フリーランスエンジニアが知っておくべき簿記の基礎知識とおすすめの会計ツールを紹介

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目次
はじめに
フリーランスエンジニアとして活躍するためには、技術力だけでなく、正確な「お金の管理」も欠かせません。
簿記の知識があれば、案件ごとの収入管理、経費の記録、確定申告などをスムーズに対応できるだけでなく、節税や経営の効率化にもつながります。
本記事では、フリーランスエンジニアが知っておくべき簿記の基礎知識を解説し、さらに業務効率化におすすめの会計ソフトをご紹介します。
<この記事を読むメリット>
- 簿記の基本が理解できる
- 確定申告の準備がスムーズに進められる
- 節税のポイントが分かる
- 会計ソフトの選び方が分かる
「お金の管理に自信がない」「確定申告が面倒に感じる」と思っている方も、この記事を読めば、簿記の基礎と実践方法がしっかり身につきます。
安定した経営を目指したい方は、ぜひ最後までチェックしてください!
フリーランスエンジニアに簿記が必要な理由
フリーランスエンジニアとして独立すると、今まで会社がしてくれていた税務処理をすべて自分でこなさなければなりません。
しかし、税務処理は非常に複雑なので、多くの人が毎年の確定申告に難儀します。
そんな時に役に立つのが「簿記」のスキルです。
ここではまず、フリーランスエンジニアに簿記が必要な理由についてわかりやすく解説していきます。
フリーランスにはお金の管理能力が求められる
フリーランスエンジニアとして独立すると、会社員時代とは異なり、収入も支出もすべて自己管理する必要があります。
フリーランスの収入は案件ごとに異なり、毎月の収入が一定とは限りません。
支出もPCやソフトウェアの購入費、通信費、コワーキングスペースの利用料など、業務に関連するさまざまな経費が発生します。
これらを適切に管理しなければ、無駄な支出が増えたり、事業を運営するための資金が不足してしまいかねません。
しかし、簿記の知識を身につけることで、自分の収支を正確に把握できるようになります。
例えば、「売上がいくらあって、経費として何をどのくらい使ったのか」を明確に記録することで、経営の健全性を保つことが可能です。
また、収支のバランスを意識することで、将来的な投資(スキルアップのための学習費、機材の更新など)の計画も立てやすくなります。
このように、貯蓄や予算管理の意識を高めることで、フリーランスとしての活動を安定させることができるのです。
節税のポイントを理解できる
フリーランスエンジニアとして活動する上で、節税は最重要課題の一つです。
会社員であれば、税金は給与から天引きされて会社が計算してくれるため、個人が細かく意識する必要はありません。
しかし、フリーランスの場合は自分で確定申告を行い、適切に税金を計算しなければなりません。
ここで簿記の知識があると、節税のポイントを理解でき、税負担を軽減できます。
例えば、フリーランスには「経費」という大きな節税の要素があります。
業務に必要なパソコンや周辺機器、開発ソフトウェア、コワーキングスペースの利用料、書籍やオンライン講座の受講費など、業務に関連する支出は経費として計上可能です。
また、青色申告を活用すると最大65万円の特別控除が受けられるなど、節税のメリットが大きくなります。
しかし、青色申告を行うには帳簿を正しくつけなければなりません。
簿記の知識があれば、青色申告に必要な複式簿記もスムーズになり、結果的に手元に残るお金を増やすことができます。
確定申告の準備が自分でできる
フリーランスエンジニアにとって、毎年の確定申告は避けて通れない重要な業務の一つです。
会社員の場合、年末調整によって税金が自動的に計算されるため、確定申告をする必要はほとんどありません。
しかし、フリーランスは毎年自分で所得を計算し、税務署に申告しなければなりません。
この作業をスムーズに行うためには、簿記の知識が不可欠です。
簿記を学んでおくと、日々の取引を正しく記録し、確定申告時に必要なデータをわかりやすく整理することができます。
例えば、売上や経費を帳簿に記録しないまま放置していると、確定申告の際に大量のレシートや請求書を見ながら慌てて計算しなければならなくなります。
しかし、日々の取引を正しく記帳していれば、確定申告の準備もスムーズになり、時間と労力を大幅に削減可能です。
確定申告をスムーズにこなせれば、時間と労力の節約につながり、安心して本業に集中できる環境を作ることにもつながります。
フリーランスエンジニアが知っておくべき簿記の基礎知識
簿記は本来、税理士などの会計専門職が身につけるべきスキルです。そのため、いまいちイメージできない人も多いかもしれません。
そこでここからは、フリーランスエンジニアが知っておくべき簿記の基礎知識について、順を追ってわかりやすく解説していきます。
簿記とは?
