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SIerエンジニアがWeb系企業に転職するメリットとデメリットは?

SIerエンジニアとWeb系エンジニアの違いって何?

まずは、SIerエンジニアとWebエンジニアの違いを解説します。IT業界にこれから携わりたいと考えているなら違いを理解して進む道を検討することをおすすめします。

SIerエンジニアについて

SIer(エスアイアー)とは、システムインテグレーター(System Integrator)の略称で、SIをする企業のことをSIerと言います。システムの定義や設計、開発から運用・保守まで手掛けることができるエンジニアのことをSIerエンジニアと言います。

Web系エンジニアについて

Web系エンジニアとは、スマートフォンのアプリケーションやWebサイトの開発を行うエンジニアのことです。現在はスマートフォンやSNSの普及によりWeb系エンジニアの需要が増えています。

両者の違いとは

両者の違いは大きく分けて4つあります。

  • 収入面
  • 知識/スキル
  • 開発環境
  • キャリアパス

中でも注意すべきなのは、開発環境や必要なスキルや知識です。これからSIerやWeb系のエンジニアを目指すなら、開発環境も必要スキルも違うのでどちらに進むのか先に決めておくことで学ぶことも変わってきます。

後ほど触れますが、収入面やキャリアパスも変わってきます。大手のIT企業の年収を調べると、Web系エンジニアよりもSIerエンジニアの方が年収は多いという結果が出ています。

キャリアパスはWeb系エンジニアの場合多くの選択肢を選ぶことができますが、同一企業で長く働くと収入面が低くなる可能性があります。

Web系企業に転職するメリットとデメリット

簡単に両者の違いを紹介をしてきました。ここからはWeb系企業に転職をするメリット/デメリットを紹介します。転職をする前にしっかりとメリット/デメリットを理解してから検討しましょう。

Web系企業に転職するメリット

まずWeb系企業に転職する6つのメリットを解説していきます。

Web系エンジニアは万能な開発ができる

最も大きなメリットは、手広くWeb開発に携わることができる点です。現在の身の回りにあるスマートフォンのゲームやアプリ、最新の技術として注目されているブロックチェーンの開発も行うことができます。

最初はアプリやWebページの作成からスタートし、ゆくゆくはユーザー認証などのセキュリティやサーバー管理もできるようになります。キャリアパスを考えてもWeb系エンジニアはオールラウンダーな開発が可能です。

Web系はアジャイル開発がスタンダードのためストレスが少ない

アジャイル開発がスタンダードになりつつあります。アジャイルとは、直訳すると「機敏な」「素早い」「頭の回転が速い」と訳されます。

アジャイル開発は、従来の開発に比べて小さい単位でテストと実装を繰り返すので従来の開発方法に比べると素早い開発が行えるためストレスが軽減されました。

両者の違いでも触れましたが、Web系エンジニアの開発環境がアジャイル開発に対して、SIerではウォーターフォール開発なのでウォーターフォール型のストレスから解放されるメリットがあります。

設計書は最小限。属人性がありスキルアップしやすい

属人性が高い傾向にあります。属人性とは、「特定の人しか対象の業務がわからない状況」のことで、特定の開発に対してスキルアップに繋がりやすい環境で仕事をすることができます。

属人性が高く関わる人が少なくなることで設計書も最小限に抑えることも可能です。

評価はシステムづくり+事業・組織への貢献が肝になる

自社で事業を行なっていることが多いので、事業や組織への貢献がそのまま自分への評価として返ってくるのも大きなメリットです。言い換えれば貢献できた分だけ評価や収入にも反映しやすい環境と言えます。

Web系も残業はある!ただストレスはたまりにくい

残業の量は仕事を選ぶ上で大きな決め手です。両者のどちらを選んでも残業はありますが、テストの自動化やツールの効率化など自社の判断で行えるので、Web系企業では残業がストレスに直結しにくい傾向にあります。

