グラフィックデザイナーの転職方法|転職を成功させるコツをご紹介
はじめまして、エンジニアスタイル編集部です!
コラムページでは、ITフリーランスに向けてお役立ち情報を発信します。Twitterではホットな案件を紹介してまいりますので、ぜひフォローをお願いいたします!
本記事が、皆様の参考になれば幸いです。
経験がまだ少ない方にもわかりやすく説明するために、初歩的な内容も記載しております。記事も長いので、実務経験豊富な方は、ぜひ目次から関心のある項目を選択してください。グラフィックデザイナーの案件の一例と、案件一覧を以下からご覧いただけますのであわせてご確認ください。
目次
はじめに
グラフィックデザイナーとは、広告、ウェブサイト、製品パッケージングなど、目に見える形で情報を伝える役割を担う専門職です。
本記事では、グラフィックデザイナーが転職を成功させるための方法やコツ、そしてフリーランスとして独立する際の注意点やメリットについて詳しく解説します。
スキルアップの重要性から、転職市場の最新動向まで、グラフィックデザイナーのキャリアパスを考える上で欠かせない情報が満載です。
最後までお読みいただければ、自身のキャリアプランを見直し、次のステップに進むためのヒントを得られるのでぜひ最後までお付き合いください。
<この記事を読むとわかること>
- グラフィックデザイナーの平均年収と市場価値
- グラフィックデザイナーの将来性と求められるスキルの変化
- 効果的な転職方法と転職活動の流れ
- フリーランスとして独立するメリットと実現可能性
他のグラフィックデザイナーはどのくらい稼いでいるの?
グラフィックデザイナーとは、雑誌の表紙、書籍の装丁、商品のパッケージ、ポスター、看板など、あらゆる領域のグラフィックデザインを行う専門職です。
デザインがクライアントから承認されるまで、修正と改善の繰り返しも多い職業なので、根気強さが求められる職業でもあります。
近年、動画配信サイトやSNSが日常に浸透したこともあり、インパクトのあるデザインを作成できるグラフィックデザイナーは非常に需要が高いです。
では、グラフィックデザイナーはどのくらい稼いでいるのでしょうか?
ここではまず、エンジニア全体の平均年収を基に、フリーランスと会社員のグラフィックデザイナーの収入事情をみていきましょう。
エンジニア全体の平均年収
2024年1月度の求人BOXのデータによると、ITエンジニア全体の平均年収は「約480万円」です。
ただし、ITエンジニアの仕事は非常に広範囲に渡るため、平均給与もかなり幅があります。
例えば、システムエンジニアとしての平均年収は「516万円」で、給与幅は「349万円から1,066万円」と非常に幅広いです。
また、平均年収に関しては統計の取り方によって結果に大きな違いが出ることがあります。
加えて、職種や経験、地域などの要素によっても平均年収はかなり変わるため、一つのデータだけで全体像を捉えるのは難しいです。
そのため、本データはあくまでも参考の一つとして捉えてください。
フリーランスのグラフィックデザイナーの場合
エンジニアスタイルの2024年2月時点での最新のデータによると、フリーランスのグラフィックデザイナーの月額平均単価は「約53万円」です。
年収換算にすると「約636万円」という結果でした。職種別単価ランキングでは、全体の中で「34位」に位置しています。
ITコンサルタントなどの上流職と比較すると一見低い水準といえますが、プレイヤーとしてみるとそこまで悪いわけでもありません。
月額平均単価の推移を見ると、2021年2月には61万円と高水準でしたが、その後の数カ月で単価が下がり、2022年5月には37万円となっています。
しかし、その後再び上昇し、2023年9月には110万円という最高値を記録しています。
このように、かなり変動幅が大きくなっていますが、グラフィックデザイナーは他のエンジニア職と比較して案件数がそこまで多くありません。
そのため、個別の案件が大きく全体に影響したことが推測されます。
言語別の単価ランキングを見ると、Kotlinの案件が月額平均100万円と最も高い単価を記録しています。
このことから、グラフィックデザインだけでなく、エンジニア的なスキルを持つデザイナーの需要が高まっていることがわかりました。
