AIOpsとは?アジャイル開発の違いやメリットを紹介
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目次
はじめに
ビジネス環境の複雑化と扱うデータ量が爆発的に増加している昨今、AIをIT運用に導入することの重要性は日に日に高まっています。
そこで、注目を集めるのが「AIOps」です。
AIOps(Artificial Intelligence for IT Operations)は、AI技術を活用してIT運用を自動化し、効率化するアプローチです。
これにより、迅速な問題解決、コスト削減、予測可能な運用管理が実現します。
この記事では、AIOpsの基本からメリット、さらには主要なツールまでを網羅的に解説します。
<この記事を読むとわかること>
- AIOpsとは何か、およびその必要性
- AIOpsプラットフォームの機能と利点
- AIOpsの適用用途とユースケース
- AIOpsにおける主要なツールと選定基準
AIOpsとは
AIOpsとは、2016年にGartnerが発表した新しい運用アプローチです。
2020年代に入り、AIの重要性が日に日に増して来るにつれて、徐々にその存在感が高まっています。
では、AIOpsとは一体なんなのでしょうか。
まずは、AIOpsの全体像について理解していきましょう。
AIOpsは人工知能(AI)をITの運用管理に適用
AIOpsは「Artificial Intelligence for IT Operations」の略で、人工知能(AI)技術を情報技術(IT)の運用管理に応用するアプローチのことです。
主に、大量のITデータを分析し、ITシステムの効率を向上させるために機械学習、ビッグデータ、その他のAI関連技術を活用します。
具体的には、AIOpsは自動的にITインフラストラクチャの異常を検出し、パフォーマンスの問題を予測し、時には自動で解決することも可能です。
これにより、IT運用チームはシステムの問題に迅速かつ効果的に対応できるようになり、ダウンタイムのリスクを減らすことができます。
また、AIOpsの鍵となるのは、継続的な学習と適応です。
AIOpsシステムは、過去のデータと現在の活動から学び、より正確な予測と効率的な問題解決を提供します。
そのため、IT運用はより予測可能で信頼性の高いものとなり、ビジネス全体の生産性と効率を向上させることができるのです。
AIOpsはなぜ必要性とされているのか・生まれた背景
AIOpsが生まれた背景には、IT環境の複雑化とデータ量の増大が関わっています。
現代のITインフラストラクチャは、クラウドサービス、仮想化、分散システムなどにより、かつてないほどに複雑になりました。
これに伴い、IT運用チームは増え続けるデータ量と複雑なシステムを効率的に管理する必要に迫られています。
そのため、従来のIT運用管理ツールや手法では、このような複雑で動的な環境を効果的に扱うことが困難になってきました。
大量のデータを人間が手動で分析し、監視するのは時間がかかり、エラーも生じやすく、非常に非効率的です。
また、異常やパフォーマンスの問題を早期に発見し、予防することも難しくなっています。
このような課題に対応するために、人工知能(AI)と機械学習を活用した新しいアプローチが必要とされました。
そこで登場したのがAIOpsです。
要するに、AIOpsはIT環境の複雑化とデータ量の増加に伴う運用上の課題に対応するために生まれた、AIを核とする次世代のIT運用管理手法といえます。
AIOpsプラットフォームとは?
