セキュリティコンサルの転職方法|転職を成功させるコツをご紹介
はじめまして、エンジニアスタイル編集部です!
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本記事が、皆様の参考になれば幸いです。
経験がまだ少ない方にもわかりやすく説明するために、初歩的な内容も記載しております。記事も長いので、実務経験豊富な方は、ぜひ目次から関心のある項目を選択してください。セキュリティコンサルの案件の一例と、案件一覧を以下からご覧いただけますのであわせてご確認ください。
目次
はじめに
近年、サイバー攻撃の種類は増え続け、セキュリティ被害の報告が後を絶ちません。
特にAIを利用したサイバー攻撃の数は2020年代前半から増加の一途を辿っており、セキュリティ対策はもはや経営上の最重要課題にもなっています。
このような世界的トレンドの中で、セキュリティコンサルに注目が集まっています。
セキュリティコンサルとは、セキュリティの専門知識を活用して、企業の情報セキュリティ対策を支援する専門家のことです。
本記事では、セキュリティコンサルとしてのキャリアパスをどのように築いていくか、その転職方法や成功させるコツをご紹介します。
さらに、現在のセキュリティコンサルの市場価値や将来性についても深掘りしていきます。
最新のトレンドが把握できる内容になっていますので、セキュリティコンサルに興味のある方、もしくは現役のセキュリティコンサルの方はぜひ最後までお付き合いください。
<この記事を読むとわかること>
- セキュリティコンサルの平均年収と市場価値
- セキュリティコンサルの将来性とキャリアパス
- 効果的なセキュリティコンサルの転職方法
- 独立や副業を通じて年収を大幅にアップさせる方法
他のセキュリティコンサルはどのくらい稼いでいるの?
セキュリティコンサルとは、簡単に言うと「企業や組織の情報を守るプロフェッショナル」のことです。
今の時代、企業はたくさんの情報をインターネット上に持っています。
しかし、インターネットは便利な反面、悪意を持った人々が情報を盗もうとする危険もはらんでいます。
そのため、セキュリティコンサルは企業の情報を守るための「盾」とも言える存在で、今日のデジタル社会において不可欠ともいえる存在です。
そんな非常に重要度の高いセキュリティコンサルですが、セキュリティコンサルになるとどのくらい稼げるのでしょうか?
ここでは、エンジニア全体の平均年収をベースに、フリーランスと会社員の2つのセキュリティコンサルの収入事情についてみていきましょう。
エンジニア全体の平均年収
求人BOXのデータによると、ITエンジニア全体の平均年収は「約480万円」です。
ITエンジニアの仕事は非常に広範囲に渡るため、平均給与もかなり幅があります。
例えば、システムエンジニアとしての平均年収は「516万円」で、給与幅は「349万円から1,066万円」と非常に幅広いです。
ただし、平均年収に関しては、統計の取り方によって結果に大きな違いが出ることがあります。
加えて、職種や経験、地域などの要素によっても平均年収はかなり変わるため、一つのデータだけで全体像を捉えるのは難しいです。
そのため、本データはあくまでも参考の一つとして捉えてください。
フリーランスのセキュリティコンサルの場合
2024年3月時点でのエンジニアスタイルの最新データによると、フリーランスのセキュリティコンサルの月額平均単価は「約86万円」で、年収に換算すると「約1,032万円」になります。
職種別の単価ランキングでは「4位」にランクインしました。全体としてみても非常に高単価な収入が見込める職業ということがわかります。
月額平均単価の推移を見ると、2020年9月は65万円と低かったものの、2024年2月には86万円へと急激に増加しています。
また、2022年はランサムウェアによるセキュリティ被害が相次いだこともあり、翌年の2023年2月には平均単価が「107万円」と過去最高を記録しました。
この推移から、セキュリティコンサルの需要は一貫して上昇傾向にあるといえるでしょう。
言語別の単価ランキングでは、Swift、Kotlin、TypeScriptがそれぞれ月額100万円でトップという結果です。
このことから、モバイルアプリ開発やフロントエンド開発における需要が高いことがわかります。
