組み込み・制御エンジニアの転職方法|転職を成功させるコツをご紹介
はじめまして、エンジニアスタイル編集部です!
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本記事が、皆様の参考になれば幸いです。
経験がまだ少ない方にもわかりやすく説明するために、初歩的な内容も記載しております。記事も長いので、実務経験豊富な方は、ぜひ目次から関心のある項目を選択してください。組み込み・制御エンジニアの案件の一例と、案件一覧を以下からご覧いただけますのであわせてご確認ください。
目次
はじめに
組込み・制御エンジニアは、AIやIoTの発展とともに、今日ではIT業界で最も注目されている職種の一つです。
本記事では、そんな組込み・制御エンジニアの転職市場の現状、将来性、そして転職を成功させるためのコツを、初心者でも理解できるようにわかりやすく解説します。
最後までお読みいただければ、転職活動の不安を解消し、キャリアアップの道筋を明確にすることができるでしょう。
転職を考えている組込み・制御エンジニアの方はもちろん、キャリアアップに興味がある方にとって、必読の情報が満載なのでぜひ最後までお付き合いください。
<この記事を読むとわかること>
- 組込み・制御エンジニアの平均年収と市場価値
- 短期から中長期にかけての組込み・制御エンジニアの需要と将来性
- 効果的な転職方法と転職活動の流れ
- 転職を成功させるための具体的なコツと戦略
他の組込み・制御エンジニアはどのくらい稼いでいるの?
組込み・制御エンジニアとは、特定の機能を持つ製品やシステムのために、ソフトウェア(プログラム)とハードウェア(物理的な部品)を組み合わせて設計・開発する専門職です。
家電製品から自動車、医療機器、産業用ロボットに至るまで、日常生活や産業界で広く利用されている多くの技術に必須の職業でもあります。
近年では、IoT(モノのインターネット)の普及、自動化技術の進展、そしてスマートデバイスの増加により、急激に需要が伸びつつある注目の職種の一つです。
では、組込み・制御エンジニアはどのくらい稼いでいるのでしょうか?
本項では、組込み・制御エンジニアの収入をエンジニア全体の平均年収をベースに、フリーランスと会社員の場合の2つの働き方で比較していきます。
エンジニア全体の平均年収
求人BOXのデータによると、ITエンジニア全体の平均年収は「約480万円」です。
ITエンジニアの仕事は非常に広範囲に渡るため、平均給与もかなり幅があります。
例えば、システムエンジニアとしての平均年収は「516万円」で、給与幅は「349万円から1,066万円」と非常に幅広いです。
ただし、平均年収に関しては、統計の取り方によって結果に大きな違いが出ることがあります。
加えて、職種や経験、地域などの要素によっても平均年収はかなり変わるため、一つのデータだけで全体像を捉えるのは難しいです。
そのため、本データはあくまでも参考の一つとして捉えてください。
フリーランスの組込み・制御エンジニアの場合
エンジニアスタイルの2024年2月時点での最新データによると、フリーランスの組込み・制御エンジニアの月額平均単価は「約63万円」です。
年収換算にすると、「約756万円」という結果でした。エンジニア職全体の中だと「24位」にランクインしています。
約4年間の単価推移をみてみると、2020年9月の平均単価は68万円であり、その後若干の変動を経て、2024年2月の時点で65万円に落ち着いています。
このことから、常に安定した需要がある職業であることがわかります。
言語別の単価ランキングに関しては、Go言語が80万円で最も高く、次いでKotlin、C#がそれぞれ67万円、66万円で続いています。
このことから、大規模な分散システム、クラウドサービス、マイクロサービス、モバイルアプリケーション(特にAndroid)、クロスプラットフォーム開発の需要が増加していることがわかりました。
会社員の組込み・制御エンジニアの場合
求人BOXの最新のデータによると、会社員の組込み・制御エンジニアの平均年収は「約548万円」です。
これは、フリーランスの組込み・制御エンジニアの平均年収と比較すると「約208万円」ほど低い結果になります。
ただし、会社員として働く組込み・制御エンジニアには、フリーランスにはないいくつかのメリットもあることは忘れてはなりません。
具体的には、健康保険や雇用保険、そして退職金制度など、長期的なキャリアを通じて安心して働ける環境が整っています。
また、企業に所属することで、チームでのプロジェクトに参加し、協力して作業を進める機会が増えるため、スキルの向上やキャリアアップの道も広がります。
