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Azure DevOpsを使うための6つのプロセスと具体的なサービスとは

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はじめに

「Azure DevOpsをうまく活用したいけど、どうすればいいのだろう?」や「Azure DevOpsの具体的な料金プランがわからなくて困っている」という人も多いのではないでしょうか?

Azure DevOpsとは、ソフトウェア開発のライフサイクルを一元管理できる、Microsoftが提供する開発支援ツールのことを指します。

そんな悩みを解消するために、本記事ではAzure DevOpsの全体像と、その使い方、具体的な料金プランを詳しく解説します。

本記事を読むことで、Azure DevOpsが何か、その使い方、そして利用料金まで、Azure DevOpsに関する基本的な知識を把握することができます。

スキマ時間に読み切れる短さにまとめてあるので、Azure DevOps活用の一助としてください。

<この記事を読むとわかること>

  • Azure DevOpsとは何か、その概要と機能
  • Azure DevOpsを使うための基本的なプロセス
  • Azure DevOpsで利用できる各種サービスの特徴と活用方法
  • Azure DevOpsの料金プランと、その選び方

Azure DevOpsとは何か?

Azure DevOpsは、Microsoftの多くのサービスと連携が可能であり、その拡張性と柔軟性により高い人気を維持しているプラットフォームですが、初心者にはよくわからないかと思います。

まず本セクションでは、Azure DevOpsについての基本的な部分の大枠について解説します。

Azure DevOpsの概要

Azure DevOpsは、Microsoftが提供する一連の開発者向けサービスとツールの統合プラットフォームです。

その目的は、開発者がチーム内でのコラボレーションを向上させ、より速く、より効率的にソフトウェアを開発、テスト、デプロイすることを可能にすることです。

Azure DevOpsは、クラウドベースのサービスであり、どこからでもアクセスすることが可能となっています。

プロジェクト管理、ソースコード管理(SCM)、自動ビルド/テスト/デプロイ(CI/CD)、アーティファクト管理、そしてテスト計画管理と広範にわたる機能を持ちあわせている非常に有能なプラットフォームです。

また、Azure DevOpsはオープンソースであり、GitHubやその他の外部システムとも容易に統合できます。これにより、開発者は彼らが既に利用しているツールを引き続き使用しながら、Azure DevOpsが提供する追加機能を利用することができます。

Azure DevOpsは、アジャイル開発からDevOpsへの移行を助け、より頻繁かつ信頼性の高いソフトウェアリリースを実現することで、ビジネス価値の最大化を支援します。

<POINT1:DevOpsとは?>

DevOpsは、ソフトウェア開発(Dev)とIT運用(Ops)を統合する文化、運用モデル、および実践のセットを指します。その目的は、開発から運用までのプロセスを改善し、ソフトウェアのリリース速度を向上させ、運用の効率を高め、開発者と運用チーム間のコラボレーションを強化することです。

<POINT2:アジャイル開発とは?>

アジャイル開発は、ソフトウェア開発の方法論の一つで、柔軟性と効率性を重視します。頻繁なフィードバックのループと短い開発サイクルを用いて、開発過程全体を通じて柔軟に対応できるようにすることを目指しています。

大規模で固定した計画に基づく「ウォーターフォールモデル」に対する疑問から生まれ、開発チームがビジネス要件の変化に素早く対応できるようになることが特徴です。

Azure DevOpsを構成する5つの機能

Azure DevOpsの真骨頂は、開発からデプロイ、運用に至るプロセスを効率化し、一元化する5つの主要な機能です。

ボード(Boards)、リポジトリ(Repos)、パイプライン(Pipelines)、テストプラン(Test Plans)、およびアーティファクト(Artifacts)で構成されています。

以降では、この5つの要素について詳しく説明します。

Boards

Azure Boardsは、作業追跡とプロジェクト管理のためのツールです。これにより、ユーザーは作業項目を視覚的に追跡し、共有することができます。

アジャイル開発に必要なバックログ管理やスプリント計画、ダッシュボード表示など、プロジェクト管理に必要な全てを提供します。

Repos

Azure Reposは、ソースコードを管理するためのツールです。Gitの全機能を提供し、プライベートリポジトリを無制限に作成できます。コードレビューやプルリクエスト、ブランチポリシーなど、協調作業に必要な機能を持っています。