AIOpsを正しく導入していくためには、「Splunk」などの専用プラットフォームを活用せねばなりません。
専用のプラットフォームを活用することで、多くのメリットを享受できるのです。
ここでは、AIOpsプラットフォームでできることについて、詳しく解説します。
ソースやベンダーを問わず複数のソースからデータインポート
AIOpsプラットフォームは、ソースやベンダーを問わず複数のソースからデータインポートすることが可能です。
現在のITインフラストラクチャは、多様な技術とプラットフォームから構成されており、それぞれが異なるフォーマットやプロトコルでデータを生成します。
AIOpsプラットフォームは、これら異なるソースからのデータを集約し、統一的に分析することができます。
この機能により、企業はクラウドサービス、オンプレミスのシステム、サードパーティのアプリケーションなど、さまざまなソースからのデータを一つのプラットフォームで管理できるようになります。
これにより、データの可視性が向上し、IT運用チームはシステム全体のパフォーマンスと安定性をより効果的に監視し、問題を迅速に特定して対処することが可能です。
インポート時点でリアルタイム分析を実行
AIOpsプラットフォームを使用すると、データがインポートされた時点でリアルタイム分析を実行することができます。
従来の方法では、データを集めた後、別途分析プロセスを実行する必要がありましたが、AIOpsではこのプロセスが統合されています。
リアルタイム分析の主な利点は、IT運用チームがデータの動向や問題を即座に把握できることです。
たとえば、システムのパフォーマンスが低下するサインやセキュリティの脅威などがある場合、AIOpsプラットフォームはそれをリアルタイムで検出し、運用チームに通知します。
これにより、問題が深刻化する前に迅速に対処することが可能になり、システムのダウンタイムを減らし、全体の運用効率を向上させることができるのです。
保存されたデータの履歴分析を実行
AIOpsプラットフォームでは、保存されたデータの履歴分析が可能です。
履歴データ分析により、AIOpsプラットフォームは時間の経過に伴うシステムの動作パターンを識別できます。
たとえば、特定の時期にパフォーマンスの低下が見られる場合、これを早期に特定し、将来的な問題を予防するための措置を講じることが可能です。
また、過去の異常やインシデントの原因を分析し、類似の問題が再発するのを防ぐための戦略を立てることも可能になります。
このように、AIOpsプラットフォームによる保存されたデータの履歴分析は、システムの問題をより深く理解し、メンテナンスや効率的なリソース管理を実現する上で重要です。
機械学習の活用
AIOpsプラットフォームを応用すれば「機械学習」がうまく活用できます。
機械学習は、データから学習してパターンを認識し、予測や意思決定を行うAIの一部です。
AIOpsにおける機械学習の活用は、IT運用の自動化と最適化に大きく貢献します。
具体的には、機械学習アルゴリズムを使用して、ITインフラストラクチャから収集される大量のデータを分析します。
この分析により、システムのパフォーマンスや問題の原因をより正確に特定し、AIに予測させることが可能です。
たとえば、システムの異常を早期に検出したり、将来的に発生する可能性のある問題を予測したりすることが考えられるでしょう。
このように、AIOpsプラットフォームにおける機械学習の活用は、IT運用の自動化、効率化、そして最適化を実現するための重要な要素です。
インサイトと分析に基づいたPDCA
AIOpsプラットフォームを使用すると、インサイトと分析に基づいたPDCAサイクルを実現可能です。
PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)とは、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、行動(Act)の繰り返しによって、ビジネスプロセスやプロジェクトの持続的な改善を図る管理手法です。
AIOpsはこのサイクルにおいて重要な役割を果たします。
AIOpsプラットフォームでは、機械学習とデータ分析を用いて、ビジネスに重要なインサイトを提供可能です。
これにより、IT運用チームは計画段階でより情報に基づいた意思決定を行えるようになります。
たとえば、システムのパフォーマンスに影響を与える要因を特定し、それを改善策の計画に反映させることができます。
結果として、企業は効率的で信頼性の高いIT運用を実現し、ビジネスの成長と競争力の向上させられるのです。
AIOpsと一緒に確認しておきたい用語
従来の日本のIT業界は「ウォーターフォール型」、つまり事前に立てた計画を基にシステムを構築していくアプローチを採用していました。
