1. TOP
  2. エンスタマガジン
  3. フリーランス
  4. フリーランスが帳簿をつけなかった場合のペナルティとオススメなアプリとは

フリーランスが帳簿をつけなかった場合のペナルティとオススメなアプリとは

はじめまして、エンジニアスタイル編集部です!

コラムページでは、ITフリーランスに向けてお役立ち情報を発信します。Twitterではホットな案件を紹介してまいりますので、ぜひフォローをお願いいたします!
本記事が、皆様の参考になれば幸いです。

経験がまだ少ない方にもわかりやすく説明するために、初歩的な内容も記載しております。記事も長いので、実務経験豊富な方は、ぜひ目次から関心のある項目を選択してください。

エンジニアスタイルは、最高単価390万円、国内最大級のITフリーランス・副業案件検索サービスです。フリーランス・副業案件一覧を以下からご覧いただけますのであわせてご確認ください。

そもそも帳簿って何?

帳簿とは、事業に必要な取引やお金の流通を記載した冊子や台帳のことです。会社に雇用される働き方とは異なり、フリーランスは所得を自身で管理しなければなりません。そのため事業の売上金額や経費、取引内容の詳細を確認することは必須といえるでしょう。

帳簿に必要事項を記載することは事業所得の把握をすることに繋がり、確定申告への活用以外にも事業の成績や経営の実態を見極める判断基準としても効果的です。

帳簿の種類と記載内容

自社での取引を帳簿に記帳し、まとめたものを簿記といいます。

簿記の基本である「主要簿」と、その主要簿を補足するための「補助簿」2種類についてまとめました。

主要簿

主要簿はどの会社でも必要不可欠な帳簿で、「総勘定元帳」と「仕訳帳」の2種類です。取引の度に記載が必須となります。

取引を勘定科目でまとめる「総勘定元帳」

発生したすべての取引を勘定科目ごとにまとめた帳簿のことを総勘定元帳といいます。

  • 発生原因
  • 場所
  • 取引日

上記の項目を勘定科目ごとに把握することが重要です。また、現時点での現金や借入金はどのくらいあるのかというお金の流れについての情報を得ることができます。総勘定元帳に記載の勘定科目を見ることで、残高確認が可能なため作業効率を上げることにも繋がります。すなわち総勘定元帳は事業を経営していくうえでは欠かせない重要な書類といえるでしょう。

取引の内容を日付順に記載する「仕訳帳」

仕訳帳とは、日々の取引を勘定項目に日付ごとに記す帳簿のことです。

仕訳帳への記載項目は以下の通りです。

  • 日付
  • 摘要
  • 元丁
  • 貸方・借方

仕訳帳は総勘定元帳と同様に複式簿記において重要な役目を果たす主要簿記です。取引の度に記録を残しましょう。

補助簿

主要簿の情報を補足するための補助簿は様々な観点から作成されます。主要簿には仕訳の全てが記録されているため、特定の科目や取引先別の詳細を至急確認したくても調べる時間を要することがあります。そのような時に取引の詳細に記録してある補助簿を確認することで必要な情報を迅速に把握できるので補助簿の作成が欠かせないといえるでしょう。

補助簿には以下の種類の帳簿があります。

現金出納帳

現金の入出金について記録する帳簿のことを指します。現金が絡んでいる取引の場合には現金出納帳へ記載することで、お金の流れが可視化されて見積もりを立てる際に重要な役割を果たします。

以下のような取引が発生した際には必ず記載してください。

  • 現金での備品購入
  • 銀行口座への預入
  • 現金で商品代金の受け取り

フリーランスは帳簿を絶対につけなければならないのか

結論からいうと、フリーランスは自社の事業所得をまとめて税務署に申告する必要があります。会社員は会社が代行してくれますが、会社に属さずに仕事を請け負うフリーランスの報酬は、給与所得ではないのでまとめることも全て自分でやります。常に帳簿で日々の取引内容をまとめるようにしましょう。また、帳簿の提出はしませんが帳簿作成と保存は義務付けされており、最大7年間の保管が求められますので覚えておきましょう。

