1. TOP
  2. エンスタマガジン
  3. 学習
  4. Azure Backupの特徴と導入する仕組みとは

Azure Backupの特徴と導入する仕組みとは


はじめまして、エンジニアスタイル編集部です!

コラムページでは、ITフリーランスに向けてお役立ち情報を発信します。Twitterではホットな案件を紹介してまいりますので、ぜひフォローをお願いいたします!
本記事が、皆様の参考になれば幸いです。

経験がまだ少ない方にもわかりやすく説明するために、初歩的な内容も記載しております。記事も長いので、実務経験豊富な方は、ぜひ目次から関心のある項目を選択してください。

エンジニアスタイルは、最高単価390万円、国内最大級のITフリーランス・副業案件検索サービスです。Microsoft Azureのフリーランス・副業案件一覧を以下からご覧いただけますのであわせてご確認ください。

そもそもバックアップの重要性とは

バックアップは、データや情報を安全な場所にコピーして保管することを指し、データの損失や破損から保護するために重要です。

データはさまざまな理由で失われる可能性があるので、最も注意しておかなければならない事柄の1つともいえるでしょう。

バックアップとは

バックアップ(Backup)とは、データや情報を別の場所や媒体にコピーして保存することを指し、データの損失や破損が発生した場合に備え、元のデータを復元したり回復したりするために使用されます。

バックアップは、コンピュータやサーバー上のファイル、データベース、アプリケーション設定、オペレーティングシステムなど、さまざまなデータやシステムの要素を対象とすることができます。

バックアップする目的としては「データ保護」「データの復旧と回復」「ビジネスの継続性」「バージョンの管理」等が挙げられます。

データの保護及び復旧と回復では、バックアップによってデータを損失や破損から保護し、誤って削除されたデータや破損したデータを元に戻せるようにできます。

また、データが損失した場合もバックアップを使用してデータを復元することができ、例えば、ハードドライブのクラッシュやウイルス感染によるデータの消失時に、バックアップからデータを復元することができます。

ビジネスの継続性という点では、システム障害や災害が発生した場合でも、バックアップを利用してシステムを迅速に復元し、業務の中断を最小限に抑えることができます。

さらにバックアップは、バージョンの管理においても重要な役割を果たします。

過去のデータのバージョンや状態を保管し、必要な場合に遡及的な復元を行うために使用されます。特定の時点でのデータのスナップショットを作成することで、データの特定のバージョンを復元したり、過去の状態に戻したりすることができます。

バックアップを取る重要性

もしもの時に備えてバックアップをとっていないと取り返しのつかない事態になってしまうことは容易に想像できます。

あらゆるリスクを鑑みて、常にバックアップを取ることを考えておかなければなりません。

人的ミス

人為的なミスは、データの損失や破損の主な原因の一つです。例えば、以下のようなケースが考えられます。

<誤ったファイルの削除>

重要なファイルを誤って削除した場合、バックアップがなければデータを回復することができません。

<誤ったバージョンの保存>

間違ったバージョンのファイルを保存した場合、正しいバージョンに戻すためにバックアップが必要です。

<誤った設定の変更>

誤った設定変更がデータの損失や破損を引き起こす可能性があります。バックアップを取っておくことで、変更前の状態に戻すことができます。

マルウェア感染

マルウェア(悪意のあるソフトウェア)の感染は、データの破損や消失のリスクをもたらします。

<ランサムウェア攻撃>

ランサムウェアは、コンピュータやサーバー上のデータを暗号化し、復号化キーの提供と引き換えに身代金を要求します。バックアップがあれば、感染したデータを削除してバックアップからデータを回復できます。

<ウイルスによるデータ破壊>

ウイルスに感染したファイルがデータを破壊する可能性があります。バックアップがあれば、感染したファイルを取り除き、バックアップからデータを復元できます。

ハードウェア・ソフトウェア障害

ハードウェアやソフトウェアの障害は、データの損失や破損を引き起こす可能性があります。

<ハードドライブの故障>

ハードドライブは、データを永続的に保存する主要なデバイスです。ハードドライブが故障すると、データへのアクセスが制限され、データの損失が発生します。ハードドライブの故障は、物理的なダメージや部品の故障によって引き起こされることがあります。