さらに、定期的な研修や資格取得のサポートも受けられる場合が多く、専門性を深めることも可能です。
一方で、収入の不安定さや、自己管理の必要性、健康保険や年金などの社会保障の自己負担が大きくなる点はデメリットとして考えられます。
結局のところ、会社員としての組込み・制御エンジニアか、フリーランスとして独立するかは、個々のライフスタイルやキャリアに対する価値観、そして求める収入や安定性によって大きく異なります。
どちらの働き方もそれぞれにメリットとデメリットがあり、自分にとって最適なキャリアパスを選択することが重要です。
組込み・制御エンジニアの将来性
「組込み・制御エンジニアはキツいからやめとけ」
組込み・制御エンジニアをネットで検索するとこのような意見が目立ちます。
確かに、組込み・制御エンジニアは一般的なエンジニアと違って、ソフトウェアのみならずハードウェアの知識も必要です。
また、その性質上厳しい納期やスケジュールに対応せねばならない場合も多くあります。そのため、途中で諦めてしまう方が多いのも事実です。
そんな厳しい一面もある組込み・制御エンジニアですが、将来性についてはどうなのでしょうか。
ここでは、組込み・制御エンジニアの将来性について、短期的な視点と中長期的な目線の2つの視点から考察していきましょう。
短期(1年~3年)
組込み・制御エンジニアの短期的(約1〜3年)な将来性は、結論からいうと、非常に明るいです。
その理由は、IoTの市場が堅調に伸び続けており、今後も爆発的に需要が伸びるAI領域において、組込み・制御エンジニアの役割が非常に重要だからです。
IDC Japanの最新の調査報告書によると、国内IoT市場におけるユーザー支出額は2022年の実績で6兆818億円であり、2027年までの予測では年間平均成長率(CAGR)8.6%で成長し、2027年には9兆1,877億円に達すると予測されています。
また、総務省の情報通信白書によると、日本国内のAI市場規模は2022年に3,883億6,700万円(前年比35.5%増)であり、2027年には1兆1,034億7,700万円まで拡大すると予測されています。
IoTとAIの市場が堅調に伸びていることは、組込み・制御エンジニアにとって大きなチャンスです。
これらの技術は、製品やサービスをより賢く、効率的にするために不可欠であり、その実現には組込み・制御エンジニアリングの専門知識が求められます。
特に、高度なセンサー技術、データ処理、通信技術を組み合わせたソリューションの開発は、組込み・制御エンジニアの専門領域に直接関連しています。
さらに、労働時間規制の強化による人手不足の影響が強まっている物流や医療分野で、業務効率化を図るIoTソリューションへの需要が高まっている点も、組込み・制御エンジニアにとっては有利な動向です。
これらの分野で効率化や自動化を進めるためには、組込みシステムの設計と開発が不可欠であり、そのニーズは今後も増え続けると考えられます。
結論として、組込み・制御エンジニアの短期的な将来性は、IoTとAIの市場の成長に伴い、非常にポジティブな展望が予想されるでしょう。
中長期
組込み・制御エンジニアは、中長期的な視点から見ても非常に有望な将来性が望めます。
前項でも言及したように、AI関連市場が今後も爆発的に成長していくことに、もはや議論の余地はありません。
そのAIにとって命とも言えるのが「GPU」です。実は、GPUと組込み・制御エンジニアというのは非常に関係性が深いのです。
GPUは、もともとはビデオゲームのグラフィックス処理のために開発されましたが、その強力な並列処理能力がAIや機械学習の計算に非常に適していることがわかりました。
このため、AIの研究開発や実用化が進むにつれ、GPUの需要も大きく伸びています。
例えば、今年2月21日にGPU製造の世界最大手「NVIDIA」の純利益が、前年度比8.7倍という驚異的な数値を記録したことは大きなニュースとなりました。
組込み・制御エンジニアは、このようなGPUを利用したシステムの設計や開発に関わることが多く、特にAIを組み込んだ製品やサービスが増える中で、その需要はさらに高まっています。
また、メタバースなどに代表されるWeb3.0時代を迎えつつある昨今、大規模なデータセンターが世界的に増えつつあります。
例えば、メタバース企業として有名なMeta社(旧Facebook)は、自社のメタバース構想を支えるために、世界中に複数の大規模データセンターを建設を予定しています。
これらのデータセンターでは、膨大な量のデータ処理やAI計算が行われるため、高度な組込みシステムや制御技術が不可欠です。