帳簿記載には以下のことに注意してください。

  • 帳簿の対象期間(1月1日〜同年の12月31日まで)
  • 申告する種類によって必要な帳簿が異なる(青色申告か白色申告か)
  • 金額の記載ミスに注意(一桁違うだけでも額が大きいので注意)

また、開業届を税務署に提出していない場合には、フリーランスとしての収入は雑所得に分類され所得(収入から必要経費を差し引いた金額)が年間20万を超える際には確定申告が必須です。

開業届を出すことで青色申告が可能となり節税の幅が格段に広がりますのでフリーランスになったらまず開業届を税務署に提出してください。開業届を未提出でも罰則はありませんが、届け出のメリットの方が大きいといえるでしょう

  • 青色申告ができる
  • 小規模企業共済に加入して退職金を確保できる
  • 屋号付きの銀行口座を持ちビジネスとプライベートの分別が可能
  • 保育園などに就労証明として提出できる

青色申告と白色申告の違いと記入方法

確定申告には白色申告と青色申告の2種類あります。

青色申告と白色申告の違い

まずは青色申告の特徴は以下の通りです。

  • 最大65万円の特別控除を受けられる
  • 赤字を繰り越せる
  • 家族の給与を経費として計上できる
  • 貸倒引当金を経費に当てることが可能

青色申告で特別控除の対象になります。その他にも赤字を最大3年間繰り越せるので黒字の年に損失を計上して所得からの控除が可能です。また、家族が事業に専従する場合には支払った給与を事業の必要経費に計上できるのも大きなメリットの一つですね。

青色申告は事前の届出が必要な上に、帳簿を作成して決算書を提出するため難しく感じますね。しかし白色申告よりも様々なメリットがありますので、フリーランスとして働く場合には青色申告の承認を受けると費用対効果が高いといえるでしょう。

次に白色申告の特徴を以下にまとめました。

  • 申告手続きの必要がない
  • 確定申告しやすい
  • 特別控除は受けられない

青色申告しない場合には全て白色申告とみなされます。

白色申告にも帳簿の記載は必要ですが、青色申告に比べると簡易的な方法で行うことができるのが最大のメリットです。

しかし、青色申告に比べて日々の記帳は簡易的とはいっても領収書や請求書など各種取引に必要な書類は管理して記帳する手間は変わりません。そのため一定の手間はかかるにもかかわらず青色申告のような税制効果は期待できません。

青色申告で必要な帳簿は?

青色申告特別控除で最大65万円の控除を受ける際には、複式簿記(1回の取引を2つの方向から記帳する方法)での記帳が必須です。取引が発生した時の原因と結果の両面に分けて記録していくので、現金などの財産の収支や残高を網羅的に記録することが可能です。

青色申告で必要になる帳簿は以下の7つです。

  • 仕訳帳
  • 総勘定元帳
  • 現金出納帳
  • 売掛帳
  • 買掛帳
  • 経費帳
  • 固定資産台帳

複式簿記を手書きで行うのは難易度が高いですが、会計ソフトを使うことで難易度は一気に下がります。

白色申告で必要な帳簿は?

白色申告に必要なのは単式簿記(1回の取引に対して1つの科目に絞り、収支を記録する方法)です。

  • 売上
  • 雑所得
  • 仕入れ状況

上記項目を日付や取引内容、金額と合わせて記載していきます。確かに青色申告するよりも記載項目は減りますが、それでも「確定申告書B」と「収支内訳書」の提出が必要であるため白色申告するのであれば、一歩踏み込んだ簿記の知識を身につけて青色申告での税制の優遇や節税を考えていくといいでしょう。

