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シェルスクリプトのメリットとデメリットとは?


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シェルスクリプトの特徴とできることとは

シェルスクリプトの特徴とできることについて解説していきます。

シェルスクリプトの概要

シェルスクリプトは、シェルが解釈できる命令文をまとめたファイルのようなもので、シェルの動作を指定する指示書とも言えます。シェルは、CLIという黒い画面上で動くソフトウェアの一種で、コマンドという命令文を使ってOSを操作することができます。

シェルスクリプトは、このシェルの動作を自動化するためのスクリプトであり、シェルで解釈できる命令文をまとめたものです。シェルには様々な種類があり、Bash、BourneShell、Csh、Zshなどが代表的です。

これらのシェルは、大まかな文法が共通しているため、一つのシェルについて学べば、他のシェルも比較的簡単に扱うことができます。

シェルスクリプトの特徴・できること

シェルスクリプトの最大の特徴は、PC上での基本的な操作を自動化できることです。ファイルの移動やコピペ、ログの記録・抽出など、日常的なPC操作をスクリプト化して効率的に行うことができます。

特にUNIX系のOS、例えばLinuxやMacでは、Bashのシェルスクリプトが標準で利用できるため、これらのOS上での操作が非常に便利です。さらに、シェルスクリプトのパイプ機能を利用することで、複数のコマンドを連携させることができ、一つのコマンドだけでは実現できない複雑なタスクの効率化が可能です。

例として、grepコマンドとtailコマンドを組み合わせることで、文書から特定の文字列を抽出し、その結果の中から最後の3つの結果だけを取得するという操作が可能です。また、シェルスクリプトは他のプログラミング言語やツールとの連携も容易で、JavaやRubyなどの言語で実装されたツールやソフトと組み合わせて、さらに高度な業務自動化を実現することができます。

このように、シェルスクリプトは非常に柔軟性が高く、多様なタスクの自動化や効率化に寄与する強力なツールと言えます。

シェルの種類は?

シェルの種類について5つ紹介していきます。

Bourne Shell

Bourne Shellは、UNIXの初期のシェルとして知られ、Steve Bourneによって開発されました。このシェルは、シンプルで効率的なプログラミングを可能にするための基本的な機能を提供しています。

しかし、Bourne Shell自体は古いシェルであり、現在はその後継として多くのシェルが開発されています。

Bourne Shellは、その名前の通り、Bシェルとも呼ばれることがあり、多くの後継シェルの基盤となっています。

C Shell

C Shellは、UNIX系のOSで使用されるシェルの一つで、C言語の文法に似た構文を持っています。このシェルは、Bill Joyによって1970年代に開発されました。

C Shellは、ユーザーフレンドリーなインターフェースと、プログラミングにおける高度な機能を提供することを目的としています。

特に、C言語のプログラマーには親しみやすいシェルとして知られており、C Shellは多くのUNIX系OSにおいて標準的なシェルとして採用されてきました。

KornShell

KornShellは、David Kornによって1980年代に開発された、Bourne Shellの拡張版として知られるシェルです。KornShellは、Bourne Shellの基本的な機能に加え、コマンド履歴やコマンド名の補完などのユーザーフレンドリーな機能を持っています。

また、プログラミングの面では、配列や関数などの高度な機能をサポートしており、KornShellはUNIX環境でのシェルスクリプトの作成や実行を効率的に行うための多くの機能を提供しています。

Bash

Bashは、Bourne Shellの後継として、1980年代にBrian Foxによって開発されました。Bashは、GNUプロジェクトの一部としてリリースされ、LinuxやmacOSなどの多くのUNIX系OSでデフォルトのシェルとして採用されています。

Bashは、Bourne Shellの基本的な機能に加え、多くの拡張機能や改良を持っており、ユーザーフレンドリーで効率的なシェルプログラミングをサポートしています。

Windows Powershell

Windows Powershellは、Microsoftが開発したコマンドラインインターフェースおよびスクリプト言語です。Powershellは、Windowsの管理タスクを自動化するための強力なツールとして設計されています。

Powershellは、.NET Frameworkをベースとしており、オブジェクト指向のスクリプト言語をサポートしているため、ユーザーはWindowsの多くの機能やリソースを効率的に操作することができます。

Windowsのシステム管理者や開発者にとって、非常に有用なツールとして広く利用されています。

シェルスクリプトを活用するメリットとは

シェルスクリプトを活用するメリットについて解説していきます。

OSを問わない

シェルスクリプトは、その名の通りシェル上で動作するスクリプト言語です。この特性により、シェルが動作する環境であれば、基本的にOSを問わずに動作させることができます。

