業務委託契約者と急に連絡が取れなくなった!考えられる原因と対処法を紹介
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目次
はじめに
突然「業務委託契約者」との連絡が途絶えた場合、どのように対応すべきでしょうか?
本記事では、業務委託者との連絡が取れなくなる主な原因と、効果的な対処法について詳しく解説します。
<この記事を読むメリット>
- 業務委託契約者と連絡が途絶えた際の冷静な対処法がわかる
- 想定される連絡途絶の原因を理解し、柔軟に対応できる
- 損害賠償請求や退職扱いに関するリスクと留意点が学べる
業務委託契約者との連絡トラブルに困った経験がある方、リスク回避に役立つ知識を身につけたい方には必見の情報が満載なので、ぜひ最後までお読みください。
業務委託者と連絡が取れなくなる原因8つ
日本は少子高齢化による深刻な労働力不足に悩まされており、大企業・中小企業を問わず対応に迫られている状況です。
こういった背景もあり、昨今では一部業務を外部に委託する「業務委託」の数が急激に増えています。
人材サービスを展開する「みらいワークス研究所」の調査(2023年度)によると、日本企業の「約57.6%」が業務委託契約を今後増加させる意向を示しました。
このことからも、今後の日本社会において「業務委託で働くフリーランス」の重要性は増していくことが予測されます。
しかし、業務委託には多くのリスクが内包されています。
その一つが、業務委託先と連絡がつかなくなる可能性があることです。
特に、フリーランスや個人事業主に業務委託する際は、このリスクと常に向き合わなければなりません。
では、委託先と連絡がつかなくなる原因は何なのでしょうか?
ここでは、業務委託先と連絡が取れなくなる原因を8つ紹介し、それぞれのケースでの「待つべき時間」について解説します。
①ネット回線が繋がらなくなった
1つ目に考えられるのが「ネット回線が繋がらなくなった」です。
業務委託で働くフリーランスの多くは在宅で作業をします。そのため、ネット回線は作業の生命線です。
もし何らかの原因で回線に障害が発生すると、連絡や納品が滞る可能性があります。
例えば、プロバイダ側の不具合や、ルーターの故障、インターネットサービスの一時停止といった理由で突然連絡が取れなくなるケースも考えられます。
このような場合、通常はインターネット回線の復旧までに数時間から数日かかることが多いため、待機時間の目安としては1〜3日程度が妥当です。
②PCやスマートフォンが故障・紛失した
2つ目に考えられるのが「PCやスマートフォンが故障・紛失した」です。
フリーランスの多くは、PCやスマートフォンを主な作業ツールとして利用している場合が多いです。
これらが故障したり紛失した場合には、作業や連絡手段が完全に断たれてしまう可能性があります。
例えば、突然のハードウェアの故障や移動中の紛失などが原因で、連絡を取る手段を失うこともあるでしょう。
このような状況では、修理や新しいデバイスの準備に数日から1週間程度かかることが一般的です。
そのため、目安として3〜7日程度の待機を考慮しておくのが無難です。
③急病にかかって入院していた
3つ目に考えられるのが「急病にかかって入院していた」です。
急病や予期せぬ事故によって、業務委託者が突然入院を余儀なくされることもあります。
健康管理に気をつけていても、突発的な病気やケガが発生する可能性は誰にでもあることです。
特に急な入院が必要な場合は連絡が取れなくなるだけでなく、業務から一時的に離脱しなければならないケースも多いため、納品や進捗報告が滞ることになります。
急病の程度や入院期間によって連絡が取れるまでの期間が異なりますが、一般的に1〜2週間程度が目安といえるでしょう。
④身内の不幸に見舞われた
4つ目に考えられるのが「身内の不幸に見舞われた」です。
家族や親族に不幸があった場合、急遽お葬式や法事などに参加するために、業務委託者が長時間、または数日間不在になることがあります。