全体的に、フリーランスのセキュリティコンサルタントの市場は健全で、継続的に需要が高まっています。
会社員のセキュリティコンサルの場合
求人BOXの最新データに基づくと、会社員として働くセキュリティコンサルの平均年収は「約692万円」です。
また、求人数が13,000件以上と非常に多く、年々増加傾向にあることから、セキュリティ分野での専門知識を持つ人材に対する需要が高いことが分かります。
これをフリーランスのセキュリティコンサルの平均年収と比較すると、会社員は「約340万円」低いことになります。
しかし、ITエンジニア全体の平均年収が約480万円であることを考慮すると、会社員のセキュリティコンサルは「約212万円」高いです。
会社員のセキュリティコンサルがフリーランスに比べて低い年収であるとはいえ、会社員として働くのがおすすめできないというわけではありません。
フリーランスでは案件間のブランクや市場の変動が収入に直接影響しますが、会社員は固定給が保証されています。
また、社会保険や退職金制度など、福利厚生の面での安心感も大きいです。
フリーランスと会社員のどちらがおすすめかについては、個人の価値観やライフスタイルに大きく左右されます。
結局のところ、自分のキャリア目標や生活状況、仕事に対する価値観をよく考え、どちらの働き方が自分に合っているかを検討することが大切です。
セキュリティコンサルの将来性
近年、AI技術の発展に伴って、悪意あるハッカーによるセキュリティ被害が後を絶ちません。
例えば、2021年12月に発生した通称「Solar Winds事件」では、スマートフォンを利用した特異な手口によって米政府機関へ不正にアクセス、その後情報を外国へ流出させています。
最終的に大統領令まで発令され、全世界的なサプライチェーンの見直しを余儀なくされました。
このような相次ぐセキュリティ被害により、セキュリティコンサルの需要は日増しに高まっているわけですが、職自体の将来性はどうなのでしょうか?
ここでは、セキュリティコンサルの将来性について、短期的な目線と中長期的な目線の2つの観点から考察していきましょう。
短期(1年~3年)
結論からいうと、セキュリティコンサルの短期的な将来性は非常に明るいです。
この見通しは、世界的にサイバーセキュリティの市場が引き続き堅調に成長していることに裏打ちされています。
世界のサイバーセキュリティ市場は、2022年には約9兆3,495億円と38.7%増の売上高を記録し、特にネットワークセキュリティへの支出が最も多く、全体の27.6%を占めました。
このような市場の成長は、企業や組織がサイバーセキュリティの重要性をより強く認識し、情報漏洩やサイバー攻撃から自身を守るために、より多くの投資をしていることを示しています。
企業は自社のセキュリティ体制を強化し、リスクを軽減するために専門家の知見を必要としており、この需要は短期的には継続するはずです。
さらに、国内市場に目を向けると、情報セキュリティ製品市場は前年比16%増の成長を遂げており、その大部分をセキュリティソフトウェア市場が占めています。
これも、企業や組織がセキュリティソフトウェアへの投資を増やしていることを示しており、セキュリティコンサルの役割がより重要になっていることを示唆しています。
国内外問わず、サイバーセキュリティ製品市場が成長している現状は、セキュリティコンサルの専門知識が今後も引き続き高い需要にあることを意味します。
しかし、市場は外資系企業が大きなシェアを占めており、国内企業も国際競争にさらされている状況です。
この競争の激しい環境において、セキュリティコンサルは最新のサイバーセキュリティのトレンドや技術を常に追い続け、高い専門性を維持し続ける必要があるでしょう。
中長期
では、中長期的な目線でセキュリティコンサルの将来性を見てみるとどうでしょうか。
結論からいうと、中長期的にみてもセキュリティコンサルの将来性は非常に有望です。
サイバーセキュリティ市場規模の中長期的な予測としては、2024年には約2037億8000万米ドル、2029年には3502億3000万米ドルに達すると予測されており、この期間中の年平均成長率(CAGR)は11.44%に達する見込みです。
このデータは、セキュリティコンサルタントへの需要が今後も安定して増加し続けることを示唆しています。
また、デジタルトランスフォーメーションの加速は、セキュリティリスクの増大を引き起こしていますが、これは同時にセキュリティコンサルタントの役割をより重要なものにしています。