例えば、WindowsのPowerShellやUNIX系OSのBashなど、異なるOSでもシェルスクリプトを利用することができます。これにより、シェルスクリプトを活用することで、異なるOS間での移植性が高まります。

また、多くのサーバー環境がLinuxベースであるため、サーバー管理や運用の際にもシェルスクリプトの知識は非常に役立ちます。さらに、クロスプラットフォームのツールやアプリケーションを開発する際にも、シェルスクリプトを活用することで開発の効率や移植性を向上させることができます。

複雑なタスクの効率化・定例作業の効率化

シェルスクリプトは、日常のルーチン作業や繰り返し行われるタスクを効率的に自動化するための強力なツールです。

例えば、毎日特定の時間にログファイルをチェックして、特定のキーワードが含まれているかを確認し、その結果をメールで通知するといった作業を、シェルスクリプトを使用して簡単に自動化することができます。

これにより、人間が手作業で行う必要がなくなり、時間の節約やミスの削減が期待できます。また、シェルスクリプトは一度書けば何度でも再利用することができるため、同じ作業を繰り返す場面での効率化が図れます。

ソフトウェアやプログラムとの連携

シェルスクリプトは、他のソフトウェアやプログラムとの連携が容易です。

例えば、データベースからのデータ取得や、外部APIとの通信、さらには他のプログラミング言語で書かれたスクリプトの実行など、多岐にわたるタスクを組み合わせて一つのシェルスクリプト内で実行することができます。

これにより、異なるソフトウェアやツールを組み合わせて、複雑な業務フローを自動化することが可能となります。

コンパイルなどが不要

シェルスクリプトはインタープリタ型の言語であるため、コンパイルのプロセスを必要としません。これは、スクリプトを書いた直後に即座に実行できるというメリットを持っています。

多くのコンパイル型の言語では、ソースコードをコンパイルして実行可能なバイナリファイルを生成する必要がありますが、シェルスクリプトではこのステップが不要です。この特性により、開発のサイクルが速くなり、テストやデバッグも迅速に行うことができます。

また、コンパイルの過程で生じる様々なエラーや警告に悩まされることなく、スクリプトの作成や修正を行うことができます。このように、シェルスクリプトは迅速な開発や運用を可能とするため、短期間でのタスク実行や小規模なプロジェクトにおいて非常に有効です。

柔軟な拡張性

シェルスクリプトは、その性質上、非常に柔軟な拡張性を持っています。

新しい機能やタスクが追加された場合でも、既存のシェルスクリプトに追記や修正を加えることで、容易に対応することができ、シェルスクリプトはテキストベースであるため、バージョン管理ツールとの連携もスムーズで、変更履歴の管理や複数人での共同作業も効率的に行うことができます。

シェルコマンドをそのまま利用可能

シェルスクリプトの大きなメリットの一つは、シェルコマンドをそのまま利用できる点です。シェルでの操作をそのままスクリプト化することができ、シェルの知識を活かして迅速にスクリプトを作成することができます。

また、シェルコマンドの豊富なオプションやフィルタリング機能を駆使することで、高度なデータ処理やファイル操作を行うことも可能です。

コマンドの互換性問題に対応可能

異なるOSや環境でのコマンドの互換性問題は、シェルスクリプトを使用する上での課題となることがあります。しかし、シェルスクリプトはこの互換性問題に柔軟に対応することができます。

例えば、特定のOSやバージョンでのみ利用可能なコマンドやオプションの違いを、条件分岐や関数を使用して吸収することができます。これにより、一つのシェルスクリプトで複数の環境に対応することが可能となります。

シェルスクリプトを活用するデメリットとは

次にシェルスクリプトを活用するデメリットについて解説していきます。

ライブラリやフレームワークが少ない

シェルスクリプトは、多くのプログラミング言語に比べて、利用可能なライブラリやフレームワークが非常に少ないという特徴があります。

他の言語のように広範囲にわたるライブラリやフレームワークが存在しないため、特定のタスクを実行するためのツールや関数が不足していることが多いです。この結果、開発者は自分で必要な機能を実装するか、外部のコマンドを頼りにする必要があります。

