クラウドエンジニアにオススメな9つの資格と差別化できるスキルとは
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目次
クラウドエンジニアには資格が必要?
クラウドエンジニアとは、クラウドコンピューティングプラットフォームの設計や構築、管理を主に担当するエンジニアです。例えばオンプレミスのサーバーからクラウドへの移行や、セキュリティ、パフォーマンスの最適化などが主な仕事です。AWS、Azure、GCPなど主要なクラウドプロバイダーのサービスを活用して、アプリケーションをシステム障害から守りつつ、可動し続けるための管理を行っています。
クラウドエンジニアに必須の資格はありませんが、IT関連の資格をいくつか持っていると、就職や転職、フリーランスの案件獲得に有利です。資格を「スキル・知識の確認」と捉えると、仕事に直結した資格があると差別化を図れます。また、資格取得の勉強をすることで、実務では経験できなかった知識を得られるのもメリットです。
この記事では、クラウドエンジニアが資格を持つメリットの詳細と、おすすめの資格について紹介します。
クラウドエンジニアが資格を獲得する5つのメリット
クラウドエンジニアが資格を持った方が良いメリットについて、具体例とともに5つ紹介します。
スキルの証明になる
クラウドエンジニアが資格を持っていると、スキルの証明と信頼性向上につながります。
具体例として、AWS Certified Solutions ArchitectやMicrosoft認定のAzure Administratorのような資格は、クラウドプラットフォームの設計と管理に関する高度なスキルを持っていることを証明できます。
クラウドエンジニアという職種は扱えるクラウドやスキルレベルによって範囲が広いため、特定の資格を取得することで、どのクラウドに特化したエンジニアであるか明確に表現できます。
資格手当が出る
クラウドエンジニアが資格を持つと、資格手当が出る場合があります。
例えばアイレット株式会社では、AWS Certified Solutions Architectの資格取得者には年額30,000円、Professional Cloud Database Engineerであれば年額60,000円など、資格に応じた手当がつきます。資格手当は資格の種類や所属する企業によって異なりますが、スキルアップとモチベーション向上に貢献します。
転職の際に有利
クラウドエンジニアの資格はスキルや知識の証明として利用できるため、転職にも有利です。知名度や難易度が高い資格であるほど雇用主からの信頼性も高くなり、即戦力として採用される可能性が高まります。
例えばAWS Certified Solutions Architectを有していると、AWSのクラウドアーキテクチャの設計やセキュリティなどを理解し、プロジェクトに適用できる能力があると証明できます。
資格は履歴書や面接でのアピールポイントとなり、転職機会を増やす助けになります。
年収アップにつながる
クラウドエンジニアが資格を持つと年収アップにつながります。資格は専門知識やスキルの証明になるため、雇用主に安心感を提供できる上、高年収の仕事に就ける可能性が高まります。
また、フリーランスとして働く場合にもクラウド技術には高い需要があるため、資格をスキルの証明として単価交渉も可能です。
キャリアアップにつながる
クラウドエンジニアのスキルを証明できる資格を持つことで、スムーズなキャリアアップを図れます。資格は専門知識とスキルを客観的に証明したものであるため、雇用主やクライアントからの信頼が高まり易く、昇進や新たなプロジェクト参加のチャンスが増えるからです。
また、資格は他のクラウドエンジニアと差別化できるツールとしても利用できるため、競争率が高い案件を獲得する際にも役立ちます。
クラウドエンジニアの資格を選ぶ際に知っておきたい3つのポイント
クラウドエンジニアの資格は、扱うクラウドやスキルによって種類が多いのが特徴です。ここでは、どの資格を取得すべきか選ぶ際のポイントについて3点紹介します。
初心者は難易度の高い資格は選ばず、汎用的な資格から学習する
クラウドエンジニア初心者にとって、難易度の高い資格よりも汎用的な資格から学習する方がおすすめです。
初心者はまずクラウドコンピューティングの基本原則を理解することが重要ですが、汎用的な資格は基本的な概念から教えてくれるため、初学者に適しています。また、汎用的な資格は特定のクラウドプロバイダーに限定されず、異なるクラウド環境で役立つスキルを証明できるため、将来的なキャリアの幅が広がります。
具体例として、CompTIA Cloud+やAWS Certified Cloud Practitionerなどの汎用的な資格は、クラウドエンジニアキャリアのスタート地点として適しています。初めのステップとして基礎を固め、徐々に専門的な資格に取り組むことをおすすめします。