このような場合、精神的な負担や、家庭の事情で対応が難しい状況が続く可能性があるため、連絡や業務対応が滞ることもあるでしょう。
通常、この場合は3日から1週間程度、状況が落ち着くまで待つのが目安とされます。
復帰後に状況が報告される場合がほとんどですが、もし長引くようであれば、再度の確認や対応方法の調整も必要になるでしょう。
⑤自然災害や交通遮断などで自宅に帰れなくなっている
5つ目に考えられるのが「自然災害や交通遮断などで自宅に帰れなくなっている」です。
台風、地震、大雪などの自然災害や、予期せぬ交通遮断によって、業務委託者が自宅や仕事環境に戻れないことがあります。
特にフリーランスは、自宅など特定の作業環境でしか業務を進められないケースも多く、このような災害やインフラの不具合により、連絡手段が断たれてしまう可能性があるのです。
このような場合、復旧や帰宅が可能になるまで数日から1週間程度かかることが想定されます。
災害の状況によってはさらに時間がかかることもありますので、1〜2週間待つことになるかもしれません。
災害後に無事が確認できた際には、今後の対応策や予定の再調整について話し合いましょう。
⑥多忙すぎた
6つ目に考えられるのが「多忙すぎて連絡を忘れてしまっている」です。
業務委託で働くフリーランスや個人事業主は、自分のペースで仕事を進められますが、「仕事の量」自体はクライアントに委ねられています。
例えば、急に仕事が多く舞い込むとスケジュールが立て込んでしまい、連絡を失念することがあるのです。
特に複数のクライアントから仕事を受けている場合、優先順位をつける中で連絡が後回しになってしまうこともあります。
この場合は、1〜3日ほど様子を見て再度連絡を試みるのがよいでしょう。
連絡が取れた際には、業務状況の確認や進行状況の再確認を行うと今後のトラブル回避に役立ちます。
⑦クライアントの態度や要求に嫌気がさした
7つ目に考えられるのが、「クライアントの態度や要求に嫌気がさした」です。
業務委託というのはその性質上、どうしても委託側(クライアント側)の立場が強くなりがちです。
そのため、クライアントの態度や無理な要求が続くと受託者側が不満を感じ、次第に連絡を断つことも考えられます。
過剰な指示や納期に対する無理な要望、頻繁な連絡の催促などが重なると、精神的な負担となり、委託者側が業務への意欲を失う原因になりかねません。
この場合、目安としては1週間程度様子を見て再度連絡を試みるのがよいでしょう。
もし返信がない場合は、連絡の仕方や業務の進め方について話し合い、互いの期待値やコミュニケーションの取り方を再確認するのが賢明です。
⑧ただ単に怠けていた、忘れていた
8つ目に考えられるのが、「ただ単に怠けていた、忘れていた」です。
業務委託で働くフリーランスや個人事業主は、モチベーションが作業効率に直結すると言っても過言ではありません。
しかし、フリーランスというのは外部からの刺激がほとんどないので、モチベーションを長期間高い水準で保つのは至難の業です。
そのため、時には怠けてしまい、それが原因で連絡を忘れる可能性もゼロではありません。
この場合、数日(1〜3日)ほど待機し、その後リマインダーとして軽く連絡を入れると良いでしょう。
再度の連絡で対応が戻るようであれば過度な催促は避け、今後の連絡頻度や進行管理について調整を行うことで、連絡不通のリスクを軽減できます。
連絡が取れなくなった時の対処法
2024年11月からは、「フリーランス保護法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)」が施行され、フリーランスを取り巻く環境が見直されています。
そのため、連絡が取れなくなったからといって、すぐに契約解除などに踏み切るとトラブルに発展しかねません。
では、業務委託者と連絡が取れなくなった場合、委託元(クライアント側)はどのような対処法をとるべきなのでしょうか?
