ゲームエンジニアの現在の需要と将来性とは

2023.04.10(公開: 2023.03.29)

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ゲームエンジニアの仕事内容について

ゲームエンジニアとは、スマートフォンのアプリゲーム、PCゲーム、家庭用ゲーム向けの制作をするエンジニアのことです。

ゲームエンジニアは、グラフィックスや音響、物理シミュレーションなどの専門知識を持ち合わせていて、ゲームをプレイするユーザーにとって「操作性が良く、心に残るゲーム体験」を実現するためにゲーム開発をしています。

これから、ゲームエンジニアの代表的な仕事をご紹介します。

企画・企画ミーティングへの参加

ゲームエンジニアはゲームの企画において重要な役割を担っています。

企画の初期段階では、ゲームの方向性や仕様を設計するミーティングに参加し、技術的な観点から提案を行います。開発において必要な技術や、どのようにプログラムを組むかなどを提案し、実現可能性を検討します。

また、開発中にも改善点を見つけた場合は、改善案を出し、企画の見直しを提案することもあります。ゲームの企画において、技術的な側面から貢献することで、より良いゲーム開発が行われるように努めています。

仕様の決定

仕様とは、ゲームのルールや動作、キャラクターの挙動、グラフィックや音楽など、ゲーム開発における様々な要素について定義するものです。

仕様の決定には、ゲームデザイナーやプランナーと協力して、プレイヤーが楽しめるようなゲーム性や遊び方を決めたり、システムやアルゴリズムを設計したりすることが必要です。また、ユーザビリティや操作性、パフォーマンスなども考慮し、開発スケジュールや予算なども考慮した上で、仕様を決定していきます。

プログラミング・開発

プログラミングと開発の仕事は、企画や設計に基づいて、ゲームのコアシステムや機能を実装することです。

具体的には、プログラミング言語を使用してゲームエンジンのコーディングや、ゲームオブジェクトの動作や挙動を設計し、プログラムを書いて実装します。

また、開発作業においては、デバッグやバグ修正、パフォーマンスチューニング、ユーザーインターフェースの設計、APIの開発、マルチプレイヤー機能の実装などが含まれます。

常に新しいテクノロジーやトレンドに目を向け、最新の開発手法を取り入れながら、クオリティの高いゲームを作り上げることが求められます。

デバック

ゲームエンジニアのデバッグ作業は、ゲームのテストや問題の修正に関するものです。

デバッグ作業には、バグの特定、テストの実行、問題のトラッキング、修正の提案などが含まれます。

デバッグ作業は、ゲームの品質を確保し、ユーザーの体験を向上させるために欠かせない作業です。また、ゲームの開発においては、テスト自動化の導入や、品質向上のためのテスト観点の提案など、自己改善のための仕組みも重要です。

デバッグ作業は開発の過程で頻繁に行われるため、チーム内のコミュニケーションと協力が不可欠となります。

ゲームエンジニアの将来性と需要とは

次にゲームエンジニアの現在の需要と将来性についてご紹介します。

まずは、現在のゲームエンジニアの需要から紹介します。

ゲームエンジニアの現在の需要

ゲームエンジニアは、現在でも非常に需要の高い職種の一つです。特に、スマートフォンやPC、家庭用ゲーム機、VRなどの多様なプラットフォームが普及し、ゲーム市場が急速に成長しているため、需要が高まっています。

また、AIやビッグデータ、クラウドコンピューティングなど、最新の技術を応用した高度なゲームエンジンが開発されているため、より高度な技術やスキルが求められています。

ゲームの成功には、魅力的で快適なユーザー体験を提供することが不可欠であり、そのためには、ゲームエンジニアがデザイナーやアーティストなどの他の開発者と密接に協力して、優れたゲームを開発する必要があります。

ゲームエンジニアは、ゲーム業界において不可欠な存在であり、現在でも高い需要が続いています。

コンシューマーゲームの需要は増加傾向

スマートフォンやPCなどの普及に伴いオンラインゲームの需要が急増しており、これに伴い、コンシューマーゲーム（家庭用ゲーム）需要は拡大しています。

また、最近ではVR技術が急速に発展しており、VRゲーム市場も拡大しています。このような最新技術を取り入れたゲーム開発において、ゲームエンジニアの役割は非常に重要であり、需要は今後も高まるでしょう。

スマートフォンゲームの需要は増加傾向

スマートフォンゲームとは、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイス上でプレイできるゲームのことです。例えば、App StoreやGoogle Playなどのアプリストアからゲームをダウンロードしてプレイすることができ、パズル、アクション、ロールプレイング、シミュレーション、カードなど様々なゲームの種類があります。