そもそも簿記とは、お金の流れを整理し、記録するための仕組みです。
ビジネスにおいて「どこから収入を得て、何にお金を使ったのか」を正確に把握することは、経営健全化のためにも非常に重要な要素といえます。
企業はもちろん、フリーランスとして働く個人事業主も、このお金の流れを適切に管理する必要があります。
つまり、そのためのルールや手順を体系化したものが「簿記」です。
簿記と聞くと、難しそうな計算や複雑なルールを想像するかもしれません。
しかし、基本を押さえておけば、フリーランスの仕事に必要な範囲で問題なく活用できます。
簿記の記帳方法は2種類ある
簿記の記帳方法は「単式簿記」と「複式簿記」の2種類です。
- 単式簿記:収入や支出をシンプルに記録する方法で、家計簿のようなイメージ。確定申告で白色申告をする際に用いることが多く、比較的簡単な記帳方法。
- 複式簿記:お金の出入りを「借方」と「貸方」に分けて記録する方法。青色申告をするフリーランスに求められる記帳方法で、財務状況をより正確に把握できる。
以下では、それぞれの記帳方法の特徴について、もう少し深掘りして解説します。
単式簿記
単式簿記とは、収入と支出をシンプルに記録する方法です。使用する帳簿は主に「現金出納帳(げんきんすいとうちょう)」や「簡易帳簿(収支内訳書)」です。
単式簿記では、家計簿と同じように「いつ、何に、いくら使ったのか」「どこから、いくらの収入があったのか」を一行ずつ記録していきます。
例えば、以下のような形式で記入します。
日付 | 内容 | 収入(円) | 支出(円) |
2025/02/01 | クライアントAからの報酬 | 200,000 | – |
2025/02/05 | ソフトウェア購入 | – | 10,000 |
2025/02/10 | コワーキングスペース利用料 | – | 5,000 |
このように、単純に「お金が入ったらプラス」「お金を使ったらマイナス」と記録していくのが単式簿記の特徴です。
誰でも手軽に管理できるため、簿記の知識がなくてもすぐに始められます。
ただし、単式簿記では資産や負債の管理ができません。
例えば、「まだ支払っていない請求書(未払金)」や「クライアントに請求したが未入金の報酬(売掛金)」を適切に管理できないため、事業の財務状況を正確に把握するのは難しいです。
また、単式簿記で白色申告を行う場合、青色申告のような税制優遇(最大65万円の控除など)が受けられないというデメリットもあります。
複式簿記
複式簿記とは、取引を「借方(左側)」と「貸方(右側)」に分けて記録する方法です。主に「貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)」を用いて記帳します。
複式簿記は、企業が採用している会計方法と同じで、より正確なお金の流れを管理できます。
例えば、クライアントから報酬200,000円を受け取った場合、単式簿記では「収入200,000円」とだけ記録しますが、複式簿記では次のように記録します。
日付 | 借方(増えたもの) | 金額(円) | 貸方(減ったもの) | 金額(円) |
2025/02/01 | 普通預金 | 200,000 | 売上 | 200,000 |
このように、「どこからお金が入ったのか」だけでなく、「そのお金がどの勘定(資産・負債・収益・費用など)に影響を与えたのか」を明確に記録します。
複式簿記のメリットは、財務状況を正確に把握できる点です。
例えば、「いくらの未払い経費があるのか」「どれだけの売掛金が残っているのか」などが分かるため、資金繰りの管理がしやすくなります。
さらに、青色申告(複式簿記による申告)を行えば、最大65万円の特別控除を受けられるため、節税のメリットも大きいです。
一方で、複式簿記は単式簿記に比べて記帳が複雑になります。
しかし、会計ソフトを使えば自動的に複式簿記の形式で仕訳を作成できるため、現在ではほとんどの人が会計ソフトを利用して作成しています。
基本的な簿記用語
簿記を理解するためには、基本的な会計用語を知っておくことが重要です。
以下では、会計の基本用語と確定申告に必要な勘定科目をチェックリスト形式でまとめたので、知らないものがあれば一から勉強することをおすすめします。
会計の基本用語
簿記を学ぶ際に頻繁に登場する重要な用語は以下の通りです。
