ITエンジニアの平均年収が低いと言われる理由は?年収をアップする4つの方法を徹底解説!
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目次
日本におけるITエンジニアの年収事情について
日本におけるエンジニアの年収事情について紹介します。
日本においてエンジニアを取り巻くお金事情には二つのことが言えます。一つは労働時間が長い傾向にあるということです。しかしながら、労働時間が長い分収入も高いです。
もう一つは、年功序列型の企業であれば収入が上がりにくいということ。残念ながら昔ながらの古い体質の企業では、実力があっても評価が収入に反映されにくくなっています。
エンジニアは労働時間が長い傾向にある
エンジニアは人手不足が叫ばれている業種です。またチームで行う作業が多かったり、一つの仕事が終わってもすぐ他の仕事が舞い込んでくる「仕事が仕事を呼ぶ」といった状況があったりして労働時間は長い傾向にあります。しかし、働き方改革に意欲的に取り組んでいる企業も昨今では増えています。
年功序列型の日本企業だと年収が上がりにくい
どのような会社に所属するかは収入を決める大きな要因です。例えば、能力を重視する会社と日本企業的な年功序列型の会社では、年功序列型の会社の方が、スキルはあったとしても収入が上がりにくくなります。スキルをどんどん身につけられそうな人であれば、能力を重視する企業に勤めることで自分のスキルに見合った収入を得られるでしょう。
職種や勤務形態による詳しい年収事情は次の項目で紹介していきます。
ITエンジニアの一年の収入の平均額は452万円
転職サイトの「doda」によると、ITエンジニア全体での収入の平均は452万円となっています。これは全職種の平均年収409万円と比べると、43万円も高い額です。
さらに一生で稼ぐ賃金で比べると、エンジニアが2億5296万円、全体平均が2億2135万円と約3000万円もの差があります。エンジニアは収入の高い職種であると言えるでしょう。ただ、エンジニアの中でも職種や勤務形態、言語など様々な条件によって年収は変わりますのであくまで参考として捉えてください。
ITエンジニア:全体の平均収入
この章ではエンジニアの平均給与(年額)を様々な角度からみていきます。エンジニアを目指している方は、どんなエンジニアを目指せば自分の満足できる収入が得られるのか参考にしてみてください。既にエンジニアである方は、ご自身の条件と照らし合わせてみたり、こんな条件をクリアすれば年収アップできるかもという判断の材料にしてみてください。
ITエンジニア(職種ごと)の平均収入
まずは、エンジニアの平均給与(年額)を職種ごとに調べてみました。転職サイトdodoのラ
ランキングによると、エンジニアの中で一番給料が高い職種はPM(プロジェクトマネージャー)で、平均年収は644万円です。次に給料が高い職種はプリセールスで平均年収658万円、3番目に給料が高い職種はITコンサルタント職で平均の年収額が584万円となっています。これらの職種の共通点は、現場で経験を積んだ後のキャリアパスとして目指されるポジションであるという点です。年次の高い人がつくポジションになるため、自ずと平均給与も高くなる傾向にあります。他にはインフラを扱う職種も、収入が高い傾向があります。専門的な知識を必要とするポジションであるためです。
ITエンジニア(勤務形態ごと)の平均収入
次に、正社員・派遣社員・アルバイトといった勤務形態ごとに給料を比較していきます。正社員は年収、派遣社員とアルバイトは時給を確認することにしましょう。正社員の平均給与(年額)はこれまで紹介してきた通り452万円で、全体の平均を少し超える水準という結果でした。
派遣社員はどうでしょうか。求人ボックス.comによると、エンジニアの派遣社員の平均時給は1459円です。この時給は派遣社員全体の中ではボリュームゾーンに当たる額で、特別多いとはいえません。また、アルバイトとして働くエンジニアの平均時給は1197円となっています。こちらもアルバイト全体の額と比べると特別多い額ではありません。エンジニアで高収入というのは、正社員に限った話のようです。
ITエンジニア(言語ごと)の平均収入
言語によっても平均給与は変わってきます。20代〜40代で平均給与が高い言語は「R言語」「Python」でした。日本国内でのAI需要の高まりがPython人気に繋がっているのがわかります。
ITエンジニア:業種別の平均収入
ここからはエンジニアの平均給与(年額)が業種によってどう違うのかを紹介します。業種もエンジニアの給与を決める要因の一つです。また、年齢や経験年数、地域による一年の収入の違いも紹介します。年齢や経験年数、住む場所は将来設計にも関わってくる重要な部分です。これからのことを考えながら、キャリアパスを考える材料にもしてください。