企業がデジタルレジリエンスを高め、競争力を維持するためには、消費者やビジネスパートナーからの信頼を獲得することが不可欠であり、これには適切なサイバーセキュリティ対策が基本要件となります。
このような背景を踏まえ、セキュリティコンサルの役割は、単にセキュリティ対策を施すだけでなく、デジタルトラストを構築し維持することにも重点が置かれるようになるはずです。
つまり、セキュリティコンサルは、技術的な対策の実施に加え、中長期的には組織のビジネス戦略においても重要な位置を占めるようになるでしょう。
セキュリティコンサルの転職方法
このように、非常に魅力的な年収と将来性が期待できるセキュリティコンサルですが、転職するにはどうすればいいのでしょうか?
ここでは、セキュリティコンサルの転職方法についていくつかご紹介します。
自分で企業に問い合わせる
セキュリティコンサルへの転職を考えている際、「自分で企業に問い合わせる」という方法は、非常に効果的な戦略の一つです。
自分から企業に直接コンタクトを取ることで、自分の興味や意欲をダイレクトに伝えることができます。
また、自身のスキルセット、経験、そしてなぜその企業で働きたいのかという点を、よりパーソナライズして伝える効果も期待できます。
セキュリティコンサルとしてのポジションは、高度な専門知識と技術が求められるため、企業はその職に応募する人の強い意欲と熱意を評価する傾向が強いです。
自ら企業に問い合わせることで、セキュリティ分野に対する真剣な熱意と、その企業で働くことへの意欲を担当者に示せます。
多くの転職者がとっていないアプローチでもあるため、差別化の観点からも非常に有効な手法です。
転職エージェントを利用する
2つ目の方法は「転職エージェントを利用する」方法です。
最も一般的な方法ではありますが、成功する確率が最も高い転職方法の一つです。
転職エージェントは、特定の業界に精通しており、セキュリティ業界における最新のトレンドや求人情報を把握しています。
また、企業が求めるスキルセットや資格に関する貴重なアドバイスも受けることが可能です。
特に、セキュリティコンサルというのはトレンドが変化しやすいので、最新のトレンドに精通するためにも転職エージェントは非常に効果的です。
<セキュリティコンサルに人気の転職エージェント>
また、成功する転職社は平均で4社以上の転職エージェントを利用しているというデータもあります。
そのため、できるだけ複数の転職エージェントを併用して転職活動を行うのがおすすめです。
求人サイトを利用する
3つ目の方法は「求人サイトを利用する」方法です。
転職エージェントと求人サイトは違いが分かりづらいですが、転職エージェントとは、個々の転職希望者に対してパーソナライズされたサポートを提供し、企業との面接調整や条件交渉などの転職プロセス全般をサポートするサービスです。
一方、求人サイトとは、企業が直接求人情報を掲載し、転職希望者が自分で情報を検索し、興味のある求人に直接応募するためのプラットフォームです。
つまり、「個別サポートの有無」や「自らの手で情報収集と応募を行うかどうか」という点で明確に違います。
自分で転職先を見つけなければならないのは確かに労力を要しますが、転職エージェントは担当者のアタリハズレも多く、信用ならないという人も多いです。
既に業界のトレンドなどを把握している自信のある方は、求人サイトを利用して転職するのも一つの手です。
エンジニア転職するなら知っておきたいこと
ここからは、セキュリティコンサルだけでなく、エンジニア全般の転職について知っておくべきことを解説します。
転職活動の流れ
エンジニアの転職活動の一般的な流れは以下の通りです。
STEP1:自己分析と市場調査
まずは自分のスキルセット、経験、キャリア目標を整理し、どのような企業やポジションが自分に合っているかを検討します。同時に、現在の市場の需要やトレンドを調査し、自分のスキルがどのように市場にフィットするかを理解します。
STEP2:履歴書・職務経歴書の準備
自己分析と市場調査の結果を踏まえ、履歴書や職務経歴書を準備します。セキュリティコンサルに応募する場合、特にセキュリティ関連のスキルや経験、資格を明確に記載することが重要です。
STEP3:求人情報の収集と応募
