1. TOP
  2. エンスタマガジン
  3. 学習
  4. MATLABの学生ライセンスの概要と購入までのステップとは

MATLABの学生ライセンスの概要と購入までのステップとは


はじめまして、エンジニアスタイル編集部です!

コラムページでは、ITフリーランスに向けてお役立ち情報を発信します。Twitterではホットな案件を紹介してまいりますので、ぜひフォローをお願いいたします!
本記事が、皆様の参考になれば幸いです。

経験がまだ少ない方にもわかりやすく説明するために、初歩的な内容も記載しております。記事も長いので、実務経験豊富な方は、ぜひ目次から関心のある項目を選択してください。MATLABの案件の一例と、案件一覧を以下からご覧いただけますのであわせてご確認ください。

はじめに

MATLAB(マトラボ:Matrix Laboratory)は、数値計算やデータの可視化、モデリングなどの科学技術計算を行うためのハイレベルな開発環境です。

MATLABの大きな特徴は行列演算のサポートが強い点です。行列やベクトルを簡単に定義できる上、演算や計算を直感的に行うことができるため、線形代数や信号・画像の処理、制御システム設計などの分野で便利に利用されています。

また、MATLABに組み込まれている数学関数やアルゴリズムは豊富にあり、様々な数値計算やデータ解析に役立ちます。例えば統計解析やフーリエ変換、微分方程式の数値解法などにも対応しています。グラフやプロットを作成し、データの可視化や結果の分析も可能です。

科学技術計算やデータ解析、アルゴリズム開発に関するさまざまな分野で広く利用されているMATLABは、大学や専門学校などの教育機関でも広く使用されています。この記事では、MATLABを個人利用する場合のポイントや、学生ライセンスの内容について紹介します。

MATLABの個人用ライセンスの概要

個人用ライセンス(MATLAB Home) 学生ライセンス(MATLAB Student)
価格 15,500円 9,900円
対象ユーザー 研究者、エンジニア、開発者など 学生(学校の教育目的での利用がメイン)
ライセンスタイプ 通常の商用ライセンス 非商用利用を想定

MATLABの個人用ライセンスには、商用利用可能な個人用ライセンスと、非商用利用を想定した学生ライセンスがあります。自身の目的や、利用したい機能によって適切なライセンスを選択しましょう。

個人用MATLABの概要

個人プラン
価格 15,500円
対象ユーザー 研究者、エンジニア、開発者など
ライセンスタイプ 通常の商用ライセンス

個人ライセンスの特徴は、商用利用が可能な点です。研究やプロジェクト、商業目的で使用したい方は個人ライセンスを選択しましょう。

個人ライセンスでは、MATLAB本体に加えて、多くのツールボックスやアドオンが利用可能です。これにより、特定の分野や応用に特化した機能やツールを使用できます。一般的な個人ライセンスで利用可能なツールボックスやアドオンの具体例は以下の通りです。

利用可能なツールボックス 機能
制御システムツールボックス 態空間モデル、フィードバック制御、最適制御、領域設計など
信号処理ツールボックス フィルタ設計、スペクトル解析、ウェーブレット解析、フーリエ変換など
画像処理ツールボックス 画像の前処理、フィルタリング、特徴抽出、画像のセグメンテーションなど
統計・機械学習ツールボックス 回帰分析、クラスタリング、分類、時系列解析など
最適化ツールボックス 最適化アルゴリズム、制約条件の設定、目的関数の最適化など
ディープラーニングツールボックス 畳み込みニューラルネットワーク、再帰型ニューラルネットワーク、転移学習など

また、MATLABの個人用ライセンスには、一般的に以下の2つの主な種類があります。

ライセンスの種類 内容
MATLABライセンス MATLAB本体のみを利用するためのライセンス。数値計算やデータ処理、グラフ作成などの基本機能が利用可能。
MATLABツールボックスライセンス 特定の応用分野に特化したツールボックス(例: 制御システム設計、信号処理、画像処理、統計解析など)を利用するための追加ライセンス。必要なツールボックスに基づいて追加料金が発生する場合あり。

個人用ライセンスは原則1人のユーザーのみ利用可能で、他の人との共有は制限されます。また、個人用ライセンスは教育機関や研究機関での使用は対象外となる場合があります。

個人用のライセンスを購入すると、MATLAB Onlineを利用できます。MATLAB Onlineは、ウェブブラウザ上でMATLABを利用できるクラウドベースのオプションです。

