【エンジニア必見】スキルシートの書き方!案件を受注しやすいシートを作成しよう
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目次
はじめに
未経験のエンジニアが最初に行う業務は、ソフトウェアの開発でも新規アプリの開発でもありません。
特に、企業に所属するエンジニアならば、まず最初に担当するのが「スキルシート」の作成です。
スキルシートとは、エンジニアが案件を受注する際に欠かせない自己PRツールです。
本記事では、効果的なスキルシートの書き方とその重要性、職務経歴書や履歴書との違い、記入すべき内容、作成のコツ、注意点をわかりやすく解説します。
未経験や初心者の方でも理解できるように、専門的な用語は使わずにコンパクトにまとめているので、ぜひ最後までお読みください。
<この記事を読むとわかること>
- スキルシートがエンジニアにとってなぜ重要なのか
- スキルシートにどのような情報を記載すべきか
- 効果的なスキルシートを作成するためのコツ
- スキルシート作成時の重要な注意点
スキルシートとは
スキルシートとは、エンジニアやIT技術者が自分の技術や経験をまとめたレジュメ(履歴書の一種)です。
これを使って、仕事を探しているときに、どんな技術ができるのか、どんな仕事の経験があるのかを見せるために使います。
エンジニアがプロジェクトに参画する際に、ほとんどの場合で実施されるのが、プロジェクトの担当者たちとの「面談」です。
この事前面談を通して、担当者たちはエンジニアを評価し、プロジェクトへ参加させるかどうかを決定します。
そのため、スキルシートはエンジニアが自身の希望するプロジェクトに参加するためにも非常に重要な資料です。
一般的にはA4サイズの紙面でまとめるのが普通で、フリーランスや企業所属であっても必ず必要になってきます。
スキルシートを作成する重要性
「スキルシートは何回もよく読んで作り込め!」
恐らく初心者のエンジニアが、一番最初に先輩や営業担当から言われるのがこの言葉でしょう。
しかし、「なんでこんな紙切れ一枚が重要なんだろう?」と疑問に思うのではないでしょうか。
実は、スキルシートは非常に重要な役割を果たします。ここでは、スキルシートの重要性について細かく解説していきます。
営業資料である
スキルシートは一種の「ブランディング」であり、営業が案件を受注するための重要な営業資料です。
日本のIT業界というのはかなり独特な構造をしており、一つのプロジェクトに企業所属のエンジニアが何人も参画する「多重請負構造」をとっていることもあります。
SES(システムエンジニアリングサービス)に代表されるこの構造は、元々は人材不足や適材適所を促すために考案されたものでした。
しかし、時代が進むにつれて癒着の原因になったり、過度に複数の企業が一つのプロジェクトに集中することによって、コミュニケーションコストが増大していくことになります。
また、参画した下請け企業Aがさらに下請け企業Bと契約し、プロジェクトに下請け企業A所属のエンジニアとして参画するなど、かなりグレーゾーンでの契約がはびこりました。
そのため、「中間マージン」いわゆる「中抜き」の金額が増大し、エンジニアの給料に還元できないという問題にも発展しています。
現在では、ある程度この傾向は収まりつつありますが、なかなか今までの習慣をすぐに変えることはできません。
基本的に企業所属の下請けエンジニアは以下のような流れでプロジェクトに参画します。
<下請けエンジニアがプロジェクトに参画するまでの流れ>
- 営業が案件を獲得する
- 案件に合う人材を自社で見繕う
- スキルシートを使って営業が案件先に検討してもらう
- スキルシートを元に対面の面談を行う
- 合格すればプロジェクトに参画する
このような流れで企業所属のエンジニアはプロジェクトに参画することも多いです。
このため、スキルシートは営業資料として非常に重要な役割を果たします。
面談をスムーズに進行するもの