取得した先で、その資格がどのように役立つかを考える
クラウドエンジニアが資格を選ぶ際、手当たり次第に取得するのではなく、取得した資格が役立つかどうかを考慮することは非常に重要です。
例えば、クラウドアーキテクトとしてのキャリアを追求するのであれば、AWS Certified Solutions Architectのような資格が適しています。また、セキュリティが重要視されている場合はCertified Information Systems Security Professional (CISSP) のようなセキュリティ関連の資格が役立ちます。
なお、クラウドエンジニアはAWS、Azure、Google Cloudなどの主要プロバイダーの資格を取得することで、それぞれのプラットフォームでのスキルを証明できます。将来のキャリア目標と現在のスキル・実務経験を考慮して、最適な資格を受験しましょう。
需要の高い・トレンドになっている資格を選ぶ
クラウドエンジニアとしては需要の高い資格を選ぶことが賢明です。 クラウドコンピューティング自体は今後も成長が期待されており、クラウドエンジニアへの需要も高まります。需要の高い資格を取得することで、市場価値を高められます。
例えば、AWS Certified Solutions ArchitectやCertified Information Systems Security Professional (CISSP) のような資格は、クラウドエンジニアにとって需要の高い有名な資格です。
最新のクラウドサービスやセキュリティ対策に関する知識を備え、市場での競争力がある人材を目指しましょう。
クラウドエンジニアにオススメしたいベース資格
クラウドエンジニアとして活躍するには、まずITに関する広い知識や技術が必要です。ここでは、エンジニアのベースとなる資格について紹介します。
基本情報技術者試験(FE)
基本情報技術者試験(FE)は、情報技術分野の基本的な知識とスキルを評価する資格試験です。FE試験は、コンピュータサイエンスやネットワーキング、データベース管理など、情報技術に関連するトピックに焦点を当てています。合格すると情報技術分野での基本的な能力を証明でき、エンジニアとしてのキャリアスタートに役立ちます。
試験日:CBT方式にて随時受験できる
受験料:7,500円(税込)
応用情報処理技術者試験(AP)
応用情報処理技術者試験(AP)は情報処理技術の高度なスキルを対象とした試験ですが、実務経験はなく、誰でも受験できます。
APでは高度な技術スキルについて出題され、システム開発やネットワーク、セキュリティなどに焦点を当てています。なお、情報技術の基本的な理解を問われるFEに対し、APは応用に関する深い知識が必要です。
試験日:春期(4月)・秋期(10月)の年2回実施
受験料:7,500円(税込)
ITパスポート(IP)
ITパスポート(IP)試験は情報技術の基本的な知識をテストする資格試験で、コンピュータの基本やハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなど幅広く出題されます。
基本情報技術者試験(FE)でも基本知識をカバーできますが、FEはより幅広い知識が必要です。FEはより実践的なスキルを証明できるのに対し、IPは情報技術に関する基礎的な理解を証明する試験で、情報技術の初心者向けのステップとして適しています。
試験日:CBT方式にて随時受験できる
受験料:7,500円(税込)
クラウドエンジニアにオススメしたい9つの資格
ここでは、クラウドエンジニアとして専門的なスキルを証明できる資格を9種類紹介します。自身の業務内容や目的に合わせて、最適な資格取得を目指しましょう。
AWS認定資格
AWS認定資格はAmazon Web Services(AWS)クラウドプラットフォームでのスキルと知識を証明する資格試験です。AWSは業界トップのクラウドプロバイダーであり、AWS認定資格はそのプラットフォームでのスキルと信頼性を証明できます。また、AWSは幅広いサービスと用途を提供しており、AWS認定資格はそれらのサービスを効果的に活用できることも証明できます。
クラウドエンジニアにとって、AWS認定資格はキャリアと安定性を追求するために必要な資格です。
試験日:随時(24時間前までに申し込み・変更)
受験料:12,100円〜33,000円(税込)
Microsoft Azure認定試験
Microsoft Azure認定試験は、Microsoft Azureクラウドプラットフォームでのスキルと知識を証明する資格試験です。
試験は役割やスキルに応じて種類が分かれており、ソリューションアーキテクト、開発者、データエンジニア、セキュリティエンジニアなど向けに用意されています。合格することで、Azureの専門知識とクラウドプロジェクトでの能力を証明し、キャリアアップを図れます。