紙が苦手、面倒な場合は電子データで帳簿を保存できる「電子帳簿保存法」をうまく活用すること

法律上、帳簿や書類は紙で保存が原則とされていますが国税関係(法人税法や所得税法)の帳簿や書類を電子データで保存することを認める法律を「電子帳簿保存法」といいます。紙での保存は整理やファイリングに手間や保管スペース確保によるコスト負担が大きくなります。紙からの脱却を促進することで作業効率向上に繋がるため導入を検討している企業が増えてきました。電子帳簿保存法についての区分は以下の3つです。

  • 電子帳簿保存(最初からパソコン等で記帳した帳簿や書類を電子データのまま保存すること)
  • スキャナ保存(取引関係書類や自社が紙で記帳した書類をスキャナで電子化して保存すること)
  • 電子取引(電子データで相手先に送付または受領した情報を電子データのまま保存すること)

確定申告に必要な帳簿も電子帳簿保存法の対象書類に含まれていますので、紙で管理、保存することに煩わしさを感じているのならば、電子保存化を取り入れて作業の効率化を進めていきましょう。

フリーランスが帳簿をつけずに確定申告しないとどうなるのか

帳簿をつけずに無申告の場合は罰則があるのでしょうか。順番に紹介します。

国民健康保険料の減額を受けることができない

適切な申請をした場合には、所得によっては減額される可能性の高い国民健康保険料が減税対象から外れる恐れがあります。所得不明の扱いを受け負担額が増えることもあるので注意しましょう。

ペナルティを受ける

納税対象者が申告を怠ると、ペナルティとして税金が加算される可能性があります。

無申告加算税が発生する

確定申告を期限内に行われないと無申告に該当し、本来収めるべきである税額に加えて「無申告加算税」が加算される場合があります。税額に応じた罰金(15%〜20%)を支払うことになる可能性があるのに加え、行政サービスや家や車等のローンが組めなくなる恐れもあります。期限が過ぎてしまった後であっても、自主的に税務署の調査前に申し出ることで無申告加算税の課税割合が5%に軽減されます。

万が一期限を過ぎてしまったらできるだけ早く対応するようにしましょう。

延滞税が発生する

税金が期限内に納付されなかった場合には延滞税が発生します。

期限後申請をすると原則として法定納期期限の翌日から申告書の提出日までの延滞税が加算されます。

延滞期間が延びると利息分も増えるので、申告書の提出や納税は速やかに行いましょう。

収入を証明することができない

会社員であれば会社が年末調整して国や自治体に収入や所得に関する商法を提供してくれますが、フリーランスは何もしないと収入や所得の情報が国や自治体に提供されません。

住宅ローンを組むときや賃貸住宅を契約するとき、子供を保育園に入れるときなどに、収入の証明ができなくなってしまうので、確定申告して控えを収入証明書の代わりとして使うようにしましょう。

確定申告していないことは税務署にバレる?その理由を紹介

金銭を自己管理するため収入を申告しなくても気づかれないと思う方もいるのではないでしょうか。結論から申すと様々な方面から無申告が明るみになりますので、隠すことは辞めましょう。

税務調査でわかる

税務調査とは、納税者が確定申告を正しく行っているかを税務署が調査することをいいます。フリーランスも調査対象のため税務調査が自分に入ったらすぐに無申告が明るみに出るでしょう。ちなみに税務調査が自社以外にも取引先やクライアント側が調査対象になった場合も同様です。企業がいつ、誰にどのような仕事を依頼していくら支払ったのかまで調べますのでバレるリスクが高いですね。

支払調書からわかる

支払調書とは、取引先やクライアント側から報酬を受ける際に発行される書類のことをいいます。誰に、どのような内容で、いくら支払ったのかを明記して発行した側が税務署への提出が必要です。税務署はこの支払調書を元に、支払いを受けた場合に確定申告しているかを調査しますので、支払を受けた側が無申告だとすぐに明るみにでますので注意しましょう。