エンジニアがプロジェクトに参画するためには、プロジェクトの担当者または責任者たちとの「面談」を突破せねばなりません。
スキルシートは、この面談をスムーズに進行させるために必要不可欠な資料です。
実際の面談での流れは、まずビジネス的な名刺交換から始まり、雑談などをまじえながら席につきます。
その後、プロジェクト責任者から「では、スキルシートを説明してもらえますか?」と声をかけられるのが一般的です。
スキルシートの説明は営業担当が行うこともありますが、基本的にはエンジニア自身がスキルシートを用いながらプレゼンします。
プロジェクトの責任者たちは、このプレゼンの内容を評価し、エンジニアの「技術力」や「コミュニケーション能力」を判断するのです。
このように、面談はスキルシートをベースとして進行するので、スキルシートは面談をスムーズに進行させるためにも非常に重要な資料となります。
未然にミスマッチを減らすことができる
スキルシートは、ミスマッチを未然に防ぐ役割も果たします。
2000年代では、IT業界はよく「3K(キツイ、厳しい、帰れない)」とも称されることもありました。
現在では働き方改革も進み、以前ほど過酷な労働環境ではありませんが、特にプロジェクトの責任者たちは時間に追われることも多いです。
そのため、面談は複数のエンジニアをまとめて行うことも少なくありません。それほどプロジェクトの責任者たちには時間が無いのです。
この事実からもわかるように、プロジェクトの責任者たちはできるだけ面談の数を減らしたいというのが本音といえます。
スキルシートが詳細に書かれていれば、不要な面談を少なくでき、エンジニアにとっても自身に合わないプロジェクトのために時間を浪費することもありません。
このように、スキルシートにはミスマッチを減らす効果もあるのです。
職務経歴書や履歴書との違い
主な使用目的 | 含まれる内容 | 個人情報の記載 | |
履歴書 | 一般的な就職活動において、個人の基本情報を伝える | 個人情報(学歴、職歴、資格など) | 含む |
職務経歴書 | 具体的な職務経験とスキルを詳しく伝える | 具体的な業務内容、担当役割、達成した成果 | 通常は含まない |
スキルシート | フリーランスや技術職において、特定の技術スキルやプロジェクト経験を詳細に伝える | 資格、使用可能な言語、携わったプロジェクトなどのITスキルの詳細 | フォーマットによるが、含むこともある |
スキルシートはエンジニアにとって非常に重要な書類であることはご理解頂けたかと思います。
では、そもそも「職務経歴書」や「履歴書」とは何が違うのでしょうか。
まず、履歴書は、一般的な就職活動の際に使用される、個人の基本情報を伝えるための標準的な文書です。
主に、個人の学歴や職歴、資格などが記され、個人の経歴と背景を概観するためのものとして使われます。
これに対して、職務経歴書は履歴書と一緒に提出されることが多く、過去の職務における具体的な業務内容や担当した役割、成果など、より詳細な職務経験とスキルを伝えるための文書です。
職務経歴書には通常、個人情報の詳細(学歴や生年月日など)は通常含まれません。
そして、スキルシートは、フリーランスや副業、特にIT技術職の方々が使用する文書で、自身の技術的な能力や経験、携わったプロジェクトの詳細を具体的に記載します。
特定の技術スキルやプロジェクト経験をアピールするために特化した文書であり、職務経歴書や履歴書とは異なり、志望動機やパーソナルな情報を含まないことが一般的です。
簡単に言えば、履歴書は「誰であるか」を、職務経歴書は「何を経験してきたか」を、そしてスキルシートは「どのような技術的能力を持っているか」を伝えるために使用される文書です。
スキルシートに記入する内容
スキルシートに記入する内容は、各企業または個人によって若干違いがありますが、大抵の場合は以下の5点を中心に記載します。
- 生年月日などの基本的な個人情報
- 資格などのスキル
- これまで経験した言語などの技術
- 職務経歴・プロジェクト詳細
- 自己PR
また、企業に所属するエンジニアの場合は会社規定のものが準備されているはずなので、担当者に問い合わせましょう。
