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VB.NETには将来性がある?ないと言われる背景と合わせて紹介


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経験がまだ少ない方にもわかりやすく説明するために、初歩的な内容も記載しております。記事も長いので、実務経験豊富な方は、ぜひ目次から関心のある項目を選択してください。VB.NETの案件の一例と、案件一覧を以下からご覧いただけますのであわせてご確認ください。

そもそもVB.NETとはどんな言語?

親しみやすい文法で、ビジネスアプリケーションを開発する初心者にとって魅力的なVB.NETですが、今後は利用者が減っていくと懸念されています。そもそもVB.NETとは一体どのような言語なのでしょうか。今回はVB.NETの基本情報や将来性について深掘りしていきます。

VB.NETの概要

VB.NET(Visual Basic .NET)は2002年にマイクロソフトが開発したプログラミング言語で、VB(Visual Basic)の進化版です。マイクロソフトの.NET Framework上で動作するアプリケーションを開発するために使用されます。シンプルで理解しやすい構文を持っており、初心者にとっても学びやすい言語です。また、オブジェクト指向プログラミングの特徴を備えており、再利用性の高いコードを作成できます。Windowsアプリケーション・Windowsフォームアプリケーション・WPF(Windows Presentation Foundation)の作成、ASP.NETを使用したWebアプリケーションの開発に利用されることが多いです。ほかには、Officeなどのマイクロソフト製品を中心に広く採用されています。

VB.NETの特徴やメリット

文法は英語のような自然言語に近い特徴があり、プログラミング初心者でも比較的容易に習得できるメリットがあります。またフォームを使ってマクロのようにコードを組み立てられるので、開発中のアプリケーションに実装したいデザインをツールボックスからマウス操作で組み込めるのも美点です。メモリ管理やガベージコレクションなど、面倒な作業を自動的に処理してくれる機能も見逃せません。開発者は手動でメモリリークやメモリ解放の管理を行う必要がなくなり効率的にコーディングに集中できます。さらにイベント駆動型のプログラミングモデルをサポートしているのも利点です。ユーザーの操作に応じてイベントが発生し、それに対する処理を書くことができます。このモデルにより、使いやすいユーザーインタフェースや応答性の高いアプリケーションが開発可能です。

VBとの違いは?

バージョンの名称の違いです。VB6.0がリリースされた際、これまでのVBが.NET Frameworkに対応するようになったため、次のバージョンで正式名称をVB.NETに変更しました。2005年版からは「VB 2005」という名称になり、現在の最新バージョンは「VB 2019」です。しかし今でも多くの場面で「VB.NET」と呼ばれ続けています。機能的な違いはプログラミングのスタイルです。かつてのVBは構造化プログラミングを採用しているのに対して、VB.NET以降のバージョンではオブジェクト指向に対応しています。オブジェクト指向とは、プログラムを構成する要素を「オブジェクト」として扱い、それらが相互作用することでプログラムが動作するスタイルのことです。

VB.NETの将来性は?

マイクロソフトは現在もVB.NETのサポートを提供しており、実際にVB.NETで既存システムを動かしている企業も多く存在します。ではなぜVB.NETの将来性がないと言われてしまうのでしょうか。ここではVB.NETの将来性をTIOBEのデータを参照しながら解説します。

TIOBEについて

TIOBE Indexは、プログラミング言語の人気を示すランキングです。VB.NETは2023年5月の順位が6位で上位に位置します。ただし、VB.NETはすでにプログラミング言語としての開発が終了しており、今後進化する予定もありません。マイクロソフトは.NET 5以降でもVB.NETのサポートは継続すると発表しています。しかし将来的に新しい機能が追加されても、VB言語の仕様変更が必要となる部分に関してはサポートされない可能性があるのです。つまり今後は保守や既存システムの改修がメインで、将来性という意味では期待できず縮小していくと予想されます。

将来性がないと言われる背景

VB.NETの将来性がないと言われる背景としては、新規システムの開発に不向き・クロスプラットフォーム開発がしにくい・他のプログラミング言語で代替できるといった3つの理由があります。それぞれを詳しく解説していくので、参考にしてみてください。

既存システムの保守・改修の案件が中心なので先端的なチャレンジはしづらい

VBは過去に多くのシステム開発で使用されてきたため、既存システムの保守・改修の案件に関わることが一般的です。特にVB6(Visual Basic 6)は古いバージョンであり、そのようなシステムのメンテナンスが必要な場合があります。VBで開発されたレガシーシステムを使用している企業は少なくありません。これらのシステムのアップデートや機能の追加、バグ修正などの保守作業が必要です。VBやVB.NETの開発経験を持つエンジニアはこれらの案件に関わる機会が多いため、先端的な取り組みには他のプログラミング言語が適しています。