- 収益(売上):クライアントからの報酬など、事業で得た収入のこと
- 費用(経費):事業にかかった支出(ソフトウェア、通信費、機材購入など)
- 利益:収益から費用を差し引いた金額。これが課税対象となる
- 資産:現金、預金、売掛金(未入金の報酬)など、事業の財産
- 負債:未払いの経費(買掛金)や借入金などの「返済すべきお金」
- 純資産:資産から負債を引いた金額。事業の実質的な持ち分
- 売掛金:クライアントに請求したが、まだ入金されていないお金
- 買掛金:取引先に対して支払いが未了の経費
- 貸借対照表:事業の資産、負債、純資産の状態を表す表
- 損益計算書:一定期間の収益と費用をまとめ、利益を算出する表
上記の用語は基礎中の基礎なので、1つでも知らないものがあれば初心者レベルだといえます。
確定申告に必要な勘定科目
フリーランスが確定申告書(B様式)を作成する際に、記帳や申告で必要になる主要な項目は以下の通りです。
- 売上:クライアントから受け取った報酬の合計
- 事業経費:業務にかかった費用(PC、ソフトウェア、通信費、コワーキングスペース代など)
- 売掛金:請求したが未入金の報酬
- 買掛金:未払いの経費
- 現金・預金:事業用の銀行口座や手元の現金
- 減価償却費:10万円以上の設備(PCや高額なソフトウェアなど)は、数年にわたって経費計上する必要がある
- 租税公課:事業に関連する税金(個人事業税、消費税など)
- 社会保険料:国民健康保険や国民年金の支払い
- 青色申告特別控除:青色申告をすると最大65万円の控除が受けられる
なお、適用する控除の種類によっては、これ以外にも記帳しなければならない項目もあります。
青色申告に必要なものは?
青色申告とは、一定の要件を満たすことで最大65万円の特別控除を受けられる確定申告の制度です。
白色申告に比べて節税効果が大きいため、多くのフリーランスエンジニアが選んでいる申告方式になります。
通常、青色申告には以下の4つの書類が必要です。
- 仕訳帳
- 総勘定元帳
- 現金出納帳
- 領収書・請求書
それぞれの書類の役割について詳しくみていきましょう。
仕訳帳
仕訳帳は、事業のすべての取引を時系列順に記録する帳簿です。
複式簿記では、取引ごとに「借方」と「貸方」に分けて記帳する必要があります。
<記帳の例(クライアントから報酬200,000円を受け取った場合)>
日付 | 借方(増えたもの) | 金額(円) | 貸方(減ったもの) | 金額(円) |
2025/02/01 | 普通預金 | 200,000 | 売上 | 200,000 |
このように、お金の流れを正確に記録するのが仕訳帳の役割です。
総勘定元帳
総勘定元帳は、仕訳帳の内容を勘定科目ごとにまとめた帳簿です。
例えば、「売上」「事業経費」「現金」「預金」などの勘定科目ごとに、お金の流れを整理します。
<総勘定元帳の例(売上勘定)>
日付 | 摘要 | 借方(増加) | 貸方(減少) | 残高(円) |
2025/02/01 | クライアントAからの報酬 | – | 200,000 | 200,000 |
2025/02/05 | クライアントBからの報酬 | – | 150,000 | 350,000 |
このように、総勘定元帳を作成することで、「どの科目がどれくらい増減したのか」が一目でわかります。
現金出納帳
現金出納帳は、現金の出入りを記録する帳簿です。
フリーランスエンジニアの場合、銀行振込が多いため使用頻度は低めですが、事業で現金を扱う場合は記録する必要があります。
<記帳の例>
日付 | 摘要 | 収入(円) | 支出(円) | 残高(円) |
2025/02/01 | クライアントAからの報酬 | 200,000 | – | 200,000 |
2025/02/05 | PC修理代 | – | 10,000 | 190,000 |
現金のやり取りがある場合、帳簿と現金の金額が一致しているかを定期的に確認することが大切です。
領収書・請求書
帳簿をつけるだけでなく、取引の証拠となる書類(領収書・請求書など)を保存することも青色申告の必須条件です。
税務署からの指摘を受けたときに、きちんと説明できるようにしておきましょう。
<保存すべき書類>
- 領収書(PC・ソフトウェア購入、通信費、サーバー代など)