求人サイトや転職エージェントを利用して、求人情報を収集します。興味のある求人が見つかったら、準備した履歴書・職務経歴書を用いて応募します。
STEP4:面接の準備と実施
応募先から面接の機会を得たら、企業研究や面接対策を行います。セキュリティコンサルのポジションの場合、セキュリティの最新のトレンドや技術、具体的なセキュリティ対策に関する知識を問われることが多いため、事前の準備が重要です。
STEP5:条件交渉と入社
面接を通過し、オファーを受けたら、給与や勤務条件について交渉を行います。すべての条件に合意したら、入社の手続きを進めます。
セキュリティコンサルの場合はこれに加えて、「専門性の証明」も重要になってきます。
セキュリティ業界は専門性が非常に高く、特定の資格や専門知識が求められることが多いです。
そのため、CISSPやCISMなどのセキュリティ関連の資格を保有していること、またはセキュリティ分野での実務経験や専門知識を明確にアピールできることが、転職成功のカギとなります。
転職までにかかる時間は3〜6ヶ月が目安
一般的にエンジニアが転職するのにかかる時間は約3〜6ヶ月と言われています。
もちろん、この期間はあくまで目安であり、個人の状況や市場の状態、応募する職種の競争率によって変動します。
迅速に転職活動を進めることができる場合もあれば、より長い時間が必要となる場合もあります。
しかし、退職のための引き継ぎや手続きの時間も考慮すると、この期間を想定しておくことは、転職活動をスムーズに進めるために賢明です。
セキュリティコンサルの場合は専門性が非常に高いため、応募先企業が求める特定のスキルセットや経験にマッチする候補者を見つけるのに時間がかかる場合があります。
また、候補者自身も、自分のスキルや経験が最も価値を発揮できるポジションを見つけるために、より慎重に求人を選び、準備をする必要があります。
そのため、基本的な転職期間よりも少し長めの時間を確保しておくことをおすすめします。
年齢によって求められるスキルは変わる
エンジニアは年齢によって求められるスキルが大きく変化します。
セキュリティコンサルは上流職であるため、年齢によって求められるスキルは変化しないように思えますが、それでも年齢によって変わってきます。
<セキュリティコンサルが年齢によって求められる主なスキルや資格>
年齢層 | スキル | ツールや資格 |
20~30代前半 | 技術的なスキル、迅速な学習能力 | ・CompTIA Security+ ・CEH (Certified Ethical Hacker) ・Cybrary ・Pluralsight など |
30代後半~40代 | プロジェクトマネジメント、チームリーダーシップ、戦略立案 | ・PMP (Project Management Professional) ・CISSP (Certified Information Systems Security Professional) など |
50代以上 | 高度なリスク管理、セキュリティポリシー策定、教育・指導 | ・CISM (Certified Information Security Manager) ・CGEIT (Certified in the Governance of Enterprise IT) など |
このように、セキュリティコンサルとしてのキャリアを積む中で、年齢と共に期待されるスキルセットは変化していきます。
各段階で必要とされる能力を身につけ、常に最新のセキュリティ知識を更新し続けることが、長くキャリアを築いていく上での鍵です。
エンジニアが転職を成功させるコツ
ここからは、少しでも転職を成功させるためにも、いくつかの転職成功の「コツ」をご紹介します。
実績を定量的に伝える
1つ目に紹介するコツは、実績を定量的に伝えることです。
定量的でない実績の例を挙げると、例えば、「セキュリティ対策を強化した」「チームのマネジメントを行った」といった表現は、具体性に欠け、その成果の大きさや影響度が伝わりにくいです。
対して定量的な実績の例を挙げると、「セキュリティインシデントの発生率を前年比で50%削減した」、「プロジェクトを管理し、予算内で95%のプロジェクトを期限通りに完了させた」など、数値を用いて実績や成果を示すことで、その効果の大きさや具体的な成果が明確に伝わります。