会社員のグラフィックデザイナーの場合
求人BOXの最新のデータによると、会社員のグラフィックデザイナーの平均年収は「約449万円」です。
給料の分布を見ると、最も多いのは392万円から478万円の間で、平均年収の449万円はちょうど中盤に位置します。
そのため、勤務先や経験などによってそこまで変動はなさそうです。
フリーランスと比較すると「約187万円」低く、エンジニア全体と比較すると「約31万円」低いという結果でした。
したがって、収入の面だけでみると会社員としてグラフィックデザイナーになるのはおすすめできません。
事実、厚労省が提供しているデータによると、グラフィックデザイナーは全体の「62.7%」がフリーランスとして就業しています。
このことからも、グラフィックデザイナーはフリーランスの方が人気が高いことがうかがえます。
しかし、フリーランスの収入はプロジェクトの数や単価に大きく左右されるため、安定性には欠ける面もあります。
どちらの選択肢が良いかは個人の価値観によって左右されるので、自分にあった方を選びましょう。
グラフィックデザイナーの将来性
近年では「Canva(キャンバ)」「Adobe Spark」など、誰もが簡単にデザインができるようになる自動化ツールが台頭しています。
このようなツールの台頭に伴い、「グラフィックデザイナーはオワコン」と称する人も増えてきている印象です。
果たしてこれは本当なのでしょうか?
ここでは、グラフィックデザイナーの将来性が気になる人のために、短期的な視点と長期的な視点からグラフィックデザイナーの将来性を考察していきましょう。
短期(1年~3年)
グラフィックデザイナーの短期的(約1〜3年)な将来性は、結論からいうと楽観視できない状況です。
この主な原因は、紙媒体から電子媒体への業務のシフトと、グラフィックデザイン市場の年間平均成長率(CAGR)が低いことにあります。
まず、紙媒体の市場規模の減少と電子出版物の市場規模の拡大は、グラフィックデザイナーの仕事の内容を根本的に変えています。
これは、特に紙媒体に特化したデザインスキルを持つデザイナーにとって、リスキリングを迫られる状況と言えるでしょう。
次に、世界のグラフィックデザイン市場の年間平均成長率(CAGR)が2015年から2020年までの間に2.5%と低いことも、業界の短期的な将来性に暗い影を投げかけています。
例えば、現在成長産業とされるAIの年間平均成長率は約30〜40%とも言われています。
このような成長産業と比較すると、グラフィックデザイン市場の成長は非常に緩やかであることが明らかです。
一般的に年間平均成長率(CAGR)が5%未満だと「低成長産業」だとみなされます。これはつまり、市場が既に飽和している可能性があるということです。
したがって、グラフィックデザイナーにとって、新たな収入源やニッチ市場を見つけ出すことがますます重要になっていると言えるでしょう。
中長期
では、中長期的にグラフィックデザイナーの将来性をみてみるとどうでしょうか。
米調査会社の最新の調査によると、グラフィックデザイン市場規模は2024年に491.25億ドルと評価されています。
2024年から2031年にかけての年間平均成長率(CAGR)を算出すると約3.4%です。
確かに、成長率自体はそこまで伸びてはいませんが、今後も安定した需要はあり、緩やかながら若干の成長性を見せています。
しかし、これはあくまでも「今」のグラフィックデザイン市場に基づいた予測です。
先述したように、紙媒体からデジタル媒体への移行は続いており、Webデザイン、UI/UXデザイン、デジタルマーケティング資料の作成など、デジタル関連のデザイン需要は増加しています。
市場の成長に伴い、特定の分野での専門性や、複数の技術を横断するマルチスキルが重要になってくるはずです。
例えば、UX/UIデザイン、アニメーション、3Dモデリングなど、特定の技術に特化したデザイナーの需要は高まる可能性があります。
また、プログラミングやマーケティング知識など、デザイン以外のスキルを持つグラフィックデザイナーも価値を高めることができるでしょう。
したがって、中長期的に見てグラフィックデザイナーの将来性は明るいと言えるでしょう。
