組み込みエンジニアのフリーランス案件動向と単価相場とは？具体的な案件も合わせて紹介

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組み込みエンジニアのフリーランス案件

フリーランスの組み込みエンジニアの案件・求人の動向

組み込みエンジニアの副業における仕事内容とは

組み込みエンジニアの仕事内容は、名前の通り製品などを動かすプログラムである組み込みソフトウェアを開発する仕事です。

組み込みシステムは、一般的なコンピュータシステムとは異なり、限られたリソースを持つ小型のマイクロコントローラやプロセッサを用いて制御されており、私たちの身近な家電や製品のありとあらゆる動作を制御しています。

例えば、家電製品、自動車、医療機器、航空機などの制御システムが組み込みシステムにあたります。

このように、身近な生活に欠かせない存在となる組み込みソフトウェアを開発する組み込みエンジニアはIT業界でも需要の高い職種となっています。

製品の企画(電子機器に搭載する機能の検討)

案件を受注した場合、組み込みエンジニアは電子機器に搭載する機能の検討を行っていきます。

機能実現のために製品市場の情報収集・競合他社との差別化・費用などを加味しながら見当する必要があるので、ある程度要件を決めるのに経験がある組み込みエンジニアが担当します。

案件によってまちまちですが、この段階で組み込みエンジニアがおおよその概算見積もりを出すこともあります。

搭載機能の要件が決まれば、次は具体的な仕様の設計業務に入ります。

設計業務では具体的にどのように昨日実現を目指せば良いのかの専門的な知識が必要になります。

そのため、こちらも要件定義と同じく経験を積んだ組み込みエンジニアが担当するケースが多いといえます。

ハードウェア/ソフトウェアの設計

組み込みエンジニアにおいてもハードウェアの知識は持っておいた方が良いといえます。

連携する外部企業との兼ね合いでハードウェアの仕様書・設計書が先方から中々上がってこないということもあります。

このような場合は、組み込みエンジニアはハードウェアの回路図面を参考に機能設計を行う必要があります。

そしてこの回路図面を読めるようになるには、ある程度ハードウェアに関する知識を身に付けておく必要があります。

組み込みソフトは、ハードウェアが想定の動きを行うことで初めてソフトとして結果を出すことができるため、単に組み込みソフトに関する知識だけではなく関わる周辺設備の知識も備えておくと良いといえます。

システム設計/開発/実装(プログラミング)

組み込みエンジニアは、電子機器や制御装置、ロボットなどの機械に内蔵されるプログラムやシステムを設計・開発・実装する仕事も担当します。

設計にあたっては、要件定義や仕様書の作成、設計図の作成、システムの機能や信頼性などの評価が必要です。

開発工程では、マイクロコントローラやプロセッサなどのハードウェアに組み込むためのプログラムを作成し、プログラムにはC言語やアセンブリ言語などが使用されます。

デバッグ、テスト

組み込みエンジニアは、設計・開発が終了した後、C言語やアセンブリ言語などで記述されたプログラムのテストやデバッグも担当します。

テストには、単体テスト、結合テスト、システムテストなどがあり、テストの結果をもとに改善や修正を行います。

保守

組み込みエンジニアの保守の仕事内容は、不具合の解析・修正、顧客対応・サポートなど多岐にわたります。

システムや製品に不具合が発生した場合は、その原因を解析して修正することがメインになります。

例えば、ログ分析やデバッグツールを使って不具合の発生原因を特定し、修正のための改修計画を立てるなどの業務を行います。

また、システムや製品のユーザーからの問い合わせに対応し、問題の解決方法や操作方法などを説明するサポートを行います。

案件自体は少ない状態

フリーランスエンジニア全体の案件数は10万件を超えているにもかかわらず、組み込み系・制御系エンジニアのフリーランス案件は100〜200件程度に留まっています。

これにはいくつかの理由があるため、その理由について解説していきます。

案件が少ない理由

副業向けのプログラミング言語と親和性が無い

比較的専門的で特化した領域に携わることが多い組み込み系は、専門知識を必要とするC言語やアセンブリ言語などを扱うため、副業としての需要が限定的であると言えます。

身に付けるべき技術が副業向きでは無い

組み込み系の開発には、特定のハードウェアやRTOS（Real-Time Operating System）など、比較的専門的な知識が必要になる場合があります。

これにより、フリーランスエンジニアが受注することが難しくなることがあるため、求人数が少なくなっている可能性があります。

身につけているプログラミング言語をベースにした副業は幅が広い

Pythonでは、データ分析や機械学習などの分野に最適化されているため、これらの分野においてフリーランスエンジニアの需要が高く、案件数が多くなっています。

また、C++では高速な処理やメモリ効率に優れた言語であるため、ゲームや組み込みシステムなどの分野において、需要が高いため案件数も多くなっています。

フリーランスの組み込みエンジニアに求められるスキルとは

フリーランスの組み込みエンジニアにはプログラミングの言語スキルや実務経験などにとどまらず、ハードウェアやソフトウェアの知識が求められています。

プログラミング言語スキル・経験

フリーランスの組み込みエンジニアに求められるプログラミング言語スキルは、そのエンジニアが担当するプロジェクトやクライアントの要求によって異なりますが、次に紹介する言語スキルが求められることが多いです。

