プロジェクトマネージャーの転職方法|転職を成功させるコツをご紹介
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本記事が、皆様の参考になれば幸いです。
経験がまだ少ない方にもわかりやすく説明するために、初歩的な内容も記載しております。記事も長いので、実務経験豊富な方は、ぜひ目次から関心のある項目を選択してください。
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目次
はじめに
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの成功を司るキーパーソンであり、複雑化しつつある最近のIT系プロジェクトには必須の職業になっています。
本記事では、プロジェクトマネージャーがなぜ重要なのかを具体的に解説し、プロジェクトマネージメントの基本から応用までをわかりやすく紹介します。
プロジェクトマネージャーとしてのスキルを磨く方法、効果的なチーム運営、リスク管理のコツ、さらにはキャリアアップのための戦略までを学べるため、プロジェクトマネージメントに関わる全ての人にとって有益な情報が満載です。
現役のプロジェクトマネージャーのみならず、プロジェクトマネージャーを目指している方もぜひ最後までお付き合いください。
<この記事を読むとわかること>
- プロジェクトマネージャーの基本的な役割とその重要性
- 効果的なプロジェクト管理とチーム運営の方法
- プロジェクトリスクの管理と回避のテクニック
- プロジェクトマネージャーとしてキャリアアップするための戦略
他のプロジェクトマネージャーはどのくらい稼いでいるの?
プロジェクトマネージャー(通称PM)とは、プロジェクトの計画立案から実行、監視、終了に至るまでの全過程を統括し、プロジェクトが予定通りに、かつ効率的に進行するように管理する責任を持つ職業です。
現在では、IT関係のプロジェクトは昔よりもかなり複雑化してきており、求められる知識も広範に及んでいます。
そのため、腕のあるプロジェクトマネージャーはどこの企業からも引っ張りだこの状態です。
そんなITエンジニアの目標ともいえるプロジェクトマネージャーですが、一体どのくらい稼いでいるのでしょうか。
ここでは、エンジニア全体の平均年収をベースに、フリーランスと会社員の場合のプロジェクトマネージャーの平均年収について見ていきましょう。
エンジニア全体の平均年収
求人BOXのデータによると、ITエンジニア全体の平均年収は「約480万円」です。
ITエンジニアの仕事は非常に広範囲に渡るため、平均給与もかなり幅があります。
例えば、システムエンジニアとしての平均年収は「516万円」で、給与幅は「349万円から1,066万円」と非常に幅広いです。
ただし、平均年収に関しては、統計の取り方によって結果に大きな違いが出ることがあります。
加えて、職種や経験、地域などの要素によっても平均年収はかなり変わるため、一つのデータだけで全体像を捉えるのは難しいです。
そのため、本データはあくまでも参考の一つとして捉えてください。
フリーランスのプロジェクトマネージャーの場合
エンジニアスタイルの最新のデータによると、フリーランスのプロジェクトマネージャーの月額平均単価は「約80万円」です。
これを年収に換算すると、「約960万円」という結果でした。
エンジニア全体の平均年収と比較しても2倍以上の水準であり、全体的に高年収の職種であることがわかります。
単価の推移を見てみると、2020年9月の80万円から始まり、時には105万円(2023年5月)に達するなど、時間の経過と共に大きな変動が見られました。
しかし、全体的には安定しており最近は若干上振れ傾向です。
言語別の単価ランキングを見ると、AWKとHackが95万円でトップに立ち、その後にTypeScript、Ruby、Go言語が続くなど、特定の技術スキルに対する高い需要があることがわかります。
このことから、プロジェクトが大規模かつ複雑になってきており、特にWeb業界での専門知識がある人材の需要が高まっているといえそうです。
職種別の単価ランキングでは、プロジェクトマネージャーは80万円で「6位」にランクインしています。
ブロックチェーンエンジニアやITコンサルタントなど他の職種に比べるとやや低いものの、これでも十分に高い評価を受けているといえるでしょう。
会社員のプロジェクトマネージャーの場合