スマートフォンゲーム市場は現在でも成長が続いており、今後も需要が増加する傾向があります。特に、スマートフォンの普及により、手軽にゲームを楽しめるようになったことが大きな要因として挙げられます。

さらに、スマートフォンの性能向上やネットワーク環境の整備に伴い、グラフィックスやプレイ性などが向上し、高品質なスマートフォンゲームの需要も増加しています。

ゲームエンジニアの将来性

次にゲームエンジニアの将来性をご紹介します。

eSportsの盛り上がり

eSportsは、競技としての電子スポーツの略称で、プロのゲームプレイヤーが、ライブストリーミングや大会で競い合うビデオゲームの競技で、一般的には複数のプレイヤーが対戦するマルチプレイヤーゲームで行われ、プロリーグや世界大会などの形式で競技が行われます。

近年、eSportsは急速な盛り上りを見せていて、世界中でeSportsの大会が開催され、多くの観客が試合を見守っています。プロのeSports選手が誕生し、大きな賞金を獲得することも珍しくありません。

eSportsの盛り上がりの要因としては、ビデオゲームの普及により、多くの人がゲームを楽しんでいることが挙げられること、インターネットの高速化により、世界中のプレイヤー同士がリアルタイムで競技を楽しむことが可能になったことが挙げられます。

また、eSportsはマーケティングや広告などのビジネスにも大きな影響を与えており、企業からの注目も高まっています。特に、eSportsの大会やプロ選手をサポートする企業が増えており、eSports市場の拡大が期待されています。

機械学習・ディープラーニングを組み込んだゲーム開発

機械学習は、コンピューターが人工的に学習する方法で、データからパターンを発見し、そのパターンを元に予測や分類などのタスクを実行する技術です。

例えば、メールのスパムの検知にも利用されていて、機械学習の技術を使用して、スパムメールを自動的に検出し、フィルタリングすることができます。

また、ディープラーニングは機械学習の一種で、人工ニューラルネットワークを使って、膨大な量のデータから高度なパターン認識を行う技術です。

例えば、自動車の自動運転の分野ではディープラーニングの技術を利用し自動車が周囲の状況を認識し、自律的に運転することができます。

機械学習やディープラーニングを使ったゲームは、よりリアルなNPCの行動や、自然な反応を返すキャラクター、スムーズで予測可能な動きなどを実現することができます。これにより、プレイヤーにより楽しいゲーム体験を提供することができます。

また、機械学習やディープラーニングを使った難易度調整により、プレイヤーにより良い体験を提供することができるため、この分野の需要も増えていくことが予想されます。

しかし、機械学習やディープラーニングを使ったゲーム開発には、高度な技術や専門知識が必要であるため、その分野で活躍するためには、継続的な学習や技術革新へのアクセスが重要です。

VR・メタバースなどの新規ゲームの台頭

VR（仮想現実）は、コンピューターグラフィックスやセンサー技術などを用いて、人を仮想空間に没入させる技術です。メタバースは、複数のVR空間を結びつけ、仮想現実の世界をつくる概念です。

VRやメタバースは、従来のビデオゲームとは異なる、より没入型のゲーム体験を提供することができます。そのため、これらの技術を活用したゲームの需要が高まっており、これに伴ってゲームエンジニアの需要も増加しています。

例えば、Minecraft（マインクラフト）は世界で自由度の高いクリエイティブなゲームで、メタバースの一つとしても人気が高いです。プレイヤーは自分で建物や景観を作り上げることができ、自由度の高いゲームプレイが特徴です。プレイヤー同士の交流も可能で独自のコミュニティが作られています。

また、VRやメタバースには、ゲームだけでなく、教育や医療などの分野でも応用される可能性があります。これらの分野においても、ゲームエンジニアの専門知識が必要となるため、需要は今後も高まるでしょう。

さらに、クラウドゲームやスマートフォン向けのゲームなど、従来のゲームに加えて新しい分野でも需要が高まっています。これらの分野にもゲームエンジニアが必要となるため、将来的にも需要は継続するでしょう。

今後のゲームエンジニアに求められるスキルとは

ここからは、ゲームエンジニアに求められるスキルについてご紹介します。

前提として、将来性を担保するならば技術のキャッチアップは必須

将来性を担保するためには、常に最新の技術動向をキャッチアップし、それに対応できる能力を持つことが必要です。特に、IT分野は日進月歩の変化が激しいため、遅れを取ってしまうと需要に追いつけなくなる恐れがあります。