これは、計画通りに動くのが得意な日本人の国民性に非常にマッチしており、長い間IT業界の主流となっていたのです。
しかし、ビジネス環境が目まぐるしく変わっていく現在、過去の計画では顧客のニーズを満たせないケースが目立ってきました。
このような時代の流れに対応するために、AIOps以外にもさまざまな開発アプローチが採用されています。
ここでは、AIOpsと間違えやすい代表的な開発アプローチについて、AIOpsとの違いを明確にしておきましょう。
MLOpsとの違い
MLOps(Machine Learning Operations)は、機械学習モデルの開発、デプロイメント、維持管理を最適化するアプローチです。
主に、機械学習プロジェクトのライフサイクル全体にわたって一貫性と品質を保ちながら、効率的なワークフローと協力を促進します。
その目的は、機械学習モデルの迅速なデプロイメント、スケーラビリティ、再現性、そして信頼性を確保することです。
要するに、AIOpsはIT運用の最適化にAIを使用することに注力しており、MLOpsは機械学習モデルの開発と運用を効率化することに焦点を当てています。
DevOpsとの違い
DevOpsは「Development」と「Operations」の組み合わせで、ソフトウェア開発(Dev)とIT運用(Ops)の間の連携を強化するアプローチです。
DevOpsの目的は、ソフトウェアの迅速なリリースとアップデートを可能にすることにあり、開発と運用チーム間の協力を促進して、プロセスを効率化し、製品の品質を向上させることに重点を置いています。
要するに、AIOpsはIT運用を自動化し効率化するためにAIを使用するのに対し、DevOpsは開発と運用の連携を強化してプロセスの効率化と製品品質の向上を目指します。
DataOpsとの違い
DataOpsは、データオペレーションズ(データ管理と分析)を効率化するためのアプローチです。
DataOpsは、データの品質、アクセス、管理、および分析のプロセスを改善し、企業が迅速かつ効率的にデータから価値を引き出すことを目指しています。
これは、データの流れとライフサイクル全体を通じて、より良いデータ管理と協力を促進することに焦点を当てています。
要約すると、AIOpsはIT運用におけるAIの活用に重点を置いており、DataOpsはデータ管理と分析プロセスの最適化が重要です。
AIOpsのメリットとは
「日本のIT産業は周回遅れ」
このような風潮はよく耳にします。
しかし、ことAIに限っては日本は先進国となる可能性を秘めているといえるかもしれません。
2022年4月、ChatGPTの開発元であるOpneAIのリカルド・アルトマンCEOが日本に電撃訪問し、岸田首相と面会したことはまだ記憶に新しいです。
その後、アルトマンCEOがChatGPTを日本語に特化させる計画についても言及したことで注目を集めました。
日本は世界各国と比較してもAIに関して寛容だというデータもあり、AI活用は日本経済再生の鍵を握っているといえるでしょう。
参考:AI・IoTを活用した自動化サービスに関する日・英・独の比較調査|VMWare
では、AIをIT運用に取り入れるAIOpsには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
以下に、その具体的なメリットについて解説します。
複数データソースをもとに機械学習を活用したデータ分析ができる
AIOpsのメリットの一つは「複数データソースをもとに機械学習を活用したデータ分析ができる」という点です。
たとえば、ある企業がクラウドサービス、オンプレミスのサーバー、さらには多数のアプリケーションを運用しているとします。
これらの異なるソースからは、ログファイル、パフォーマンス指標、トラフィックデータなど様々な種類のデータが生成されます。
通常、これらのデータを個別に分析するのは困難で時間がかかりますが、AIOpsプラットフォームを使用すると、これら全てのデータソースからデータを集約し、一元化された分析を行うことが可能です。
このように、AIOpsを利用することで、複数のデータソースからの情報を統合し、より深いインサイトを得ることができ、ITインフラストラクチャの管理と運用を効率的かつ効果的に行えるのです。
平均解決時間(MTTR)の短縮
AIOpsが平均解決時間(MTTR: Mean Time To Resolution)の短縮に貢献する理由は、その先進的なデータ分析と自動化機能にあります。
先述したように、AIOpsプラットフォームは、機械学習と人工知能の技術を活用して、ITインフラストラクチャからの膨大なデータをリアルタイムで分析し、問題を迅速に特定することが可能です。