C言語

組み込みシステムでは、C言語やC++が主流のプログラミング言語として使用されています。

​​例えば、マイクロコントローラーは低コストで小型のコンピューターで、家電製品、車両、おもちゃなどに使用されます。

C言語は、このマイクロコントローラで最も一般的に使用されるプログラミング言語の1つです。

メモリやリソースの制限があるため、高度な最適化や高速な処理が必要な場合には、アセンブリ言語の知識も必要になることがあります。

アセンブリ言語

アセンブリ言語は、組み込みシステムで直接的に制御する必要がある場合に使用されます。

コンピューターシステムと周辺機器との間で通信を行うためのプログラムであるデバイスドライバーは、ハードウェアの詳細にアクセスする必要があるためアセンブリ言語が使用されることがあります。

また、コンピューターシステムの起動プロセスを管理するプログラムであるブートローダーは、コンピューターシステムが正常に起動し、必要なアプリケーションが実行できるような制御を実現するために、アセンブリ言語が使用されます。

Java

Javaは、モバイルデバイス用のプログラミング言語として最も広く使用されており、Javaを使用してAndroidアプリケーションを作成できます。

また、他にもIoTデバイス用のプログラミング言語としても使用されています。

Javaは、オブジェクト指向言語であり、標準ライブラリが豊富であるため、高度な機能を実装するのに便利です。

C言語、C++、アセンブラを使った実務経験

組み込みエンジニアは、マイクロコントローラやマイクロプロセッサーなどのハードウェアに直接制御を行うソフトウェアを開発することが求められます。

C言語は組み込みシステムのプログラミングに必要不可欠な言語で、ハードウェアに近いレベルでプログラミングができるため、組み込みシステムの開発に適しています。

また、C言語はメモリ管理やポインターの扱いなどの基本的なプログラミングスキルを身につけるためにも、エンジニアにとって必要な言語といえるでしょう。

C++は、C言語の拡張版であり、こちらもオブジェクト指向プログラミングができるため、組み込みシステム開発に適しています。

組み込みシステムは、複雑で大規模なシステムが多いため、オブジェクト指向プログラミングが必要になる場合が多々あります。

また、C++は、標準ライブラリが豊富であるため、開発効率が向上するという利点もあります。

アセンブラは、マイクロコントローラやマイクロプロセッサーの命令セットを直接操作することができる言語です。

組み込みシステムでは、プログラムの実行速度が非常に重要であるため、アセンブラを用いて最適化することが必要になる場合があります。また、デバッグのためにも、アセンブラを読むことができるスキルが必要になることがあります。

以上のように、組み込みエンジニアには、C言語、C++、アセンブラを使った実務経験が必要になります。

これらのスキルを持ったエンジニアは、ハードウェアに近いレベルでのプログラミングができるため、高度な技術力が求められる分野である組み込みシステム開発において、有利な立場になることができるといえるでしょう。

ハードウェアの知識と経験

組み込みシステムは、ハードウェアとソフトウェアが密接に結びついたシステムです。

CPUやマイコンなどのハードウェアが使用されることや、回路図や電子デバイスなどの設計が必要なため、ハードウェアの知識と経験がない場合、適切なハードウェアの選定や設計ができず、組み込みシステムの開発に支障をきたすことがあります。

ソフトウェアの知識と経験

「TRON」「T-Kernel」「VxWorks」「OSEK」「Rt-Linux」は、組み込みシステム開発においてよく使用されるリアルタイムオペレーティングシステム（RTOS）です。

RTOSは、リアルタイム性能や信頼性が高く、制御システムなどのアプリケーションでよく使用されますが、RTOSの開発には組み込みシステムの特殊性に関する知識や、RTOSが提供するAPIやドライバー、ハードウェアの制御方法に関する知識が必要となります。