国税庁の重点施策

無申告のままで確実に隠し通す方法は存在せず、いつかは暴かれるケースがほとんどです。バレた時のリスクを考えると、しっかりと節税対策して申告する方が費用対効果は高いと言えるでしょう。国税庁の重点施策として国税庁ホームページから画面の案内に沿って金額等を入力することで所得税や贈与税の申告書、青色申告決算書、収支内訳書等を作成し、提出まで手間を軽減していきましょう。

引用:【確定申告書等作成コーナー】-作成コーナートップ (nta.go.jp)

また、以下の内容は令和4年分の確定申告(令和5年の1月上旬〜)からサービス開始予定の取り組みになります。

  • マイナンバーカードの読み取り回数が1回のみに(過去にマイナンバーカードでの申告経験者限定)
  • 青色申告決算書、収支内訳書がスマートフォンで作成可能
  • マイナポータル連携による申告書の自動入力対象が拡大する

確定申告をもっと身近に分かりやすくする方法も増えているので、バレない方法を考えるのではなく、自分のやりやすい申告方法を模索しましょう。

フリーランスが帳簿をつける時に活用したいアプリや情報

では、帳簿への記帳にオススメなページを紹介します。

国税庁が配布しているパンフレット

引用:パンフレット・手引|国税庁 (nta.go.jp)

国税庁が配布しているパンフレットを確認することで、自分が帳簿をつけるためのノウハウが身につくことでしょう。特に初心者が何から手をつけるか悩んだ時には、始めに国税庁のパンフレットを参照することをオススメします。

freee株式会社「freee会計」

会計ソフト freee (フリー) | クラウド会計ソフト freee | クラウド会計ソフト freee

クラウド会計ソフトのfreeeのオススメポイントは以下の通りです。

  • 情報を入力して質問に答えることで確定申告がスムーズになる
  • 銀行口座やクレジットカードの登録することで売上や経費を自動登録が可能になる
  • 解説書が豊富で始めての場合にも使いやすい
  • 領収書をスキャンして保存できる

これらのメリットを活用し、申告への手間を軽減していきましょう。

弥生株式会社「やよいの青色申告オンライン」

クラウド青色申告ソフト「やよいの青色申告 オンライン」|確定申告ソフトなら弥生 (yayoi-kk.co.jp)

弥生シリーズは20年連続でクラウド会計ソフトの売上実績が1位の実績を誇り、機能が充実していることから多くの人が活用している青色申告ソフトです。

  • 商品のラインナップが豊富で個人事業主向けにも対応している
  • 無駄を省いてテレワークを円滑にできる
  • 会計事務所と連携していて税理士ネットワークが充実している

自動入力化を利用して作業効率を上げたり疑問点を税理士に聞いたりすることで確定申告への苦手意識を克服していきましょう。

フリーランスの方はこちらの記事もご覧ください

まとめ

本記事ではフリーランスが確定申告に必要な帳簿の内容と怠った時のペナルティについて紹介してきました。

ポイントをまとめると以下の通りです。

  1. 帳簿をつけることは確定申告する際に必須である
  2. 無申告は明るみに出る。必ず申し出て節税効果を高めよう
  3. 確定申告には会計ソフトを使うことがオススメ

確定申告は難しいイメージがあり煩わしさを感じるのではないでしょうか。しかし手順を踏んで記帳すれば恐れるものはありません。正しい帳簿の記載方法を理解して適切な申告をするようにしましょう。

SNSシェア
新規会員登録エージェントとの初面談1社につきAmazonギフト券3,000円分全員にプレゼント!

あわせて読みたい関連記事


おすすめ&新着求人・案件


各種SNSで情報を
発信中フリーランスで働くエンジニアに役立つ情報を発信しています。
フリーランス求人・案件の選び方や注意点、単価を上げるコツなどをエンジニアスタイルの編集部が発信しています。
フォロー・友達に追加していただき最新の情報をGETしてください。