このように、AIの発展やメタバースの普及といった最先端の技術動向が、組込み・制御エンジニアの重要性を一層高めており、中長期的に見ても需要は伸び続けるでしょう。
組込み・制御エンジニアの転職方法
組込み・制御エンジニアは非常に将来性の高い職業なので、転職を考える人も非常に多いです。
では、組込み・制御エンジニアに転職するには、具体的にどのような方法があるのでしょうか。
ここでは、組込み・制御エンジニアへの転職方法をいくつかご紹介します。
自分で企業に問い合わせる
組込み・制御エンジニアに転職する方法の1つ目は、自分で企業に問い合わせてみることです。
このアプローチの最大のメリットは、自分のキャリアに合った具体的な企業やプロジェクトに直接アクセスできる点にあります。
また、自分から動くことで、モチベーションや情熱を直接伝える効果も期待できます。
IT業界はコミュニケーション能力を非常に重要視される業界なので、自ら積極的に動くことで転職成功の可能性をグッと向上させることができるでしょう。
転職エージェントを利用する
組込み・制御エンジニアに転職する2つ目の方法は、転職エージェントを利用することです。
転職エージェントの最大のメリットは、専門的なアドバイスやサポートを受けられる点にあります。
エージェントは市場の動向や各企業の内部情報に精通しており、自分のスキルや経験を活かせる職場を紹介してくれます。
また、履歴書の書き方や面接のコツなど、転職活動に関する具体的なアドバイスを受けることができるのも大きな利点です。
加えて、企業に直接アプローチするよりもスムーズに面接の機会を得られるので、費用対効果の面から見ても非常に現実的な選択といえるでしょう。
転職後のフォローアップも行っているエージェントも多いので、組込み・制御エンジニアに転職を考えている方は、まず転職エージェントに登録してみましょう。
転職エージェントについては以下の記事で詳しく紹介しているので、転職エージェント選びに迷ったらぜひ一度チェックしてみてください↓
求人サイトを利用する
組込み・制御エンジニアに転職する3つ目の方法は、求人サイトを利用することです。
求人サイトは転職活動において非常に有用なツールであり、特に多様な選択肢を探求したい場合に最適です。
大手の求人サイトでは、国内外の多数の企業が組込み・制御エンジニアの求人を出しています。そのため、自分の経験やスキルに合った仕事を、広範囲から選ぶことができます。
しかし、求人サイトといっても非常に数が多いので迷ってしまう方も多いでしょう。
「求人サイトに登録しすぎて毎日とんでもない数のメールが届く」
「案件や求人の数が多すぎて情報が整理できない」
こんな失敗を経験したことがある方も多いのではないでしょうか?
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エンジニア転職するなら知っておきたいこと
エンジニアに転職しようと考えている方にインタビューをすると、
「なんだか思っていたのと違った」
「転職するのが大変すぎて結局諦めてしまった」
という感想を良く聞きます。
確かに、日本のIT業界は世界の中でもかなり特殊な構造を持っていることも多いため、このような感想を抱いてしまう方が多いのも納得できます。
エンジニアへの転職を有意義にするためにも、以下に紹介することは事前に知っておきましょう。
転職活動の流れ
ITエンジニアに転職するには、まず転職活動の流れを一通り把握しておきましょう。
一般的な転職活動の流れは以下の通りです。
①自己分析と市場調査
自分のスキル、経験、強みを理解し、どのような職種や業界が適しているかを分析します。
同時に、市場のニーズや求人状況を調査し、自分のキャリアプランに合った業界や職種を見定めます。
②履歴書・職務経歴書の準備
効果的な履歴書と職務経歴書を作成します。
これらの書類は、自己PRや経験のアピールに非常に重要な役割を果たすので、具体的な成果やプロジェクトの詳細を盛り込むようにしましょう。
また、ITエンジニアの場合はこれに加えて「スキルシート」も準備することになります。
スキルシートの効果的な書き方は、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひあわせてお読みください↓
③求人の検索と応募
オンラインの求人サイト、転職エージェント、自分のネットワークなどを活用して、求人を探し応募します。
職種や業界、勤務地、給与などの条件に注目し、自分に合った求人を見つけましょう。
④面接の準備と実施
企業からの面接の機会を得たら、会社研究と自己紹介の準備を行います。
面接では、自分の経験やスキル、その職場でのビジョンを具体的に説明することが重要です。