ただし、技術の進化に伴い、継続的な学習とリスキリングが求められることは理解しておきましょう。
グラフィックデザイナーの転職方法
このように、一定の需要が常に見込まれるグラフィックデザイナーですが、転職するにはどうすれば良いのでしょうか。
ここでは、グラフィックデザイナーへの転職方法について解説します。
自分で企業に問い合わせる
1つ目の方法は、実際に自分で企業に問い合わせて転職するという方法です。
慣れていない人にとっては少しハードルの高い方法かと思いますが、自ら率先して動く姿勢を見せることで転職先企業に「積極性」をアピールできます。
また、直接企業に問い合わせることで、求人情報だけではわからない企業の文化や雰囲気をある程度感じ取ることが可能です。
他にも、質問を通じて自分に合っているかどうかの見極めがしやすくなります。
多くの転職者が実践していない方法でもあるので、差別化してすぐに転職先を決めたい!という人はぜひ実践してみましょう。
転職エージェントを利用する
2つ目の方法は、転職エージェントを利用して転職するという方法です。恐らく最も一般的な転職方法の一つでもあります。
転職エージェントは、転職を専門とするプロフェッショナルです。
履歴書や職務経歴書の添削から面接対策まで、あらゆる面で専門的なアドバイスを受けることができます。
一般には公開されていない非公開求人にアクセスすることも可能です。
<グラフィックデザイナーに人気の転職エージェント>
ちなみに、転職者のほとんどが2社以上の転職エージェントサイトに登録しており、成功する人は平均して4社以上の転職エージェントサイトに登録しています。
そのため、できるだけ複数の転職エージェントサイトに登録しておきましょう。
求人サイトを利用する
3つ目の方法は、求人サイトを利用して転職するという方法です。
求人サイトは数多くの企業からの求人情報を集めています。そのため、幅広い選択肢から自分に合った職場を見つけることができます。
企業の概要や職場環境、待遇など、転職を考える上で重要な情報が詳しく掲載されています。
ただし、転職エージェントのように手厚いサポートはないので、一度転職した経験がある人におすすめです。
<グラフィックデザイナーに人気の求人サイト>
エンジニア転職するなら知っておきたいこと
ここからは、グラフィックデザイナーだけではなくエンジニアに転職するのなら知っておきたいことをいくつかピックアップしてご紹介します。
転職活動の流れ
エンジニアの転職活動は一般的に以下のような流れで進みます。
<一般的なエンジニアの転職活動の流れ>
主なアクション | 概要 | アドバイス | |
STEP1 | 自己分析と市場調査 | 自分のスキルや経験を整理し、技術市場や求人情報を調査します。 | 自己分析ツールや業界レポート、求人サイトを活用して市場とのギャップを明確にしましょう。 |
STEP2 | 履歴書・職務経歴書の準備 | 経験やスキルをわかりやすくまとめた履歴書と職務経歴書を作成します。 | 成果を数字で表現し、具体性を増しましょう。 |
STEP3 | 求人情報の検索と応募 | 求人サイトや転職エージェントを使って希望条件に合う求人を探し、応募します。 | 企業の文化や働き方もリサーチし、自分のキャリアプランに合った求人に絞って応募しましょう。 |
STEP4 | 面接対策 | 面接での自己アピールや技術面接の質問を想定して準備します。 | 事前によくある面接質問に対する想定問答をしておきましょう。 |
STEP5 | オファーの検討と入社手続き | 受け取ったオファーの条件を検討し、入社手続きを進めます。 | 給与や待遇だけでなく、キャリアパスや働き方についても納得がいくまで検討し、必要であれば交渉しましょう。 |
グラフィックデザイナーの場合は、上記に加えて「ポートフォリオ」を準備することが非常に重要になってきます。
ポートフォリオとは簡単に言えば、自分のデザイン作品やプロジェクトをまとめた作品集のようなものです。
これにより、応募先の企業に対して、自分のデザイン能力やセンス、これまでに携わったプロジェクトの具体的な成果を視覚的にアピールできます。
できれば、履歴書などにも記載できるように簡単なWebサイトにまとめたり、PowerPointでまとめておくとさらに効果的です。
