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ネットワークエンジニアがプログラミング言語を身につけるべき背景と選定基準とは

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はじめに

ネットワークの設計や構築、運用を仕事としているネットワークエンジニア。システムのクラウド化が進んでいる現在、ネットワークエンジニアにもプログラム言語を習得することが必要とされています。とはいえ、どのプログラミング言語を学習していけばよいかわからず困っていませんか?

そこで今回は、ネットワークエンジニアがプログラミング言語を身につけるべき背景と選定基準を解説します。本記事を参考に、ネットワークエンジニアとして必要な言語や資格を習得しましょう。

ネットワークエンジニアはプログラミング言語を習得する必要がある?その背景とメリットとは

プログラミング言語を習得する必要性

  • ネットワーク仮想化の対応に必要
  • オンプレミスからクラウドへの移行が進んでいる
  • クラウド環境の利用率が高まり、ネットワークエンジニアにもコーディング技術が求められている
  • フルスタックエンジニアの需要が高まっている

ネットワーク仮想化の対応に必要

1つ目は、ネットワーク仮想化の対応に必要だということです。従来のネットワーク構築ではプログラムスキルの必要性がありませんでしたが、現在はネットワーク仮想化が一般的になりつつあり、ネットワーク仮想化にはプログラミングスキルが必要です。

ネットワーク仮想化を構築するために「Open Flow」という技術が使われることが多く、その「Open Flow」はプログラムで制御されていることから、プログラミングの知識やスキルが求められます。そのため、ネットワークエンジニアもプログラミング言語を習得する必要があります。

オンプレミスからクラウドへの移行が進んでいる

2つ目は、従来のオンプレミス環境からクラウド環境の移行が進んでいるため、プログラム言語が必要とされています。

クラウド環境を構築するには、サーバー管理のためにスクリプトを利用します。そのため、スクリプトを書いたり読んだりする場合、プログラムの技術が必要とされるため、プログラム言語を習得する必要が求められます。

クラウド環境の利用率が高まり、ネットワークエンジニアにもコーディング技術が求められている

3つ目は、クラウド環境の利用率が高まり、ネットワークエンジニアにもコーディング技術が求められていることです。総務省の「企業におけるクラウドサービスの利用動向※」によると、年々クラウドサービスを利用している企業が増えているため、クラウドに関係する業務も増加すると考えられます。

さらに最近では、lac(Infrastructure as Code)という概念が普及しており、Iacではプログラミング言語を利用してインフラを構築する必要があります。そのため、ネットワークエンジニアにもコーディング技術が求められています。

フルスタックエンジニアの需要が高まっている

4つ目は、フルスタックエンジニアの需要が高まっていることです。クラウド構築の影響で業務の幅が広くなってきており、さまざまなエンジニアが必要とされています。

しかし、求めている業務ができるエンジニアが不足しているため、ネットワークエンジニアがさまざまな業務に対応できる必要があります。そこで、幅広い知識やスキルを備えたフルスタックエンジニアとして動ける人材の需要が高まっています。

ネットワークエンジニアが学習するプログラミング言語を選ぶ際の基準とは

プログラミング言語を選ぶ際の基準

  • ネットワークエンジニアとしての業務に役立つ言語を選定する
  • 開発言語の今後の需要
  • 汎用性がある言語なのか。習得した先のメリットを確認する
  • キャリアパスで考える

ネットワークエンジニアとしての業務に役立つ言語を選定する

プログラミング言語を選ぶ際の基準として、業務に役立つ言語を選定することが大切です。例えば、Pythonの場合だとネットワークの仮想化やAWSのクラウド環境に利用できます。業務の役に立つ言語を選ぶことで作業効率化も上がります。

開発言語の今後の需要

案件数をみる

今後、開発言語の需要があるかどうか判断する目安として、ネットワークエンジニアの案件数をみてみましょう。エンジニアスタイル東京のネットワークエンジニアのフリーランス求人・案件によると、案件全体で2,680件あります。案件を詳しく知りたい方は、下のリンクから最新の情報を確認しましょう。

月額単価相場では最高単価が190万円で、単価60万〜単価70万が879件と案件数が一番多く、平均単価が64万円になっています。今後の需要に関して、案件数を参考にするのも1つの目安にしましょう。

トレンドや使用率を参考にする

2023年1月のTIOBE指数

今後、開発言語の需要があるかどうか判断するには、トレンドや使用率を参考にしましょう。上図のTIOBEプログラミングコミュニティインデックスでは、プログラム言語がどれだけ話題になっているかを評価順で示しています。そのため、今後システム構築をする際に、プログラミング言語を選択する参考にできます。