求人BOXの最新のデータによると、会社員のプロジェクトマネージャーの平均年収は「約641万円」です。
正社員の給料分布を詳しく見ると、多くのプロジェクトマネージャーが574万円から671万円の間に分布しており、平均年収の641万円もこの範囲内に含まれています。
そのため、給与のブレ幅も極めて少ない安定した年収が期待できるでしょう。
会社員のプロジェクトマネージャーとフリーランスのプロジェクトマネージャーの平均年収を比較すると、フリーランスの方が「約319万円」ほど高いという結果になりました。
ただし、フリーランスはプロジェクトによって収入が大きく変動する可能性があり、高収入を得るチャンスがある一方で、安定性には欠けます。
一方、会社員として働くプロジェクトマネージャーは、より安定した収入を享受できる可能性が高く、福利厚生や社会保険などのメリットも享受できますが、収入の上限が比較的制限される傾向にあります。
どちらを選ぶかは個人の考え次第ですが、より高い報酬を期待するのならフリーランスをおすすめします。
プロジェクトマネージャーの将来性
このように、非常に高い年収を期待できるプロジェクトマネージャーですが、その将来性についてはどうなのでしょうか。
近年では多くの仕事がAIによって奪われるなどと囁かれる中、将来まで安定した職業につきたいというのは人間の本能ともいえます。
ここでは、プロジェクトマネージャーの将来性を短期的な視点と週長期的な視点の2つの視点から考察していきます。
短期(1年~3年)
結論からいうと、プロジェクトマネージャーの短期的な将来性は非常に明るいです。
第一に、PMI(プロジェクトマネジメント協会)が2021年6月に発表した「PMI人材ギャップ・レポート」によれば、世界的な経済動向を鑑みて2030年までに2500万人の人材ギャップを埋めるためには、毎年230万人の新たなプロジェクトマネージャーが必要になるそうです。
これは、プロジェクトマネージャーへの需要が今後も継続的に高まることを示しています。
第二に、デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速が挙げられます。
多くの企業がビジネスプロセスのデジタル化に取り組んでおり、新たなテクノロジーの導入に伴うプロジェクトが増加しています。
これらのプロジェクトは複雑であり、成功させるには経験豊富なプロジェクトマネージャーの専門知識が必要不可欠です。
第三に、リモートワークや分散型チームの普及により、プロジェクトの管理が以前にも増して難しくなっています。
このような働き方の変化は、コミュニケーションや協働の課題を生み出しており、効果的に管理できるプロジェクトマネージャーへの需要は以前にも増して高まっているのです。
以上の点から、プロジェクトマネージャーの職は、短期的に見ても非常に有望なキャリアパスであり、今後数年間でその重要性はさらに増すと予想されます。
中長期
短期的に見れば、非常に将来性のあるプロジェクトマネージャーですが、長期的な視点から見てみると、いくつかの懸念点も存在します。
一つ目の懸念点は、人工知能(AI)やオートメーション技術の進化です。
これらの技術がプロジェクト管理のタスクを自動化し、より効率的に実行できるようになるにつれて、プロジェクトマネージャーの役割が変化する可能性があります。
例えば、スケジューリング、リソース割り当て、リスク管理などのタスクは、AIがより正確かつ迅速に処理できるようになるかもしれません。
これにより、プロジェクトマネージャーの仕事の内容が変わり、より戦略的な意思決定やクリエイティブな問題解決に重点を置く必要が出てくるでしょう。
二つ目の懸念点は、組織構造の変化による影響です。
多くの企業がフラットな組織構造を採用し、アジャイルやリーンといった柔軟なプロジェクト管理方法を導入しています。
これにより、従来の階層的な管理スタイルが薄れ、プロジェクトチームが自律的に作業を進めるようになるかもしれません。
この変化は、プロジェクトマネージャーの役割にとって、リーダーシップスタイルの再考や、チームメンバーとの協力を促進する新たなアプローチを必要とするかもしれません。
以上の点から、プロジェクトマネージャーとして長期的なキャリアを築くには、技術の進歩や組織の変化に適応し、自己のスキルセットを常に更新し続ける柔軟性が必要とされるでしょう。
プロジェクトマネージャーの転職方法
プロジェクトマネージャーは非常に将来性の高い職業なので、転職を考える人も非常に多いです。
では、プロジェクトマネージャーに転職するには、具体的にどのような方法があるのでしょうか。
