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有料職業紹介の業務委託は違法?増加する理由や受託側と企業側のメリットを紹介

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はじめに

人材不足が叫ばれる昨今、人材紹介を業務委託で行うケースが増加しています。

しかし、「有料職業紹介」を無許可で業務委託することは違法となる可能性があり、注意が必要です。

本記事では、そもそも人材紹介とは何か、業務委託での人材紹介が違法とされる理由、そして業務委託における企業側と受託者側のメリットについて詳しく解説します。

<この記事を読むメリット>

  • 業務委託で人材紹介をする際の法的リスクを理解できる
  • 受託者(フリーランスや個人事業主)にとっての働き方のメリットがわかる
  • 企業側のコスト削減や効率化のポイントがわかる

フリーランスや個人事業主、そして人材を効率的に確保したい企業担当者にとって、今知っておくべき内容を詳しく紹介します!

そもそも人材紹介とは

人材紹介とは1

日本は現在、少子高齢化による深刻な人材不足に悩まされており、それに伴って人材紹介業の市場規模も成長傾向にあります。

2024年に厚生労働省の発表した調査結果によると、新型コロナが猛威を奮った2020年初頭に有効求人倍率は「約1.1倍」にまで冷え込みました。

しかし、それ以降は右肩上がりであり、2024年3月時点での有効求人倍率は「約1.28倍」にまで増加しています。

つまり、転職者1人に対して約1.28社もの求人があるということです。

したがって、日本の転職市場は今まさに「売り手市場」であり、転職者に有利な状況が続いています。

こういった背景もあり、人材紹介業に手を出そうと考える人も多くなりつつありますが、業務委託で人材紹介業を請け負う際、無免許で業務を行うと違法行為になるので注意が必要です。

そこでここでは、まず「人材紹介」とはそもそも何なのかについてわかりやすく説明します。

企業と求職者の間に仲介役として介入し、雇用関係の成立をあっ旋する仕事のこと

「人材紹介」とは、企業と求職者の間に第三者として入り、求職者に適した求人先を紹介し、双方の雇用関係の成立をサポートする仕事です。

具体的には、人材紹介会社が企業と求職者の要望をマッチングさせ、面接日程の調整や採用に至るまでのフォローを行うなど、転職活動の一環を支援する役割を果たします。

人材紹介業の役割は単なる仲介にとどまらず、求職者の希望やスキル、企業側の求める条件に応じて適切なアドバイスを行い、双方にとって最適なマッチングを図る点にあります。

