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DevOpsの具体的な導入事例と必要な3つの要素とは

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DevOpsとは

近年IT業界で注目を集めている「DevOps」という開発手法について解説いたします。

DevOpsの導入を検討されている場合は、ぜひこちらの内容を参考にしてみてください。

DevOpsとは

DevOpsとは、開発(Development)と運用(Operations)を組み合わせたIT用語です。

開発担当と運用担当が手を取り合い、要件定義から開発、リリースまでのサイクルを効率的かつスピーディーに進めることを目的としています。

DevOpsを導入することで、アプリケーションやサービスの開発を加速することが可能になります。

DevOpsはなぜ必要性とされているのか・生まれた背景

従来のシステム開発の現場では、開発を担当するチームと運用を行うチーム間の対立が頻繁に見受けられました。開発チームの主なミッションは、ソフトウェアに新しい機能を追加していくことです。一方、運用チームは現在動いている環境を維持し、サービスを安定して継続することをミッションとしています。

具体的には、開発チームが新機能を開発するために新しいバージョンのミドルウェアやライブラリのインストールを要求しても、運用チームはセキュリティや運用ポリシーを理由に、それを許可しないことがあります。双方業務を行うために必要なタスクを遂行しているものの、意見や目的が食い違っているため、要望が叶わず、対立構造が成立してしまうのです。

このような各チームごとのミッションの違いにより、意見の対立が生じていました。

近年は、パソコンやスマートフォンの普及によって、情報感度の高いユーザーが増加したことにより、企業には質の高い情報をスピーディーに提供することが求められています。

そのようなユーザーのニーズに応えるために生み出されたのがDevOpsという開発スタイルです。開発チームと運用チーム間で対立するのではなく、協業の体制を整え、効率的に開発を進めていくことが、DevOpsの目的です。実際に、DevOpsを導入した企業では、効率的なシステムの開発とリリース、ソフトウェア改修のサイクルが生まれています。

業務効率の向上を目指す多くの企業から、DevOpsという開発スタイルは注目されているのです。

DevOpsとアジャイル開発の違いは?

従来、システムやソフトウェアの開発手法は、ウォーターフォールモデルという一つひとつの工程を抜け漏れがないかどうか厳重に管理しながら進めていく手法が主流でした。その後新たな開発手法として登場したのがアジャイル開発です。

アジャイル開発とは、大きな単位でシステムを区切ることなく、小単位で実装とテストを繰り返す開発手法です。アジャイル開発を採用することで、ウォーターフォールモデルに比べて開発期間を大幅に短縮することが可能になります。

アジャイル開発では、システム開発を計画・開発・リリースという短いスパンに分割して、頻繁に開発・改修を行います。要求変更や機能追加に柔軟に対処しやすいため、現在でも様々な現場で重宝されています。

DevOpsは、「プラン」「コード」「ビルド」「テスト」「デプロイ」「運用」「モニター」という7つのステップで構成されています。開発の工程を細かく分割し、それぞれのステップを継続的に実践するという点は、アジャイル開発と共通しています。

DevOpsとアジャイル開発は、誕生した背景や目的は異なるものの、関連する部分が多く、アジャイル開発を実現するには、DevOps的なアプローチや考え方が必要となるのです。

DevOpsの考えや開発手法を深く理解するために、アジャイル開発について知識を深めることもおすすめです。

DevOpsを導入している具体的な事例とは?

DevOpsを導入している具体的な事例について解説いたします。

Capital One

Capital Oneは、米国最大手の銀行の1社であり、クレジットカードや当座預金および普通預金、個人と企業向けのオンラインバンキングサービスなど、金融に関わる業務全般を取り扱っています。

Capital Oneでは、システム開発の各工程における自動化の採用によって、品質の改良と開発スピードの向上を目指しました。

高度なセキュリティが求められるCapital Oneにおいて、DevOpsの導入は、顧客満足度を高めることに繋がりました。

迅速な問題の発見と解決は、自動化の採用によって実現したものです。DevOpsは、業務効率の向上だけでなく、サービスの満足度の向上にも役立てられています。

Netflix

日本でも人気が高い動画配信サービスを提供するNetflixは、大規模なDevOpsを実践し、成功させた企業の一つです。

NetflixではDevOpsを導入し、システム障害を含む様々な危機に対する対策を講じています。DevOpsによってリリースまでの開発スピードを上げることで、人為的に障害を起こすシステムを利用した障害対策の訓練や、バックエンドのテストを実行することに成功しています。リリース後のスムーズな運用を実現するのも、DevOpsのメリットの一つです。