転職までにかかる時間は3〜6ヶ月が目安
転職活動にかかる時間は人によって違いがありますが、一般的に3〜6ヶ月が目安とされています。
ただし、グラフィックデザイナーのようなクリエイター職の場合、すぐに転職活動が終わる場合も多いです。
先述したように、グラフィックデザイナーの転職活動において重要なのは「ポートフォリオ」です。
一般的なITエンジニアの場合、PRできるスキルというのは非常に抽象的になってしまいます。
例えば、プログラミングスキル〇〇年以上、チームマネジメント経験〇〇年以上など、具体的にその人の実力を推し量ることは厳しいです。
しかし、グラフィックデザイナーはポートフォリオを確認すれば「どのようなデザインができるのか」は一目瞭然です。
そのため、良くも悪くもその企業が求めるデザインに合致しなければ不合格、合致すれば合格、といったようにトントン拍子で進むこともよくあります。
ただし、収入がない期間を避けるためにも、基本的には3〜6ヶ月間を目安として考えておくとよいでしょう。
年齢によって求められるスキルは変わる
エンジニアというのは「技術的スキルだけ磨いておけば問題ない」と思われがちですが、年齢によって求められるスキルは変化します。
例えば、20代前半〜30代前半の若手であれば、PhotoshopやIllustratorなどの基本的なグラフィックデザインソフトの操作スキルを磨くことが重要です。
また、色彩理論、タイポグラフィ、レイアウト設計など、デザインの基礎知識を深めることが求められます。
30代後半〜40代になると、UI/UXデザインの知識、ウェブサイトやアプリケーションのデザイン経験などが重要になります。
また、プロジェクト管理能力やチームリーダーシップもこの段階で磨くべきスキルとなります。
デザインプロジェクトの進行管理やチームメンバーの指導・育成など、管理職としての責任を担う準備を始める時期です。
50代になると、グラフィックデザイナーは自分の豊富な経験を生かして、より戦略的な役割を果たさなければなりません。
ブランド戦略の策定、マーケティングとデザインの融合、クリエイティブディレクションなど、デザインの知識だけでなく、ビジネス全体を見渡せる視野が必要です。
また、後進の育成にも注力することが求められるようになります。
したがって、グラフィックデザイナーは絶えず学び続ける姿勢を持ち、自分のキャリアを意識的に形成していくことが重要と言えるでしょう。
エンジニアが転職を成功させるコツ
誰しも転職は失敗したくないものです。
転職関連でネットやSNSをみてみると、簡単に転職に成功している人とそうでない人が2極化しています。
なぜ、転職に成功している人は簡単に転職できるのでしょうか?
実は、転職を成功させるには一種のコツのようなものがあります。
ここでは、エンジニアが転職を成功させるコツを具体的に紹介します。
実績を定量的に伝える
エンジニアが転職を成功させるコツの一つとして、「実績を定量的に伝える」ことが非常に重要です。
数字を使って成果を伝えることで、その成果の大きさや影響力を明確にし、職務経歴をより説得力のあるものにできます。
例えば、「Webサイトのリニューアルに貢献した」という経験がある場合、それを「Webサイトのリニューアルにより、月間の訪問者数が前年比で20%増加し、コンバージョン率が30%向上した」と定量的に伝えます。
グラフィックデザイナーの場合は、「広告キャンペーンのビジュアルデザインを担当し、キャンペーンの反響が前回比で50%増加した」というように実績を定量的に伝えましょう。
他にも、「SNSでのシェア数が2倍になるデザインを制作した」や「特定の商品の売り上げがデザイン変更後に40%増加した」など、デザインが直接的な成果に結びついた事例を数値で示すことが重要です。
このように具体的な数字を用いることで、あなたの貢献がどれだけの効果をもたらしたのかを明確に示すことができます。
キャリアアップの方向性を固めておく
エンジニアが転職を成功させるためのもう一つのコツは「キャリアアップの方向性を固めておく」ことです。
自分がこれから何年か先にどのようなポジションや専門分野で働きたいのか、そのためにはどのような経験やスキルが必要なのかを明確にし、それに合った転職先を探すことが重要です。