セキュリティエンジニアの場合は、特に「侵入テストで発見した脆弱性の数」「セキュリティ対策の導入によって削減したコスト」「システムのダウンタイムを何パーセント減少させたか」など、具体的な数値やパーセンテージを使って成果を示すことが非常に効果的です。
これにより、転職先の企業はあなたのスキルや経験がもたらす具体的な価値を理解しやすくなります。
キャリアアップの方向性を固めておく
2つ目のコツは、キャリアアップの方向性を固めておくことです。
当たり前のことのように思えますが、意外とできていない人も多いです。
キャリアアップの方向性を固めておくことで、転職活動がより目的意識を持って、効率的に進められます。
また、面接時に自分のキャリアプランを説明する際にも、具体的で説得力のある回答が可能になります。
<セキュリティコンサルにキャリアアップできる主なエンジニア職>
- ネットワークエンジニア
- システムエンジニア
- サイバーセキュリティエンジニア
- ソフトウェア開発者
- データベース管理者(DBA) など
キャリアアップの方向性を固めておくことは、転職を成功に導くための重要な要素です。
自分の将来をしっかりと見据え、それに向けて積極的に行動することが、望むキャリアを実現するための鍵となります。
社外とのコネクションを作る
3つ目のコツは、社外とのコネクションを構築しておくことです。
先述したように、セキュリティコンサルの案件・求人数は非常に数が多い状況が続いていますが、より高単価または高収入のプロジェクトに参画するにはコネクションは非常に重要になってきます。
特にセキュリティコンサルの場合、その性質上企業の経営層と直接接することも多いです。
そのため、一般的なエンジニア職と比較するとコネクションの構築は容易といえます。
また、セキュリティコンサルが関わるプロジェクトというのは機密性が非常に高いため、転職エージェントや求人サイトに出回らない案件もかなり多いです。
したがって、より高い報酬を獲得するためにも、社外とのコネクションは常に意識しておきましょう。
今の時代は転職するより独立した方が安定する?
2010年代中盤から、日本でも「働き方改革」が積極的に導入され、昔よりもかなり柔軟に働けるようになってきました。
特にフリーランスとして独立して働く人は増えており、2020年以降は右肩上がりで増え続け、過去最高を更新し続けています。
つまり、昔であれば職場環境を変える手段は「転職」が一般的でしたが、現在では「独立」も十分に選択肢になっているということです。
セキュリティコンサルも例外ではなく、独立して自身の法人を立ち上げたり、フリーランスとして活躍する方も増えています。
実は実務経験が2.3年あれば十分独立できる
セキュリティコンサルとしてフリーランスで活躍するには、長期間の下積み期間が必要だと思われがちですが、市場に出回っている案件をみてみると案外そうとは言い切れません。
例えば、以下に紹介する案件などは実務経験が2. 3年あれば応募できるので、ぜひ参考にしてみてください。
案件例①インフラ系PJのCSIRT/SOC業務レベルアップ支援
この案件は、セキュリティコンサルタント向けにCSIRT/SOC業務のレベルアップ支援を担当する案件です。
CSIRT(Security Incident Response Team)およびSOC(Security Operations Center)業務とは、セキュリティインシデントに迅速かつ効果的に対応するための専門チームまたは部門のことを指します。
上記チームの主な業務には、インシデントの検出、分析、対応、そして予防策の立案と実施などがあります。
<具体的な業務内容>
- CSIRT/SOC業務支援
- インシデント対応
- 業務改善マネジメント
- 業務の高度化
- 社内セキュリティの参謀役
<必要なスキル>
- CSIRT/SOCの業務経験
- セキュリティ監視、インシデント対応経験
- プロジェクトマネジメント経験
- CSIRT高度化経験
つまり、セキュリティインシデントに対する深い理解と、それらを管理・解決するための経験が必要であるということです。
さらに、業務プロセスの改善やチームのスキルアップに向けた取り組みをリードする能力も求められます。
そのため、これまでにCSIRT/SOCでの作業経験があり、セキュリティインシデントへの対応やチームの能力向上に関わった経験がある方はぜひとも応募したい案件といえるでしょう。