Docusign

Docusignは、契約書など向けの電子署名ソリューションサービスを提供する企業です。Docusignでは従来、アジャイル開発が採用されていました。継続的で革新的なシステム開発を実現するために、DevOpsの導入を検討したものの、署名や承認のやり取りを行うというサービスの特質上、スムーズな実現には至りませんでした。

しかし、適切なツールを導入することで、DocusignにおけるDevOpsの導入は実現しました。現在Docusignでは、重要な取引や機密情報を扱い品質の高さが求められるアプリケーションでも、DevOpsの基本原則に則り、革新的な開発を継続することに成功しています。

DevOpsは様々なサービスやシステムで、安定性とスピードを両立した開発を実現しています。

Gengo

Gengoは、東京に本社を置くウェブベースの翻訳プラットフォームです。Gengoでは、「サービス」「サーバー」「顧客」のモニタリングを自動化しています。モニタリングの自動化は、DevOpsの基本原則であるソフトウェア開発ライフサイクルの自動化の実践に当てはまります。

モニタリングを自動化することで、情報の蓄積と継続的な改善の実現を可能としています。具体的には、広範で使用されるAPIのアップデート時に発生する問題の速やかな特定という課題を解決しました。

DevOpsではシステム開発における様々な課題の解決や目標の達成を実現します。

Forter

Forterは、機密情報を扱い、不正対策ソリューションを提供するソフトウェア企業です。決済アプリケーションや不正検知システムを提供しています。

Forterでは、開発における様々な工程で自動化を実現しています。例えば、頻発する課題をフィルタリングして自動で解決したり、発生した問題を人間が参照できるようにシステムに取り込むなど、あらゆる課題に対応できるよう優れたアーキテクチャを構築しています。

Forterは、課題解決だけでなく、再発防止にも重きを置いており、強力なインシデント管理体制が整っています。

自動化によるスムーズな問題の検知と解決は、DevOpsの目的に沿い、業務の効率化を実現しています。

すかいらーくグループ

すかいらーくグループとは、「ガスト」「バーミヤン」「ジョナサン」などのファミリーレストランチェーンを運営する日本の外食チェーン企業です。

すかいらーくグループは、専用アプリの開発にDevOps体制を導入し、運用負荷の軽減に成功しています。デプロイ、テストの自動化や、ツールの導入による安定したAPI環境の実現、システムによる監視と素早い異常感知など、スムーズな運用を実現するために様々な工夫が行われています。

結果として、すかいらーくグループの専用アプリは多くの人々に活用され、顧客満足度の向上を実現しました。

DevOpsを組織に導入する際に必要な3つの要素とは

DevOpsを組織に導入する際に必要な3つの要素を解説いたします。

共通認識の可視化(なぜDevOpsを導入するのか)

DevOpsを導入する際は、企業内の共通認識の可視化を行う必要があります。

DevOpsを導入することで、従来の開発体制が大きく変化することも考えられます。本来、開発チームと運用チームは、理念の違いから対立関係にあることも多いです。そのため、これまでのやり方を刷新した上で、対立していたチームと協働することに抵抗を覚えるメンバーが出てくることもあるでしょう。

DevOpsはチーム間の協力体制が整わなければ十分に機能しません。チーム全体に導入の意図を伝えられるように、リーダーはミーティングや講習会を開き、目的を伝達する必要があります。

KGIやKPIの設定と浸透

重要目標達成指標を意味する「KGI」と、重要業績評価指標を指す「KPI」を設定し、チーム内に浸透させることも、DevOpsの導入には必要です。

KGIには、売上高や成約数、利益率などが該当します。KPIはKGIを達成するための中間指標です。

KGIやKPIのような事業目標を明確にすることで、DevOpsを導入する目的も伝わりやすくなります。また、DevOps導入後の変化も可視化しやすくなるでしょう。

運用チームと開発チームでは達成すべき指標が異なる場合が多いことから、KGIやKPIをすり合わせることは重要です。上位レベルのKGI・KPIを設定し、共通の目標として設定することで、業務は円滑に進みます。問題が発生した時も、力を合わせて迅速に対応することができるでしょう。

DevOpsを導入する際は、チーム内でKGIやKPIを共有することをおすすめします。

継続的なプロセス改善

DevOpsを導入する際は、継続的に開発工程を改善できるように努める必要があります。DevOpsを導入する目的の一つが、システムのスピーディーなリリースと改修です。ユーザーのニーズに応え続けるためには、最適な開発環境に調整し続ける必要があります。