<サーバーのハードウェア故障>

サーバーは、ネットワークやシステムの中心的な役割を果たす重要なハードウェアです。サーバーの故障が起きると、データやアプリケーションへのアクセスが制限され、ビジネスの中断やデータの損失が発生します。サーバーのハードウェア故障は、電力供給の問題、冷却の不備、ハードウェアの故障などが原因となることがあります。

<オペレーティングシステムのクラッシュ>

オペレーティングシステム(OS)は、コンピュータの基本的なソフトウェアです。OSのクラッシュは、システムの安定性やデータの整合性に影響を与えます。ソフトウェアのバグ、互換性の問題、誤った設定変更などが原因となります。

<データベースの障害>

データベースは、重要なデータの格納と管理に使用されるソフトウェアです。データベースの障害は、データの整合性やアクセスの問題を引き起こします。データベースソフトウェアのエラー、データの不適切な操作、ハードウェアの故障などが原因となることがあります。

大規模災害(地震などの天災)

<地震による損害>

地震は建物やインフラに大きな損害をもたらすことがあります。サーバールームやデータセンターが被災し、ハードウェアやストレージデバイスが損傷することで、データの損失が発生します。さらに、通信インフラの被害により、データのバックアップや復元が困難になる可能性もあります。

<火災や洪水による破壊>

火災や洪水は、建物や物理的なインフラに甚大な被害をもたらします。サーバー、ストレージデバイス、バックアップメディアなどの機器が破壊されると、データの完全な喪失が発生します。災害復旧計画とバックアップ戦略は、このような状況に備えるために重要です。

第三者によるデータ破壊や改ざん

<ハッキングによるデータ侵害>

ハッカーはシステムに侵入し、データを盗む、破壊する、改ざんするなどの悪意のある行為を行います。クレジットカード情報や個人情報の漏洩、ウェブサイトの改ざんなどがその例です。バックアップは、ハッキング攻撃の被害から復旧するために必要です。

<インサイダー攻撃>

インサイダー攻撃は、組織内部の人間が意図的にデータを破壊、改ざん、盗難する行為です。従業員や元従業員、特権ユーザーなどが関与することがあります。バックアップは、インサイダー攻撃によるデータの損失や改ざんから回復するために重要です。

Azure Backupとは

Azure Backupは、Microsoft Azureクラウドプラットフォーム上で提供されるデータバックアップソリューションです。Azure Backupを使用することで、オンプレミス環境やAzure仮想マシン、Azureファイル共有などのさまざまなデータを簡単にバックアップすることができます。

Azure Backupは、データの損失や災害からデータを保護するための強力なツールであるため、柔軟なオプションと簡単な管理インターフェースを提供し、信頼性の高いデータバックアップソリューションを実現します。

Azure Backupでできることとは?導入のメリット

Azure Backupでは、オンプレミス環境やAzure上のデータを自動的にバックアップし、柔軟なデータの復元が可能です。導入のメリットは、簡単な管理と監視、セキュリティ、信頼性の向上などがあり多くのメリットを受けることができます。

MARSエージェントの活用

MARS(Microsoft Azure Recovery Services)エージェントは、オンプレミス環境や仮想マシン内で動作し、データをAzure Backupに転送します。これにより、オンプレミス環境のサーバーやデータベース、仮想マシンのデータをAzureに簡単にバックアップできます。

MARSエージェントを使用してオンプレミスのファイルサーバーをAzure Backupに接続することで、ファイルの自動バックアップと復元が可能となるため、ファイルの誤削除や災害時のデータ復旧などのリスクを軽減することができます。

強固なセキュリティの確立

Azure Backupは、Microsoft Azureのセキュリティモデルに基づいてデータを保護します。データは暗号化され、Azureの冗長ストレージに保存されます。また、アクセス制御と認証メカニズムにより、データの機密性と完全性を確保します。