例えば、将来的にはテクニカルリーダーやプロジェクトマネージャーになりたいと考えている場合、それを実現するためには管理能力やリーダーシップ、プロジェクト管理の経験が必要になるでしょう。
そのため、現在の転職活動では、そうした経験を積むことができる職場を選ぶことが重要になります。
グラフィックデザイナーの場合も同様です。
例えば、将来的にアートディレクターやクリエイティブディレクターを目指す場合、デザインスキルだけでなく、プロジェクト全体を統括する能力やチームをリードする能力、クライアントとの交渉スキルなどが必要になります。
また、フリーランスとして独立を目指す場合は、ビジネススキルやマーケティング知識など、デザイン以外のスキルの習得も意識する必要があります。
キャリアアップの方向性を明確にすることで、転職活動がより目的意識を持って進められるようになり、長期的な成功への鍵となるのです。
社外とのコネクションを作る
エンジニアが転職を成功させる3つ目のコツは「社外とのコネクションを作る」ことです。
このアプローチは、仕事の機会を広げるだけでなく、新しい知識やスキルを学び、自身のキャリアを豊かにするためにも非常に有効です。
特にグラフィックデザイナーの場合、一般的なエンジニアよりも求人や案件の数がすくない傾向にあります。
また、先述したように、グラフィックデザイナーの約62.7%がフリーランスであることを考えると、社外とのコネクションはさらに重要になります。
フリーランスの場合は、一度契約が切れてしまえば収入はなくなってしまいます。
それを防ぐために、多くのフリーランスが複数のプロジェクトを同時並行で進めていますが、できるだけ参画プロジェクトを探す時間は最小限に抑えたいところ。
なぜなら、自身が参画するプロジェクトを探している時間は一切収益が発生しないからです。
そのため、フリーランスであれば特に多くのコミュニティとのコネクションを確保しておきましょう。
今の時代は転職するより独立した方が安定する?
2010年代中盤から、日本でも「働き方改革」が積極的に導入され、昔よりもかなり柔軟に働けるようになってきました。
特にフリーランスとして独立して働く人は増えており、2020年以降は右肩上がりで増え続け、過去最高を更新し続けています。
つまり、昔であれば職場環境を変える手段は「転職」が一般的でしたが、現在では「独立」も十分に選択肢になっているということです。
ではなぜ、ここまでフリーランスとして独立する方が増えているのでしょうか。
以下に、その背景と理由についてご紹介します。
実は実務経験が2.3年あれば十分独立できる
独立となると、十分に準備期間を設けた上でなるものだと、多くの人が感じているでしょう。
しかし実は、実務経験が2〜3年あれば意外と十分なことが多いです。
日本のIT業界では2〜3年程度の経験を持つ者を「経験者」と捉える傾向が高いです。
最近ではこの傾向は薄れつつありますが、いまだに根強い固定観念として存在しています。
そのため、フリーランスとして独立したいのであれば、約2〜3年の実務期間を目安に考えておきましょう。
つまり、10年スパンで計画を立てる必要は特にありません。
現在では昔と違って、フリーランスのための情報サイトやツールが充実しているので、以前ほど難しいものではないのです。
では、実務経験2〜3年で応募できる案件にはどのような案件があるのでしょうか。
以下で、具体的な案件についてみていきましょう。
案件例①Web3.0領域のプロダクトデザイン
この案件は、Web3.0領域でプロダクト開発に挑戦するフロントエンドエンジニアを担当する案件です。
Web3.0とは簡単に言えば、分散型技術を用いたインターネットの新しい形態であり、ユーザーがより直接的にデータをコントロールし、プライバシーを重視した形でサービスを利用できるようになることを目指しています。
<具体的な業務内容>
- WebサイトのUI/UXデザインの新規作成、改善
- スマホ、タブレットに適したデザインの新規作成、改善
- LPなどのデザイン業務
- プロダクト、サービスのビジュアルデザイン
- デザインカンプの作成
- ユーザーリサーチ、カスタマージャーニーマップの作成、UXデザインアプローチ
<必要なスキル>