これにより、従来の手動や単純な自動化では見逃されることが多かった複雑な問題や隠れた異常も早期に検出できるようになります。
加えて、AIOpsはこれらの問題に対する解決策を自動的に提案したり、場合によっては自動で修正処理を実行することも可能です。
これは、問題発生時の診断プロセスを効率化し、IT運用チームが迅速に対応できるよう支援するため、全体的な問題解決の時間が大幅に短縮されます。
そのため、ITシステムのダウンタイムを減らし、ビジネスの連続性と効率性を高めることができます。
運用コストの削減
AIOpsが運用コストの削減に貢献する主な理由は、その自動化と効率化の能力にあります。
通常、IT運用チームはシステムの監視、異常の検出、問題の診断、解決策の実施など、多くの時間が必要です。
しかし、AIOpsを導入することで、これらのタスクの多くが自動化されます。
これにより、ITスタッフは問題解決にかかる時間を大幅に削減し、他の重要な業務に集中することが可能です。
加えて、先述したように、AIOpsはシステムの問題を予測し、予防措置を講じることができるため、重大な障害や長期間のダウンタイムが発生するリスクも減らします。
そのため、システム障害によるビジネスへの影響や、障害復旧のためのコストも削減することができるのです。
このように、AIOpsによる自動化と効率化は、IT運用に関連する人的コスト、リソースコスト、および障害関連コストの削減に大きく貢献します。
予測管理・リスク管理
AIOpsは、予測管理やリスク管理においても非常に効率的です。
AIOpsは高度なデータ分析と機械学習技術を活用して、システム内の異常やリスク要因を事前に特定し、予測する能力を持っています。
具体的には、AIOpsプラットフォームはシステムからのデータを継続的に分析し、不審な行動や異常なトラフィックパターンなど、セキュリティ違反や攻撃の兆候を早期に検出することが可能です。
これにより、セキュリティインシデントが発生する前に、ITチームが迅速に対処し、リスクを最小限に抑えることが可能となります。
AIOpsでは、上記の活動は自動化されており、人間の介入を最小限に抑えつつ、セキュリティレベルを最大限に高めることが可能です。
このように、AIOpsはITインフラストラクチャの管理、システムパフォーマンスの最適化、セキュリティとリスク管理を一体的に行えます。
AIOpsの用途やユースケースとは
ここまで、AIOpsの基本的な情報について解説してきました。
しかし、抽象的な情報ではイメージがつきにくい方もいるかもしれません。
ここでは、AIOpsの具体的な用途やユースケースについてご紹介します。
ビッグデータの管理
AIOpsの用途の一つとして「ビッグデータの管理」が挙げられます。
現代のIT環境では、クラウドサービス、アプリケーション、ネットワーク機器などから膨大な量のデータが絶えず生成されています。
この大量のデータを効果的に管理することは、IT運用において重要な課題の一つです。
AIOpsプラットフォームは、ビッグデータを集約し、統合する能力を持っています。
たとえば、複数のサーバーとアプリケーションからのログファイルやメトリクスを分析して、システムの異常や効率の低下を早期に検出することが可能です。
異常検出
AIOpsの用途の二つ目として「異常検出」が挙げられます。
現代のIT環境は非常に複雑で、数多くのコンポーネントと相互作用が絡み合っています。
この複雑さのため、従来の手法では異常を見つけるのが難しい場合が多い現状でした。
しかし、AIOpsプラットフォームは、機械学習とAI技術を活用して、ITインフラストラクチャからのデータを継続的に監視し、分析します。
これにより、パフォーマンスデータ、ログファイル、ネットワークトラフィックなどから得られる情報を用いて、通常の動作パターンとは異なる異常な振る舞いを検出することが可能です。
たとえば、通常よりも高いCPU使用率、予期しないトラフィックの増加、エラーメッセージの頻発などがこれに該当します。
パフォーマンス・モニタリング
AIOpsの用途の三つ目として「パフォーマンス・モニタリング」があります。
現代のビジネス環境では、システムのパフォーマンスが直接的に顧客満足度や業務効率に影響を与えるため、これが非常に重要です。
AIOpsプラットフォームは、機械学習とAI技術を利用して、サーバー、ネットワーク機器、アプリケーションなどからのデータをリアルタイムで収集し、分析します。
この分析により、システムのパフォーマンスを継続的に監視し、ボトルネックやパフォーマンスの低下を検出することが可能です。
たとえば、応答時間の遅延、リソースの過剰利用、トラフィックの異常な増加などを検出可能です。
AIOpsはこれらの問題を早期に特定し、IT運用チームに通知することで、迅速な対応と問題解決を促進します。