ミドルウェアやアプリケーションなどの開発経験

組み込みシステムは、ハードウェアとソフトウェアが密接に結びついたシステムであるため、アプリケーションやミドルウェアの開発経験が求められます。

これは、システム全体の設計・開発において、組み込みシステムのハードウェアとソフトウェアを統合し、一体となったシステムを実現するためです。

組み込みエンジニアのフリーランス単価相場と具体的な案件を紹介

フリーランスの組み込みエンジニアの平均年収

フリーランス組み込みエンジニアの平均年収は、比較的高い700〜800万円程となっております。

組み込みエンジニアの具体的なフリーランス案件

①【C/C++/VC++(組み込み)/リモートOK】【業務委託(準委任)】カメラ系デバイスドライバ開発

・概要：カメラ系デバイスドライバ開発

・仕事内容：デジタルカメラ機器向けデバイスドライバ開発におけるSW設計・実装・テスト

・必要なスキル：

C、Linux環境での開発経験がある(3年以上)。

ハードウェア制御(ローレイヤーの組み込み開発)経験者。

組込みLinux、μiTRONを用いた開発経験。

・単価

60万円〜

②C /C++/Linux デジタル複合機向けソフト開発

・概要：デジタル複合機から取得したデータ分析、および動作に必要となるプログラムの開発

・仕事内容：お客様から要求のヒアリング、設計～実装～評価を担当

・必要なスキル：

C, C++を使用した組込みソフト開発経験。

組込みLinux向けソフトウェアの開発経験。

・単価

50万円〜

Pythonを軸にしたフリーランス案件の平均年収

Pythonを軸にしたエンジニアの平均年収は、比較的高い800〜900万円程となっております。

Pythonを軸にした具体的なフリーランス案件

①【開発系PM】【業務委託(準委任)】既存サービスにおける設計及び開発・運用保守案件等

・概要：既存サービスにおける設計及び開発、運用保守等

・仕事内容：新規サービスの立ち上げ、複数サービスにおける横断的なサービス設計、設計及び開発、運用保守

・必要なスキル：

開発チームでのリーダー、またはマネジメント経験。

・単価

100万円〜

②【フルリモート/ReactNative】HRTech企業でプロダクトの1→10フェーズを牽引いただけるモバイルアプリエンジニアを募集！！

・概要：AIを活用した転職アプリのフロントエンド開発

・仕事内容：フロントエンド開発

・必要なスキル：

React.jsまたはReact Nativeを使った実務経験(3年以上)。

・単価

100万円〜

C++を軸にしたフリーランス案件の平均年収

Pythonを軸にしたエンジニアの平均年収は、比較的高い700〜800万円程となっております。

C++を軸にした具体的なフリーランス案件

①【TypeScript】AI自動テストツールの開発及び導入

・概要：AI自動テストツールの開発/導入

・仕事内容：シナリオ・スクリプト・テストデータの自動作成、及びテスト自動実行ツールへの自動連携によりテスト工数を大幅に削減するAIアプリケーションの開発

・必要なスキル：

RustまたはC++1年以上の業務経験。

React(TypeScript)2年以上の業務経験。

静的型付け言語(Java,C#など)での開発実務経験5年以上。

テスト仕様書作成/テスト実施経験orテスト駆動開発の実務経験。

・単価

75万円〜

②【C/C++/週5日】ロボティクス関連ロボットソフトウェア開発

・概要：3D自律移動ロボットのSW開発・品質向上・保守

・仕事内容：詳細設計〜テスト

・必要なスキル：

C/C++(できれば11以降)での開発経験(3年以上)。

組み込み開発経験(3年以上)。

iOSアプリの開発経験(インターフェースに関する知見)。

Ubuntu(Linux)環境での開発(PCもしくはサーバー上での)経験。

・単価

60万円〜

フリーランスの組み込みエンジニアになるメリットとデメリットとは

フリーランスの組み込みエンジニアになる前に考慮しておくべきメリットとデメリットがそれぞれあるため、事前に理解しておく必要があります。

フリーランスの組み込みエンジニアになるメリット

組み込みエンジニアとしてスキルアップを図ることができる

フリーランスの組み込みエンジニアは、ハードウェアやソフトウェアにおける知識やスキルアップを図ることができます。

例えば「TRON」「T-Kernel」「VxWorks」「OSEK」「Rt-Linux」は、組み込みシステム開発においてよく使用されるリアルタイムオペレーティングシステム（RTOS）です。

これらのRTOSの開発には、RTOSが提供するAPIやドライバー、ハードウェアの制御方法に関する専門的な知識が必要になることから、組み込みエンジニアとして重要な要素のスキルアップが可能となります。