Pipelines

Azure Pipelinesは、継続的インテグレーション(CI)と継続的デリバリー(CD)を実現するツールです。これにより、コードの変更を自動的にビルドし、テストし、そしてデプロイすることができます。

マルチプラットフォーム、マルチクラウドに対応しており、Windows、Linux、macOSでのビルドや、Azureを始めとする各種クラウドサービスへのデプロイをサポートしています。

Test Plans

Azure Test Plansは、ソフトウェアの品質を保証するためのテスト管理ツールです。テスト計画作成、テストケース管理、手動テストの実行とトラッキング、自動テストの結果集約など、ソフトウェアテストに必要な全てを提供します。

Artifacts

Azure Artifactsは、パッケージ管理のためのツールです。Maven、npm、NuGetなどのパッケージフィードを作成し、これらを共有または利用することができます。パッケージの依存関係を一元管理することで、再利用性とコードの品質を向上させます。

これら5つの機能が一体となり、Azure DevOpsはチーム全体のプロダクティビティを向上させ、効果的なDevOpsの実践を支援します。

Azure DevOpsを使うための6つプロセスとは

Azure DevOpsを有効に活用するためには、以下の6つの基本的なプロセスを理解し、それぞれを順に実行することが重要です。

ここでは、その具体的な手順をステップバイステップでわかりやすく解説します。

アカウントを登録

アカウントを登録

まず最初に行うべきは、Azure DevOpsへのアカウント登録です。Microsoftアカウントを使用して登録することができます。まだアカウントがない場合は、Microsoftの公式サイトで簡単に作成することができます。

プロジェクト作成

プロジェクト作成

次に、新しいプロジェクトを作成します。Azure DevOpsのダッシュボードから「新しいプロジェクト」を選択し、プロジェクトの名前、説明、可視性(公開またはプライベート)、バージョン管理システム(GitまたはTFVC)、作業アイテムのプロセス(基本、アジャイル、Scrum、CMMI)を指定します。

ダッシュボード確認

ダッシュボード確認

プロジェクト作成後、ダッシュボードに移動します。ここではプロジェクトの全体的な進行状況を一目で確認することができます。また、作業アイテム、ビルドとリリース、テスト、リポジトリ、パイプライン等の各機能へのリンクがあります。

環境設定の構築

環境設定の構築

Azure DevOpsをフルに活用するためには、環境設定の構築が必要です。これには、パイプラインの設定、レポジトリの初期化、ブランチポリシーの設定等が含まれます。

コード編集

コード編集

Azure Reposを使ってコードの編集を行います。ブランチを作成し、新たな機能を追加したり、バグを修正したりします。変更をコミットしたら、プルリクエストを作成し、コードのレビューとマージをリクエストします。

自動ビルド・デプロイの確認

自動ビルド・デプロイの確認

最後に、Azure Pipelinesを使用して、コードの自動ビルドとデプロイを設定し、それが正常に機能していることを確認します。ビルドとリリースの定義を作成し、コードの変更が正常にビルドされ、適切な環境にデプロイされることを確認します。

これらのプロセスを経ることで、Azure DevOpsを最大限に活用し、開発から運用までの一連の作業を効率化することができます。

Azure DevOpsで使うことができるサービス

Azure DevOpsは、5つの主要機能によって様々なサービスを提供しています。それぞれのサービスは異なる開発フェーズでのニーズに対応し、全体として一貫した開発体験を提供していることが特徴です。

以下では、それぞれのサービスが具体的にどのようなものなのかを、わかりやすく解説します。

Azure Boards

Azure Boardsは、プロジェクトのタスク管理や進捗の追跡、チーム協働を効率化するための機能です。作業項目トラッキング、かんばんボード、スクラムボードと呼ばれる一種の管理表のようなもので、プロジェクト全体の進行状況を一目で確認できます。