DevOpsの導入
AIOpsの用途の四つ目として「DevOpsの導入」が挙げられます。
DevOpsは、ソフトウェア開発(Dev)とIT運用(Ops)のプロセスを連携させ、より迅速かつ効率的なソフトウェアのデリバリーを実現するアプローチです。
AIOpsプラットフォームを活用することで、開発と運用の両方のプロセスにおいてデータ駆動型の意思決定が可能になります。
これは、機械学習とAI技術を用いることで、システムのパフォーマンス、利用パターン、および潜在的な問題点に関する洞察を得られるからです。
これにより、開発チームはより効率的にアプリケーションの改善を行い、運用チームはシステムの健全性を維持するための迅速な対応が可能になります。
ITサービス管理と最適化
AIOpsの用途の四つ目として「ITサービス管理と最適化」があります。
現代のビジネス環境では、ITサービスは企業運営の中核をなし、そのパフォーマンスと信頼性が直接的にビジネスの成功に影響を与えます。
そのため、ITサービスの管理と最適化は、ITインフラストラクチャーの運用において必須です。
AIOpsを使用することで、ITサービスの管理が大幅に改善されます。
AIOpsプラットフォームは機械学習とAI技術を利用して、サービスのパフォーマンスを継続的に監視し、データをリアルタイムで分析することが可能です。
これにより、サービスのボトルネック、利用パターン、および潜在的な問題を早期に特定し、迅速な対応を可能にします。
AIOpsツールを選定する3つの基準とは
企業がAIOpsツールを選定する際には、いくつかの選定基準があります。
AIOpsはITの運用管理において非常に効果的であることは理解していただけたかと思いますが、単純に導入するだけでは思わぬ落とし穴にかかるかもしれません。
以下に紹介する基準を満たした上でAIOpsを導入し、効果的な運用を心がけましょう。
リアルタイム分析が可能か
AIOps(人工知能運用)ツールでリアルタイム分析が可能であることが重要な理由は、迅速な問題の特定と解決につながるためです。
リアルタイム分析により、システムやネットワーク内で発生する問題を即座に検出し、その原因を素早く特定できます。
これにより、ダウンタイムの最小化、効率的なリソース管理、改善された顧客体験が実現します。
ただし、現在ではほとんどのAIOpsツールでリアルタイム分析が可能であるため、記載していないこともあるので注意しておきましょう。
非構造化データも扱えるか
AIOpsツールにおいて非構造化データも扱えることが重要な理由は、多様なデータソースからの洞察を得られるためです。
非構造化データには、ログファイル、画像、ビデオ、ソーシャルメディアの投稿などが含まれ、従来の構造化されたデータベースにはない豊富な情報を含んでいます。
非構造化データを分析できることにより、より広範なコンテキストでシステムのパフォーマンスを理解し、異常を検出し、トラブルシューティングを行うことが可能です。
したがって、非構造化データを扱えるAIOpsツールは、より全面的なデータ分析と洞察の獲得に不可欠です。
相関分析などの機能が備わっているか
相関分析とは、異なるデータ要素やイベント間の関連性を見つけ出す分析手法です。
簡単にいえば、相関分析は「これが起こると、あれも起こる可能性が高い」という関係を探るものです。
AIOpsツールにおいて相関分析の機能が備わっていることが重要な理由は、複雑なシステム内で起きる問題の根本原因を迅速かつ効率的に特定できるからです。
IT環境は多くのコンポーネントで構成されており、一つの問題が他の多くの問題を引き起こすことがあります。
相関分析を行うことで、これらの複雑な関係を理解し、どのイベントが他のイベントに影響を与えているのかを明確にすることができます。
相関分析がない場合、問題の診断と解決が困難になります。単一のアラートやイベントだけを見ても、全体像を把握することは難しく、問題の根本原因を見逃す可能性が高くなります。
AIOpsで検討されるツールとは
AIOpsツールは、日本製のツールもいくつか出回っていますが、そのほとんどが海外製です。
そのため、どのようなツールがあるか、まだご存知ない方も多いのではないでしょうか。
以下に、AIOpsの代表的なツールをいくつかご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
Splunk
Splunkは、主にデータ分析と運用インテリジェンスに焦点を当てたAIOpsツールです。
大量のデータをリアルタイムで分析し、その結果を可視化することができます。
Splunkは主に機械データ(ログファイル、ネットワークトラフィックデータなど)を対象とし、ビッグデータを活用して運用監視、セキュリティインテリジェンス、ビジネス分析などに応用されます。