DevOpsを継続するためには、各工程の定期的な見直しが必要です。自動化を図ったり、適切なツールを導入するなどの工夫を行いましょう。

また、継続的にプロセスを改善し続けるには、DevOps開発業務の全体像を把握しておくことが重要です。業務の全体像を把握しておくことで、工程ごとの個別ツールを導入するときも、担当の割り当てやツールの選定・設定を明瞭に行うことができます。

DevOpsを効果的に継続するには、各プロセスを常に最適な状態に整える必要があります。各工程ごとに適したツールや自動化システムについて、情報を収集し続けることが大切です。

DevOpsエンジニアの年収は?具体的な仕事も紹介

DevOpsエンジニアの年収や具体的な仕事内容について紹介いたします。

DevOpsエンジニアの年収は?

まずは、DevOpsエンジニアの年収を紹介します。

転職サイトの情報によると、DevOpsエンジニアの平均年収は約667万円です。システムエンジニアの平均年収と比べても、DevOpsエンジニアの収入はかなり高額であることが分かります。

DevOpsエンジニアの収入は働く地域によっても差が生じます。また、PMなどの役職に就くことで、収入アップを目指すことも可能です。

DevOpsエンジニアの具体的な案件内容

DevOpsエンジニアのフリーランス案件についてご紹介いたします。

案件①


こちらは、不動産仲介システムのSaaS化支援を行う案件です。
現状導入されている不動産取引でのアナログな手法を自動作成をメインとしたサービスを開発します。
開発環境はフロントエンド・バックエンド・インフラごとに異なります。
TypeScriptでのフロントエンド開発経験やPJのアーキテクチャ設計、クラウド環境での開発経験が求められます。
DevOps環境でチームをリードした経験がある方におすすめです。

案件②


こちらは、大手小売業向け配送用モバイルアプリ開発支援を行う案件です。
ベンダー側SEとしてアジャイル開発の実装し、検証フェーズから参画します。
Gitを使った開発経験やFlutter、React等でのモバイルアプリ開発経験などが求められます。

上流工程の経験や、クライアント対応の経験も必要です。

案件③


こちらは、API等のサーバサイド開発の継続的な開発運用保守を行う案件です。
アーキテクト領域の設計及び開発経験や5年以上のWebのMVCの開発経験、SQLを利用した開発運用保守の経験などのスキルが求められます。

DevOpsエンジニアとしてのスキルアップを目指す方におすすめの案件です。

案件④


こちらは、病院向け顧客管理・予約サービス開発を行う案件です。エンド企業にて開発・運営を行います。
SPA・APIの開発、運用から設計やドメインモデリングなどを担当します。
Web系システムの開発経験やクライアントとのコミュニケーションスキルなどが求められます。
福利厚生も充実しており、リモート業務なども柔軟に対応可能な案件です。

案件⑤


こちらは、システム関連会社の生産革新部署向けの開発管理標準化支援業務を行う案件です。
導入支援業務と運用保守業務を担当します。

DevOps導入支援の経験や、Kubernetesでの環境構築、Dockerの使用経験が求められます。

月収アップを目指す方にもおすすめです。

具体的な企業でみるDevOpsエンジニアの年収はいくらか

DevOpsエンジニアの年収について、具体的な企業からチェックしていきます。

株式会社野村総合研究所(NRI)

株式会社野村総合研究所(NRI)のDevOpsエンジニアの年収は、約800〜1,400万円です。

日本をリードする企業や公官庁に対するITコンサルティングや、事業創発などを行います。

スキルや収入を伸ばしたいとお考えの方は、ぜひ挑戦してみてください。

富士フイルムシステムサービス株式会社

富士フイルムシステムサービス株式会社のDevOpsエンジニア年収は、約500〜800万円です。

地方自治体で利用されるアプリケーションの標準化に伴うクラウドネイティブ化への対応を担当します。

新規クラウド基盤の設計に興味がある方におすすめです。

株式会社ラクス

株式会社ラクスのDevOpsエンジニアの年収は、約580〜820万円です。

SaaSサービス『楽楽シリーズ』のWebアプリケーション開発を担当します。

急成長を続ける企業でエンジニアとしての成長を遂げたい方におすすめの案件です。

まとめ

今回はDevOpsの具体的な導入事例と、導入に必要な3つの要素について解説いたしました。

DevOpsを導入することで、業務効率化や顧客満足度の向上を目指すことができます。導入する際は、今回紹介したいくつかのポイントを意識してみてください。

また、DevOpsエンジニアとして活躍することで、エンジニアとしてのスキルや収入をアップすることができるでしょう。ぜひDevOpsに関する知識やスキルを高めてみて下さい。

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