MATLAB Onlineはクラウド上で実行されるため、ローカルにMATLABをインストールする必要がなく、時間や場所を問わずブラウザ上でMATLABにアクセスできます。さらにMATLAB OnlineではMATLABのほとんどの機能がオンライン上で利用可能です。

MATLABは学生プランがある!個人用を購入しないように注意

学生ライセンス
価格 9,900円
対象ユーザー 学生(学校の教育目的での利用がメイン)
ライセンスタイプ 非商用利用を想定

MATLABの学生ライセンスは、個人ライセンスに比べて約3分の2程度の価格で購入できます。学生ライセンスは学習・教育目的での使用が想定されており、MATLABを使って科学技術計算やデータ処理を学び、研究やプロジェクトに取り組めます。一部の大学ではMATLABを大学規模で導入している場合もあります。対象の学生は無料で利用できる場合があるため、大学に確認してみましょう。

MATLABの学生ライセンスでは、数値計算やデータ解析、アルゴリズム開発などの基本的な機能に加えて、制御システムツールボックス、信号処理ツールボックス、画像処理ツールボックスなど主要なツールボックスも利用可能です。

また、MATLABには学生向けに提供されるアドオン製品もあります。以下はMATLABの学生ライセンスのみで利用可能なアドオン製品の一部です。

学生ライセンスのアドオン製品 内容
Simulink Student Suite シミュレーションやモデルベースの設計を行うためのMATLABの拡張機能
MATLAB Coder MATLABで開発したアルゴリズムやモデルをC/C++や他の言語のコードに自動的に変換する
Image Processing Toolbox 画像処理やコンピュータビジョンのアプリケーションを開発するためのツール
Control System Toolbox 制御系のモデルの作成、システムの安定性の評価、制御器の設計

学生ライセンスには、教育用の追加資料やチュートリアルも含まれます。チュートリアルを利用して、MATLABの基礎から応用まで幅広い知識を学べます。

一方、学生ライセンスは非商用利用に制限されているため、商業目的での利用は制限されています。ユーザーが学生の場合でも、商業目的で利用したい場合は個人ライセンスを購入しましょう。

また、一部の大学ではMATLABを大学規模(キャンパスライセンス)で購入しています。MathWorks公式HPの情報によると、以下の大学がMATLABのキャンパスライセンスを有しています。特にSTEM(科学・技術・工学・数学)分野の大学や工学系の大学や、研究機関と提携している大学などは、MATLABのキャンパスライセンスを有している可能性があります。所属する大学がMATLABに加入しているかを知りたい場合は、窓口に問い合わせてみましょう。

MATLABにある2つのライセンスの種類とは

MATLABのライセンスは「年間ライセンス」「永久ライセンス」の2種類から選べます。年間ライセンスは1年ごとに利用料を支払う必要がありますが、利用期間を限定している場合や、常に最新バージョンを利用したい場合に最適です。

一方で「永久ライセンス」は特定のバージョンを買い切る方式で、最新版を利用したい場合は追加購入が必要ですが、1つのバージョンを長期的に安く使いたい場合に最適です。

年間ライセンス

年間ライセンスは、特定の期間(通常は1年間)にわたり、MATLABソフトウェアを使用するためのライセンスです。年間ライセンスは、ライセンス期間の終了時に更新する必要がありますが、ライセンス期間内には、MATLABの新しいバージョンやアップデートを利用することができます。

年間ライセンスは、大学や企業などの組織がMATLABを使用する場合に選択されるのが一般的です。

永久ライセンス

永久ライセンスは、MATLABソフトウェアの所有権購入にあたります。一度購入すれば、将来のアップデートやバージョンアップに関係なく、そのバージョンのMATLABを使用し続けることができるため、主に個人でMATLABを使用する場合に選択されます。一方で注意すべきなのは、新しいバージョンやアップデートにアクセスするためには、別途アップグレード版を購入する必要がある点です。

MATLABの学生プランを購入するためのプロセスを紹介

ここでは、MATLABの学生プランを購入する方法について紹介します。

学生向けMATLABのページへ

まずはMathWorks公式HPにアクセスし、「学生向け」をクリックします。

「MATLAB and Simulink Student Suite」の「今すぐ購入」ボタンをクリックすると、次の画面でアドオン製品の選択ができます。

アドオン製品を購入するかを決める

学生ライセンスには、あらかじめ基本的な製品が含まれていますが、含まれていない機能は1つずつ追加購入が可能です。

インストーラをダウンロードする

MATLABのアドオン製品を選び、下にスクロールすると購入ボタンがあります。クリックすると、ログインまたは新しいアカウントを作成するページに移ります。MATLABのダウンロードには、開発元であるMathWorksのアカウントが必要です。