フリーランスや副業エンジニアの方は、ネットでスキルシートのフォーマットを検索すれば無料で入手することも可能です。
生年月日などの基本的な個人情報
多くの場合、スキルシートには基本的な個人情報を記入します。
<スキルシートに記載する主な個人情報>
- 名前
- 生年月日
- 年齢
- 住所
- 最終学歴
- 電話番号
- メールアドレス など
上記の個人情報を記入することになりますが、先述したようにスキルシートは履歴書ではありません。
そのため、全てを明確に記載する必要は基本的には無いです。
例えば、名前はイニシャルのみで良い場合もありますし、住所については通勤時間がわかれば良いので番地などまで記載する必要はありません。
同様に、電話番号も企業所属であれば、営業担当の電話番号または企業のオフィシャルの電話番号でもOKな場合も多いです。
スキルシートは基本的にA4の用紙1〜3枚にまとめることになるので、仮に紛失してしまった場合、セキュリティインシデントと判断されかねません。
この点は、しっかりと肝に銘じておきましょう。
資格などのスキル
スキルシートにおいて、資格などのスキルは非常に重要な項目です。
先ほどもいったように、基本的にプロジェクトの責任者はあまり時間がありません。そのため、資格を前提条件として考える傾向が強いです。
しかし、IT業界未経験者や初心者の方であれば、IT関連の資格をまだ取得していない方も多いでしょう。
その場合は、この項目に前職で培ったスキルやITに関係の無い資格もあわせて記入してしまうのもありです。
そもそも、日本ではIT人材が不足しているので、求める資格やスキルを全て持ち合わせているエンジニアは非常に稀です。
重要なのはこの項目で「どのように自分をアピールするか」です。
例えば、何も資格を取得していないのであれば、「保有資格無し」と書くよりも「ITIL ファンデーションを⚪︎月⚪︎日に受験予定」または「⚪︎⚪︎資格を取得するために学習中」と書いた方が見栄えは良いです。
ただし、「嘘」をつくのだけは厳禁です。
後の面談でこの点は詳細に問われることになるので、嘘と判断されれば所属企業や自身の信頼を大きく損ねてしまうことになりかねません。
プロジェクトに参画したい、または案件を受注したいがために、誇張することだけは絶対にやめておきましょう。
これまで経験した言語などの技術
スキルシートにおいて、これまで経験した言語などの技術のセクションも非常に重要です。
ここでは、具体的に自身が経験してきた技術領域を明確に記述します。
<スキルシートに記載する主な技術領域>
- プログラミング言語
- 開発環境
- データベース
- ツール
- フレームワーク など
また、できるだけ具体的な記載をすることもポイントの一つです。
例えば、プログラミング言語でJavaを使ったことがあるのなら、「Java」とだけ書くのではなく「Java(⚪︎年⚪︎月)」のように具体的な期間もあわせて記載しておきましょう。
こうすることでミスマッチや面談に通過する確率をグッとあげることができます。
未経験の技術領域についても、自己学習によりある程度の知識やスキルを習得している場合は、「学習中」や「対応可能」といった形で記載することも十分ありです。
これにより、新しい技術に対しても柔軟に対応できる潜在能力を持っていることを示すことができます。
職務経歴・プロジェクト詳細
続いて必要なのが、職務経歴または参画したプロジェクトの詳細です。
このセクションは、スキルシートにおいて自身の実務経験とプロジェクトでの具体的な成果を示す重要な部分になります。
主に、関わってきたプロジェクトの規模、性質、およびその中での自身の役割と貢献を詳細に記述しましょう。
執筆にあたっては、以下のポイントに注意することが重要です。
<職務経歴・プロジェクト詳細の項目のポイント>
説明 | |
プロジェクトの概要 |
・プロジェクトの目標、規模、期間を具体的に記載 ・経験したプロジェクトのタイプを明確に示す |