「面接は準備で全てが決まる」ともいわれているので、できるだけ綿密に準備しておきましょう。
⑤内定と条件交渉
内定を受けたら、給与や働き方の条件について交渉することも可能です。
日本ではあまり一般的ではない風習ですが、特にIT業界では一般的になりつつあります。
転職後のミスマッチを防ぐためにも、条件交渉はしておくことをおすすめします。
条件に納得したら内定を受諾し、入社日などの詳細を決めましょう。
⑥退職手続きと新生活の準備
現在の職場を円滑に退職するためには、適切な退職手続きを行い、引継ぎを丁寧に行うことが大切です。
自分が築いてきた人脈を無駄にしないためにも、なるべく円満な退職を心がけましょう。
転職までにかかる時間は3〜6ヶ月が目安
転職活動にかかる時間は人によって違いがありますが、一般的に3〜6ヶ月が目安とされています。
その中でも最も時間を要するのが、適切な求人を見つけることと、複数の企業との面接プロセスです。
求人を探す際は、自分のスキルや経験に合致する仕事を見つけるために幅広い企業のリサーチが必要です。
また、求人サイトや転職エージェントを利用する場合、多くの案件から選択する過程で時間がかかることがあります。
面接の準備と実施も、転職活動において重要な時間を占める部分です。
各企業の面接プロセスは異なるため、1社あたり数週間から数ヶ月かかることもあります。
特に技術職の場合、複数回の技術面接や課題の提出が求められることが一般的です。
そのため、3〜6ヶ月という期間を目安に、計画的な転職活動を行うことを心がけて、なるべくストレスのない転職活動を目指しましょう。
年齢によって求められるスキルは変わる
「エンジニアになるなら⚪︎⚪︎を勉強しよう!」
エンジニアに関する転職サイトやメディアには、このような文言が非常に多いです。
確かに、特定のスキルが役立つことはあります。
例えば、Javaはその汎用性と普及率から必ずといっていいほど候補にあがるスキルですし、Web業界のエンジニアを目指すのならJava ScriptやPHPのスキルもよく候補にあがります。
しかし、これはあくまで大多数をターゲットにしたものであり、必ずしも全ての人に当てはまるわけではありません。
特に、エンジニアは年齢や経験によって求められるスキルも変化していきます。
例えば、若手エンジニアの場合、最新のプログラミング言語や技術トレンドに精通していることは前提スキルとして求められます。
一方、ミドルエイジのエンジニアには、プロジェクト管理やチームリーダーシップなどのソフトスキルや、長年の経験からくる深い専門知識が求められることが多いです。
シニアエンジニアともなると、業界知識やビジネスセンス、チームや部門を牽引するリーダーシップ能力がより重要視されます。
したがって、エンジニアとして転職を考える際は、年齢やキャリア段階に合わせて、どのスキルを磨くべきかを考慮することが重要です。
エンジニアが転職を成功させるコツ
エンジニアが転職を成功させるには一種の「コツ」のようなものがあります。
以下に紹介することは、上級エンジニアであれば必ず意識していることなので、ぜひ実践していきましょう。
実績を定量的に伝える
1つ目のコツは、実績をなるべく定量的に伝えることです。
エンジニアとしての転職活動において、過去の経験や成果を具体的な数字で表現することは非常に重要です。
例えば、プロジェクトでの成果を伝える際には、「売上を〇〇%向上させた」「処理速度を〇〇%改善した」などのように、自分の貢献を数字で示します。
これにより、面接官はあなたの実力を具体的かつ明確に理解することができます。
また、コーディングやシステム開発に関わるプロジェクトでは、「コードの最適化により処理速度を〇〇%短縮した」や「バグ発見率を〇〇%向上させた」といった成果も、数値で表現すると効果的です。
このように、自分の実績を定量的に表現することで、面接官に対して自己の実力と貢献度を明確にアピールすることができ、転職活動を有意に進めていくことができます。
キャリアアップの方向性を固めておく
2つ目のコツは、キャリアアップの方向性、またはキャリアプランを事前に固めておくことです。
エンジニアとして次のステップに進むためには、自分がどのような分野でスキルを伸ばし、どのようなポジションを目指すのか、明確な目標を持つことが重要です。
キャリアプランを固める際には、自分の興味や情熱を追求することはもちろん、市場の需要や将来性も考慮する必要があります。
例えば、クラウドコンピューティング、AI、データサイエンスなど、現在と将来を見据えた技術のトレンドを把握し、それらの分野でのスキルアップを目指すのも一つの方法です。