他のOSで利用しにくく、汎用性に欠ける

VBは元々マイクロソフトのWindowsプラットフォーム向けに開発された言語であり、macOSやLinuxでは直接的に実行できません。一方VB.NETでは.NET Frameworkや.NET Coreを介してクロスプラットフォーム開発が可能です。ただし、VB.NETでもプラットフォームによっては一部の制約が存在する場合があります。特定のOSの固有機能やライブラリにアクセスする場合、プラットフォーム固有のAPIを使用する必要があるからです。また、クロスプラットフォーム開発においては、プラットフォームごとの違いに対応するための条件分岐や最適化が必要になることもあり汎用性に欠けます。

他のプログラミング言語で代替されている

VB.NETは.NET Frameworkで動作するプログラミング言語の1つですが、.NET Frameworkは他にもC#やF#などのプログラミング言語に対応しています。そのため必ずしもVB.NETは必要ではなく、他の.NET言語でもさまざまな開発が実現可能です。特にC#はVB.NETと同じ.NET Frameworkをベースにしており、マイクロソフトが推奨する主要言語であることや、柔軟性・性能面に優れていることから多くの開発者に選択されています。またデータサイエンスなどの特定の領域では、PythonやJavaScriptの人気が高まっており、Web開発でVB.NETを使用する機会自体が減少傾向にあるのは事実です。

VB.NETのフリーランス案件内容と単価で見る将来性

VB.NETは既存システムの保守・改修においてはまだまだ需要が高いことがわかりました。ではここで、いま市場でどのような案件があるのか、単価は高いのかなどの疑問に答えていきたいと思います。

VB.NETのフリーランス案件単価はどれくらい?

エンジニアスタイルの調査によると、2023年5月のフリーランスの月額平均単価は60万円でした。最低単価は20万円で最高単価は160万円です。最も多かったのが単価50万円〜60万円の案件で2,424件、最も少なかったのが単価100万円以上の案件で19件掲載されました。平均単価の推移はやや下降気味で、現在の60万円に対して2020年11月の70万円が最も高い時期となります。

VB.NETのフリーランス案件にはどのようなものがある?

VB.NETのフリーランス案件はさまざまな内容のものがあります。数多くの求人の中から、おすすめ案件を4つピックアップしたのでチェックしてみてください。

【Javascript or VB.net/リモート】基盤更改に伴うアプリ改修案件


既存アプリの改修のお仕事です。IE(Internet Explorer)からEdgeに移行する際の非互換性に対する対策や、VisualStudioのバージョンアップなどを行います。VB.netでの開発経験のほかに、Javascriptでの開発経験やSQLの知識が必須です。フルリモートが可能で、単価は70万円以上と平均的な案件になります。

基幹システム更改プロジェクト支援/家賃保証会社のエンジニア求人・案件


AWSへの移行をプロジェクトの中心となって実行するお仕事です。その際VB.netからJavaへのコンバージョンも伴うため、AWSへの移行経験に加えて、VB.netやJavaの知識も必要になります。またベンダーコントロールもできると尚良いです。単価は80万円以上と平均よりもやや高めの案件になります。

大手レンタル企業のシステム部門でPjMを募集


勤怠システム開発をリードするお仕事です。具体的には、不要な機能の廃止など既存システムの刷新になります。重要なポジションであるPjMを担当するのでPjM経験は必須です。VB.NETがメインですが、C#/ASP.NETへ移行する可能性もあるため、C#/ASP.NETの開発経験もあるとより良いと言えます。単価は80万円以上と平均よりもやや高めの案件です。

【週5・プライム直】VB.net/C#.net/ECパッケージ開発【渋谷】KM


ECパッケージの既存パッケージのカスタマイズに携わるお仕事です。要件定義からテストまでの工程で、スキルにマッチした作業を担当します。必要なスキルは、オブジェクト指向の知識・JavaScriptの実装スキル・ECサイト開発の経験など、そこまで高度ではありません。単価は55万円以上と平均的な案件になります。