- 請求書(クライアントへ送った請求書)
- 契約書(業務委託契約書など)
- 銀行の振込明細(売上の入金記録)
なお、書類の保存期間は青色申告の場合、7年間の保存義務があります。(白色申告の場合は5年間)
会計ソフトを使えば、領収書をデータとして保存する機能があるため、紙で保管する手間を減らすことも可能です。
取引記録の例
ここまで、簿記の基礎知識について簡単に解説してきましたが、実際にどのように記帳するのか、具体的なイメージが湧かないという人もいるかもしれません。
そこで、フリーランスエンジニアによくある「クライアントから報酬を受け取った場合」と「ソフトウェアを購入した場合」の2つのケースを例に、取引記録の具体的な書き方を見ていきましょう。
クライアントから報酬を受け取った場合
フリーランスエンジニアが成果物を納品し、クライアントから報酬を受け取った際に使用する主な帳簿は、仕訳帳と総勘定元帳です。
例えば、クライアントAから報酬200,000円(銀行振込)を受け取った際は、以下のように記帳します。
<仕訳帳の記帳例>
日付 | 借方(増えたもの) | 金額(円) | 貸方(減ったもの) | 金額(円) | 摘要 |
2025/02/01 | 普通預金 | 200,000 | 売上 | 200,000 | クライアントAからの報酬 |
→借方(左側):「普通預金」→ 200,000円が銀行口座に入金された
→貸方(右側):「売上」→ クライアントからの報酬として収益を計上
続いて、貸借対照表を作成するために、総勘定元帳にも記帳します。
<総勘定元帳(売上勘定)の記帳例>
総勘定元帳では、勘定科目ごとに取引を整理します。今回のケースでは「売上勘定」と「普通預金勘定」に取引が記録されます。
日付 | 摘要 | 借方(増加) | 貸方(減少) | 残高(円) |
2025/02/01 | クライアントAからの報酬 | – | 200,000 | 200,000 |
<普通預金勘定(銀行振込で受け取った報酬)>
日付 | 摘要 | 借方(増加) | 貸方(減少) | 残高(円) |
2025/02/01 | クライアントAからの入金 | 200,000 | – | 200,000 |
なお、単式簿記では、以下のようにシンプルに記録します。
日付 | 内容 | 収入(円) | 支出(円) |
2025/02/01 | クライアントAからの報酬 | 200,000 | – |
このケースでの記帳ポイントは以下の3点です。
- クライアントから報酬を受け取ったら「売上」として計上する
- 受け取ったお金が現金なら「現金」、銀行振込なら「普通預金」で記録する
- 複式簿記では仕訳帳と総勘定元帳の両方に記録するが、単式簿記なら収支を簡単に記録するだけでOK
ソフトウェアを購入した場合
フリーランスエンジニアは、業務に必要なソフトウェア(IDE、デザインツール、クラウドサービスなど)を購入することが多いです。
ソフトウェアの購入代金は「事業経費」とみなされるので、確定申告の際に経費として計上できます。
ただし、購入代金が10万円を超える場合は「固定資産」とみなされるので、減価償却して計上しなければなりません。
以下では、開発用ソフトウェアを年間契約で購入し、代金20,000円をクレジットカードで支払った場合の記帳方法をみていきましょう。
<仕訳帳での記録(複式簿記)>
日付 | 借方(増えたもの) | 金額(円) | 貸方(減ったもの) | 金額(円) |
2025/02/01 | 消耗品費 | 20,000 | 未払金 | 20,000 |
ただし、クレジットカードで支払った場合は翌月に引き落としされるので、翌月にも記帳作業が必要です。
<クレジットカード支払いの記帳(仕訳帳)>
日付 | 借方(増えたもの) | 金額(円) | 貸方(減ったもの) | 金額(円) |
2025/03/01 | 未払金 | 20,000 | 普通預金 | 20,000 |
続いて、貸借対照表を作成するために、総勘定元帳にも記帳します。
<消耗品費勘定(ソフトウェアの購入費用)>
日付 | 摘要 | 借方(増加) | 貸方(減少) | 残高(円) |
2025/02/01 | 開発用ソフトウェア購入 | 20,000 | – | 20,000 |