また、キャリアアップを目指す上で、技術だけでなく、プロジェクトマネジメントやチームリーダーとしての経験も重要になります。
これらのスキルは、より高いポジションで求められることが多く、キャリアの幅を広げる上で役立ちます。
自分のキャリアプランを固めたら、それを実現するために必要なスキルや経験をリストアップし、学ぶべきこと、経験すべきプロジェクトなどを明確にしましょう。
これは、採用側にとっても自社でその候補者をどのように成長させていくかのビジョンを描きやすくするため、非常に重要なポイントになります。
社外とのコネクションを作る
3つ目のコツは、社外とのコネクションを作ることです。いわゆる「人脈づくり」がエンジニアの転職には非常に有効です。
ITエンジニアというと専門職のイメージが強く、実力第一主義のようなイメージを持つ人も多いかと思いますが、IT業界は意外にも「横のつながり」が非常に強いです。
ITエンジニア専門メディア「レバテック」が実施した調査によると、IT業界では知人や友人からの紹介、いわゆるリファラル採用が非常に多い傾向にあります。
もちろん、一般的な求人メディアや転職エージェントによる紹介の比率が全体の約半分を占めてはいますが、リファラルの割合は全体の「14.8%」と、非常に高い数値を記録しています。
このことからも、エンジニアとしての転職を成功させるためには、社外とのコネクションが重要であることがわかります。
そのため、先述したように退職時にはできるだけ円満な退社を心がけることも非常に重要です。
今の時代は転職するより独立した方が安定する?
2010年代中盤から、日本でも「働き方改革」が積極的に導入され、昔よりもかなり柔軟に働けるようになってきました。
特にフリーランスとして独立して働く人は増えており、2020年以降は右肩上がりで増え続け、過去最高を更新し続けています。
つまり、昔であれば職場環境を変える手段は「転職」が一般的でしたが、現在では「独立」も十分に選択肢になっているということです。
ではなぜ、ここまでフリーランスとして独立する方が増えているのでしょうか。
以下に、その背景と理由についてご紹介します。
実は実務経験が2.3年あれば十分独立できる
フリーランスとして独立するためには、実務経験が2〜3年あれば意外と十分なことが多いです。
日本のIT業界では2〜3年程度の経験を持つ者を「経験者」と捉える傾向が高いです。
最近ではこの傾向は薄れつつありますが、いまだに根強い固定観念として存在しています。
そのため、この期間を目安にスキルアップと実務経験を積むことは、フリーランスとして成功するための重要なステップといえるでしょう。
では、実務経験2〜3年で応募できる案件にはどのような案件があるのでしょうか。
以下で、具体的な案件についてみていきましょう。
案件例①Pythonを利用したROSソフトウェア開発
この案件は、医療ロボや作業ロボなどROSを使用して作動するロボットのソフトウェア開発を担当する案件です。
ROS(Robot Operating System)とは簡単にいえば、ロボット開発に必要なフレームワークを提供するオープンソースのプラットフォームです。
様々なロボットの開発において再利用可能なコードのライブラリやツールが豊富にあり、ロボット開発の効率化を図れます。
具体的な業務内容としては、主にLinux環境上で、C++(一部Pythonを使用)を用いたロボットのソフトウェア開発です。
必要なスキルとしては、組込みLinux環境におけるC++での開発経験と、Pythonでの開発経験です。
なぜこれらのスキルがこの案件に必要かというと、Linux環境での開発経験は、組込みシステムにおける基本的なソフトウェア開発やデバッグ作業を効率的に行うために不可欠だからです。
また、C++は高性能なシステム開発に広く利用される言語であり、Pythonは柔軟性と開発速度の面で優れているため、これらの言語を駆使することで、ROSを利用したロボットソフトウェアの開発を効率的に進めることができます。
そのため、組込みLinux環境での開発経験とC++、Pythonのスキルや経験がある方はぜひとも応募したい案件といえるでしょう。
報酬は単価50万円〜となっており、一般的な組込み・制御エンジニアよりは低い水準ですが、非常に需要の高い分野の案件なので、交渉次第では更なる報酬が規定できるでしょう。
案件例②C/C++を利用したインクジェット複合機のプログラム開発
この案件は、インクジェット複合機の動作に必要となるプログラムの開発を担当する案件です。
具体的な業務内容としては、主に画像処理周りのプログラム開発に加え、実機による動作確認を主に担当します。