担当した役割 |
・各プロジェクトでの職務や責任範囲 ・プログラミング、システム設計、テスト運用など具体的な作業内容や工程を明確に記載 |
成果と貢献 |
・プロジェクトでの成果や貢献度 ・問題解決の方法や効率化、品質向上への寄与を具体的に記載 |
使用した技術やツール |
・プロジェクトで使用した技術やツールの詳細 ・技術スキルセットと経験の幅を記載 |
プロジェクトの成果 |
・プロジェクトの具体的な成果や成功指標 ・生産性の向上、コスト削減、ユーザー満足度の向上などを具体的に記載 |
このセクションを通じて、職務経歴が具体的かつ明確に示され、エンジニアとしての経験の豊富さと専門性が強調されます。
また、プロジェクトにおける役割と成果を雇用主やクライアントに対して、明確に伝える効果的な手段となるのでできるだけ綿密に記載しましょう。
自己PR
最後に必要なのが「自己PR」です。
就職活動を思い出すかもしれませんが、基本的にエンジニアは一つのプロジェクトに長期間従事するのは稀なので、一定期間が過ぎるごとに就職活動と似たようなプロセスを踏むことになります。
そのため、エンジニアにとって自己PRスキルも必須スキルの一つです。
自己PRが上手ければ上手いほど、自身の希望するプロジェクトに参画しやすくなり、理想的なキャリア構築にもつながります。
最初のうちはうまくいかないことの方が多いかもしれませんが、面談で出会った他のエンジニアの自己PRも参考にしても構いません。
とにかく、自身の「強み」を明確に言語化するスキルを磨いていきましょう。
スキルシートを作成する際の6つのコツ
スキルシートを作成する際には、一種の「コツ」があります。
少しでも受注しやすくするためにも、以下に紹介するポイントを押さえてスキルシートを作成しましょう。
①定量的な情報を記載する
1つ目のコツは、できるだけ具体的かつ定量的な情報を記載することです。
定量的な情報は、スキルや実績を数値や具体的な事例で表せるので、読み手に対して明確な理解を促すことができます。
とはいえ、「スキル」というものはそもそも定性的であり、なかなか定量的に表すのが難しいものでもあります。
それでも、工夫次第で定量的に見せることは可能です。
例えば、「チームワークが得意」とか「問題解決能力が高い」などの表現は、確かにスキルとして非常に重要ですが、具体的な数値や事例が伴わないため、その真価を評価するのが難しくなります。
この場合、「10人のチームでのプロジェクトマネジメント経験」、「生産性を20%向上させた」などの具体的な数値を記入するだけでもかなり説得力が増すのがわかるでしょう。
実際のプロジェクトでは、曖昧で定性的な表現が故にうまく情報伝達ができず、プロジェクトが炎上に繋がってしまうことも多いです。
そのため、スキルシートをチェックする担当者はこの部分をうまく数値化できているかどうかを入念にチェックします。
②言い切り型で記載する
2つ目のコツは、できるだけ「言い切り型」の文章を意識することです。
スキルシートでは、自信と明確さを持って自己をアピールすることが重要になってきます。
そのために、自己の能力や経験を確信をもって伝えるために言い切り型の表現は非常に効果的な方法です。
例えば、「可能であれば」とか「たぶん」といった表現を避け、自身の経験や能力について明確かつ具体的に述べるようにしましょう。
よりエンジニア的な表現でいえば、「⚪️⚪️していたので、プログラミングが得意」とか「⚪️⚪️という作業であれば、恐らく効率的に作業ができる」という表現は避けた方が賢明です。
この場合は、
「Javaによるソフトウェア開発に5年の経験があるため、プログラミングスキルは問題ありません」
「チームのプロジェクトリーダーとして、3つの大規模プロジェクトを成功に導いた経験があり、マネジメント業務は効率的に行えます」
といった表現の方が望ましいです。
③人間性も記載する
3つ目のコツは、人間性に関する情報も記載することです。
スキルシートは、技術的な能力や職務経歴を伝えるための文書ですが、それだけでなく、個人の人間性やキャラクターを伝えることも非常に重要といえます。