多様なプロジェクトに参加できる

フリーランスの組み込みエンジニアは、多くの知識を包括的に学ぶ必要があるため、ある程度経験を積むと組み込み系以外のプロジェクトにも参画可能な自力が養われます。

そのため、システム開発系のプロジェクトを始め他案件への参画障壁の敷居が低くなり、多様なプロジェクトに参加することが可能です。

フリーランスの組み込みエンジニアになるデメリット

案件が少なく、契約終了後に案件を探すことが難しいケースもある

比較的専門的で特化した領域に携わることが多い組み込み系は、専門知識を必要とするC言語やアセンブリ言語などを扱うため他エンジニアに比べ案件が少なくなっています。

そのため、参画していた案件が終了してしまうと似たような案件を探すことが難しくなり、必然的に他の知識やスキルが必要という状況になってしまう可能性も考えられます。

プロジェクト獲得に必要なスキルが必要

フリーランスの組み込みエンジニアは、専門的な知識を要する組み込み案件への参画が求められますがそのスキルは一朝一夕で身につくようなものではありません。

C言語やアセンブリ言語、Javaなどの言語だけでも初学者にとっては比較的敷居の高い言語であるため、ある程度の知識やスキルが求められます。

また、全体の案件数的にも少ないことから、同じようなフリーの組み込みエンジニアと競合してしまうことが考えられるため、純粋なスキルの比較で案件の合否が決まってしまう場合があります。

組み込みエンジニアのフリーランス案件の探し方とは

フリーランスエージェントを活用する

フリーランスエージェントに登録して、組み込みエンジニアとしてのスキルや経験をアピールすることで、その情報を元に案件が紹介してもらえます。

エージェントに自分が希望する案件の条件を伝えておくことで、期間や報酬、スキルや業界など、自分に合った案件を紹介してもらえる可能性があります。

具体的には以下のようなフリーランスエージェントがあります。

テックビズフリーランス

テックビズフリーランスは、株式会社テックビズが運営しているフリーランス支援会社です。

単純な案件紹介はもちろんのこと、キャリアプランの相談や確定申告のサポートまで、フリーランスの悩み事に寄り添ってくれるのが特徴です

ランサーズエージェント(Lancers Agent)

ランサーズエージェント(Lancers Agent)は、ランサーズエージェンシー株式会社が運営しているフリーランスエンジニア・Webクリエイター・マーケターに案件を紹介しているサービスです。

日本でも最大規模のフリーランス向けサービスである「ランサーズ」を運営しているため、案件も豊富で安心して利用できるのが特徴となります。

FREE-DA（フリーダ）

FREE-DA（フリーダ）は、2007年に設立した株式会社ハイウェルが運営しており、ITエンジニアやクライアント向けのエージェントサービスとなっています。

株式会社ハイウェルではＩＴソリューション事業やプロモーション事業、HR事業などを行っていて、クライアントおよび元請会社からの直接案件が豊富です。

友人や過去に所属していた企業や取引先からのリファラル

コミュニティ内で信頼関係を築いたら、リファラルを求めることができます。

リファラルとは、自分が知っている人から紹介してもらうことで、案件を獲得する方法の一つです。

リファラルは、直接的なメリットを提供するため、特にフリーランスの場合は重要な手段となります。

SNSを活用して案件募集・営業する

LinkedInは、ビジネス向けのSNSであり、組み込みエンジニア向けの求人情報が多数掲載されています。

自分のプロフィールを充実させ、組み込みエンジニアとしてのスキルや経験をアピールし、求人情報を収集することができます。

また、Twitterでは、組み込みエンジニア向けの求人情報がツイートされることがあります。

組み込みエンジニアとしてのスキルや経験を発信することで、求人情報が提供される可能性もあります。

フリーランス案件一括比較サイト「エンジニアスタイル東京」を活用する

エンジニアスタイル東京は、エンジニア専門のフリーランスマッチングサイトで、組み込みエンジニアのフリーランス案件を探すために活用することができます。

プロフィールを充実させることでスカウトを受け取ることが可能になったり、多くの案件情報を確認できるようになります。

また、サポート体制・フォローアップ体制が整っているため初めて利用する人でも安心してフリーランスとして活動ができるようになっています。

組み込みエンジニアの求人はエンジニアスタイルでも一覧することができ、稼働調整、リモート対応、トレンドの案件など多岐にわたって案件紹介が行われています。

まとめ

いかがでしたでしょうか？

フリーランスの組み込みエンジニアの案件単価は高いものの、他のエンジニアの案件に比べると案件数が少ない傾向にあります。

専門的な領域となるため希少な人材にはなりますが、他の案件も視野に入れた学習を行うことが必要になるかもしれません。

どの言語をベースに勉強していくか戦略を練っていくことが大切かもしれません。

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組込み・制御エンジニア