<Splunkでできること>
- リアルタイムデータ監視
- ログ管理
- インシデント対応
- セキュリティ情報とイベント管理(SIEM)
- パフォーマンス分析
- ネットワーク監視
- ユーザー行動分析
- ビジネスインテリジェンスとデータ分析
- カスタムレポートとダッシュボード作成
OpsRamp
OpsRampは、クラウドベースのIT運用管理(ITOM)およびAIOpsプラットフォームです。
このツールは、ITインフラストラクチャの監視、自動化、および管理を一元化し、IT運用チームが複雑なハイブリッド環境をより効率的に管理できるよう支援します。
OpsRampは、クラウドサービス、サーバー、ネットワークデバイス、仮想マシンなどのさまざまなリソースを監視し、AI駆動のインサイトと自動化によりIT運用の効率を高めます。
<OpsRampでできること>
- インフラストラクチャ監視
- クラウドサービス管理
- 自動化されたインシデント対応
- パフォーマンス分析
- アラートとイベント管理
- ネットワーク監視
- サービスレベル管理
- リソース最適化
- AIによる異常検出
- カスタムダッシュボードとレポート作成
SysTrack AIOps
SysTrack AIOpsは、エンドユーザーのデバイスとエクスペリエンスに焦点を当てたAIOpsツールです。
このツールは、ユーザーのデバイスやアプリケーションの使用状況に関するデータを収集・分析し、IT運用の効率を高めるための洞察を提供します。
SysTrack AIOpsは、IT環境全体のパフォーマンスと利用状況をリアルタイムで追跡し、エンドユーザーの生産性に直接影響する問題を特定して解決するのに役立ちます。
<SysTrack AIOpsでできること>
- デバイスパフォーマンス監視
- アプリケーション利用分析
- ユーザーエクスペリエンス管理
- ITアセット管理
- リソース最適化
- パフォーマンストラブルシューティング
- セキュリティリスク評価
- データ可視化とレポート作成
- 自動化された問題解決
- リモートワークサポート
Red Sky Ops
Red Sky Opsは、特にコンテナ化されたアプリケーションとKubernetesクラスターの運用を目的としたAIOpsツールです。
このツールは、クラウドネイティブアプリケーションのパフォーマンスを最適化し、安定性を維持するために設計されています。
Red Sky Opsは、AI駆動の自動化と分析を使用して、アプリケーションのデプロイメントを監視し、リソースの利用効率を向上させ、問題を予測して対処します。
<Red Sky Opsでできること>
- Kubernetesクラスターの監視
- コンテナ化アプリケーションのパフォーマンス最適化
- 自動化されたリソース調整
- アプリケーションデプロイメントのトラブルシューティング
- 継続的インテグレーション/継続的デリバリー(CI/CD)サポート
- セキュリティリスクの分析
- リアルタイムデータ分析
- アプリケーション健全性の自動評価
- カスタムレポート作成
- インシデント対応の自動化
IBM Watson OpenScale
IBM Watson OpenScaleは、AIモデルのパフォーマンスを監視し、管理するためのAIOpsツールです。
このプラットフォームは、AIモデルのフェアネス、透明性、および規制遵守を保証するために設計されています。
Watson OpenScaleは、異なるAIモデルとデータセットの分析を通じて、モデルの決定プロセスを理解し、モデルの振る舞いを監視し、AIの使用におけるバイアスや不公平を特定して対処することができます。
<IBM Watson OpenScaleでできること>
- AIモデルのパフォーマンス監視
- モデル決定プロセスの透明性提供
- AIモデルのバイアス検出と修正
- データとモデルの品質評価
- モデルの振る舞いのトラッキング
- リアルタイムのアラートと通知
- モデルガバナンスと規制遵守のサポート
- モデル説明と文書化
- AI運用の最適化
- カスタムレポートとダッシュボード作成
まとめ
AIOpsは、日本のIT業界において今後もその存在感を増していくことは間違いないでしょう。
本記事で説明したように、AI技術をIT運用に統合することで、ビジネスの効率化、問題解決の迅速化、そして運用コストの削減が可能になります。
AIOpsを理解し適切に活用することで、IT運用の新たな可能性が切り拓かれるかもしれません。
AIOpsを活用して、日々の業務における運用効率の向上とイノベーションの推進を目指しましょう。
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