また、お客様からの要求ヒアリングも担当することになるので、コミュニケーション能力は特に重要視されるでしょう。
必要なスキルとしては、C++/C言語を使用した組込みLinux/Windows向けソフトウェア開発経験が挙げられます。
これらのスキルがこの案件に必要な理由は、高度な技術力を要する画像処理プログラムの開発とお客様のニーズに応じたカスタマイズが必要とされるためです。
開発プロセス全体をカバーする能力と、お客様との円滑なコミュニケーションがプロジェクト成功の鍵を握ります。
そのため、C++やC言語による組込みソフトウェア開発のスキルや経験があり、特に画像処理技術に関心がある方はぜひとも応募したい案件といえるでしょう。
報酬は単価60万円〜となっており、一般的な水準となっています。
案件例③デジタルカメラのデバイスドライバ開発
この案件は、デジタルカメラ機器向けのデバイスドライバ開発を担当する案件です。
具体的な業務内容としては、デバイスドライバのソフトウェア設計、実装、テストをメインで担当します。
日本の組込み系の案件では、カメラに関係するものが非常に多いです。
その理由としては、日本がカメラやイメージング技術において世界的に強い地位を築いているため、高品質なカメラ関連製品の開発需要が高いからです。
必要なスキルとしては、C言語を使用したLinux環境での開発経験(3年以上)、ハードウェア制御に関する経験(特にローレイヤの組込み開発)、組込みLinuxやμiTRONを用いた開発経験、そしてGitやSUVなどの一般的な構成管理ツールの使用経験が挙げられます。
なぜこれらのスキルがこの案件に必要かというと、カメラ系デバイスドライバの開発では、ハードウェアの深い知見が必要とされるからです。
特に、カメラのような高度なイメージング機能を持つデバイスを扱う場合、ローレベルでのデバイス制御が求められるため、組込みシステムにおけるハードウェア制御の知見は不可欠です。
また、開発プロセスの効率化と品質保証のために、構成管理ツールの知見も重要となります。
そのため、C言語による組込み開発の経験やハードウェア制御の知見、組込みLinuxやμiTRONでの開発経験がある方はぜひとも応募したい案件といえるでしょう。
報酬は単価60万円〜となっており、一般的な水準ではありますが、常に需要のある分野の案件なので、長期での参画も十分に可能な案件といえるでしょう。
仕事に拘束される時間が減りインプットする時間を増やせる
今の時代、独立して仕事をすることの最大の魅力の一つは、仕事に拘束される時間が減り、自分自身の成長や学びに充てるインプットの時間を増やせる点にあります。
従来の雇用形態では、定時での勤務が基本であり、多くの時間をオフィスで過ごすことが求められていました。
しかし、フリーランスや独立した働き方では、自分の働く時間や場所を自由に選ぶことができ、効率的に仕事を進めることが可能です。
この柔軟性は、新しい技術や知識の習得、創造的なアイデアを思いつくためのインプットの時間を増やすことに直結します。
例えば、新しいプログラミング言語を学ぶ、最新のマーケティング戦略について研究する、あるいは自己啓発のための書籍を読む時間を確保することができます。
このようにして、自身のスキルや知識を常にアップデートし続けることで、市場価値を高め、より良い仕事の機会を引き寄せることができます。
仕事に拘束される時間が減り、自分のためにインプットする時間を増やせることは、独立の最大のメリットの一つといえるでしょう。
年収が大幅にアップする
独立してフリーランスとして働くことのもう一つの大きな魅力は、年収が大幅にアップする可能性があることです。
フリーランス協会が公表したデータによると、2020年度のフリーランス全体の平均収入では、年収400万円以上が54.6%という結果でした。
しかし、2023年度の最新の調査では、エンジニアや技術開発系のフリーランスに限定すると、約8割が年収400万円以上を達成していると報告されています。
このデータから、特に技術分野でのフリーランスは収入事情が良い傾向になりつつあることがわかります。
また、フリーランスとして働く場合、自分のスキルや経験、専門性を活かして直接クライアントと契約を結び、プロジェクト単位で仕事を受注します。
これにより、雇用される場合に比べて、実際の労働時間に対する報酬率が高くなる傾向があります。
加えて、複数のクライアントから同時にプロジェクトを受注することで収入源を多様化し、収入をアップさせることも可能です。
これらの理由から、今の時代においては、特に技術分野でのフリーランスとして独立することが、経済的な安定性を得る上で有効な手段の一つとなっています。
それでも独立するのが怖い人は副業で年収アップ!