試験日:随時(24時間前までに申し込み・変更)
受験料:Fundamentalsは12,500円(税込)・Fundamentals以外は21,103円(税込)
Google Cloud 認定資格
Google Cloud 認定資格は、Google Cloudプラットフォームでのスキルと専門知識を証明する資格試験です。Google Cloud Associate、Professional、Specialtyなど、さまざまな役割やスキルに合わせた資格が提供されています。試験に合格することでクラウドアーキテクトやデータエンジニア、ネットワークエンジニア、セキュリティエキスパートなどとしてのスキルを証明できます。
試験日:随時(24時間前までに申し込み・変更)
受験料:Fundamentalsは12,500円(税込)・Fundamentals以外は21,103円(税込)
CompTIA認定資格
CompTIA(Computing Technology Industry Association)には、情報技術分野でのスキルと知識を証明するためのさまざまな認定資格があります。CompTIAの認定資格は、コンピュータハードウェア、ソフトウェア、ネットワーキング、セキュリティなどの幅広いトピックに焦点を当てており、ITプロフェッショナルに向けて設計された試験内容です。
A+(コンピュータテクニシャン)、Network+(ネットワークスペシャリスト)、Security+(セキュリティ専門家)などがあり、初心者から経験豊富なプロフェッショナルまで幅広い層に適しています。
試験日:随時
受験料:10,817円〜50,672円(税込)
CCSP認定試験
CCSP(Certified Cloud Security Professional)認定試験はクラウドセキュリティに特化したISC2が提供する資格で、クラウド環境でのセキュリティ設計、監視、コンプライアンス、リスク管理など、クラウドセキュリティに関する高度なスキルと知識を証明します。
合格者はクラウドセキュリティの専門家として、クラウドプロジェクトのセキュリティを確保し、クラウドリスクを管理できることを証明できます。
試験日:随時
受験料:599米ドル
情報処理安全確保支援士試験
情報処理安全確保支援士試験では、情報セキュリティに関する基本的な知識が問われます。
合格すると情報セキュリティにおける専門的な能力の証明として、セキュリティポリシーの策定、リスク評価、セキュリティ対策の提案などの業務に従事できるレベルの能力を持っている証明ができます。情報処理安全確保支援士は、組織の情報セキュリティの向上に貢献し、情報漏洩やセキュリティインシデントを防ぐ役割を果たします。
試験日:春期(4月)・秋期(10月)の年2回実施
受験料:7,500円(税込)
ネットワークスペシャリスト試験(NW)
ネットワークスペシャリスト試験(NW)は、ネットワーク設計、運用、セキュリティ、トラブルシューティングなど幅広い知識が問われる試験です。
合格者はネットワークのプロフェッショナルとしてのスキルを証明できます。NWはネットワークエンジニアやシステムアドミニストレーター向けに設計されており、企業など組織のネットワークインフラストラクチャを設計・運用するための専門的なスキル証明に役立ちます。
試験日:春期(4月)の年1回実施
受験料:7,500円(税込)
シスコ技術者認定(CCNA)
シスコ技術者認定(CCNA)は、シスコシステムズが提供するネットワーキングに関する資格です。主な出題内容は、ネットワーク設計、構築、運用、トラブルシューティングについてです。IPルーティング、スイッチング、セキュリティ、ワイヤレスネットワーク、クラウドネットワークなど幅広い領域を対象としています。
CCNA資格は、ネットワークエンジニア、システムアドミニストレーター、セキュリティスペシャリストなど、ネットワーキングに関わるプロフェッショナルに向けて設計されており、ネットワーキング分野でのキャリア構築に役立つ資格です。
試験日:随時実施
受験料:42,900円(税込)
Linux技術者認定資格(LinuC)
Linux技術者認定資格(LinuC)は、Linuxオペレーティングシステムに関するスキルと知識を証明する資格です。
試験はLinuxの基本操作、システム管理、ネットワーキング、セキュリティ、シェルスクリプトなど、幅広いトピックに焦点を当てています。主にLinuxシステム管理者やネットワークエンジニア、ソフトウェア開発者など、Linuxを使用する方は取得しておきたい資格です。
試験日:随時実施
受験料:16,500円(税込)
クラウドエンジニアとして差別化できるスキル