ここでは、プロジェクトマネージャーへの転職方法をいくつかご紹介します。
自分で企業に問い合わせる
プロジェクトマネージャーに転職する方法の1つ目は、自分で企業に問い合わせてみることです。
このアプローチの最大のメリットは、自分のキャリアに合った具体的な企業やプロジェクトに直接アクセスできる点にあります。
また、自分から動くことで、モチベーションや情熱を直接伝える効果も期待できます。
IT業界はコミュニケーション能力を非常に重要視される業界なので、自ら積極的に動くことで転職成功の可能性をグッと向上させることができるでしょう。
転職エージェントを利用する
プロジェクトマネージャーに転職する2つ目の方法は、転職エージェントを利用することです。
転職エージェントの最大のメリットは、専門的なアドバイスやサポートを受けられる点にあります。
エージェントは市場の動向や各企業の内部情報に精通しており、自分のスキルや経験を活かせる職場を紹介してくれます。
また、履歴書の書き方や面接のコツなど、転職活動に関する具体的なアドバイスを受けることができるのも大きな利点です。
加えて、企業に直接アプローチするよりもスムーズに面接の機会を得られるので、費用対効果の面から見ても非常に現実的な選択といえるでしょう。
転職後のフォローアップも行っているエージェントも多いので、プロジェクトマネージャーに転職を考えている方は、まず転職エージェントに登録してみましょう。
転職エージェントについては以下の記事で詳しく紹介しているので、転職エージェント選びに迷ったらぜひ一度チェックしてみてください↓
求人サイトを利用する
プロジェクトマネージャーに転職する3つ目の方法は、求人サイトを利用することです。
求人サイトは転職活動において非常に有用なツールであり、特に多様な選択肢を探求したい場合に最適です。
大手の求人サイトでは、国内外の多数の企業がプロジェクトマネージャーの求人を出しています。そのため、自分の経験やスキルに合った仕事を、広範囲から選ぶことができます。
しかし、求人サイトといっても非常に数が多いので迷ってしまう方も多いでしょう。
「求人サイトに登録しすぎて毎日とんでもない数のメールが届く」
「案件や求人の数が多すぎて情報が整理できない」
こんな失敗を経験したことがある方も多いのではないでしょうか?
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エンジニア転職するなら知っておきたいこと
エンジニアに転職しようと考えている方にインタビューをすると、
「なんだか思っていたのと違った」
「転職するのが大変すぎて結局諦めてしまった」
という感想を良く聞きます。
確かに、日本のIT業界は世界の中でもかなり特殊な構造を持っていることも多いため、このような感想を抱いてしまう方が多いのも納得できます。
エンジニアへの転職を有意義にするためにも、以下に紹介することは事前に知っておきましょう。
転職活動の流れ
ITエンジニアに転職するには、まず転職活動の流れを一通り把握しておきましょう。
一般的な転職活動の流れは以下の通りです。
①自己分析と市場調査
自分のスキル、経験、強みを理解し、どのような職種や業界が適しているかを分析します。
同時に、市場のニーズや求人状況を調査し、自分のキャリアプランに合った業界や職種を見定めます。
②履歴書・職務経歴書の準備
効果的な履歴書と職務経歴書を作成します。
これらの書類は、自己PRや経験のアピールに非常に重要な役割を果たすので、具体的な成果やプロジェクトの詳細を盛り込むようにしましょう。
また、ITエンジニアの場合はこれに加えて「スキルシート」も準備することになります。
スキルシートの効果的な書き方は、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひあわせてお読みください↓
③求人の検索と応募
オンラインの求人サイト、転職エージェント、自分のネットワークなどを活用して、求人を探し応募します。
職種や業界、勤務地、給与などの条件に注目し、自分に合った求人を見つけましょう。
④面接の準備と実施
企業からの面接の機会を得たら、会社研究と自己紹介の準備を行います。
面接では、自分の経験やスキル、その職場でのビジョンを具体的に説明することが重要です。
「面接は準備で全てが決まる」ともいわれているので、できるだけ綿密に準備しておきましょう。
⑤内定と条件交渉
内定を受けたら、給与や働き方の条件について交渉することも可能です。