ここでは、フリーランスと連絡が取れなくなった時の正しい対処法をご紹介します。
できるだけ複数の連絡先を確保しておく
1つ目の対処法は「できるだけ複数の連絡先を確保しておく」ことです。
業務委託者とのやり取りに際し、メールや電話番号のほか、緊急時の連絡先としてSNSのアカウントやチャットツールなど、複数の連絡方法を確保しておきましょう。
フリーランスの中には、連絡手段を通常の業務用と緊急用の連絡先に分けている方も少なくありません。
複数の連絡手段を確保しておけば、万一、メインの連絡先に障害が発生した場合でも、代替手段からすぐに連絡を取ることが可能です。
例えば、メールが届かない際にチャットツールやSNSで直接確認することができれば、トラブルを最小限に抑えられます。
ただし、連絡先を複数確保しても業務委託者のプライバシーを尊重し、緊急時以外でプライベートな連絡先を利用することは避けましょう。
また、SNSなどの連絡手段は、事前に了承を得ておくことが大切です。
契約書を確認する
2つ目の対処法は「契約書を確認する」ことです。
業務委託契約書には、納期や連絡頻度、進捗報告の方法、緊急連絡先に関する取り決めなど、業務遂行に必要な情報が明記されていることが一般的です。
連絡が途絶えた場合の対応についても契約書に記載があることが多いため、まずは契約内容を確認することで、状況に応じた正しい対応方法を把握できます。
また、契約書を確認することで業務委託者との間で取り決めた内容に沿った対処が可能になり、トラブルが発生してもスムーズに解決しやすくなります。
なお、契約書を確認する際は曖昧な表現や未記載事項がないかに注意しましょう。
評判のいい業務委託者の紹介を受ける
3つ目の対処法は「評判のいい業務委託者の紹介を受ける」ことです。
紹介であれば、過去の実績や業務姿勢をあらかじめ確認できるため、トラブルのリスクを減らせます。
特に、特定の分野で高い評価を得ている業務委託者を紹介してもらうことで、スムーズな業務進行が期待できます。
また、紹介者との信頼関係がある場合、紹介された業務委託者も責任を持って対応してくれる可能性が高いため、業務の信頼性向上にもつながります。
ただし、紹介を受ける際には、紹介者からの評価に偏りすぎないよう注意しましょう。
場合によっては損害賠償請求も!?
万一、業務委託者と連絡が取れなくなり、委託元(クライアント側)に損害が発生した場合、状況によっては損害賠償請求することも可能です。
ただし、損害賠償請求にはいくつかの条件があります。(※詳しい条件などは以下の関連記事で解説しています)
ここでは、損害賠償請求をする場合の手順を一通りご紹介します。
損害の額を算出する
損害賠償請求をする際は、まずは正しい損害額を算出しなければなりません。
損害額の上限は、業務委託契約に基づき設定されることが一般的であり、民法第420条に基づいて当事者間で取り決めることが可能です。
そのため、契約書に損害賠償額の上限が記載されている場合は、それに基づいて算出する必要があります。
損害額を算出する際には、実際の経済的な損失を細かく見積もり、どの費用が損害に該当するのかを明確にすることが重要です。
こうした損害の内訳を文書でまとめ、根拠となる資料を準備しておくことで後の交渉をスムーズに進められます。
損害賠償請求書を作成し、送付する
損害賠償請求を行う際には、正確で明確な請求書を作成し、適切に送付することが重要です。
損害賠償請求書には、請求者および被請求者の基本情報、損害発生の日時や場所、発生した損害の詳細を具体的に記載します。
損害額の内訳も、治療費や修理費、その他の費用ごとにわかりやすく明記することが重要です。
また、総請求金額や支払い期限、支払い方法についても、振込先などを含めて詳細に示しましょう。
損害を証明する領収書や写真などの資料がある場合は、それらを添付し、一覧として明記しておくと証拠の裏付けとなり、信頼性が増します。
なお、請求書を送付する際は「内容証明郵便」を利用することでトラブルを避けられます。
業務委託先が支払いに応じない場合は、裁判所や弁護士へ相談
業務委託先が損害賠償の支払いに応じない場合、最終手段にはなりますが、裁判所や弁護士に相談することを検討しましょう。
弁護士は法的な観点から状況を整理し、強制力のある解決策を提案してくれます。
裁判所を通じて損害賠償請求を行えば、相手方も支払いに応じざるをえません。
ただし、法的措置を取る際は費用や時間がかかることも考慮しておきましょう。
弁護士費用や裁判費用も請求できる場合がありますが、事前に弁護士との相談や費用の見積もりを確認し、無理のない範囲で進めることが大切です。
連絡が取れない業務委託者を退職扱いとしてよいのか?
では、連絡が取れなくなった業務委託者は退職扱いにしてもよいのでしょうか?