<未払金勘定(クレジットカード払い)>
日付 | 摘要 | 借方(増加) | 貸方(減少) | 残高(円) |
2025/02/01 | ソフトウェア購入 | – | 20,000 | 20,000 |
2025/03/01 | クレジットカード引落 | 20,000 | – | 0 |
なお、単式簿記では単純に収支を記録するだけなので、以下のようになります。
日付 | 内容 | 収入(円) | 支出(円) |
2025/02/01 | ソフトウェア購入 | – | 20,000 |
このケースでの記帳ポイントは以下の3点です。
- ソフトウェア購入は「消耗品費」として計上する
- 10万円以上のソフトウェアは「減価償却資産」として処理する必要がある
- クレジットカード払いの場合は「未払金」として記録し、後日精算処理を行う
フリーランスエンジニアにおすすめの簿記学習方法
簿記の資格には、
- 日商簿記検定(日本商工会議所主催)
- 全経簿記能力検定(全国経理教育協会主催)
- 簿記能力検定試験(日本簿記能力検定協会主催)
などがあります。
ただし、フリーランスエンジニアの場合、簿記は本業とはあまり関係ないため、資格まで取得しなくてもよいでしょう。
あくまでも、日々の帳簿管理をラクにする程度で十分です。
では、簿記の学習をするのに効率的な方法はないのでしょうか?
ここでは、フリーランスエンジニアにおすすめの簿記学習法をご紹介します。
書籍で学ぶ
簿記学習で最もポピュラーなのが、書籍で学習する方法です。
書籍は初心者向けのものから本格的な資格試験対策用のものまで、さまざまな種類があります。
フリーランスエンジニアであれば、「基本的な帳簿のつけ方」や「確定申告に必要な知識」がわかりやすく解説されている書籍を選ぶのがおすすめです。
書籍で学ぶメリットは以下の通りです。
- 基礎から体系的に学べる:簿記の基本ルールや会計の仕組みを順序立てて学べる + 必要な知識だけをピックアップして学習しやすい
- 自分のペースで学習できる:スキマ時間を活用して少しずつ学習できる + オンライン講座のようにスケジュールに縛られない
- コストが安い:1冊1,500円〜3,000円程度で購入できるため、オンライン講座よりも安価で学習を始められる
オンライン講座で学ぶ
書籍での学習が苦手な人や、短期間で効率的に簿記を学びたい人には、オンライン講座がおすすめです。
近年は、スマホやPCで視聴できる動画講座や、クイズ形式で学べるeラーニングサービスなど、さまざまな学習ツールが登場しています。
オンライン講座で学ぶメリットは以下の通りです。
- 視覚的に学べるので理解しやすい:図解や実演を交えながら説明されるため、独学よりもわかりやすい
- 短期間で効率よく学べる:書籍よりも「重要なポイントをピンポイントで解説」してくれるので、短期間で学べる
- 質問できる講座もある:一部の講座では、分からない点を講師に質問できるサポート機能がある
ただし、オンライン講座の場合は受講料が5,000円〜30,000円程度と高めなので、資金に余裕のある人は利用するとよいでしょう。
効率化のためにおすすめの会計ソフト
ここまで、簿記に関する基本的な情報を解説してきました。
しかし、現在ではほとんどの人が会計ソフトを活用して記帳作業を効率化しています。
とはいえ、会計ソフトにも色々種類が存在します。
そこでここでは、
- クラウド型の会計ソフト
- クラウド型とインストール型を選べる会計ソフト
- インストール型の会計ソフト
上記の3つのタイプの会計ソフトで、それぞれフリーランスエンジニアにおすすめなソフトを厳選してご紹介します。
クラウド型の会計ソフト
クラウド型の会計ソフトは、インターネット上のサーバーにデータを保存し、ブラウザやスマホアプリを通じて利用するタイプのソフトです。
データはリアルタイムで同期されるため、PC・スマホ・タブレットなど、複数のデバイスからアクセスできます。
クラウド型の会計ソフトでおすすめなのは、以下の3つのソフトです。
- freee会計
- 弥生会計 オンライン
- マネーフォワード クラウド会計
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出典:freee会計 公式HP