特に、求人情報が公開されていない「非公開求人」にアクセスできることが多い点も、人材紹介を通じた転職活動のメリットの一つです。

有料職業紹介とは

有料職業紹介とは、企業からの手数料を受け取る形で、求職者と企業の間の雇用関係を成立させるために職業紹介を行うサービスです。

多くの人材紹介会社がこの形式で運営されており、企業は採用時に手数料を支払うことで効率的に必要な人材を確保できる仕組みです。

営利目的かどうかに関わらず、手数料や報酬などの対価を受けて行う職業紹介を指す

有料職業紹介では、営利・非営利にかかわらず、対価を受け取る形で職業紹介が行われます。

企業は採用に成功した際に手数料を支払うため、転職成功後の報酬体系が一般的です。

通常、手数料は求職者の年収の一定割合(例:30%前後)が目安とされ、企業側の採用コスト削減やスムーズな人材確保を目的として利用されます。

ただし、業務を行う際には厚生労働省の許可が必須であり、法令に基づいた適切な運営を心がけなければなりません。

無料職業紹介とは

無料職業紹介とは、手数料を受け取らずに求職者と企業を結びつける職業紹介サービスです。

多くの場合、公共機関や教育機関、自治体が無料でサービスを提供しているため、求職者にとって金銭的負担がなく、利用しやすいのが特徴です。

また、地域に根ざした支援が多いため、地元の就職支援などに活用されています。

いかなる名義でも手数料や報酬を徴収しない人材紹介を指す

無料職業紹介は、いかなる名目でも手数料や報酬を受け取らずに提供される職業紹介サービスです。

主にハローワークや自治体の就労支援機関、学校のキャリアセンターなどがこれに該当し、求職者に金銭的な負担をかけずに就職支援を行います。

このため、経済的な理由で有料の職業紹介サービスが利用できない求職者にも、平等に就職機会を提供できる点がメリットです。

ただし、無料職業紹介を行う機関も、有料職業紹介と同じように厚生労働省からの許可を受ける必要があり、一定の基準を満たして運営されなけれなりません。

人材紹介は免許取得が必要

人材紹介業務を行うには、厚生労働省からの許可(職業紹介事業許可)が必要です。

許可を取得せずに職業紹介を行うと職業安定法違反となり、罰則が科されるため業務の適法性を確保するうえで免許取得は欠かせません。

また、免許取得にあたってはいくつかの厳格な条件が設定されており、これらをクリアすることで初めて正式に業務が認められます。

詳しい要件は以下の通りです。

  • 財務基盤の健全性:事業を持続的に運営できる資産や資本が求められる
  • 個人情報管理の徹底:求職者や求人企業の個人情報を適切に管理するためのシステムや体制が必要
  • 職業紹介責任者の選任:業務全体を管理する「職業紹介責任者」を任命し、適切に教育を施す必要がある
  • 事業所の設置基準:事業を運営するのにふさわしい設備や運営環境が整っていること
  • 法令遵守体制の確立:職業安定法や個人情報保護法などの関連法規に従って事業を運営するための体制を整えること

なお、申請は事業を開始する約2〜3か月前までに、都道府県の労働局に行う必要があります。

申請書には、事業計画書や手数料に関する書類を添付し、審査に合格すれば許可が下ります。

人材紹介を業務委託で行うのは違法か?

近年では、人材紹介を業務委託するケースも増えてきました。

しかし、何度もいうように無免許で人材紹介をするのは違法行為です。

ここからは、人材紹介を業務委託した場合、なぜ違法行為になるのか詳しく解説します。

厚生労働大臣の許可を受けていなければ人材紹介の業務委託は違法行為

人材紹介業務を行うためには、必ず厚生労働省から「職業紹介事業許可」を得る必要があります。

職業安定法では、求職者と企業の間で雇用関係の成立をあっせんするには厚生労働大臣の許可が必要とされており、無許可での人材紹介行為は違法です。

許可を持たない個人や企業に業務委託して人材紹介を行うことは、違法な「無免許業務」と見なされる可能性があります。

また、無免許で人材紹介業を行った場合、委託した企業側も責任を問われる場合があるため、法令遵守を徹底することが重要です。

名義貸しに抵触

人材紹介業務を外部委託した場合、「名義貸し」に抵触する可能性があります。

職業安定法では、許可を得た事業者が自社の名義で無許可の個人や企業に職業紹介を委託することを禁じています。

例えば、許可を持たないフリーランスや個人事業主に自社の名義で求職者を紹介させると、「名義貸し」とみなされ、法的処罰の対象になる可能性が高いです。

名義貸しは、許可のない事業者が職業紹介行為に関与し、求職者や企業にリスクが生じる恐れがあるため、法律で厳しく規制されています。

無免許での職業あっせんに抵触

無許可での人材紹介業務は、職業安定法に違反する行為とされ、「無免許での職業あっせん」に該当します。

人材紹介業では、求職者と求人企業との雇用関係の成立を仲介することが許可された事業者に限定されており、許可を得ていないフリーランスや個人事業主が業務を請け負うことは違法行為です。

これは、求職者に対する適切なサポートや雇用管理が行き届かなくなる可能性があるためです。

また、無免許の事業者が関与することで情報管理や法令遵守のリスクが生じ、求職者や企業に不利益が生じる恐れもあります。

許可を持たない者への業務委託は「中間搾取」とみなされる場合もあり、法的な観点からみても非常にリスクの高い行為といえます。

1年以下の懲役又は百万円以下の罰金が課される可能性も

無許可で人材紹介業を業務委託した場合、職業安定法違反として厳しい罰則が課されることになります。

具体的には、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科される可能性があり、違法な名義貸しや無免許での職業あっせんに関与した企業や個人も処罰対象です。

なお、無許可での業務委託が発覚すると、罰金や懲役といった刑事罰に加えて、事業停止命令が出される場合もあります。

そのため、人材紹介業を業務委託で行う際には、法的な手続きを遵守し、労働局などの専門機関に事前に相談するようにしましょう。

業務委託での人材紹介が増加する背景(受託者側のメリット)

ではなぜ、人材紹介業を業務委託するケースが増えているのでしょうか?

ここでは、フリーランスや個人事業主として人材紹介を請け負う「受託者側のメリット」に焦点を当てて説明します。

キャリアコンサルティング業務に集中でき、収入が増える可能性がある

人材紹介を業務委託として受注する場合、社内業務や定型的なミーティングといった会社の業務に縛られることがなく、キャリアコンサルティング業務に専念できます。

フリーランスや個人事業主にとって、求職者と企業のマッチングや転職相談といった自身の専門的なスキルを活かしやすく、案件数を増やすことで収入の増加も見込める点が魅力です。