そもそも、業務委託契約は雇用契約ではないため、「退職」という概念は存在しません。そのため、連絡が取れない業務委託者に対しては「契約解除」を行う形となります。
結論からいうと、連絡が取れなくなったからといって業務委託者を「即時」解雇するのは法的にも適切ではありません。
業務委託契約では、あくまで契約書の内容に沿って対応する必要があります。
ここでは、連絡が取れなくなった業務委託者に対して適切に契約を解除するまでの手順について詳しく解説します。
退職扱いとするのはややリスクあり
まず、業務委託者を退職、つまり契約解除する際のリスクを知っておきましょう。
業務委託者に対して契約解除をする際には、「下請法」や「フリーランス保護法」に基づく法的リスクが伴います。
特に、下請法は業務委託契約が適用される場面で、委託元が一方的に不利な条件で契約を解除することを規制しているため、不当な契約解除とみなされる可能性もゼロではありません。
また、2024年11月に施行されたフリーランス保護法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)は、フリーランスの保護を目的としており、委託元が一方的に不利な条件で契約を打ち切る行為を制限しています。
このため、正当な理由なく契約を解除した場合、罰則や名誉毀損のリスクも発生する可能性があるため、慎重に対応する必要があります。
まずは業務委託者の自宅を訪問し生活実態があるのか確認する
業務委託者と連絡が取れなくなり、契約解除を検討する前に、まずは業務委託者の自宅を訪問し、生活実態があるのかを確認することが推奨されます。
自宅を訪問して業務委託者が居住しているかを確認することで、病気や事故といったやむを得ない理由で連絡が取れないのか、それとも意図的に連絡を断っているのかを判断する材料になります。
訪問の目的はあくまで状況の確認であり、プライバシーや個人の権利に配慮し、事前に訪問の意図を伝えたうえで行うことが望ましいです。
ただし、突然の訪問は業務委託者の生活に干渉することにもなるため、訪問が必要と判断される場合は、プライバシーに配慮した対応を心がけましょう。
身元保証人や家族などに連絡を取り状況確認を行う
何らかの理由で業務委託者の自宅を訪問するのが難しい場合は、身元保証人や家族などに連絡を取ってみましょう。
ただし、身元保証人や家族への連絡は、プライバシーや個人情報保護の観点から慎重に行う必要があります。
連絡を取る際は、業務上の緊急連絡であることや、業務委託者と連絡が取れないことを簡潔に伝え、確認の協力を依頼する形をとるのが望ましいです。
携帯電話、電子メール、LINEなど様々な手段を用いて連絡を試みる
業務委託者が連絡不能の場合、携帯電話、電子メール、LINEなど、事前に把握しているすべての連絡手段を用いて再度連絡を試みましょう。
考えられる主な連絡手段は以下の通りです。
- 通話
- SMS(ショートメッセージ)
- 電子メール
- LINE
- Facebook Messenger
- Slack
- Microsoft Teams
- Google Chat
- Twitter(X)のダイレクトメッセージ
- Instagramのダイレクトメッセージ
- LinkedInメッセージ
- Zoom
- Skype
- Google Meet
- FaceTime(iOSデバイス)
ただし、何度も連絡を入れると、過度なプレッシャーを与える可能性があるため、連絡の頻度や方法には配慮が必要です。
最初はメールで、次にLINE、最後に携帯電話といったように、手段を切り替えつつ数日おきに連絡するのが良いでしょう。
それでも音信不通なら即時解雇ではなく、30日経過を待っての予告解雇
業務委託者と連絡が取れない状態が続き、状況が改善されない場合でも、即時解雇は法的リスクがあるため、まずは30日間の猶予期間を設けた「予告解雇」を検討するのが適切です。
業務委託契約は民法第651条に基づき、各当事者がいつでも解除できる委任契約に該当しますが、解除に際して相手方に不利な状況を生じさせた場合、損害賠償責任が発生するリスクがあります。
そのため、30日間の猶予期間を設けることで委託元として誠実な対応を示すことが、法的トラブルを避ける上で重要になってきます。
予告解雇の進め方としてはまず、内容証明郵便など証拠が残る方法で、業務委託者に対して30日後に契約解除となる可能性があることを通知しましょう。
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まとめ
本記事では、業務委託契約者と急に連絡が取れなくなった際に考えられる原因と、具体的な対処法について解説しました。
連絡が取れなくなる原因は、ネット回線のトラブルや病気、自然災害、または単なる怠慢といった様々なケースが考えられますが、いかなる場合であっても「冷静な対応」を心がけましょう。
業務委託契約における連絡途絶問題は、リモートワークが一般化する現代においてますます重要な課題となっています。
したがって、信頼関係を築くことや多様な連絡手段を確保することが、トラブルを未然に防ぐための鍵となるでしょう。
「エンジニアスタイルマガジン」では、今後もこういったフリーランスエンジニアにとって役立つ最新情報を随時お届けいたします。
それでは、また別の記事でお会いしましょう。今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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