ログインできたら、アカウントのトップメニューの「ダウンロード」オプションよりダウンロードセンターに移動します。ダウンロードセンターでは、MATLABのバージョンを選択します。通常、最新のバージョンが推奨されますが、特定のバージョンを必要とする場合は、そのバージョンを選択します。

次に、OSも選択します。MATLABはWindows、macOS、Linuxなどのさまざまなプラットフォームで利用できます。OSを選択できれば、ダウンロードボタンをクリックしてインストーラをダウンロードします。

MATLABをダウンロード

インストーラのダウンロードが完了したら、ダウンロードしたファイルを実行してインストールプロセスを開始することでMATLABをダウンロードできます。

MATLABの購入を開始する前に注意しておきたいこととは

MATLABの購入を開始する前に「無料で利用可能なPythonではなく、あえてMATLABを購入する理由」について考えてみましょう。

前提:自分がやりたいことは何かを明確にする

MATLABは数値計算や信号処理、制御システム、画像処理シミュレーションなど、科学技術やエンジニアリングの領域で幅広く使用されます。特に、MATLABの豊富な数学関数や統合ライブラリは、専門的な分野での作業をサポートしてくれます。

MATLABの購入が必要な人として、まずは高度な数値解析が必要な学生が挙げられます。MATLABは線形代数や微分方程式、統計解析などの数学的な問題を解くのに適しており、直感的な構文や統合開発環境は、研究や学習の効率を高めるのに役立ちます。

また、統合開発環境を重視する人にもMATLABは最適です。 MATLABには、統合開発環境(IDE)が付属しており、コーディングやデバッグ、プロファイリング、ビジュアル化などの作業をスムーズに行えます。

このように科学技術や数値解析に関わる学生や教師、開発者などにとっては、MATLABは非常に有用なツールとして使えます。

無料で使えるPythonと比較をして決める

MATLABを検討する前に、無料で利用できるPythonでも解決できるか検討しておきましょう。

2つの特徴をまとめると、「MATLABは数値計算に特化しており、行列やベクトル演算を扱うためのシンプルな構文がある」「Pythonには全体的に人間が理解しやすい構文や文法がある」です。

MATLABには、豊富な数値計算用の統合ライブラリがあります。MATLABはMATLABライブラリと統合しており、科学技術計算やデータ分析のための便利なツールボックスを提供します。一方、Pythonにも科学技術計算やデータ分析のための多くのライブラリがあります。有名なライブラリとしてはNumPyやPandas、SciPy、Matplotlib、Scikit-learnなどがあります。また、Pythonは機械学習やディープラーニングのための人気のあるフレームワークであるTensorFlowやPyTorchもサポートしています。

そしてMATLABは商用ソフトウェアであり、使用するにはライセンスが必要ですが、Pythonはオープンソースであり、無料で利用することができます。また、Pythonのライブラリやツールも無償で利用可能です。

開発コストを抑えるためにも、有料のMATLABを購入する前にPythonで問題解決できないか試してみましょう。

まとめ

この記事では「MATLABの概要とライセンス購入」についてお伝えしました。結論をお伝えすると「MATLABは商用利用可能な個人ライセンスと、不可能だが価格が安い学生ライセンスがある」です。

MATLABは科学技術計算に特化しているため、学生ライセンスで学んだ後で就職・独立する際に個人ライセンスを利用すれば、使い方に慣れているためスムーズに作業できます。さらに一部の機能は無料のPythonでも対応できる場合があるため、自身の目的や予算によって柔軟に選択しましょう。

SNSシェア
CATEGORY
学習
新規会員登録エージェントとの初面談1社につきAmazonギフト券3,000円分全員にプレゼント!

あわせて読みたい関連記事


エンジニアスタイルでMATLABの案件を見る

おすすめ&新着求人・案件


各種SNSで情報を
発信中フリーランスで働くエンジニアに役立つ情報を発信しています。
フリーランス求人・案件の選び方や注意点、単価を上げるコツなどをエンジニアスタイルの編集部が発信しています。
フォロー・友達に追加していただき最新の情報をGETしてください。