Azure Boardsが役立つのは、具体的な作業項目を明確に管理したい場合や、チームの進捗を一元化して視覚化したい時です。

また、複数のチームが協力してプロジェクトを進めている場合でも、それぞれの進捗状況を共有し、全体のプロジェクト進行状況を管理するのに役立ちます。

このように、Azure Boardsはタスク管理とチーム協働の効率化を目指すすべてのチームに有用なツールです。

Azure Pipelines

Azure Pipelinesは、Azure DevOpsの中でも特に注目を集めている機能の一つで、持続的なインテグレーション(CI)と持続的なデリバリー(CD)のワークフローを自動化するためのサービスです。

これにより、コードの変更を頻繁に本番環境へリリースでき、高品質なアプリケーションを効率良く開発することが可能となります。また、さまざまな言語とプラットフォームをサポートしているため、多様な開発環境に対応しています。

Azure Pipelinesは、特に大規模なソフトウェア開発プロジェクトや、アジャイル開発を採用しているチームにとって有益な機能です。

開発者が新しいコードを作成または修正した場合、その変更がすぐにテストされ、問題がなければ本番環境に自動的にデプロイされます。

これにより、リリースサイクルを大幅に短縮し、製品の品質を維持しながら迅速に新機能を提供することが可能となります。

そのため、Azure Pipelinesは、開発プロセスの効率化とソフトウェアの品質向上を目指すすべての開発チームにとって強力なツールと言えます。

Azure Repos

Azure Reposは、Azure DevOpsの中心的機能のひとつで、クラウド上に無限に保存できるプライベートなプログラムコードの格納場所(Gitリポジトリ)を提供しています。

Gitは、世界中で最も普及している分散バージョン管理システムの一つで、プロジェクトの履歴を全て保存し、いつでも特定の時点のコードに戻すことが可能です。

Azure Reposを使用することで、これらの機能をクラウドベースで活用でき、全てのコードやプロジェクトの履歴に対するセキュアなアクセスが可能となります。

Azure Reposは、チーム内でのコード共有や改善、または新しい機能の追加など、ソフトウェア開発プロジェクトの全てのステージで役立ちます。

また、チームが成長し、プロジェクトが複雑になってもスケーラブルなので、どんなサイズのプロジェクトでも対応可能です。コードレビューを簡単に行ったり、ブランチポリシーでコードの品質を保つなど、開発者がより良いコードを書くのを支援します。

Azure Test Plans

Azure Test Plansは、Azure DevOpsの一部として提供される、包括的で使いやすいテスト管理ツールです。主に、テストケースの作成、管理、および実行、そしてテスト結果の追跡とレポーティングが可能になります。

一連のテストケースを作成して整理し、テストの実行と結果を一元的に管理することができ、マニュアルテストから自動テストまで、様々な種類のテストをサポートしています。

Azure Test Plansは、ソフトウェアの品質保証(QA)が重要な役割を果たす場面で大いに役立ちます。

例えば、製品のリリース前に品質を検証したり、新機能の影響を評価したりするために使用するとよいでしょう。また、ユーザー受け入れテスト(UAT)やリグレッションテストの実施など、幅広いテスト活動のサポートも可能です。

そのため、Azure Test Plansは、高品質なソフトウェアをリリースするための効率的な機能となるでしょう。

Azure Artifacts

Azure Artifactsは、Azure DevOpsの統合されたパッケージ管理機能です。主に、共有コードや他のソフトウェアリソースを保存し、組織全体で利用できるようにする機能です。

Azure Artifactsは、開発プロジェクトが複雑になり、多くの依存関係が発生する場合に特に役立ちます。

例えば、プロジェクトが複数のライブラリやツールを必要としている場合、Azure Artifactsを使用することで、これらのリソースを効率的に管理し、開発チーム全体で利用できるようにすることができます。また、バージョン管理も一元的に行うことができます。

そのため、プロジェクト全体で必要なリソースが正確に配置されていることを確認しやすくなります。

Azure DevOpsはいくら?料金プランを紹介

Azure DevOpsはその豊富な機能により、多くの開発者に支持されていますが、その料金プランはどのようなものなのでしょうか。

以下に各プランの詳細と、それぞれがどのようなユーザーに向いているのかをまとめました。

サービス プラン名 料金
Azure Pipelines 基本プラン 無料
Azure Pipelines 追加のジョブ ¥5,619.81/ジョブ または ¥2,107.43/ジョブ
Azure Artifacts 基本プラン 無料
Azure Artifacts 追加プラン GiBあたり¥281
ユーザーライセンス Basic(最初の5ユーザー) 無料
ユーザーライセンス Basic(6ユーザー以降) ¥842.98/ユーザー/月
ユーザーライセンス Basic + Test ¥7,305.75/ユーザー