日本ではあまり一般的ではない風習ですが、特にIT業界では一般的になりつつあります。
転職後のミスマッチを防ぐためにも、条件交渉はしておくことをおすすめします。
条件に納得したら内定を受諾し、入社日などの詳細を決めましょう。
⑥退職手続きと新生活の準備
現在の職場を円滑に退職するためには、適切な退職手続きを行い、引継ぎを丁寧に行うことが大切です。
自分が築いてきた人脈を無駄にしないためにも、なるべく円満な退職を心がけましょう。
転職までにかかる時間は3〜6ヶ月が目安
転職活動にかかる時間は人によって違いがありますが、一般的に3〜6ヶ月が目安とされています。
その中でも最も時間を要するのが、適切な求人を見つけることと、複数の企業との面接プロセスです。
求人を探す際は、自分のスキルや経験に合致する仕事を見つけるために幅広い企業のリサーチが必要です。
また、求人サイトや転職エージェントを利用する場合、多くの案件から選択する過程で時間がかかることがあります。
面接の準備と実施も、転職活動において重要な時間を占める部分です。
各企業の面接プロセスは異なるため、1社あたり数週間から数ヶ月かかることもあります。
特に技術職の場合、複数回の技術面接や課題の提出が求められることが一般的です。
そのため、3〜6ヶ月という期間を目安に、計画的な転職活動を行うことを心がけて、なるべくストレスのない転職活動を目指しましょう。
年齢によって求められるスキルは変わる
「エンジニアになるなら⚪︎⚪︎を勉強しよう!」
エンジニアに関する転職サイトやメディアには、このような文言が非常に多いです。
確かに、特定のスキルが役立つことはあります。
例えば、Javaはその汎用性と普及率から必ずといっていいほど候補にあがるスキルですし、Web業界のエンジニアを目指すのならJava ScriptやPHPのスキルもよく候補にあがります。
しかし、これはあくまで大多数をターゲットにしたものであり、必ずしも全ての人に当てはまるわけではありません。
特に、エンジニアは年齢や経験によって求められるスキルも変化していきます。
例えば、若手エンジニアの場合、最新のプログラミング言語や技術トレンドに精通していることは前提スキルとして求められます。
一方、ミドルエイジのエンジニアには、プロジェクト管理やチームリーダーシップなどのソフトスキルや、長年の経験からくる深い専門知識が求められることが多いです。
シニアエンジニアともなると、業界知識やビジネスセンス、チームや部門を牽引するリーダーシップ能力がより重要視されます。
したがって、エンジニアとして転職を考える際は、年齢やキャリア段階に合わせて、どのスキルを磨くべきかを考慮することが重要です。
エンジニアが転職を成功させるコツ
エンジニアが転職を成功させるには一種の「コツ」のようなものがあります。
以下に紹介することは、上級エンジニアであれば必ず意識していることなので、ぜひ実践していきましょう。
実績を定量的に伝える
1つ目のコツは、実績をなるべく定量的に伝えることです。
エンジニアとしての転職活動において、過去の経験や成果を具体的な数字で表現することは非常に重要です。
例えば、プロジェクトでの成果を伝える際には、「売上を〇〇%向上させた」「処理速度を〇〇%改善した」などのように、自分の貢献を数字で示します。
これにより、面接官はあなたの実力を具体的かつ明確に理解することができます。
また、コーディングやシステム開発に関わるプロジェクトでは、「コードの最適化により処理速度を〇〇%短縮した」や「バグ発見率を〇〇%向上させた」といった成果も、数値で表現すると効果的です。
このように、自分の実績を定量的に表現することで、面接官に対して自己の実力と貢献度を明確にアピールすることができ、転職活動を有意に進めていくことができます。
キャリアアップの方向性を固めておく
2つ目のコツは、キャリアアップの方向性、またはキャリアプランを事前に固めておくことです。
エンジニアとして次のステップに進むためには、自分がどのような分野でスキルを伸ばし、どのようなポジションを目指すのか、明確な目標を持つことが重要です。
キャリアプランを固める際には、自分の興味や情熱を追求することはもちろん、市場の需要や将来性も考慮する必要があります。
例えば、クラウドコンピューティング、AI、データサイエンスなど、現在と将来を見据えた技術のトレンドを把握し、それらの分野でのスキルアップを目指すのも一つの方法です。