具体的な例として、Azure BackupではTLS(Transport Layer Security)暗号化やストレージアカウントのアクセスキーなどのセキュリティ機能を活用します。これにより、データの保護と不正アクセスからの防御が強化されます。

無制限のデータ転送

Azure Backupでは、データ転送の容量制限がないため、大容量のデータを効率的にバックアップできます。データのサイズや種類に制約を受けることなく、必要なデータを完全にバックアップできるため大きなメリットとなります。

大規模なデータベースや仮想マシンのイメージをバックアップする場合でも、無制限のデータ転送により、データの完全なバックアップと復元が可能になります。

ファイル単位のバックアップ

Azure Backupでは、単一のファイルやフォルダ単位でのバックアップが可能です。特定のファイルの変更や削除のリスクに対して、迅速かつ簡単な回復ができます。

具体的な例として、特定のドキュメントやコンフィギュレーションファイルなど、重要なファイルのバックアップと復元を行う場合に、ファイル単位のバックアップは非常に便利といえます。

Azure Backupの3つの仕組み・バックアップ方式

一般的なバックアップ方法には「完全バックアップ」「差分バックアップ」「増分バックアップ」の3つの仕組みが存在します。

完全バックアップ

Azure Backupにおける「完全バックアップ」とは、対象のデータや仮想マシンの状態を完全にバックアップすることを意味します。

具体例として、仮想マシンの完全バックアップを考えてみましょう。

例えば、Azure上で稼働している仮想マシンには、オペレーティングシステムやアプリケーション、データファイルなどが含まれます。完全バックアップでは、これらの全ての要素がバックアップされます。

手順としては、Azure Backupは仮想マシンのディスクイメージを作成し、それをバックアップストレージに保存します。このイメージにはオペレーティングシステムやアプリケーション、データファイルなどが含まれており、仮想マシンの状態を完全に再現することができます。

完全バックアップは、災害復旧やデータの復元において非常に重要です。仮想マシンが障害を起こした場合やデータが誤って削除された場合でも、完全バックアップから仮想マシン全体を復元することができます。

これにより、業務の継続性を確保し、データの損失を最小限に抑えることができます。

差分バックアップ

Azure Backupにおける「差分バックアップ」とは、前回の完全バックアップ以降に変更されたデータのみをバックアップする方式です。

例えば、ある仮想マシンには毎日新しいデータが追加され、変更が加えられます。初めてバックアップを行う場合、完全バックアップが実行され、その後差分バックアップが行われます。

初日の完全バックアップ後、2日目のバックアップでは、初日以降に変更されたデータだけがバックアップ対象となります。

つまり、初日から2日目までの差分データのみがバックアップされます。3日目のバックアップでは、2日目以降の差分データがバックアップ対象となります。

差分バックアップは、完全バックアップに比べて効率的で、バックアップデータのサイズや所要時間を削減することができます。また、データの復元時には、最新の完全バックアップと差分バックアップを組み合わせて使用することで、目的の時点までのデータを復元することが可能です。

差分バックアップは頻繁に実行され、データの保護と復元の柔軟性を高めることができます。また、ストレージの使用量を削減するため、費用効果も高い方法となります。

トランザクションログバックアップ

Azure Backupにおける「トランザクションのログバックアップ」とは、データベースシステムのトランザクションログを定期的にバックアップする方式です。

例えば、Azure上で稼働しているデータベースシステムがあります。このシステムでは、トランザクションと呼ばれるデータ操作が頻繁に行われます。トランザクションログは、データベースへの変更操作の履歴を記録します。

トランザクションのログバックアップでは、定期的にトランザクションログをバックアップし、安全な場所に保存します。これにより、データベースシステムの障害やデータの損失が発生した場合に、トランザクションログを使用してデータを復元することができます。

定期的なスケジュールに従ってトランザクションログのバックアップが行われ、バックアップされたトランザクションログは安定したストレージやバックアップサービスに保存されます。