- サービスやプロダクトのUI/UXデザインに関する経験
- デザインの意図を論理的に説明できるスキル
- Adobe Photoshop, Illustratorを用いたグラフィックデザインの経験
- Adobe XD, Figma を用いたUIデザインの経験
- HTML, CSS を使用したデザインの経験
- JavaScript の基礎知識
つまり、全体的にUI/UXデザインに強みを持つスキルが必要とされる案件です。
また、アジャイルでの開発になるので、グラフィックデザイナーであっても、チームと密接に協力しながら迅速にプロジェクトを進める柔軟性が求められます。
そのため、アジャイル開発経験やチームワークを重視するスキルや経験がある方はぜひとも応募したい案件といえるでしょう。
報酬は単価80万円からとなっており、グラフィックデザイナー案件としては非常に高単価な案件です。
案件例②マーケティング組織でのグラフィックデザイン
この案件は、マーケティング組織でのWeb、グラフィックデザイン業務を担当する案件です。
グラフィックデザイナーというとデザイン職のイメージが強いですが、マーケティング領域とも密接に関係しています。
その理由は、デザインが直接的に顧客の意思決定に影響を与え、企業のブランディングやプロモーション活動において重要な役割を担っているからです。
<具体的な業務内容>
- 法人のサービス利用促進に向けた制作
- LPやバナー広告のデザイン、改善、更新、QA
- 資料コンテンツの作成
<必要なスキル>
- Adobe Illustrator、Photoshopの業務経験5年以上
- 協調性があり、チームで仕事を進められる
- 必要に応じて監督者への報告、連絡、相談ができる
つまり、全体的にグラフィックデザインスキルとコミュニケーションスキルが必要とされる案件です。
そのため、マーケティング組織での制作経験やチームワークを重視するスキルや経験がある方はぜひとも応募したい案件といえるでしょう。
報酬は55万円〜65万円で、グラフィックデザイナーと案件としては一般的な水準です。
案件例③Maya/3dsMAXを使用したスマホゲーム向け3Dデザイン
この案件は、Maya/3dsMAXを使用したスマホゲーム向け3Dデザインを担当する案件です。
Mayaと3dsMAX案件は最近では特に需要が伸びています。
Mayaが人気の理由は、その高度なアニメーション機能と、映画やゲーム業界でほとんどの場合で採用されるからです。
3dsMAXが人気の理由は、直感的な操作性と強力なモデリングツールが挙げられ、建築可視化やゲーム開発で好んで使用されています。
そのため、今後も継続して両ツールの需要は伸び続けるでしょう。
<具体的な業務内容>
- ゲームの3DCG(キャラクター、モーション、エフェクト等)制作
- プロジェクトのグラフィックデザイン業務
- PhotoShopを使用したテクスチャ作成
中でも3Dモデリング/セットアップ/モーション付けはグラフィックデザイナーの腕を問われる業務となるでしょう。
<必要なスキル>
- Maya又は3dsMAXを使用しての経験
- 3Dモデリング/セットアップ/モーション付け/エフェクト作成
- PhotoShopでのテクスチャ作成経験
つまり、全体的に3Dデザインとテクスチャ作成のスキルが必要とされる案件です。
そのため、3Dデザインの実務経験があり、チーム内でのコミュニケーション能力や新人教育のスキルを持つ方はぜひとも応募したい案件といえるでしょう。
報酬は60万円からと、グラフィックデザイナーとしては一般的な水準です。
仕事に拘束される時間が減りインプットする時間を増やせる
フリーランスとして独立することで仕事に拘束される時間が大幅に低減できます。
これは、フリーランスが自身のスケジュールを自由に管理できるためです。
企業に勤める場合、定められた勤務時間やオフィスでの作業が求められますが、フリーランスでは自宅や好きな場所で働くことができ、効率的に仕事を進めることが可能です。
加えて、通勤時間がなくなるため、その分を仕事や自己啓発に充てることができます。
また、グラフィックデザイナーは技術の移り変わりが非常に激しい職業の一つでもあります。
デザインのトレンドは日々進化し、新しいソフトウェアやツールが登場し続けています。