そのため、ゲームエンジニアには「自分自身で学び、成長し続けるための積極的な姿勢」が求められます。新しい技術やツールを積極的に習得し、それをプロジェクトに取り入れることで、より高度なゲーム制作が可能となります。また、自己研鑽の姿勢はキャリアアップにもつながります。

さらに、将来的にはAIや機械学習などの分野がゲーム制作にも取り入れられることが予想されており、それに対応するためにも、最新技術に常にアンテナを張り続けることが重要です。

ゲームエンジニアのベースとなる技術スキル

ゲームエンジニアにとって、実務経験は非常に重要なスキルの一つです。実務経験を持っているゲームエンジニアは、より高度な開発スキルを持っていると評価される傾向があります。

ゲーム開発における実務経験

ゲーム開発における実務経験とは、実際にゲームの開発に関わるプロジェクトに参加して、チーム開発の経験、技術的な問題解決力を磨き上げ、プロジェクト管理のスキルなどを身につけることです。

具体的なゲーム開発の経験の例を２つ挙げます。

Unityを使用したモバイル向けアクションRPGの開発

「C++」を使用して、ゲームエンジンやツールの開発やゲームのロジックやAIの実装を担当したり、レベルデザイナーやアーティストと協力して、ゲームの世界観の設計を行う

HTML5を使用したブラウザゲームの開発

「JavaScript」を使用して、ゲームのロジックやUIの実装を担当したり、デザイナーやサウンドエンジニアと協力して、ゲームのグラフィックや音楽の制作を行う

実務経験を積むことで、ゲーム開発に必要な技術や知識を習得することができます。また、実務経験は、就職やキャリアアップにも大きな影響を与えるため、ゲームエンジニアとして活躍するためには、実務経験を積むことが非常に重要です。

ゲームエンジンを活用した開発経験

ゲームエンジンを活用した開発経験とは、ゲームエンジンと呼ばれるソフトウェアを使用して、ゲームを開発する経験です。ゲームエンジンは、ゲーム開発に必要な様々な機能を提供するため、プログラマーやデザイナーがゲーム開発に専念することができます。

具体的なゲームエンジンを活用した開発例を２つ挙げます。

Unreal Engineの拡張機能開発

「C++」を使用して、Unreal Engineの機能を拡張するプラグインの開発を行ったことや、「Unreal EngineのAPI」を使用して、新しいアクター、コンポーネント、ツールなどを実装の経験

HTML5向けのゲームエンジンの開発

「JavaScript」や「WebGL」を使用して、HTML5向けのゲームエンジンを開発した経験や、ゲームエンジンのアーキテクチャやデザイン、グラフィックスパイプライン、物理エンジン、サウンドシステムなどを設計・実装した経験

ゲームエンジンを活用した開発経験は、ゲーム開発において非常に重要であり、特に新しいゲーム開発者にとっては、開発プロセスを迅速かつ効率的に進めるために必要不可欠なスキルです。また、ゲームエンジンの機能を理解していることは、チーム開発においても大きなアドバンテージとなります。

ゲームエンジニアに今後求められる技術スキル

ゲームエンジニアに今後求められる技術スキルとしては、以下のようなものが挙げられます。

AR・VRなどの今後も市場が広がる領域で必要なスキル

ゲームエンジニアにとって、AR・VR技術の知識と経験などは重要です。AR・VRは、ゲームプレイヤーに新しい体験を提供するための革新的な技術であり、今後ますます普及していくことが予想されています。

AR/VRを活用するゲームを開発するためには、ゲームエンジニアが複数の知識やスキルを持つ必要があります。

基本的な概念と原理について理解

AR・VRを活用するゲームを開発するためには、AR・VRの技術やアルゴリズム、センサー技術、コンピューターグラフィックスの基礎などAR・VRの基本的な概念と原理について理解していることが必要です。

ゲームエンジン・プラットフォームの知識

AR・VRのゲーム開発にはUnityやUnreal Engineなどのゲームエンジンを用いて開発することが多く、その場合にはC#やUnityScriptの知識が必要です。

また、AR/VRのプラットフォームやデバイスについても知っていることが重要です。これには、Oculus、HTC Vive、PlayStation VRなどのAR/VRヘッドセットや、ARKit、ARCoreなどのAR/VRフレームワークが含まれます。

