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DevOpsにおけるセキュリティ課題と導入する5つのポイント


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DevOpsにおけるセキュリティ課題とは?

ソフトウェア開発(Dev)とIT運用(Ops)が連携してシステムを開発・運用することを指すDevOpsという手法には、いくつかのセキュリティ課題が存在します。

こちらでは、DevOpsに求められているセキュリティ課題について解説いたします。

情報漏洩などのセキュリティリスクへの対応が不十分

DevOpsを導入する目的の一つが、システム開発を迅速に行うことです。

パソコンやスマホの普及により、ITサービスを取り巻く環境は大きく変化しました。情報感度の高いユーザーが増加したことにより、品質の低いサービスやアップデートされないサービスが切り捨てられるまでのスピードが以前よりも格段に早くなったのです。

ユーザーにより良いITサービスを、迅速に提供することが第一とされる時代になりました。価値あるITサービスを生み出すために、開発者と運用者が手を取りシステム開発を行うDevOpsの導入が進められているのです。

しかし、開発効率やスピードばかりを求めてしまうと、情報漏洩などのセキュリティリスクへの対策が不十分になってしまいます。リリース時期を早めたり、スケジュールが流動的に変化することで、セキュリティに関する確認がきちんと行われず、リリース後に障害が発生するリスクが高まる恐れがあります。

ツールに重点を置き、プロセスを軽視してしまう

ソフトウェア開発では、リリース前にセキュリティ診断を行います。システムやネットワークのセキュリティ状況を評価するプロセスであるセキュリティ診断を行うことで、情報システムの脆弱性やセキュリティリスクを特定し、適切な対処を行うことが可能となります。

しかし、DevOpsでは短い期間でのリリースが求められる場合が多く、ソフトウェア改修も頻繁に実施されます。

すると、セキュリティ診断を行う担当者の作業負担が大きくなってしまいます。結果的に、ツールへの依存度が高まり、確認プロセスの軽視に繋がります。

DevOpsを導入する際は、開発効率やスピードだけでなく、セキュリティ面を考慮して設計する必要があるでしょう。

セキュリティチームからの文化的抵抗がある

DevOpsを導入する企業は増加傾向にあるものの、IT業界全体に浸透したとは言い切れない状況です。DevOpsに対する理解が低く、スムーズな導入が実現していない企業も多く存在しているでしょう。

特に、DevOpsにおいて協働する開発者と運用者は、ユーザーに価値を提供する手段が異なることから、連携が取れずに対立することも少なくありませんでした。そのため、開発チームの中に、DevOpsの導入に反発するメンバーがいる可能性も十分に考えられます。セキュリティチームとの連携を実現できなければ、セキュリティリスクが発生する恐れもあります。

DevOpsを導入することで、従来のやり方は大きく変化することとなります。マネージャーやリーダーにノウハウがなければ、開発と運用の双方から反発を招くこととなるでしょう。

特権アクセス管理が不十分

特権アクセス管理とは、通常のユーザーを超える特別なアクセス権または機能を持つIDを保護するための情報セキュリティです。DevOpsで使用される特権認証情報は、サイバー攻撃者の標的となります。

特権アクセス管理はDevOps環境における最大のセキュリティ課題の一つです。特権認証情報を取得した攻撃者は、機密性の高いデータベースやクラウド全体へのフルアクセス権など、重要度が高い情報を手に入れます。それらが悪用されると、暗号ジャックやデータ侵害、知的財産の破壊が引き起こされる恐れがあります。

DevOpsを導入する際は、特権アクセス管理を徹底する必要があるでしょう。

時間とコストが膨大

DevOpsのセキュリティ性を高めるには、時間とコストを要します。

DevOpsとは、開発効率とスピードを高め、リリース頻度を上げることが目的です。しかし、開発から運用までの一連の流れにセキュリティ対策が組み込まれると、効率やスピードは低下してしまいます。

また、セキュリティテストを実施する従業員の業務負担は増加し、人為的なミスを誘発する恐れも考えられます。

仕組みが複雑化する

開発から運用までのスピードや効率を高めることが目的であるDevOpsですが、セキュリティの高さを求めることで、業務の仕組みが複雑化することも考えられます。

DevOpsにおけるセキュリティ性を高める場合、要件定義からリリースまでの各工程でセキュリティテストを実施することになります。セキュリティテストの方法は工程ごとに異なる場合が多いため、一連の業務の流れは複雑化するでしょう。

また、セキュリティテストはシステム改修を行う際にも実施されます。するとやはり、セキュリティテストを行うチームの業務負担が大きくなってしまうのです。

DevOpsを導入する際は、セキュリティ性を高めるための仕組みについて、きちんと考慮する必要があるでしょう。

DevOpsセキュリティ(DevSecOps)とは?