しかし、これには移植性の問題や、異なる環境での動作の不確実性が伴います。また、UNIXの哲学に基づいて既存のコードを再利用することが推奨されていますが、シェルスクリプトの場合、再利用可能なコードの不足が生産性や信頼性の低下を招く可能性があります。

Webアプリケーション開発に適さない

シェルスクリプトは、元々コマンドラインツールやシステム管理タスクの自動化のために設計された言語であり、Webアプリケーションの開発には向いていません。シェルスクリプトはネットワーク通信の機能が限られており、多くの場合、外部のミドルウェアやウェブサーバーを介して動作させる必要があります。

また、シェルスクリプトでのウェブアプリケーション開発は、CGIを中心とした古い技術に依存することが多く、現代のウェブ開発のスタンダードとは言えません。CGIは、各リクエストごとに新しいプロセスを起動するため、パフォーマンスの問題が生じる可能性があります。

さらに、シェルスクリプトには、リアルタイムのデータ処理や複雑なデータ構造の管理など、ウェブアプリケーション開発に必要な多くの機能が欠けています。

クラウドサービスとの連携が難しい

シェルスクリプトは、クラウドサービスとの連携に関しても制約が多いです。多くのクラウドプロバイダは、CLIツールを提供しており、シェルスクリプトからこれらのツールを利用することは可能です。

しかし、より高度な連携やカスタマイズを行う場合、APIを利用することが一般的です。

シェルスクリプトは、これらのAPIを直接呼び出す能力が限定的であり、外部コマンドを頼りにする必要があります。これにより、パフォーマンスの問題や、APIの全機能を活用することの難しさが生じます。また、APIの認証やセキュリティの取り扱いも、シェルスクリプトでは複雑になることが多いです。

リアルタイム処理に適さない

シェルスクリプトは、リアルタイム処理には向いていません。リアルタイム処理では、短い時間内に確実に処理を完了させることが求められますが、シェルスクリプトは外部コマンドの起動やデータのパイプライン処理に時間がかかることが多いです。

また、シェルスクリプトは、POSIXのリアルタイムAPIに直接アクセスする能力がありません。これにより、正確なタイミングでの処理や、高速なデータの処理が難しくなります。他の言語やツールを利用することで、これらの問題を回避することは可能ですが、それには追加の学習コストや開発コストが発生します。

処理速度が遅い

シェルスクリプトは、インタプリタベースの言語であるため、コンパイル言語と比較すると処理速度が遅くなることが一般的です。特に、外部コマンドを頻繁に起動する場合、その起動コストが累積され、全体のパフォーマンスが大きく低下することがあります。

例えば、データの加工やフィルタリングを行う際に、sedやawkなどの外部コマンドをループ内で繰り返し呼び出すと、そのオーバーヘッドが大きくなります。

このような場合、シェルスクリプトの特性を理解し、外部コマンドの呼び出しを最小限に抑えるような設計が求められます

複雑なデータ構造を扱うことができない

シェルスクリプトは、基本的なデータ構造の操作には適していますが、複雑なデータ構造を扱うのは困難です。

例えば、多次元配列や連想配列、オブジェクトのような高度なデータ構造を直接サポートしている言語と比較すると、シェルスクリプトの能力は限定的です。

一部のシェルでは連想配列をサポートしていますが、その機能も限られており、複雑なデータ操作を行う際には他のツールや言語を併用する必要があります。この制約は、データ解析や複雑なアルゴリズムの実装において、シェルスクリプトの使用を難しくしています。

GUIを持つアプリ開発に適さない

シェルスクリプトは、基本的にテキストベースのインターフェースを持つCLIツールの作成に適しています。GUIを持つアプリケーションの開発には、専用のフレームワークやライブラリが必要となりますが、シェルスクリプトにはそのようなツールが存在しないか、非常に限定的です。

過去には、kshの拡張としてGUIツールキットと連携できる実装が存在していましたが、現代のアプリケーション開発のスタンダードとは言えません。GUIアプリケーションの開発には、専用のプログラミング言語やフレームワークを使用することが一般的です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回はシェルスクリプトのメリットとデメリットについて解説してきました。

シェルスクリプトは、このシェルの動作を自動化するためのスクリプトであり、シェルには様々な種類があり、Bash、BourneShell、Csh、Zshなどが代表的です。

技術進歩、時代の流行に沿ってこれらのシェルも多様化してきており、一概にはこれだけ学んでおけば良いというものはありません。

シェルスクリプトそれぞれのメリット・デメリットを包括的に学び経験として自身の中に蓄積させていくことをお勧めします。

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