汎用性がある言語なのか。習得した先のメリットを確認する

プログラミング言語を選ぶ際の基準として、習得した先のメリットを確認することも大切です。選ぶ基準として汎用性がある言語かどうかも確認して、習得するようにしましょう。

言語 習得した先のメリット
C言語 PHPやPythonなど多くの言語の元となっているため、新しい言語習得がスムーズになる
Python Webサービスやアプリの開発でPythonを利用する企業が増加しているため、多くの企業からの需要がある
Java 実行環境の自由度の高く幅広い分野で利用されており、多くの企業のシステム開発で使われているため、求人数が多い

キャリアパスで考える

プログラミング言語を選ぶ際の基準として、キャリアパスで考えることも大切です。習得する言語によってキャリアパスの職種も変わってきます。具体的なキャリアパスに必要なプログラム言語は以下のとおりです。

キャリア プログラム言語
セキュリティエンジニア PHP、C言語、C++、JavaScript
クラウドエンジニア Ruby、Python、Java、JavaScript
インフラエンジニア Ruby、Python、Java、Shell

ネットワークエンジニアに習得をオススメしたいプログラミング言語

オススメのプログラミング言語

  • Ruby
  • Python
  • Java
  • C言語

Ruby

おすすめのプログラミング言語の1つ目は、「Ruby」です。Rubyは日本製のプログラミング言語で、Web開発を得意としており、Webサービスやサイト制作、Webアプリの開発、スマホアプリの開発などができます。Rubyの特徴として以下のようなことが挙げられます。

Rubyの特徴

  • コードがシンプルでわかりやすい
  • プログラム中に問題が発生した場合の特定がしやすい
  • 初心者でも習得しやすい

Python

おすすめのプログラミング言語の2つ目は、「Python」です。世界中の数多くのアプリケーションに使われているPythonはオープンソースのプログラム言語で、Webアプリケーションの開発に活用されています。例えば、インスタやYou tube、Dropboxなどの開発言語として使われています。Pythonの特徴として以下のようなものがあります。

Pythonの特徴

  • ゲームアプリの開発が可能である
  • DjangoなどWebフレームワークが活用できる
  • コードが書きやすく汎用性がある

オープンソースとは

ソフトウェアの設計図にあたるソースコードを無償で公開し、誰でも自由にそのソフトウェアを使用、複製、改良、再配布できるようにすること。または、その考えに基づいて公開されたソフトウェアのことを指す。英語の「Open Source Software」の頭文字をとって「OSS」と呼ばれることもある。

Java

おすすめのプログラミング言語の3つ目は、「Java」です。古くからよく使われている言語で、日本でも人気のあるプログラミング言語です。システム開発やWeb開発、Webアプリケーションの開発などに利用されています。Javaの特徴として以下のようなものがあります。

Javaの特徴

  • WindowsやMasなどほとんどのOSに対応している
  • 開発者から人気があり、使い道が豊富である
  • コンパイラ型言語なので処理速度が速い

C言語

おすすめのプログラミング言語の4つ目は、「C言語」です。C言語は、1972年に開発された言語で、OSの開発やアプリ・ソフトウェアの開発、ロボットや家電製品など組み込みソフトの開発などに利用されています。

PHPやPythonなど多くの言語の元となっているため、C言語を習得することで他の言語も理解しやすくなります。C言語の特徴として以下のようなものがあります。

C言語の特徴

  • OS開発や電子機器の制御などに使われ汎用性がある
  • コンパイル方式で処理速度が速い
  • CPUやメモリなどを扱うためコンピュータの基礎を学べる

ネットワークエンジニアが合わせて身につけておきたいヒューマンスキルとは

身につけておきたいヒューマンスキル

  • ビジネスコミュニケーションスキル
  • 障害対応の解決力とインシデント発生時のレポーティング
  • 英語力

ビジネスコミュニケーションスキル

身につけておきたいスキルの1つ目は、ビジネスコミュニケーションスキルです。ネットワークエンジニアの仕事内容は、ネットワークの設計や構築、運用ですが、その中でクライアントと作業の関係でコミュニケーションをとる機会があります。

ネットワークを構築する際に、クライアントの話をくみ取りながらシステムに対しての要望に答えるなど信頼関係を築くことが大切です。そのため、ビジネスコミュニケーションが必要になります。

障害対応の解決力とインシデント発生時のレポーティング

身につけておきたいスキルの2つ目は、障害対応の解決力とインシデント発生時のレポーティングです。ネットワークを構築する際にネットワーク上での障害や問題が発生することがありますが、ネットワークエンジニアは原因の追及や解決をしなければいけません。