次にDevOpsセキュリティについて解説いたします。

DevOpsとDevSecOpsの違いとは?

DevOpsセキュリティ(DevSecOps)とは、開発者と運用者が密に連携し、開発効率とスピードを高め、リリース頻度を上げるDevOpsという開発手法に、セキュリティを融合させたものです。DevOpsにセキュリティを融合させることで、セキュリティ性を高めつつ、システムの開発スピードを維持することができます。

DevOpsに求められていたセキュリティ課題を解決したものが、DevSecOpsです。

DevSecOpsの概要

DevSecOpsは、先ほど解説したように、DevOpsに求められていたセキュリティ課題を解決したものです。DevOpsという開発手法にセキュリティ性の高さを加えたことで、開発効率やスピード、リリース頻度を維持しつつ、セキュリティに関する不安を払拭することが可能となりました。

DevSecOpsの仕組み

DevSecOpsは、システム開発における「要件定義」「設計」「実装」「テスト」「リリース」「運用」の各工程において、脆弱性を組み込むリスクを低減するために、各工程に応じたセキュリティ対策をプロセスに組み込むことを指します。

各工程に応じたセキュリティテストや、ソフトウェア・コンポジション解析等を実施することで、DevOpsにおけるセキュリティ課題を解決しています。自動テストツールを使用することで、業務負担や混乱を最小限に抑えることができるでしょう。

また、運用後に脆弱性が検出された場合、迅速な対応ができるように事前に検出内容ごとの対策プランを明確化しておくことも重要です。

要件定義から運用までの一連の流れにおけるセキュリティ性能を保持することが、DevSecOpsなのです。

合わせて確認しておきたい「CI/CD」とは

CI/CDとは、日本語では継続的インティグレーション/継続的デリバリーと呼ばれています。アプリケーション開発の各ステージに自動化を導入し、顧客にアプリケーションを頻繁に提供できるようにする手法です。

CI/CDは、新規コードの統合によって生じる開発と運用の間の問題を解決します。また、統合・テストのフェーズからデリバリー、デプロイメントに至る、全体の流れを通じて、継続的な自動化と継続的な監視を実現することが可能です。このような流れは「CI/CD パイプライン」と呼ばれ、DevSecOpsにおける開発と運用による協業に役立てられています。

CI/CDによって業務の可視化と開発と運用間のコミュニケーション不足を解決することで、様々なセキュリティリスクの発生を軽減することが可能となります。

DevSecOpsを導入する場合は、CI/CDに関する知識が必須となるでしょう。

組織にDevSecOpsを導入するための5つのポイント

組織にDevSecOpsを導入するための5つのポイントを解説します。

セキュリティポリシーの策定とガバナンス適用

セキュリティに関する理解や知識量は人によって異なりますが、開発チームと運用チームが協業するDevSecOpsにおいては、認識を共通させる必要があります。

共通のセキュリティ認識を持つことで、リスク管理の徹底が行われるようになります。特にセキュリティチームとの連携は必須事項の一つです。

組織にDevSecOpsを導入するときには、チーム内にセキュリティポリシーの策定とセキュリティ管理に関するガバナンスを適用すると良いでしょう。

CI/CDプラクティスにセキュリティを統合

セキュリティ対策を可能な限り自動化することは、DevSecOpsを実現するうえで重要なポイントになります。

ソースコード変更を定期的にリポジトリにマージし、自動化されたビルドとテストを実行するCIと、リソース全体を自動化するCDの仕組みをセキュリティに取り込むことで、開発・運用のサイクルを無駄なく循環させることが可能となります。

最近は、CI/CDパイプラインに組み込む脆弱性テストを自動で行うツールも多数提供されています。DevSecOpsを導入する際は、ぜひCI/CDパイプラインにセキュリティ対策を統合する方法について検討してみてください。

セキュリティプロセスを自動化する

開発におけるプロセスにセキュリティ管理業務を組み込むと、必然的に、開発・運用の作業スピードや効率が低下してしまいます。DecSecOpsを実現するには、セキュリティ管理業務を自動化する必要があります。