報酬は100万円からとなっており、セキュリティコンサルのフリーランス案件としては平均よりも少し高い水準です。
案件例②セキュリティ系PJのCRIST業務の支援
こちらの案件も、セキュリティ系PJでのCSIRT業務を担当する案件です。
ただし、先ほどの案件と比較して、よりインシデント対応とプロセスの改善にフォーカスしています。
主に、インシデントが発生した際の迅速な対応や、そのプロセスの改善、そしてセキュリティイベントに対する初期評価と分析に重点を置いています。
<具体的な業務内容>
- インシデント対応時のプラン策定
- プロセスの改善作業
- SOCやセキュリティ機器からのアラートに対するトリアージ、調査
- 不審メールの一次的な解析、インシデント対応有無の判断
- インシデントハンドラーとしてのログ解析、事象の調査
<必要なスキル>
- CSIRT/SOCの業務経験
- セキュリティ製品の導入経験
これらのスキルから推察できる重要なポイントは、インシデント対応のスピードと正確性が求められるということです。
また、セキュリティイベントの初期分析能力と、インシデントに応じて迅速に対応計画を立てる能力が重要になります。
そのため、CSIRT/SOCの実務経験があり、セキュリティの評価やインシデント対応に関する深い知識を持ち、プロセス改善の経験がある方はぜひとも応募したい案件といえるでしょう。
報酬は70万円からとなっており、セキュリティコンサル案件としては平均値よりも低い水準ですが、実務経験が2. 3年でも参画可能なことを考えると悪くない水準です。
案件例③社内情報システムの刷新に伴うセキュリティ設計・構築
この案件は、社内情報システムのセキュリティ設計および構築を担当する案件です。
社内情報システムの刷新に際して、最新のセキュリティ脅威から企業資産を保護するための対策実施が求められます。
<具体的な業務内容>
- 社内情報システムのセキュリティ設計、環境構築
- セキュリティポリシーの策定および運用
- セキュリティ監視およびインシデント対応
- セキュリティ教育および意識向上活動
<必要なスキル>
- EDR(エンドポイント検出と応答)製品の経験
- CASB(クラウドアクセスセキュリティブローカー)製品の経験
- SIEM(セキュリティ情報およびイベント管理)製品の経験
上記のツールを使った実践的な経験が求められ、特に複数のセキュリティソリューションに対する深い理解と実装経験が不可欠です。
そのため、EDR、CASB、SIEM製品に関する実務経験があり、社内情報システムのセキュリティ設計や構築に自信がある方はぜひとも応募したい案件といえるでしょう。
報酬は70〜85万円となっており、セキュリティコンサルの案件としては一般的な水準です。
仕事に拘束される時間が減りインプットする時間を増やせる
フリーランスとして独立することで、会社勤めよりも時間の融通が利きやすくなります。
独立することで、自分で仕事のスケジュールをコントロールできるため、仕事に拘束される時間が減り、自分のスキルアップや知識のインプットに充てる時間を増やすことが可能です。
また、セキュリティコンサルというのは情報収集や最新技術を学習する時間を一般的な職業よりも長く確保したい職業でもあります。
セキュリティ関連の技術は日進月歩で進化しており、新しい脅威が日々生まれています。
そのため、最新のセキュリティトレンドや技術に常に追いつき、自分の知識を更新し続けることが重要です。
会社勤めの場合、定められた業務時間内での作業が中心となるので、会社が自己啓発の時間を確保する施策をとっていない場合は、時間を確保することは厳しいと言わざるを得ません。
年収が大幅にアップする
セキュリティコンサルは独立することで年収を大幅にアップさせることが可能な職種です。
序盤に説明したように、セキュリティコンサルの会社員の平均年収は「692万円」です。
対してフリーランスの場合は「1,032万円」の年収が期待できます。
つまり、フリーランスとして独立することで「約340万円」の年収アップが期待できることになります。
これほど年収が大幅にアップする職種というのは非常に稀です。
そのため、仕事において年収額を最も重要視するならば、フリーランスとして独立することをキャリアプランに組み込んでおくことをおすすめします。
それでも独立するのが怖い人は副業で年収アップ!