また、キャリアアップを目指す上で、技術だけでなく、プロジェクトマネジメントやチームリーダーとしての経験も重要になります。
これらのスキルは、より高いポジションで求められることが多く、キャリアの幅を広げる上で役立ちます。
自分のキャリアプランを固めたら、それを実現するために必要なスキルや経験をリストアップし、学ぶべきこと、経験すべきプロジェクトなどを明確にしましょう。
これは、採用側にとっても自社でその候補者をどのように成長させていくかのビジョンを描きやすくするため、非常に重要なポイントになります。
社外とのコネクションを作る
3つ目のコツは、社外とのコネクションを作ることです。いわゆる「人脈づくり」がエンジニアの転職には非常に有効です。
ITエンジニアというと専門職のイメージが強く、実力第一主義のようなイメージを持つ人も多いかと思いますが、IT業界は意外にも「横のつながり」が非常に強いです。
ITエンジニア専門メディア「レバテック」が実施した調査によると、IT業界では知人や友人からの紹介、いわゆるリファラル採用が非常に多い傾向にあります。
もちろん、一般的な求人メディアや転職エージェントによる紹介の比率が全体の約半分を占めてはいますが、リファラルの割合は全体の「14.8%」と、非常に高い数値を記録しています。
このことからも、エンジニアとしての転職を成功させるためには、社外とのコネクションが重要であることがわかります。
そのため、先述したように退職時にはできるだけ円満な退社を心がけることも非常に重要です。
今の時代は転職するより独立した方が安定する?
2010年代中盤から、日本でも「働き方改革」が積極的に導入され、昔よりもかなり柔軟に働けるようになってきました。
特にフリーランスとして独立して働く人は増えており、2020年以降は右肩上がりで増え続け、過去最高を更新し続けています。
つまり、昔であれば職場環境を変える手段は「転職」が一般的でしたが、現在では「独立」も十分に選択肢になっているということです。
ではなぜ、ここまでフリーランスとして独立する方が増えているのでしょうか。
以下に、その背景と理由についてご紹介します。
実は実務経験が2.3年あれば十分独立できる
フリーランスとして独立するためには、実務経験が2〜3年あれば意外と十分なことが多いです。
日本のIT業界では2〜3年程度の経験を持つ者を「経験者」と捉える傾向が高いです。
最近ではこの傾向は薄れつつありますが、いまだに根強い固定観念として存在しています。
そのため、この期間を目安にスキルアップと実務経験を積むことは、フリーランスとして成功するための重要なステップといえるでしょう。
では、実務経験2〜3年で応募できる案件にはどのような案件があるのでしょうか。
以下で、具体的な案件についてみていきましょう。
案件例①ヘルスケア業界のシステム統合におけるPM業務
この案件は、ヘルスケア業界No.1の社内システム統合構築を担当する案件です。
具体的な業務内容としては、事業部でExcelやSpread Sheetで管理運用している情報を最適化し、プロジェクト管理ツールであるBacklogで管理・運用していくことです。
また、部門間の管理情報をAPI連携して自動連携する仕組みの仕様検討や基本設計も行います。
つまり、データ管理の最適化とAPI設計のスキルが重要といえる案件と言えます。
必要なスキルとしては、ソフトウェア開発の理解、Backlog管理の経験、ユーザーストーリーの作成、ツールの使用経験が挙げられます。
これらのスキルを活かして、社内の情報管理を効率化し、事業部門との円滑な連携を実現することが求められます。
そのため、データ管理やAPI設計のスキルや経験がある方はぜひとも応募したい案件といえるでしょう。
報酬は単価80万円〜となっており、プロジェクトマネージャーの報酬としては平均的な水準です。
ただし、ヘルスケア業界のリーダー企業での勤務は、プロジェクトマネージャーとしてのキャリアにおいて大きなアセットとなるはずなので、今後のキャリア構築に有利になると感じるならば一考の価値はあるでしょう。
案件例②ポータルサイトの開発運用保守
この案件は、ポータルサイト開発運用保守を担当する案件です。
具体的な業務内容としては、仕様書の作成、調査、問い合わせ対応のほか、一部の実装やメンバーのスケジュール管理、エンジニアの案件レビュー、顧客との折衝などが含まれます。
つまり、技術的スキルとマネジメント能力の両方が重要といえる案件と言えます。