このように、現在では独立するという選択肢も以前と比較すると格段に現実的になってきています。
しかし、やはり独立というと「失敗した時のリスクが怖い」というイメージは払拭しきれないでしょう。
このような人におすすめなのが「副業」という働き方です。
副業というと、終身雇用神話の強い日本では敬遠されがちでしたが、昨今では積極的に副業を支援する企業も増えてきました。
大手企業であっても、最近では副業を解禁する企業も増えてきており、独立するのが怖い人には非常におすすめの働き方です。
中でも、IT業界は人手不足が深刻ということもあり、副業ワーカーを積極的にプロジェクトに採用しています。
例えば、以下のような案件でも副業として始められるので、「独立するのは怖いけど収入は増やしたい!」という人は、ぜひ一度検討してみてください。
案件例:μiTRON OSを使用したデジカメ向けデバイスドライバ開発
この案件は、μiTRON OSを使用したデジタルカメラ機器向けのデバイスドライバ開発を担当する案件です。
μiTRON OSとは、リアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)の一種で、主に組込みシステム向けに設計されています。
小規模から大規模までのさまざまな組込みデバイスに対応し、リアルタイム性、拡張性、高い信頼性が特徴です。
具体的な業務内容としては、ソフトウェアの設計から実装、テストまでをメインに行います。
これには、デバイスドライバの開発における要件定義、基本設計、詳細設計、コーディング、単体テスト、結合テストなどが含まれます。
必要なスキルとしては、C言語、Linux環境での開発経験がある方(3年以上)が求められています。
また、尚可スキルとして、組込みLinuxやμiTRON OSを用いた開発経験、GitやSUVなどの構成管理ツールの使用経験、伝送制御プロトコルの知見、ハードウェア制御経験、放送やデジタル映像の技術基礎知識が挙げられています。
なぜこれらのスキルがこの案件に必要かというと、μiTRON OSや組込みLinuxの経験は、特定のOSに依存する開発技術を理解し、効率的な開発を行うために重要だからです。
また、構成管理ツールの使用経験は、複数人での開発時のコード管理やバージョン管理をスムーズに行うために必要です。
そのため、これらのスキルや経験がある方はぜひとも応募したい案件といえるでしょう。
報酬は63万円から73万円となっており、一般的な水準ですが、副業も可能であることを考えると破格の条件といえるでしょう。
まとめ
本記事では、組込み・制御エンジニアの転職市場における現状、平均年収、将来性、および転職を成功させるための具体的な方法とコツを詳細に解説しました。
組込み・制御エンジニアリングは、AIやIoTの技術進化に伴い、技術革新の最前線に立ち続けることが求められる職種であり、その重要性は今後も高まる一方です。
特に、デバイスとインターネットの連携が進む現代において、組込みシステムの役割はますます大きくなっています。
このような背景から、転職市場においても組込み・制御エンジニアへの需要は高く、専門性の高いスキルを持つエンジニアは安定した収入が見込めるでしょう。
本記事がより良い職場選びやキャリア構築の助けとなれば幸いです。
「エンジニアスタイルマガジン」では、今後もこういったエンジニアにとって役立つ情報を随時お届けいたします。
それでは、また別の記事でお会いしましょう。今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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【React/フロントエンド/週5日稼働/週3~4日出社】大手不動産仲介会社のポータルサイトにおけるフロントエンド開発(jd01206)の 求人・案件
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【Python/データエンジニア/週5日/週3出社(後々リモート検討可能)】大手テレビ会社運営!100万ユーザーを超える動画配信アプリのデータエンジニア募集!(jd01634)の 求人・案件
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