Webエンジニアとして様々なキャリアパスを描ける

その後の人生も様々な選択肢を選ぶことができるのも大きなメリットです。ITスペシャリストやITアーキテクト、テックリードなどを含め技術系だけでも様々なキャリアパスを選ぶことができます。

ビジネスやマネジメント、ITコンサルタントなども含めればもっと多くのキャリアパスを選択できるのは大きなメリットです。

Web系企業に転職するデメリット

メリットとデメリットは表裏一体です。ここからはWeb系企業に転職する4つのデメリットを紹介します。

Web系企業の年収はSIerより100万円程度低い

SIerエンジニアに比べて年収が100万円程度低い傾向です。年間で見れば100万円程度ですが、10年働くと1,000万円以上差が生まれる可能性があります。

転職を考える場合、収入面だけが重要な条件ではありませんが、人生において収入は大きな軸の1つなので、転職する前にどのくらいの収入になるのかも調べておくことをおすすめします。

退職金制度がない

Web系企業では退職金がもらえないことが多い傾向にあり、その理由は4つ考えられます。

  • 企業の資金不足
  • 退職金制度の不整備
  • 業界全体として人材の流動性が高い
  • 欧米的な企業制度
  • 資金が不足している

Web系企業で退職金がもらえない最も大きな理由は、企業の資金が不足して退職金を出せないからです。退職金制度は必ずしも企業が設置しなければいけない制度ではありません。

大企業なら退職金をもらえる可能性はありますが、中小企業の場合は資金自体が不足して退職時に払うことができないためもらえない可能性は非常に高くなります。

  • 退職金制度が整えられていない

退職金制度が整っている企業は、従業員数が1,000人以上の場合には90%を超えますが、30人から99人の場合では約70%というデータが出ています。

会社の規模が小さいと退職金制度も整えにくいという結果がデータで見られ、結果退職金制度を整えていないというのが理由の1つです。

  • IT業界は人材の流動性が高い

IT業界は35歳定年説が囁かれるような人材の流動性が高い業界です。プロジェクトによっては都度メンバーが入れ替わるので、退職金を払うのが非効率だという経営判断をした企業が多くあるのも理由の1つです。

  • 欧米的な企業制度

退職金制度は日本企業では当たり前のような制度ですが、欧米では一般的ではありません。IT業界は新しい産業で欧米的な企業が多いので、それに習って制度を導入しない企業も多く存在しているのも理由の1つです。

昇給しにくい

Web系エンジニアは給料が上がりにくいと言われています。退職金制度は日本の終身雇用制度によるものでしたが、年功序列の昇給も日本独自の制度と言われています。

IT業界では年功序列的な昇給は見込めず、技術やスキル、成果によって収入が上がります。収入を上げるなら長く同一企業に勤めるよりも、自身のキャリアパスをしっかりと検討して進むことが重要になってきます。

システムが刷新できず運用環境が古いことがある

古いシステム環境を使っていて刷新できないWeb企業があります。対象の企業やプロジェクトでは活用できても、新たなシステムを使っているプロジェクトに参加する場合には活用ができません。

新たな知識や技術を常に得ないと、すぐに時代遅れのエンジニアになってしまいます。新しい知識や技術を学ぶことを苦に感じる方はおすすめできません。

SIerエンジニアからWeb系エンジニアに転職するために必要なことって何?