とはいえ、やはり独立となると
「失敗したらどうしよう…。」
「自分は家庭があるから家族のためにも不安定な選択肢はとりたくない」
と考えてしまう人も多いのではないでしょうか。
そんな人におすすめなのが「副業」という働き方です。
副業というと、終身雇用神話の強い日本では敬遠されがちでしたが、昨今では積極的に副業を解禁する企業も増えてきました。
大手企業であっても、最近では副業を解禁する企業も増えてきており、独立するのが怖い人には非常におすすめの働き方です。
中でも、IT業界は人手不足が深刻ということもあり、副業ワーカーを積極的にプロジェクトに採用しています。
例えば、以下のような案件でも副業として始められるので、「独立するのは怖いけど収入は増やしたい!」という人は、ぜひ一度検討してみてください。
案件例:AWSのプライベートSOC運用支援
この案件は、AWSのプライベートSOC運用支援を担当する案件です。
プライベートSOCとは簡単にいえば、特定の組織や企業のセキュリティ監視とインシデント対応を専門に行う内部または専用のセキュリティオペレーションセンターです。
セキュリティ脅威に対する監視、警告、インシデント対応などが行われ、組織のセキュリティを守るための重要な役割を担います。
<具体的な業務内容>
- SIEM(Splunk)の相関サーチの作成、チューニング
- CSIRTと連携してのインシデント対応
- セキュリティインシデント報告書の作成、報告の実施
<必要なスキル>
- SOCアナリスト経験、CSIRTにおけるインシデント対応経験
- 主体的にプロジェクトを進められる方
- Splunk Enterprise(Enterprise Security)の知識・経験
- AWS(CloudTrail, GuardDutyなど)の知識・経験
- セキュリティアラートの分析スキル
上記の条件から、セキュリティデータの解析能力と、特定のセキュリティインシデントに迅速かつ効果的に対応する能力が特に重要視されていることが分かります。
そのため、SplunkやAWSを用いたセキュリティ運用の経験があり、インシデント対応に関する実務経験を持つ方はぜひとも応募したい案件といえるでしょう。
報酬は55万円からと一見低く見えますが、実務経験が1年程度でも参画可能なこと、副業としても応募可能なことを加味すると悪くない条件といえます。
まとめ
本記事では、セキュリティコンサルとしての年収の実情、将来性、そして転職や独立の具体的な方法について詳しく解説しました。
セキュリティコンサルという職業は、技術的な知識だけでなく、ビジネスへの深い理解も必要とされる、非常に高度な専門職です。
セキュリティの脅威は日々増しており、それに伴いセキュリティコンサルの需要も増加しています。
そのため、今後もセキュリティコンサルは企業や組織にとってなくてはならない存在であり続けるでしょう。
「エンジニアスタイルマガジン」では、今後もこういったエンジニアにとって役立つ情報を随時お届けいたします。
それでは、また別の記事でお会いしましょう。今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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