DevSecOps向けの自動化ツールや、継続的なセキュリティ監視のためのツールの導入を積極的に行いましょう。

また、パスワードや証明書、APIキーなどのシークレットを定期的に自動で変更するなどの工夫をすることで、リスクの発生を抑えることができます。DevSecOpsを導入するときには、セキュリティリスクへの対策を徹底することが大切です。

開発者・オペレーター・セキュリティ関係者で役割を明確に分離する

DecSecOpsを導入するときは、協業する開発者・オペレーター・セキュリティ関係者とで役割を明確に分離することが重要です。

DecSecOpsにおけるミスやトラブルは、コミュニケーション不足や無断の業務介入によって発生する場合がほとんどです。素早いリリースや高頻度のソフトウェア改修を実施するうえで、開発チームと運用チーム間の連携が崩れていたら、セキュリティテストが十分に行われないことも考えられます。

それぞれが担当する業務を明確にすることで、チーム間の連携を保ちやすくなり、不測のミスを未然に防ぐことができます。DecSecOpsを導入する際は、チームごとの役割を明確化することを徹底すると良いでしょう。

特権アクセス管理でアクセス制御・モニタリング

DecSecOpsを導入する際は、特権アクセス管理を徹底する必要があります。特権認証情報は、サイバー攻撃者の標的になりやすく、侵入を許せば、さらに弱い認証を突破されたり、脆弱性を利用して管理者アカウントを乗っ取られてしまう恐れも考えられます。

甚大なセキュリティリスクが発生する原因の大半が、特権アクセス管理の不備に起因しています。パスワードや証明書などのシークレットを定期的に自動で変更したり、通常の使用パターンのベースラインを確立し、異常を即座に検出できるような体制を整えるなど、対策を実践することが重要です。

DevSecOpsを持続的に継続して文化を築くためのステップ

企業におけるDecSecOpsの導入を成功させるためのステップについて解説いたします。

協調性の重視

DecSecOpsの導入を成功させるためには、協調性を重視することが大切です。元々多くの企業では、開発チームと運用チームとの連携が上手く取れないことが理由で、対立することも少なくありませんでした。

両者の協業が求められるDecSecOpsでは、適切な連携が必須となります。コミュニケーション不足に陥らぬよう、チャットツールを活用したり、オープンな姿勢を評価の基準に加えるなどの工夫を凝らすことが大切です。

トップダウンではなくチームに権限と自律性を与える

DecSecOpsを導入する際は、トップダウンの体制にならないよう注意が必要です。DecSecOpsの継続的な成功を実現するためには、チームの一体感を強め、自主性を高めていくことが大切です。指示に従って業務をこなすだけでは、連携不足によって、チーム内の関係に亀裂が生じる恐れも考えられます。

チーム自体に決定権を与え、活発なコミュニケーションが生まれるような環境を整えましょう。

DevSecOpsを推進するリーダーを配置する

様々な企業で導入は進められているものの、DecSecOpsという方法に馴染みがない人も少なくありません。DecSecOpsを導入する際は、ノウハウを身につけたリーダーのサポートが必要です。

従来はまったく別のチームだった従業員同士の協業を成功させるには、リーダーが先導し、全体をまとめ上げることが大切です。また、セキュリティに関する認識を共有するためにも、チームに明確な指示を出す存在が必要となります。

DecSecOpsの導入を成功させるためには、業務を推進するためのリーダーを配置すると良いでしょう。

従業員教育への投資

DecSecOpsを成功させるためには、チーム全体のセキュリティに関する認識を共通させることも重要です。セキュリティチームだけでなく、開発や運用に関わる全員がセキュリティ意識を高めることで、セキュリティリスクを抑えることが可能となります。

企業はチームメンバーのセキュリティ認識を高めるべく、情報セキュリティ教育を実施するなどの投資を行うと良いでしょう。

まとめ

今回は、DevOpsをおけるセキュリティ課題と導入する際の5つのポイントについて解説してきました。

現代のIT業界で市場価値の高い製品を生み出すためには、DevOpsを導入することが非常に効果的です。DevOpsを導入して効率的にシステムを開発・運用することで、多くの人々の支持を得るような製品を開発することが可能となるでしょう。

しかし、DevOpsの導入を成功させるためには、チームメンバーのセキュリティに関する高い知識と理解が必要となります。DevOpsの導入を検討している場合は、セキュリティや情報リテラシーを高めるための投資を行うと良いでしょう。

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