そのため、最新のデザイントレンドや技術に常にアップデートされた知識を持っていることが、競争力を保つ上で非常に重要です。
以上の観点からも、グラフィックデザイナーは独立のメリットが非常に豊富である職業と言えるでしょう。
年収が大幅にアップする
グラフィックデザイナーは、フリーランスになることで年収が大幅にアップする可能性の高い職業です。
前述したように、グラフィックデザイナーの会社員の平均年収は「約449万円」です。それに対し、フリーランスの場合は「約636万円」です。
つまり、フリーランスとして独立することで「約187万円」の収入アップが見込めることになります。
もちろん、グラフィックデザイナーは個々のスキルの差が顕著になりやすい職業でもあるので一概には言えません。
しかし、多くの全体の半分以上のグラフィックデザイナーがフリーランスとして就業していることを考えると、やはり大抵の場合で収入がアップしていることが予想されます。
それでも独立するのが怖い人は副業で年収アップ!
とはいえ、やはり独立となると
「失敗したらどうしよう…。」
「自分は家庭があるから家族のためにも不安定な選択肢はとりたくない」
と考えてしまう人も多いのではないでしょうか。
そんな人におすすめなのが「副業」という働き方です。
副業というと、終身雇用神話の強い日本では敬遠されがちでしたが、昨今では積極的に副業を支援する企業も増えてきました。
大手企業であっても、最近では副業を解禁する企業も増えてきており、独立するのが怖い人には非常におすすめの働き方です。
中でも、IT業界は人手不足が深刻ということもあり、副業ワーカーを積極的にプロジェクトに採用しています。
例えば、以下のような案件でも副業として始められるので、「独立するのは怖いけど収入は増やしたい!」という人は、ぜひ一度検討してみてください。
案件例:AIを利用した新Webサービスのクリエイティブデザイン
この案件は、AIを利用した新Webサービスのクリエイティブデザインを担当する副業案件です。
<具体的な業務内容>
- クライアントとの打ち合わせ、企画(スキル、経験に応じて)
- LP(ランディングページ)、バナー、パーツ作成などクリエイティブのデザイン提案
- 社内制作チームへの指示出し
- デザイン確認、簡単な修正業務 等
AIを活用したマーケティングを行うことにもなるので、グラフィックデザイナーとしての腕もそうですが、マーケティングの知見も問われることになるでしょう。
<必要なスキル>
- Webデザインの経験3年以上
- マーケティングの知見
- コンバージョンを意識したLPデザインの経験
つまり、全体的にクリエイティブデザインとマーケティングスキルが必要とされる案件です。
そのため、Webデザインとマーケティングに関する知識や経験がある方はぜひとも応募したい案件といえるでしょう。
報酬は30万円からと一見低い水準ですが、リモートでも働けて週3勤務を想定しているので、グラフィックデザイナーとしては一般的な報酬帯です。
まとめ
本記事では、グラフィックデザイナーの平均年収、求められるスキルの変化、転職方法、そしてフリーランスとして独立する際のメリットと実現可能性について詳しく解説しました。
グラフィックデザイナーという職業は、クリエイティブな才能と技術的なスキルが求められる一方で、マーケティングやコミュニケーション能力も同様に重要です。
今後、デジタル化が進むにつれて、さらにその重要性を増していくでしょう。
ただし、デザインの世界では、技術やトレンドに敏感でいることが生き残るカギとなることは肝に銘じておきましょう。
転職を考えている方、フリーランスへの道を模索している方、あるいは自身のスキルセットをアップデートしたいと考えている方にとって、本記事が役立つ情報源となることを願っています。
「エンジニアスタイルマガジン」では、今後もこういったエンジニアにとって役立つ情報を随時お届けいたします。
それでは、また別の記事でお会いしましょう。今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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