必要なスキルとしては、プロジェクトリーダー(PL)としての実務経験3年以上、PHPを用いた開発実務経験3年以上、FuelPHPやLaravelなどのPHPフレームワークの実務使用経験2年以上、MySQLを用いた開発実務経験3年以上、さらにAWSを用いた開発実務経験が挙げられます。
また、FuelPHPによる開発経験、Linuxを用いた開発経験、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)経験があるとなお良しです。
そのため、PHP開発とプロジェクトマネジメントの両方のスキルや経験がある方はぜひとも応募したい案件といえるでしょう。
報酬は単価90万円からとなっており、プロジェクトマネージャーの案件としては平均よりも少し高めです。
ただし、Web関係のキャリアを構築できるので、Web業界でのキャリアプランをお考えの方にとっては、ぜひとも挑戦したい案件といえるでしょう。
案件例③小売業のポイントサービスの統合プロジェクト
この案件は、大手小売業の各グループ会社毎に運用中のポイントサービスを統合するプロジェクト推進支援(ユーザー側PMO)を担当する案件です。
具体的な業務内容としては、ユーザー側のHDチームに参画し、各事業会社との折衝、プロジェクト推進を行うことが挙げられます。
これには、各事業会社または開発チーム等からのヒアリング、利害関係の整理、折衝業務、仮説立て、方針決定、各事業会社への説明、プロジェクト推進上のルールの策定、課題の整理、潰し込み、そしてシステム開発プロジェクトの管理と推進などが含まれます。
つまり、ステークホルダー間の調整能力とプロジェクト推進力が重要といえる案件です。
必要なスキルとしては、要件定義からリリースまでの一連の工程経験、ユーザー側でのプロジェクトマネジメントや推進の経験、複数のステークホルダーとの連携、調整をした経験が挙げられます。
これらのスキルを活かして、複雑な利害関係を持つ各事業会社間での折衝や、プロジェクトの円滑な進行を実現することが求められます。
そのため、高度なコミュニケーション能力とプロジェクトマネジメントスキルを持つ方はぜひとも応募したい案件といえるでしょう。
報酬は単価100万円からとなっており、かなり高水準の報酬帯です。
仕事に拘束される時間が減りインプットする時間を増やせる
今の時代、独立して仕事をすることの最大の魅力の一つは、仕事に拘束される時間が減り、自分自身の成長や学びに充てるインプットの時間を増やせる点にあります。
従来の雇用形態では、定時での勤務が基本であり、多くの時間をオフィスで過ごすことが求められていました。
しかし、フリーランスや独立した働き方では、自分の働く時間や場所を自由に選ぶことができ、効率的に仕事を進めることが可能です。
この柔軟性は、新しい技術や知識の習得、創造的なアイデアを思いつくためのインプットの時間を増やすことに直結します。
例えば、新しいプログラミング言語を学ぶ、最新のマーケティング戦略について研究する、あるいは自己啓発のための書籍を読む時間を確保することができます。
このようにして、自身のスキルや知識を常にアップデートし続けることで、市場価値を高め、より良い仕事の機会を引き寄せることができます。
仕事に拘束される時間が減り、自分のためにインプットする時間を増やせることは、独立の最大のメリットの一つといえるでしょう。
年収が大幅にアップする
独立してフリーランスとして働くことのもう一つの大きな魅力は、年収が大幅にアップする可能性があることです。
フリーランス協会が公表したデータによると、2020年度のフリーランス全体の平均収入では、年収400万円以上が54.6%という結果でした。
しかし、2023年度の最新の調査では、エンジニアや技術開発系のフリーランスに限定すると、約8割が年収400万円以上を達成していると報告されています。
このデータから、特に技術分野でのフリーランスは収入事情が良い傾向になりつつあることがわかります。
また、フリーランスとして働く場合、自分のスキルや経験、専門性を活かして直接クライアントと契約を結び、プロジェクト単位で仕事を受注します。
これにより、雇用される場合に比べて、実際の労働時間に対する報酬率が高くなる傾向があります。
加えて、複数のクライアントから同時にプロジェクトを受注することで収入源を多様化し、収入をアップさせることも可能です。
これらの理由から、今の時代においては、特に技術分野でのフリーランスとして独立することが、経済的な安定性を得る上で有効な手段の一つとなっています。
それでも独立するのが怖い人は副業で年収アップ!