確かに、技術的なスキルは職務の遂行に必要不可欠ですが、職場における対人関係やチームでの協働、文化への適応能力も同様に重要な要素です。
意外に思われるかもしれませんが、IT業界の業務上でのトラブルは「人間関係」から引き起こされるものが非常に多いです。
明確な統計をとった訳ではありませんが、恐らく半分以上はもとをただせば人間関係、つまりコミュニケーショントラブルによるものでしょう。
また、最近では女性がIT業界で活躍することも多くなり、「セクハラ」によるトラブルも増えつつあります。
このような人間関係によるトラブルは、業務の進行を大幅に妨げ、プロジェクト全体の品質を損ねかねません。
それゆえ、「スキルよりも人間性を重視したい」というプロジェクト責任者は非常に多いです。
スキルシートを書く際は、できるだけ「自分が周囲と調和のとれる人間である」ことをさりげなくアピールするように心がけましょう。
④プロジェクトは最新のものから記載する
4つ目のコツは、プロジェクトは最新のものから記載することです。
一見当たり前のように思えますが、意外とできている人は少ないです。
面談ではスキルシートをA4サイズの用紙に印刷して持参します。
そのスキルシートをもとに面談は進行することになりますが、担当者が最も重視するのは「最新」のプロジェクトです。
つまり、古いプロジェクトが最初に目に入ってしまうと、担当者が最も知りたい情報を後回しにしてしまうことになってしまいます。
少し専門的な話になってしまいますが、これに関連する心理学的用語に「プライマシー効果」と「レセンシー効果」というものがあります。
プライマシー効果とは、リストや情報の初めの部分にあるアイテムがより良く記憶されるという現象です。
一方、レセンシー効果というのは、最後に提示された情報が短期記憶にまだ新鮮なため、思い出しやすくなるという現象です。
つまり、強いインパクトを与えるためには「重要な情報を最初と最後に伝える」、というのが最も効果的ということになります。
これをスキルシートに置き換えると、最新のプロジェクトに関する情報を最初に伝え、最後にもう一度最新のプロジェクトに言及する、という流れが望ましいといえるでしょう。
⑤定期的に情報を更新していく
5つ目のコツは、定期的に情報を更新することです。
この点についても当たり前のように思えますが、忘れがちな人が多い部分です。
前項でも述べたように、プロジェクトの担当者が最も重視するのは最新の情報です。
定期的に情報を更新していくクセをつければ、最も重要な情報を伝え忘れることもありません。
面談というのは、特に初心者であればあるほど非常に緊張するものです。
エンジニアでなくとも、就職活動や転職活動で必ず行う面接官との面接はかなり緊張するものです。
そのため、面接が終わった後に「アレを伝えるのを忘れてしまった!」とか「もっと重要なことを伝えるべきだった…。」と反省した経験がある方も多いのではないでしょうか。
このようなミスを防ぐためにも、スキルシートの情報は常に最新のものへ更新することを心がけましょう。
⑥第三者からアドバイスをもらう
最後のコツは「第三者からアドバイスをもらう」ということです。
第三者にアドバイスを求めることで、自分では気づかなかった視点や、改善点に気づくことができます。
ここでもわかりやすいように、就職活動や転職活動を例にとって考えてみましょう。
一般的な社会人であれば、企業に内定をもらうために何社もの企業に「エントリーシート」を送った経験があると思います。
このエントリーシートを書いていた際に、以下のようなことを感じたことはないでしょうか。
「なんでこんなに入念に書いているのにどこも受からないんだ…。」
「他に何の情報を追加すればいいのかわからない…。」
相当優秀な人であれば感じたことはないかもしれませんが、多くの人はこんな悩みを抱えながら就職・転職活動をするものです。
このような場合は、第三者に確認してもらうのが最も効果的です。