VB.NETと合わせて習得しておきたいスキルとは

VB.NETは現時点ではまだまだ需要のある言語ですが、これからVB.NETだけを極めるのはリスクが大きいと言えます。VB.NETとの関連性やTIOBEを参照した需要をかんがみて、ほかの言語も習得しスキルの幅を広げましょう。

C#

VB.NETとC#はどちらも.NET Frameworkで使用される言語です。両方を習得することで幅広いプログラミングスキルを身につけられ、さまざまな開発に柔軟に対応できます。また2つには互換性があり、同じ.NET Frameworkで開発されたライブラリを相互に使用可能です。これにより、既存のVB.NETプロジェクトをC#に移行する・C#のコードをVB.NETに変換するといった作業をスムーズに完了できます。TIOBE Indexにおいても、C#はこの1年間で1%増加し上位をキープするなど注目の言語です。マイクロソフトは開発者をサポートするために、C#を継続的に強化する姿勢であるため、将来の成長は期待できます。

Python

VB.NETは主にWindowsアプリケーションやビジネスアプリケーションの開発に使用され、Pythonはデータサイエンス・機械学習・Web開発など、さまざまな分野で活用されています。両方を習得することで、幅広いユースケースに対応可能です。また自身のスキルセットを多様化させることもできます。求人市場では、特定の技術や言語に依存しない多様なスキルセットを持つ開発者が求められることが少なくありません。両方の言語を組み合わせ、異なる言語の視点を取り入れることで、問題解決能力やクリエイティビティも向上するはずです。TIOBE Indexでは1位にランクインしており、長期にわたり上昇傾向を続けています。Pythonは初心者向けの使いやすさや膨大な数のライブラリ、機械学習やデータサイエンスなどの分野での使用により、今後も注目度の高いプログラミング言語です。

Java

VB.NETは主にWindowsプラットフォームで利用されますが、Javaはクロスプラットフォームで使用される言語です。VB.NETとJavaを合わせて習得することで、Windows環境とLinuxやmacOSなどの異なるプラットフォームでの開発ニーズに応えることができます。TIOBE Indexは3位で、長年にわたり常に上位にランクインする人気言語です。Microsoft・Amazon・Googleなど世界の大企業も開発に使用しています。アップデートも頻繁に行われており、現在は半年ごとのリリースサイクルです。最新バージョンは2023年3月21日にJava 20が一般公開されました。以上のことからJavaは今後も進化し続けることが期待されます。

C++

C++はパワフルな言語で高度な制御や最適化が可能です。両方の言語を習得することで、シンプルなタスクや効率性が重視される場合にはVB.NETを使用し、パフォーマンスや制御の最適化が必要な場合にはC++を使用するなど、柔軟なアプローチが可能となります。TIOBE Indexでは2位にランクインしており、2022年には4.62%のインデックス値を増やすなど、最も人気を伸ばしたプログラミング言語としてTIOBE Softwareからアワードが贈られました。またC++はゲームの主要な言語であり、Unreal Engineをはじめ多くのゲームを動かしています。ゲーム開発に興味がある人はC++を習得しておいて損はありません。

JavaScript

VB.NETは主にサーバーサイドの開発に使用されますが、JavaScriptは主にクライアントサイドの開発に使用されるのが一般的です。サーバーサイドのビジネスロジックをVB.NETで実装し、クライアントサイドのインタラクティブな要素をJavaScriptで開発するなどして、Webアプリケーションのフルスタック開発が容易になります。TIOBE Indexでは7位にランクインしており、人気度の変動は穏やかで長年安定しているのが特徴です。JavaScriptは、Webブラウザで動作する唯一のプログラミング言語で、Webアプリケーションのフロントエンド開発に広く使用されています。定期的に機能の追加・改善が行われており、開発者コミュニティも活発です。これらの理由から、JavaScriptは今後も重要なプログラミング言語であり続けると予想されます。

まとめ

VB.NETは自然言語に近い文法で初心者でも扱いやすく、NET framework上での開発に用いられ、これまで多くのWindows関連の開発で採用されてきました。現時点では、既存のVBベースシステムの保守・改修のお仕事が豊富にあるため、一定の需要は今後もあると言えます。ただし、バージョンのアップデートが2019年から更新されておらず、マイクロソフトも新機能の追加については積極的ではありません。そのため、VB.NETひとつだけを習得するのではなく、Python・JavaScript・Javaなど新しい開発に向いている言語も合わせて習得しておくと仕事の幅が広がり安心です。自分の開発したいアプリケーションの種類や目的によって、学ぶ言語を選ぶことをおすすめします。

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