クラウドエンジニアとして活躍するためのスキルは、資格以外にも多く存在します。ここでは、クラウドエンジニアが身につけておきたいスキルについて紹介します。
セキュリティに関する知識・スキル
クラウドエンジニアにはセキュリティ知識・スキルが不可欠です。なぜなら、クラウド環境はオンラインでデータやサービスにアクセス可能で、サイバーセキュリティ脅威にさらされているからです。
セキュリティスキルはデータ漏洩、不正アクセス、サービス遮断攻撃などからシステムとデータを保護し、コンプライアンス要件を満たすのに欠かせません。セキュリティ対策はクラウドプロジェクトの設計段階から統合されるべきであり、セキュリティの専門知識がなければ、リスクが高まります。
つまり、セキュリティスキルを持つクラウドエンジニアは信頼性が高く、競争力があります。
クラウドスキル
クラウドエンジニアとして、各種クラウドについてのスキルは必須です。特定のクラウドに精通したい場合も、主要なものについては理解しておきましょう。
AWS
クラウドエンジニアとして必要なAWSの知識には、AWSサービスの基本、セキュリティ、ネットワーキング、コストの最適化などが含まれます。AWSの主要なサービスを理解し、安全な設計と運用、コスト管理のスキルを磨くことが重要です。
Azure
クラウドエンジニアとして重要なAzureの知識には、Azureサービスの基本、仮想ネットワーク、セキュリティ、アイデンティティ管理、Azure Resource Manager(ARM)テンプレート、自動化、監視などが挙げられます。
GCP
クラウドエンジニアとして重要なGCPの知識には、仮想ネットワークやセキュリティ、Terraform、Deployment Managerなどインフラストラクチャコード、自動化、監視・ログ分析が含まれます。
プログラミングスキル
クラウドエンジニアとして活躍するには、クラウド以外にも基本的なプログラミングスキルが必要です。TOIBE INDEXによると、人気のプログラミング言語はC++やPython、Javaが挙げられます。それぞれの特徴や、ライブラリ、フレームワークなどを理解しておきましょう。
C++
C++は高性能なアプリケーションやサービスの開発に用いられ、クラウド環境でのパフォーマンス最適化に必要です。重要な要素には、C++の基本構文の他、オブジェクト指向プログラミング、メモリ管理、マルチスレッドプログラミング、データ構造、アルゴリズム、ソフトウェアデザインパターンが含まれます。C++のスキルを持つことで、クラウドアプリケーションの開発と最適化に貢献できます。
Python
Pythonはクラウドの自動化やデータ処理、機械学習など幅広い用途で使用されます。基本構文やライブラリ、デバッグ、クラウドプロビジョニングなどのPythonスキルがあると、クラウド環境の自動化と効率化な開発が可能です。
Java
Javaはクラウドアプリケーションやバックエンド開発など、広く使用される言語です。Javaの基本構文やオブジェクト指向プログラミング、フレームワークなどを習得すると、クラウドプラットフォーム上でのアプリケーションの設計と開発が容易になります。
ヒューマンスキル
クラウドエンジニアには、技術や知識の他に社会人としての一般的なスキルも必要です。ここでは、クラウドエンジニアとしてキャリアアップを目指すために身につけておきたいヒューマンスキルを紹介します。
プロジェクトマネジメント
クラウドエンジニアに必要なプロジェクトマネジメント力には、スケジュール管理やリスク評価などが含まれます。プロジェクトを効果的に計画し、リソースを最適に活用し、課題に対処するスキルは、クラウドプロジェクトの成功に不可欠です。
また、クラウドエンジニアは複雑なテクノロジーを扱うため、非技術者とも効果的にコミュニケーションを取る能力が必要です。プロジェクトマネジメントスキルは、クラウドエンジニアリングプロジェクトの成功に貢献できます。
ヒューマンマネジメントスキル
クラウドエンジニアとして身につけたいヒューマンマネジメントスキルには、リーダーシップや基本的なコミュニケーション能力、指導力などが挙げられます。特に適材適所にタスクを割り当て、モチベーションを維持し、メンバーの強みを活かす能力は重要です。また、コミュニケーション力は進捗の共有や問題解決に不可欠です。
まとめ
今回はクラウドエンジニアにおすすめする資格や、他者と差別化を図れるスキルについて紹介してきました。クラウドに関する知識はもちろん、ITについての幅広い知識、人間力を身につけることで、需要が高いクラウドエンジニアを目指せます。
クラウドに関する資格は多く存在しますが、目指す業界や業務内容、需要の高さなどを総合的に評価して、最適な資格を効率的に取得しましょう。
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