ITエンジニア(業種ごと)の平均収入
業種ごとにエンジニアの平均給与(年額)をみていくと、一番平均給与が高い職種はITコンサルティング職で481万円でした。次に平均給与が高いのはSIer(システムインテグレータ)で、その平均年収は445万円です。反対に平均給与が低い業種としては、ハードウェア/ソフトウェア/パッケージベンダが挙げられます。これらの業種の平均年収は427万円で、一番高いITコンサルティング職とは54万円の差があります。しかし企業やポジションによっても収入は変わってきますので、これらの数値はあくまで傾向として捉えるのが良いでしょう。
ITエンジニア(年齢ごと)の平均収入
年齢ごとの平均給与(年額)を紹介します。20代前半での平均年収は339万円ですが、20代後半では445万円とグッと額が上がります。その後も30代前半の平均が533万円、30代後半で573万円、40代前半では621万円と40代前半までは順調に年収が上がっていくことがわかります。しかし、40代後半からは651万円、50代でも652〜666万円とあまり上がりません。40代での収入が50代の収入も決めるということが言えそうです。
ITエンジニア(経験年数ごと)の平均収入
経験年数も給与を決める大きな要因になってきます。エンジニアの場合をみてみると、まだ新人の頃は300万円台前半が平均的な年収となっています。これが、経験年数5年を超えてくると400万円台後半に上がります。エンジニアになったばかりで年収が低い…と感じていても、経験年数5年目からは他の職種と比べても高い収入を得ることができます。
ITエンジニア(地方ごと)の平均収入
地域ごとにエンジニアの平均給与(年額)を比較すると、近畿地方が一番高いという結果が出ています。以下をご覧ください。
- 北海道・東北:407万円
- 関東:447万円
- 中部・北陸:442万円
- 近畿:472万円
- 中国・四国:433万円
- 九州・沖縄:427万円
近畿の中でも大阪府・兵庫県が高く、平均年収は474万円となっています。また都道府県別にみるとやはり東京都が高く、その平均年収の額は535万円です。
参照:ITエンジニアの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)|求人ボックス給料ナビ
フリーランスエンジニアの年収の平均額は?
ここまでは正社員や派遣社員など会社に所属しているITエンジニアの平均給与(年額)について紹介してきました。それではフリーランスのエンジニアの平均年収はどうでしょうか。
フリーランスエージェントのレバテックの調査を元に計算すると、フリーランスエンジニアの一年で得る収入は700〜900万円です。これだけみると正社員として働くよりも高い収入を得られるように見えます。しかし、フリーランスはかかる経費も正社員に比べて多いため、実際の手取りは収入の8割ほどになると言われています。このことを踏まえると、一概にフリーランスエンジニアであれば正社員より稼げるとは言えません。
参照:フリーランスエンジニアの平均年収はどれくらい?効果的な年収UP方法!|コードラン
ITエンジニアの将来性について
今後を考える上で気になるのが、ITエンジニアという職の将来性です。AI技術が発達するにつれて、色々な仕事がAIにとって代わられるのではないかと言われています。オックスフォード大学の研究結果によると、AIに代替される可能性の低い仕事の特徴は「抽象的な概念を整理・創出するための知識が必要とされる」「専門的な訓練や高等教育を必要とする」です。ITエンジニアの仕事の特徴としてよく当てはまることがわかります。ITエンジニアの仕事がAIに代替される可能性は低いです。
ITエンジニアは売り手市場が続き、将来性は十分
ITエンジニアがAIに代替される可能性が低いことはわかりました。続けて、雇用需要からも将来性を検討してみましょう。こちらは日本企業を対象として「AI等の導入が進展した場合、今後3〜5年で増える(減る)見込みの仕事」を問うアンケートがとられています。そのアンケートの中では、ITエンジニアが含まれるような職種を多くの企業が「増える見込みの仕事」と答え、「減る見込みの仕事」と答えた企業はほとんどありませんでした。
ITエンジニアは今後も必要とされる職業だがスキルの形骸化は避けたい
ここまでみてきた通り、ITエンジニアは今後も必要とされる将来性のある職業です。しかしだからといってスキルの形骸化は避けたいところです。常に新しい情報をキャッチアップし、最新の情報や技術を取り入れることが求められます。
ITスキルの習得は政策として支援がされています。経済産業大臣が認定する第四次産業革命スキル習得講座というものもありますので、それをうまく活用するのも良いでしょう。