このように、現在では独立するという選択肢も以前と比較すると格段に現実的になってきています。
しかし、やはり独立というと「失敗した時のリスクが怖い」というイメージは払拭しきれないでしょう。
このような人におすすめなのが「副業」という働き方です。
副業というと、終身雇用神話の強い日本では敬遠されがちでしたが、昨今では積極的に副業を支援する企業も増えてきました。
大手企業であっても、最近では副業を解禁する企業も増えてきており、独立するのが怖い人には非常におすすめの働き方です。
中でも、IT業界は人手不足が深刻ということもあり、副業ワーカーを積極的にプロジェクトに採用しています。
例えば、以下のような案件でも副業として始められるので、「独立するのは怖いけど収入は増やしたい!」という人は、ぜひ一度検討してみてください。
案件例:ECサイトのリニューアル
この案件は、ECサイトリニューアルプロジェクトの開発系PMを担当する案件です。
具体的な業務内容としては、要件定義から始まり、業務洗い出し、パッケージ製品とのFIT&GAP分析、画面機能定義、データ構造の設計、QA対応に加えて、受入試験、移行対応、そしてPM支援(PMO)まで多岐に渡ります。
つまり、プロジェクト全体の管理と品質保証の部分が要といえる案件です。
必要なスキルとしては、要件定義からPM支援(PMO)までの経験、発注側でのシステム導入経験、そしてPMまたはPLとしてプロジェクトを牽引した経験が挙げられます。
これらのスキルを活かして、ECサイトリニューアルプロジェクトを成功に導くために、技術的な知見と管理能力を駆使することが求められます。
報酬は単価80万円からとなっており、プロジェクトマネージャーとしては一般的な報酬といえますが、週2から週3の稼働でもOKなのは破格です。
ただし、副業可能とはいえ同時期に同じプロジェクトを引き受けるのはやめておきましょう。
プロジェクトマネージャーの業務はプロジェクトの根幹を担うことになるため、それ相応の責任も伴います。
それを認識した上で、プロジェクトに参画するかどうかを決めるのが賢明です。
まとめ
本記事では、プロジェクトマネージャーの重要性とその役割、効果的なプロジェクト管理とチーム運営の方法、リスク管理のテクニック、さらにキャリアアップの戦略について解説しました。
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの成功を確実にするための中心的な役割を担い、計画の立案から実行、監視、完了までのプロセス全体を統括することが求められます。
今後、デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速やリモートワークの普及など、新たな課題が生じることが予想されますが、これらの課題に対応する能力がプロジェクトマネージャーには求められるでしょう。
本記事が、プロジェクトマネージャーとしてキャリアアップを目指す上での参考になれば幸いです。
「エンジニアスタイルマガジン」では、今後もこういったエンジニアにとって役立つ情報を随時お届けいたします。
それでは、また別の記事でお会いしましょう。今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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