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スターター | 5,480円/月 | 基本的な帳簿・決算書作成、電子証憑管理 |
スタンダード | 8,980円/月 | カスタムレポート、経営分析、法改正対応 |
アドバンス | 39,780円/月 | 経費精算、ワークフロー機能、予実管理 |
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クラウド型とインストール型を選べる会計ソフト
会計ソフトには、クラウド型とインストール型のどちらかを選べる種類のものがあります。
自分の環境や用途に応じて、どちらの形式でも利用できるのが特徴です。
クラウド型とインストール型を選べる会計ソフトでおすすめなのは以下の2種類です。
- 勘定奉行
- PCAクラウド 会計
勘定奉行
出典:勘定奉行 公式HP
料金プラン名 | 初期費用 | 月額料金 | 主な機能 |
スモールプラン | 50,000円 | 5,000円~ | 基本的な会計処理機能 |
スタンダードプラン | 50,000円 | 7,000円~ | 自動仕訳・経営分析レポートなど |
アドバンスプラン | 50,000円 | 10,000円~ | AI-OCR機能・高度な財務分析 |
「勘定奉行」は、株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)が提供する業界トップクラスの会計ソフトです。
累計80万社以上の導入実績を誇り、中小企業・個人事業主から大手企業まで幅広く採用されています。
クラウド型(勘定奉行クラウド)とインストール型(勘定奉行11)の両方を選択できるため、多様なニーズに対応できるのも特徴の一つです。
1.自動仕訳機能で経理作業を最小限に抑え、本業に集中できる
・銀行口座やクレジットカードと連携し、取引データを自動で取得・仕訳
・手間のかかる経理業務の時間を大幅に削減し、本業である開発業務に集中できる
2.クラウド型・インストール型を選べるため、自分に最適な環境を構築できる
「リモートワークが多いからクラウド型」「セキュリティ重視だからインストール型」など、自分の業務スタイルに最適な選択が可能
3.高い信頼性とサポート体制
・長年の実績があり、企業でも利用されているため、会計ソフトとしての信頼性が高い
・OBCの専門サポートチームが対応するため、困ったときも安心
なお、勘定奉行の買い切り型はプランによりかなり料金幅があります。
こちらのリンクから料金見積もりができるので、買い切り型を検討している方はぜひご活用ください。
PCAクラウド 会計
出典:PCAクラウド 公式HP
料金プラン名 | 初期費用 | 月額料金 | 主な機能 |
スモールプラン | 0円 | 4,620円~ | 基本的な会計処理機能 |
スタンダードプラン | 0円 | 6,600円~ | AI-OCR機能、経営レポート機能 |
アドバンスプラン | 0円 | 8,800円~ | 高度な会計分析機能 |
「PCAクラウド 会計」は、ピー・シー・エー株式会社が提供するクラウド型&インストール型の両方に対応した会計ソフトです。
クラウド型の「PCAクラウド 会計」は、インターネット経由で利用でき、データのバックアップやアップデートも自動で実施されるため、運用管理の手間を最小限に抑えられるのが大きな魅力です。
一方、インストール型(PCAサブスク)は、ローカル環境で運用することが可能で、オフライン環境でも会計業務を行いたい方に最適です。
1.自動仕訳機能で経理作業を削減し、本業に集中できる
・銀行明細の自動取得やAI-OCR機能により、手入力の手間が大幅に削減
・会計作業の時間を最小限に抑え、本業である開発業務に集中できる
2.セキュリティ対策が万全で、バックアップの手間も不要
クラウド版では自動バックアップ&暗号化機能を標準搭載。データ消失のリスクがなく、安心して利用できる
3.柔軟な料金体系で、コストパフォーマンスが高い
「月額払いで初期費用を抑えたい」「一括払いでランニングコストを減らしたい」など、自分の資金計画に合わせた選択が可能
PCAクラウド会計の無料版は、こちらのリンクからお試しできます。
インストール型の会計ソフト
インストール型の会計ソフトは、PCに直接ソフトをインストールして使用するタイプです。