障害やデータ損失が発生した場合、最新の完全バックアップとそれに続くトランザクションログのバックアップを組み合わせて使用し、データベースを特定の時点まで復元することができます。この方式により、データベースシステムの信頼性と可用性が向上し、データの損失を最小限に抑えることができます。

トランザクションのログバックアップは、データベースシステムの正確性と一貫性を保証する上で重要な役割を果たします。特に金融業界やオンライン取引など、トランザクションの信頼性が重要なシステムにおいて頻繁に利用されます。

増分バックアップ

Azure Backupにおける「増分バックアップ」とは、前回のバックアップ以降に変更された差分データだけでなく、直近の増分バックアップからの変更データのみをバックアップする方式です。

仮想マシンを例に取ると、増分バックアップは次のように動作します。

初めてバックアップが実行される場合は、完全バックアップが行われます。

次に、2日目のバックアップが行われます。この時、前回のバックアップ以降に変更された差分データだけでなく、直近の増分バックアップからの変更データも含めてバックアップされます。つまり、初日の完全バックアップから2日目までの変更データがバックアップ対象となります。

同様に、3日目以降も増分バックアップが続けられます。各日のバックアップでは、前回のバックアップ以降に変更された差分データと、直近の増分バックアップからの変更データが追加されます。

増分バックアップは、データの変更が発生するたびに行われるため、差分バックアップよりもさらに効率的です。バックアップデータのサイズと所要時間を最小限に抑えることができます。

データの復元時には、最新の完全バックアップとそれに続く増分バックアップを組み合わせて使用することで、目的の時点までのデータを復元することが可能です。

増分バックアップは、頻繁にバックアップを実行する必要がある場合に効果的で、ストレージの使用量をさらに削減することができ、費用効果が高いバックアップ方式といえます。

Azure Backupの利用料金は?

Azure Backupは、仮想マシン内のデータをバックアップするため、バックアップ対象のデータ量が料金に影響します。仮想マシンに格納されているデータの合計サイズが大きいほど、バックアップの費用も増加します。

データ容量500GB毎に1,120円となっているため、600GBであっても1000GBであっても、バックアップ料金は変わりません。

バックアップ料金表は以下から確認が可能です。

また、バックアップデータをAzureストレージに保存します。保存するデータ量は、バックアップデータの合計サイズに基づいて料金が計算されます。バックアップデータの増加に伴い、ストレージ使用量に応じた料金が発生します。

管理ディスクの場合、ディスク内の実容量関係なく、管理ディスクの要量分がバックアップデータとなり、非管理ディスクの場合、ディスク内の実容量分のみがバックアップされてその容量分がバックアップデータとなります。

バックアップストレージの料金表は下記の通りです。

具体的な料金は、使用するAzure Backupサービスのプランやバックアップ保持期間によって異なります。また、地域やストレージの種類によっても料金が異なる場合があるため、確認が必要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

バックアップは、データの損失や破損から保護するために非常に重要で、「人的ミス」だけでなく「マルウェア感染」や「ハードディスク障害」「ソフトウェア障害」など様々な事象から損失を保護します。

Azure Backupでは、オンプレミス環境やAzure上のデータを自動的にバックアップでき、このような仕組みの導入は大きなメリットをもたらします。

バックアップシステムが不完全、もしくは導入していない場合は、今一度バックアップの重要性を見直し、バックアップシステムの導入を検討してみてください。

SNSシェア
CATEGORY
学習
TAGS
新規会員登録エージェントとの初面談1社につきAmazonギフト券3,000円分全員にプレゼント!

あわせて読みたい関連記事


おすすめ&新着求人・案件


各種SNSで情報を
発信中フリーランスで働くエンジニアに役立つ情報を発信しています。
フリーランス求人・案件の選び方や注意点、単価を上げるコツなどをエンジニアスタイルの編集部が発信しています。
フォロー・友達に追加していただき最新の情報をGETしてください。