その場合、レポーティングの作業ができるスキルが必要になり、障害に対しての分析や解決方法、今後の取り組みなどのレポートにまとめる力が要求されます。

インシデントとは

ITサービスの分野では、利用者がITシステムによって本来できるはずの業務・行為を正常に遂行できない状態や事象のことをインシデントと言います。

英語力

身につけておきたいスキルの3つ目は、英語力です。IT機器メーカーの製品の技術文書では英語で書いてあることが多く、英語の文書が読める力が必要になります。英語の文書が分からなくて翻訳機能を使う手間も省けるため時間的効率もよくなり、仕事がスムーズになります。

さらに、海外企業とやり取りをする場合にも英語力が必要です。海外を拠点としているIT企業では、常に英語で会話する必要があるため、レベルの高い英語力が求められます。

ネットワークエンジニアとしての価値を高める資格とは

価値を高める資格

  • CompTIA(コンプティア)
  • シスコ技術者認定(CCNAなど)
  • LPIC(エルピック)(Linux Professional Institute Certification)
  • LinuC(リナック)
  • AWS認定資格

CompTIA(コンプティア)

CompTIAは、世界にも通用するITエンジニア向けの認定資格で、多くの企業がスキルアップ支援するために採用している資格に1つです。

CompTIAでは、「CompTIA Network+」「CompTIA Security+」「CompTIA Cybersecurity Analyst」など多くの資格認定を用意しており、中でも「CompTIA Network+」はネットワークエンジニアにとってキャリアアップに適している資格です。

シスコ技術者認定(CCNAなど)

シスコ技術者認定は、シスコシステムズ合同会社がネットワークの技術を証明するために認定している資格です。入門レベルから上級レベルまで多くの難易度が用意され、ネットワークエンジニアとしての経験に応じて試験を受けられます。

レベルに応じたプログラム

プログラム シスコ技術者認定資格
エントリー CCT(シスコ認定技術者)
アソシエイト CCNA(シスコ認定ネットワークアソシエイト)
プロフェッショナル CCNP(シスコ認定ネットワークプロフェッショナル)
エキスパート CCIE(シスコ認定インターネットワークエキスパート)
CCDE(シスコ認定デザインエキスパート)
アーキテクト CCA(シスコ認定アーキテクト)

シスコ技術者認定は、世界に通用する資格であり必要な知識が盛り込まれているため、ネットワークエンジニアとしてのスキルアップやキャリアパスにも活躍できる資格です。

LPIC(エルピック)(Linux Professional Institute Certification)

LPICの正式名所は、Linux技術者認定試験「Linux Professional Institute Certification」で、Linuxのプロフェッショナルを認定する試験です。レベルはLPIC-1〜LPIC-3まで分かれており、Linuxの技術力が向上するため、ネットワークエンジニアが取得しておきたい資格の1つになります。

レベル 内容
LPIC-1認定 実際のシステム管理に習熟しているかどうかを検証
LPIC-2認定 中小規模の混合ネットワークを管理する能力を検証
LPIC-3認定 エンタープライズレベルの Linux プロフェッショナル向けに設計

LinuC(リナック)

LinuCは、Linux技術者の技術力を証明できる資格です。求められるLinux技術者として、「クラウド」「オープンソースのリテラシー」「システムアーキテクチャの知見」が必要であるとされています。LPICではレベル1〜レベル3の3種類のグレードに分かれており、以下のような内容の技術力が必要です。

LinuCの3つのレベル

グレード 内容
LinuCレベル1 物理・仮想環境のLinuxサーバーの構築・運用
LinuCレベル2 仮想マシン・コンテナを含むLinuxシステム、ネットワークの設計・構築
LinuCレベル3 各分野の最高レベルの技術力を持つ専門家レベル

AWS認定資格

AWS認定試験は、AWS上でクラウドの専門知識を検証するもので、資格を所有していることで、AWSを扱えるスキルを証明できます。4つのレベルで構成されており、12種類の資格があります。クラウドの専門知識が証明できるため、ネットワークエンジニアにとって高い評価を得られます。

AWS認定

レベル 認定の種類
基礎 クラウドプラクティショナー
アソシエイト ソリューションアーキテクト、ディベロッパー、アドミニストレーター
プロフェッショナル ソリューションアーキテクト、DevOps エンジニア
専門知識 アドバンスドネットワーキング、データアナリティクス
データベース、マシンラーニング、セキュリティ、SAP on AES

引用:AWS

まとめ

今回は、ネットワークエンジニアがプログラミング言語を身につけるべき背景と選定基準を解説しました。おすすめのプログラミング言語や資格を紹介したので、自分にとって必要なスキルを身につけることで、今後のキャリアパスにも活かすことができます。

本記事を参考に、ネットワークエンジニアに必要なプログラム言語の学習やネットワークエンジニアとして認められる資格を取得しましょう。

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