それぞれのプランの特徴と、どのような人におすすめなのかを下記にて説明します。

Azure Pipelinesの料金プラン

Azure Pipelinesの基本プランは1つのMicrosoftホステッドCI/CDと1つのセルフホステッドCI/CDが無料で提供されます。

このプランは小規模チームや、まだプロジェクトが初期段階である開発者に最適です。

より大規模な開発を行う場合や、複数のプロジェクトを並行して進める必要がある場合には、追加のジョブを購入することが可能です。

追加のMicrosoftホステッドCI/CD並列ジョブは¥5,619.81、セルフホステッドCI/CD並列ジョブは¥2,107.43です。

Microsof / セルフホステッドCI/CD並列ジョブとは?

Azure Pipelinesでは、開発者が自動化されたビルドとデプロイ(継続的インテグレーションと継続的デリバリー、CI/CD)を実行するための”ジョブ”を提供しています。

このジョブは大きく分けて”MicrosoftホステッドCI/CD並列ジョブ”と”セルフホステッドCI/CD並列ジョブ”の2種類があります。

“MicrosoftホステッドCI/CD並列ジョブ”とは、Azureが提供するサーバー上でCI/CDジョブを実行する形態を指します。つまり、ハードウェアやインフラ管理の手間をAzureが全て受け持つため、開発者はコードのビルドやデプロイに集中することができます。

一方、”セルフホステッドCI/CD並列ジョブ”とは、開発者自身が管理するサーバー上でCI/CDジョブを実行する形態を指します。これには特定のハードウェア要件や特殊な環境設定が必要な場合などに適しています。

両者の選択は、プロジェクトの要件や予算、開発者の技術力やインフラ管理能力によって異なるので注意してください。

Azure Artifactsの料金プラン

Azure Artifactsでは、2GiBまでのストレージが無料で提供され、それを超えた場合は追加料金が発生します。

小規模なプロジェクトや、まだ少ないアーティファクトを管理する開発者には無料プランが適しています。

大規模なプロジェクトやアーティファクトが多い場合は、追加ストレージを購入することができます。追加ストレージの料金は、GiBあたり¥281となっています。

ユーザーライセンスの料金プラン

Azure DevOpsのユーザーライセンスは、最初の5ユーザーまでは無料で、その後はユーザーあたり¥842.98/月のBasicプランが提供されています。

これには、Azure Pipelinesの無料プラン、Azure Boards、Azure Repos、Azure Artifactsの無料プランが含まれています。

より高度なテスト機能を必要とする場合には、Basic + Testプランを選択すると良いでしょう。このプランでは、ユーザーあたり¥7,305.75の料金で、テストの計画、追跡、実行が可能になります。

なお、Azure DevOps Server 2022のライセンスについては、Azureを使用して月ごとに支払うか、3年のコミットメントが必要なクラシックソフトウェアライセンスを購入することが可能です。

それぞれのプランがどのようなユーザーに向いているかを理解することで、最適なプランを選択し、Azure DevOpsをより効果的に利用することができます。

どのプランを選ぶべきか迷った場合は、自身のプロジェクトの規模や要件を見直すと良いでしょう。

まとめ

本記事では、Azure DevOpsの全体像から具体的な使い方、料金プランまでを一通り解説しました。

Azure DevOpsは、ソフトウェア開発のライフサイクルを一元管理できる強力なツールであり、その使いやすさと効率性から高い人気を誇っています。

今後は、Azure DevOpsの各サービスをさらに深く理解し、自分たちのプロジェクトやチームに最適な構成を見つけ出すことが重要になってくるでしょう。

また、新たなアップデートや機能追加にも注意を払い、Azure DevOpsの可能性を最大限に引き出すことも求められてくるはずです。

本記事が、あなたのAzure DevOps利用の一助となり、より生産性の高い開発プロセスを構築するための知識や洞察を提供することができれば幸いです。

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