリーランスの場合、普通徴収の形で住民税を納付しているため、減税額がその納付時に自動的に反映されます。
これにより、月ごとの納税額が軽減されて負担が少しずつ和らぐ仕組みです。
所得税の減税とは異なり、住民税は自動的に計算されるので特別な申請は不要です。
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まとめ
本記事では、2024年6月から実施されるフリーランス向けの定額減税について詳しく解説しました。
所得税と住民税に対して一律の減税が適用され、個人事業主やフリーランスにとって大きな恩恵をもたらします。
定額減税は、特に中低所得者層の税負担を軽減することが狙いであり、フリーランスにとっても非常に有利な制度です。
今後、働き方が多様化する中でこうした減税措置がさらに拡充される可能性もあるため、税制度の動向を注視しておきましょう。
この記事を通じて、フリーランスとしての税金管理に役立てていただき、減税制度を最大限に活用してより安定した経営に繋げていただければ幸いです。
「エンジニアスタイルマガジン」では、今後もこういったフリーランスエンジニアにとって役立つ最新情報を随時お届けいたします。
それでは、また別の記事でお会いしましょう。今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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