大抵の場合、考えすぎて入念に書いたスキルシートやエントリーシートというのは主観的になりすぎてしまい、客観性にかけてしまいます。
とはいえ、物事を客観的に捉えるというのは相当訓練が必要なビジネススキルです。
多くの人間はそんな高度なスキルは持ち合わせていないので、スキルシートを記入した後に必ず第三者にチェックしてもらうようにしましょう。
スキルシートを書く際の注意点
スキルシートを書く際には、いくつかの注意点も存在します。
「注意点」といっても非常に簡単なことなので、スキルシートを書き終わった後に、以下に紹介する注意点に該当していないか必ずセルフチェックしてください。
直近のプロジェクト経験を詳しく書く
スキルシートを書く際には、直近のプロジェクト経験の項目はできるだけ詳しく記載しましょう。
何度も言いますが、プロジェクトの責任者が最も重視するのは最新の情報です。
そのため、基本的に面談で最も時間を割いて聞かれるのも直近のプロジェクトの詳細になります。
特に、未経験や初心者のエンジニアであればあるほど、直近のプロジェクトの情報は厚めに記載することが重要です。
なぜなら、大抵の場合、若手エンジニアが最初に担当する業務というのはマニュアルに沿って進めるものが多いからです。
例えば、システムの運用・監視系のプロジェクトであれば、多くの場合トラブル発生時のマニュアルが準備されており、エンジニアとしてのスキルを活かせる局面は多くありません。
「エンジニアは2〜3年からが経験者」
とよく言われる理由は、この点によるところが大きいです。
もちろん、中にはエンジニアとしてのスキルをふんだんに活かせるプロジェクトもありますが、残念ながら大手企業の案件であればあるほどこの傾向は強いです。
つまり、スキルシートを書く際にはできるだけエンジニアとしての力量が試される経験を中心に記載していきましょう。
クライアントの企業名を書く際に注意する
スキルシートを書く際に絶対にやってはいけないことが、「クライアントの企業名を丸々書いてしまう」ことです。
主な理由は、機密性の保持とプライバシーの観点からです。
多くのビジネス契約には機密保持条項が含まれており、クライアント企業の情報を第三者に公開することは契約違反になる可能性があります。
また、特定のクライアント企業名を公表することは、その企業のビジネスやプライバシーに影響を及ぼす可能性があり、不適切な情報公開とみなされかねません。
特にIT業界では、小さなセキュリティインシデントが重大な損失につながるリスクがあります。
例えば、仕事が終わらないからといって持ち出し厳禁の資料を自宅に持ち帰り、その後紛失してしまう事例は非常に多いセキュリティインシデントの一つです。
この時点で、どのような理由であれ基本的には「一発退場」、つまりプロジェクトから外されることになります。
最悪の場合、企業側に賠償を請求され、即刻クビになる可能性も十分にあります。
つまり、IT業界というのはセキュリティが生命線なのです。
スキルシートに企業の正式名称を書くというのは、それだけでセキュリティに対する意識が低いと判断されてしまいます。
そのため、自分が所属していたプロジェクトの企業名を書く際は「某〇〇系企業」といったように、正式名称を記載することは避けましょう。
まとめ
本記事では、エンジニアにとって非常に重要なツールであるスキルシートの作成方法について詳しく解説しました。
スキルシートは単なる履歴書以上のものであり、エンジニアのスキルや経験、人間性を総合的に示すことで、案件受注の可能性を大きく高めることができます。
本編では紹介しきれませんでしたが、最近ではスキルシートもデジタル化しつつあります。
とはいえ、書面であろうがデジタルであろうが、本記事で紹介した内容が重要であることには変わりありません。
本記事を通じて得られた知識を活かして、自身のスキルと経験を効果的にアピールするスキルシートを作成し、エンジニアとしての更なる成功に役立てていただければ幸いです。
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