ITエンジニアが年収アップする4つの方法
ITエンジニアが年収をアップさせる方法を4つ紹介します。一つ目は現在の会社で経験を積むこと、二つ目はマネジメントや上流工程を担うこと、三つ目は評価基準が明確な企業へ転職すること、そして四つ目はフリーランスになることです。
それぞれの方法について詳しくみていきましょう。
今の会社で経験を積む
まずは今の会社で経験を積むことです。職種別平均年収で紹介したように、年収の高い職種は現場で培った知識を生かすキャリアパスの先にあります。未来を見据えて今の会社で経験を積むことが大事です。またこの時に、職務経歴書に記入することを意識して業務に取り組んだり、専門性や希少性の高いスキルを磨いたりすることで、転職にも有利になります。
マネジメントや上流工程を担う
二つ目の年収アップの方法はマネジメントや上流工程を担うことです。システムの設計や要件定義などの上流工程を経験して開発の全体像を把握していることは年収アップに大いに役立ちます。例えば、一次請けの方が収入は多い傾向にありますが、このような会社に転職するのであれば開発の全体像を把握していることは重要です。また、収入の多いマネジメントのポジションを狙うのであっても、上流工程をよく知っていることは必須でしょう。
評価基準が明確な企業へ転職する
三つ目の年収アップの方法は評価基準が明確な企業へ転職することです。本記事でも、年功序列型の会社では収入が上がりにくいということを紹介しました。逆にいうと、評価基準が明確で仕事の成果がきちんと評価される職場を選べば、成果をあげた分だけ年収アップが期待できます。
フリーランスになる
四つ目の年収アップの方法はフリーランスになることです。スキルにもよりますが、フリーランスエンジニアの年収は400万円〜1000万円と言われています。社内で育てる必要のない即戦力としてフリーランスエンジニアは市場で重宝されており、スキルがあれば正社員以上の額を稼ぐことができます。収入が安定しない、自己管理能力が必要といったデメリットもありますが、その点を十分理解した上で自分に適性があればフリーランスという選択肢も大いに視野に入れられるでしょう。
参照:【フリーランスエンジニアの実態】フリーランスは年収アップ?それとも後悔する?|転職鉄板ガイド
ITエンジニアで年収1,000万円を目指すには
高収入と聞いてまず思い浮かぶのは1,000万円というラインではないでしょうか。これまでITエンジニアの平均年収をみてきて、全体で見ると収入が高い方の職種であることがわかりました。しかしそのどれも1,000万円には届いていません。年収1,000万円にはどのような条件が必要となるのか、調べてみました。
設計から運用までの経験値
年収1,000万円を目指すには、設計から運用までの経験値が重要になります。これは開発の工程を上流から下流まで把握していることで人材として重宝されるということがあります。また、年収アップの方法とも重複する部分がありますが、年収1,000万円を期待できるのはPM(プロジェクトマネージャー)のようなマネジメント職、ITコンサルタントのような専門性の高い職です。これらを目指すのであれば、設計から運用までの経験値は欠かせません。
ニーズのある言語の習得
ニーズのある言語の習得も大事な要素です。一口にエンジニアと言ってもどの言語を使用するのかによって需要は大きく異なります。本記事でも言語によって年収が違うことは紹介しました。当然、ニーズのある言語を習得することで収入は高くなります。特にフリーランスで年収1,000万円を目指す方は軽視できない部分です。
対人コミュニケーション
エンジニアは実はすごくコミュニケーション能力を必要とする職業です。チームで開発する際にはチームメンバーとコミュニケーションをとらなければいけないですし、クライアントと直接交渉したり要望を聞き出したりすることもあります。対人コミュニケーションの能力はエンジニアのスキルのうちの一つと言えます。年収1,000万円を目指す方は、知識だけでなくこういったスキルも磨きましょう。
まとめ
ITエンジニアの年収事情について紹介しました。ITエンジニアは他の職種と比べても高い水準の年収を得られます。また、スキルやキャリアパス次第では年収1,000万円も十分に狙えるということもわかりました。エンジニア転職を考えている方は、収入については希望が持てそうです。既にエンジニアとして働いている方も年収アップを目指して頑張れば、希望する額の収入に到達できる可能性が高いでしょう。
- エンジニアは比較的年収の高い職種である
- 今後も売り手市場が続き、将来性も十分
- さらに年収アップするにはスキルアップや転職が有効
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