また、キャリアコンサルティング業務というのは、その他のコンサルティング業務と比較すると専門性がそこまで必要ありません。

ある程度の業界経験とコミュニケーション能力さえあれば、適切なアドバイスができるのでハードルが低いのも魅力の一つといえるでしょう。

自分のペースで働き、結果を出せば報酬もアップするため、目標に向けた積極的な働き方が可能になるのも大きなメリットです。

フルコミッション制の場合、自分の実力が売上に反映される

報酬体系 概要 メリット デメリット
フルコミッション制 成果に応じて報酬が発生する 成果に応じた高収入が可能 成果が出ないと無収入になる
固定+成功報酬型 基本の固定報酬+採用成功で追加報酬 安定収入+成果による報酬もある フルコミッションほどの高収入は難しい
案件ベース定額型 案件ごとに定額報酬が支払われる 安定した収入が得られる 成果を出しても追加報酬がない

業務委託として人材紹介を行う場合、「フルコミッション制」が導入されることが多く、この働き方では成果に応じて報酬が支払われます。

つまり、求職者を企業に紹介して採用が成立したときにのみ報酬が得られるため、自分の実力や実績がそのまま収入に反映されやすいのが特徴です。

このため、経験やスキルのある人にとっては成果を重ねるほど収入が増え、努力と報酬が直結するメリットがあります。

企業側との雇用関係がないため、自由な働き方ができる

業務委託で人材紹介業務を請け負う場合、企業との雇用関係がないため、受託者は労働基準法に縛られることがなく、指揮命令を受ける義務もありません。

自分のペースで働けることから、より多くの案件に挑戦できるほか、複数のクライアントと契約を結ぶことも可能です。

さらに、働く時間や場所に縛られない点も特徴で、例えば遠隔地からオンラインで面談を行うなど、効率的な働き方が実現できます。

自由な働き方ができることで、他の案件と並行して作業を進めたり、家庭やプライベートとのバランスを図りながら自分の裁量で業務を調整することが可能です。

業務委託での人材紹介が増加する背景(企業側のメリット)

人材紹介業の業務委託は、受託者側だけでなく委託する企業側にもメリットがあります。

ここからは、企業側のメリットについてみていきましょう。

従業員を抱える必要がなく教育コストもかからない

企業が人材紹介業務を業務委託する最大のメリットは、専任の従業員を抱えなくて済む点です。

人材紹介に特化した担当者を雇用すると採用コストや教育コストがかかりますが、業務委託を利用すればこれらのコストを削減できます。

また、業務委託先はすでに経験やスキルを持つプロであるため、教育や研修の手間が不要で、即戦力として人材確保を進められる点も魅力の一つです。

人材を採用しないと費用が発生しないため、支出を抑えることができる

業務委託による人材紹介のもう一つのメリットは、成功報酬型であることが多いため、採用に至らなければ費用が発生しない点です。

企業は採用活動を効率化し、不要なコストを抑えながら必要なときにだけ支出を行えるため、特に採用の不確実性が高い中でのリスク管理に役立ちます。

この仕組みにより、企業は人材採用の成果に応じた費用のみを支払い、無駄なコストを最小限に抑えることが可能です。

経営者をはじめとする社内人材が自分の仕事に集中できる

人材紹介業務を業務委託で外部に委ねることにより、企業の経営者や社内スタッフは自分たちの業務に集中できるようになります。

社内で人材紹介を行う場合、候補者の選定や面談の調整、採用手続きなどに時間が割かれ、他の業務に影響が出ることが一般的です。

しかし、業務委託で人材紹介を外部に任せることで、経営陣やチームリーダーが自分の業務に集中できる環境が整います。

また、採用業務に時間を取られないため、プロジェクト推進や業務改善など、本来の業務にリソースを割くことができ、全体的な生産性の向上にもつながります。

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年々フリーランス人口も右肩上がりで増え続けているので、ビジネスマンの2人に1人はフリーランスという時代も到来するかもしれません。

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まとめ

本記事では、有料職業紹介を業務委託で行う際の法的リスクや注意点について解説し、業務委託のメリットについても受託者側と企業側それぞれの視点から紹介しました。

人材紹介業を業務委託で行うには厚生労働大臣の許可が必要で、無許可の業務委託は違法と見なされる可能性があります。

また、企業にとってはコスト削減やリソースの効率化のメリットがあり、受託者にとっては自由な働き方や報酬アップのチャンスが期待できることがわかりました。

今後、少子高齢化による人材不足が進む中で、人材紹介の需要はさらに高まるでしょう。

それに伴い、業務委託による人材紹介も増加が予想されますが、法的な手続きや許可取得がますます重要視されることが予想されます。

この情報を、法的リスクを理解した上で効率的な人材確保を目指すための参考としてご活用いただき、法令遵守のもとで業務委託を適切に活用し、安全で効果的な人材紹介を実現する一助となれば幸いです。

エンジニアスタイルマガジン」では、今後もこういったフリーランスエンジニアにとって役立つ最新情報を随時お届けいたします。

それでは、また別の記事でお会いしましょう。今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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