AR・VRゲームの開発に必要なスキルの習得

AR・VRゲームの開発には、3Dグラフィックス、プログラミング、ユーザーインターフェースデザインなど、幅広いスキルが必要です。ゲームエンジニアは、これらのスキルを熟練させ、AR・VRゲームの開発に取り組むことが求められます。

セキュリティの知識と経験

現代のゲーム業界において、セキュリティの知識と経験はゲームエンジニアにとって必要不可欠な要素となっています。

オンライン接続やユーザーデータの保護、ゲームエンジンやプラットフォームの脆弱性など、セキュリティ上の課題に対処するためには、基本的なセキュリティの概念や原理、不正プログラムの検出や防止、クラック対策、セキュリティに関連する技術やツール、そしてセキュリティ上の脅威に対する適切な対応策を習得する必要があります。

また、ゲームエンジニアリングにおいても、セキュリティの観点を考慮した設計原則の導入や、セキュリティ上の脅威に対する適切な対応策の実施が求められます。例えば、不正プログラムを防止するためのアンチチートシステムや、ユーザーデータを保護するための暗号化技術の導入などが挙げられます。

さらに、セキュリティの専門家と協力することも重要です。ゲームエンジニアは、セキュリティの専門家と連携して、セキュリティ上の脅威に対する適切な対応策を策定することが必要です。これにより、セキュリティの強化とユーザーの信頼獲得につながります。

ゲームエンジニアに今後求められるヒューマンスキル

ゲームエンジニアに今後求められるヒューマンスキルとしては、以下のようなものが挙げられます。

メンバー育成・組織開発のスキル

ゲームエンジニアにとって、メンバー育成・組織開発のスキルは非常に重要です。成功するゲームの開発には、チーム内のコラボレーションや、開発プロセスの改善が必要となります。

メンバー育成には、技術的なトレーニングや、コミュニケーションやリーダーシップスキルの向上も重要です。ゲーム開発は、長期的なプロジェクトであり、メンバーのモチベーションやエンゲージメントを高めることは、チームのパフォーマンスを改善し、プロジェクトの成功につながります。

組織開発のスキルには、チーム内のロールアウトや新しいプロセスの実装、ワークフローの改善などが含まれます。また、目標設定やプロジェクトマネジメントのスキルも重要です。組織開発によって、より効率的かつ生産的な開発プロセスを確立することができ、より良いゲームを開発するために必要なリソースを最適化することができます。

メンバー育成・組織開発のスキルは、ゲームエンジニアが成功するために必要なスキルです。チーム内でのコミュニケーション、リーダーシップ、プロジェクトマネジメント、そして新しいプロセスの実装などのスキルを磨くことにより、より魅力的なゲームを開発することができます。

プロジェクトマネジメントの経験

ゲームエンジニアには、プロジェクトマネジメントの経験が求められます。

プロジェクトマネジメントの経験を持つゲームエンジニアは、プロジェクトの目標を明確にし、タスクを適切に割り当て、プロジェクトの進捗を監視し、問題を解決することができます。

また、プロジェクトのスケジュールを作成し、予算管理を行い、リスク評価を行うことも重要です。プロジェクトマネジメントの経験を持つゲームエンジニアは、チームとのコミュニケーションを強化し、品質管理にも貢献します。

ゲームエンジニアにとって、プロジェクトマネジメントの経験は、自身のキャリアアップにもつながります。プロジェクトの進行管理や品質管理、チーム全体のコミュニケーションの改善などを担当することで、リーダーシップスキルやビジネススキルを磨くことができます。

英語力

ゲームエンジニアにとって、プロジェクトマネジメントの経験に加えて、英語力も重要な要素となります。ゲーム開発はグローバル産業であり、国内外の開発者や顧客とのコミュニケーションが必要です。

英語力を持つゲームエンジニアは、海外の開発チームや顧客とスムーズにコミュニケーションを取ることができます。また、海外の技術情報や新しい技術動向を把握し、自身の開発に生かすこともできます。さらに、英語でのドキュメンテーションの作成やレビュー、メールや電話でのやり取りも行えるため、プロジェクトの進行状況を正確に伝えることができます。

特に、海外のゲーム企業やプロジェクトに参加する場合には、英語力は必須スキルの一つとなります。英語を話せることで自身のスキルや知識を海外のチームや顧客にアピールすることができます。さらに、英語の技術文書やコードを読み解くことができるため、より高度な開発に取り組むこともできます。

ゲームエンジニアにとって、英語力を持つことは自身のスキルや知識を世界に発信し、海外のゲーム開発にも参加できるようになるため、グローバルなゲーム産業でのキャリアアップにもつながります。