前項ではWeb系エンジニアにメリット/デメリットを見てきました。次は転職をするために必要な5つのことを紹介していきます。

①サーバーサイドシステムの開発経験

サーバーサイドシステムの開発経験がほぼ必須になってきます。サーバーサイドシステムの開発経験がないなら、まずは経験を積める企業への転職をおすすめします。

②アジャイル型開発への理解、経験

転職をするメリットでも触れましたが、現在のWeb系企業の多くはアジャイル型の開発を行なっています。従来のウォータープルーフ型開発とは違う開発環境なので、経験はなくとも最低限の知識は持っておく必要があります。

③プログラミング以外の技術知識

プロジェクトチームによってはプログラミング以外の技術や知識も必要になります。HTMLコーディングの知識や技術など、求められたらなんでもできる人材が重宝されます。

④新しい技術を学習するモチベーション

転職するデメリットでも触れましたが、IT業界では新たなシステムの誕生により従来の技術や知識がすぐに古くなります。

さらにトラブルのリスクがあっても新技術を取り入れていく企業が多く、新しい技術や知識を学ぶモチベーションがないとWeb系企業に転職をしても長く続かない可能性があります。

⑤コミュニケーション能力

どんな企業でも重宝される能力ですが、Web系エンジニアには特にコミュニケーション能力が非常に必要とされます。

プロジェクトチームが少人数で設計書が少なくて済む分コミュニケーションがより必要になります。さらに、新たな技術も多く使っていく分、トラブルが発生したときによりコミュニケーションを図りながら解決に向けていく必要があります。

SIerからWeb系への転職を成功させる5つの秘訣

両者の違いやWeb系エンジニアに転職するメリット/デメリット、転職時に必要なものなどをここまでで紹介してきました。

最後にSIerからWeb系への転職を成功させる秘訣を5つ紹介していきます。5つの秘訣を行なったからといって必ずしも転職が上手くいくわけではありませんが、少しでも確率を上げることができるので実践してみてください。

面接では正直に話す

転職をする際にはどんな業界でもそうですが面接が行われます。IT業界では特に技術や知識が求められるので専門的な質問をされる可能性は非常に高くあります。

ただ、事前準備で学んだ知識や技術は簡単に見抜かれます。知らないことやわからないとこがあれば正直に話すことをおすすめします。

謙虚な姿勢を大切に

面接で正直に話すということにも繋がりますが、謙虚な姿勢でいることが重要です。SIerとWeb系は業界的には同じですが、ルールは全然違ってきます。

SIerで培ってきた技術や知識を活かせる部分はどんどん活用すべきですが、新たな環境に入ったら「郷に入っては郷に従え」という諺があるように、0からの新人だというくらいの謙虚な姿勢で取り組むことが重要です。

スピードと確実さの両立

Web系企業ではスピードと確実さが重要です。バグを出さずにいかに早くプロジェクトを完了させるかが要求されます。SIerで培った確実性を活かしながらいかに早く完了させられるかも考えて作業を行うように意識をしましょう。

企業ごとの事前調査を入念に行う

転職してから自分がしたい仕事とは違ったということが無いように、転職先の企業のことはしっかりと事前調査を行いましょう。事前調査や準備をした上で転職をすることで、成功させる可能性を引き上げることができます。

学習意欲を常に持つ

ここまで何度も触れてきましたが、Web系エンジニアは新たな知識や技術を常に学ぶ姿勢が重要です。Web系エンジニアで経験を積めばゆくゆくのキャリアパスもより広げることができます。学習意欲を持ち続けてWeb系企業でも成長を続けましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?SIerエンジニアとWeb系エンジニアに転職をする際に注目する点を紹介してきました。

  1. SIerエンジニアとWeb系エンジニアでは4つの違いがある
  2. 収入はSIerエンジニアの方が高い
  3. 将来性やキャリアパスはWeb系エンジニアに分がある
  4. 学習意欲が無いとついていけない
  5. 退職金はもらえないことを前提としておく
  6. 転職先でも収入が上がる可能性は低い

ここでまとめた内容以外にもSIer企業からWeb系企業への転職をするには様々なメリット/デメリットがあります。収入が高い方を選びたいならSIerがおすすめですし、成長したい気持ちが大きいならWeb系がおすすめです。

仕事で人生が決まると言っても過言ではない程重要な選択です。事前にしっかり準備した上で転職の検討をしてみてください。

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