インターネット接続なしのローカル環境で完結できるので、処理速度が早いのが特徴です。
また、このタイプは買い切り型が多く、長期的に見れば低コストで運用できます。
インストール型の会計ソフトでおすすめなのは以下の2種類です。
- 会計王
- JDL IBEX出納帳 Major
会計王
出典:会計王 公式HP
プラン名 | 価格(税込) | 主な機能 |
会計王23 | 44,000円 | 確定申告対応・自動仕訳・経営レポート |
会計王PRO | 77,000円 | 会計王23の全機能 + より高度な会計管理 |
「会計王」は、ソリマチ株式会社が提供するインストール型の会計ソフトです。
累計導入実績は10万社以上で、2020年8月の調査でお客様満足度No.1を獲得しています。
電子帳簿保存法・インボイス制度にも対応済で、会計知識がなくても簡単に使える操作性も人気の秘訣です。
1.インストール型の買い切りソフトなのでランニングコストを抑えられる
月額料金なしで利用できる買い切り型のため、コストを抑えながら会計業務を効率化
2.MoneyLink機能による自動仕訳
銀行やクレジットカードと連携し、取引データを自動取得&仕訳
3.充実のサポート体制(15ヶ月間の無料サポート付き)
購入から15ヶ月間は電話・メールサポートが無料で利用可能
会計王の30日間無料お試しプランは、こちらのリンクから申込みできます。
JDL IBEX出納帳 Major
「JDL IBEX出納帳Major」は、株式会社日本デジタル研究所(JDL)が提供する無料のインストール型会計ソフトです。
JDLは1968年の創業以来、会計事務所や企業経理部門向けのプロユースのコンピューターシステムの開発に特化しており、その実績と総合力は高く評価されています。
1.直感的な帳簿入力&自動仕訳機能
・現金出納帳に入力するだけで、試算表や決算書が自動作成される
・専門知識がなくても、簡単に経理処理が可能
2.電子帳簿保存法&電子取引データ保存に対応
・レシートや請求書を電子保存し、法的要件を満たす形で管理できる
・令和6年1月施行の電子取引データ保存義務化にも対応
3.完全無料で使える&JDLの高い信頼性
・無料ながらプロレベルの会計機能を搭載
・データのバックアップや安全性も確保されており、安心して使用可能
JDL IBEX出納帳Majorはこちらのリンクからインストールできます。
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まとめ
本記事では、フリーランスエンジニアに必要な簿記の基礎知識について解説し、さらに業務を効率化するためのおすすめの会計ツールを紹介しました。
フリーランスとして成功するためには、単にスキルを磨くだけでなく、収入・支出を適切に管理し、確定申告や節税をしっかりと行うことが重要です。
今後、税制や会計ツールの進化によって、フリーランスの経理業務はさらに簡単になっていくと考えられます。
しかし、基本となる簿記の知識を身につけていなければ、ツールを正しく使いこなすことも難しくなります。
フリーランスとして長く活躍するためにも、最低限の簿記の知識を持ち、適切な会計管理をすることが重要です。
「エンジニアスタイルマガジン」では、今後もこういったフリーランスエンジニアにとって役立つ最新情報を随時お届けいたします。
それでは、また別の記事でお会いしましょう。今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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この記事を書いた人

海外、コスメが好きな東北人。2015年に世界一周一人旅をしたアクティブ女子。 コスメECの運営業務に従事後、独立し。現在は、取材を中心にフリーランスWEBライターとして活動中。
この記事を監修した人

大学在学中、FinTech領域、恋愛系マッチングサービス運営会社でインターンを実施。その後、人材会社でのインターンを経て、 インターン先の人材会社にマーケティング、メディア事業の採用枠として新卒入社し、オウンドメディアの立ち上げ業務に携わる。独立後、 フリーランスとしてマーケティング、SEO、メディア運営業務を行っている。