エンジニアが転職する時に役立つ職務経歴書の書き方
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目次
履歴書と職務経歴書の違いとは
履歴書は身上や略歴を記した応募書類のことで、職務経歴書はこれまでの仕事の経験やスキルなどが履歴書より詳細に書かれた書類のことです。履歴書はフォーマットが規格化されているのがほとんどで、学歴、職務経歴だけでなく、氏名とその連絡先、趣味・特技、志望動機などを記載する欄があり、A4用紙1枚で提出が標準とされています。
一方、職務経歴書は、いくつかパターンはあるものの、履歴書のように定まったフォーマットはありません。A4用紙1〜2枚に職務経歴やスキルなどの詳細を記載し「これまで、どのような経験をしてきたか」「「何ができるのか」「入社後にどう活かせるのか」などをアピールします。
学歴や職務経歴などのプロフィールだけでは、人間性や有能さ、仕事への熱意までを知ることはできません。そのため、志望動機欄で入社への意欲を記載し、自己PRや趣味欄でキャラクターやパーソナリティを表わすことによって、相手に自分がどのような人物かを知ってもらう必要があります。
エンジニアの職務経歴書の内容とは
エンジニアとして担当した仕事の詳細、業績や成果、取得したスキル、など、自分の強みをアピールするためには、どのように作成すれば効果的な職務経歴書になるのか、職務経歴書の主旨について解説します。
職務経歴書の役割
職務経歴書の目的は、これまでのキャリアやスキルを入社後、どう活かせるかを精査するための書類です。エンジニアとして仕事の遂行能力があるかをアピールするプレゼン資料のようなもので、そのためOSや言語、ツールなど、関わってきた開発環境などを細かく記載する必要があります。職務経歴書は、転職活動において欠かせない書類であり、最重要書類といっても過言ではありません。
多くの職務経歴書は、要約、職務経歴、資格、自己PRの内容で成り立っています。そして、職務経歴書で最も重要なのは職歴欄です。職歴欄には、担当したプロジェクトの内容や規模、担当フェーズ、開発環境、言語などを詳しく記載します。
自己PRでは、仕事で効率化を図るために取り組んだことや、問題点をどのように解決したかなどを書くといいでしょう。顧客側に満足してもらえる仕事ができたことを具体的にアピールすると、やる気や熱意が相手に伝わるでしょう。仕事への取り組む姿勢やスタンスを伝えることは大事です。経験や能力、知識だけでなく、「真面目で誠実」「コミュニケーション能力に長けている」など人間性についても自己PRに記載して、採用側にどのような人物かを知ってもらいましょう。
職務経歴書のボリュームはどれくらいか
職務経歴書に決まったフォーマットがないため、枚数に決まりはありませんが、A4用紙2枚までにまとめ上げるのがセオリーです。なぜなら、自己PRもしっかりでき、採用担当者にも読みやすい量が2枚とされているからです。
職務経歴書は、これまでのキャリアやスキル、仕事に対する熱意などをアピールする重要書類と説明しました。しかし、余すことなくすべてを書いていいわけではありません。毎日、応募者の職務経歴書に目を通している採用担当者にとって、3枚以上は文章量が多く負荷が大きくなります。
単に詳細を記載するだけでなく、わかりやすく簡潔な文章、見出しの追加、箇条書き、レイアウトの工夫など、相手への配慮として読みやすく作成するのも大切です。ただ長いだけの職務経歴書は文章力やプレゼンテーション能力が劣っているとみなされ、悪印象を与えかねません。「わかりやすい文章」「読みやすさ」「適度な文章量」「限られた枚数で的確に相手に伝える文書力」を担当者はみていますので抜かりなく作成しましょう。
志望動機を書く
履歴書に志望動機の欄が設けられていますが、スペースに限りがあるため十分な内容が記載できない場合、職務経歴書に志望動機を詳しく書いてアピールします。
志望動機で大事なのは「なぜエンジニアなのか」「なぜその会社を選んだのか」を伝えることです。アピールしたい自分の強みや経験を交えながら自分の言葉で理由を述べるとさらに効果的ですが、ポイントは「志望理由」や「入社して経験やスキルをどう活かせるか」を具体的にわかりやすく、300文字以内で説明することです。
職務経歴書のフォーマットは特に決まっていない
職務経歴書の様式には、特に所定のルールはありませんが、記載する内容は主に下記になります。
- 職務概要:これまでの経歴を150文字程度で説明
- 経歴:プロジェクト、担当業務、開発環境、会社の規模などの内容を詳しく記載
- 資格:仕事に関連する資格とTOEICなどの語学系資格を記載
- 自己PR:職歴欄で書き切れなかったことや、特にアピールしたいことを記載
また職務経歴書において、経歴の記載方法には3つのタイプがあります。
- 編年体型式:職務経歴を時系列で記載するタイプ
- 逆編年体形式:直近の職務経歴から記載するタイプ
- キャリア形式:時系列ではなく、これまで経験した職種別に記載するタイプ
エンジニアの場合、採用側は直近の仕事に関心を持つため、逆編年体形式を推奨します。最も早く得たい情報が最初に記載されていると、印象に残りやすく採用側の興味を引くからです。
実績や担当した製品名は具体的に記載
エンジニアは、専門性が非常に重視される仕事であるため、どのような開発ツールの経験があり、また扱えるのかは重要ポイントです。
入社後、担当するプロジェクトで即戦力になるかの判断材料となるため、開発の際に使用したOS、言語、データベース、フレームワークなどは必ず記載しましょう。プロジェクトで使用される言語などの経験があれば、採用される確率も高くなるうえ、入社後、お互いの不一致を防げますので、可能な限り具体的に記載してください。
言語はライブラリも含めて
ライブラリは開発上、不可欠ではありませんが、開発や動作の迅速化など、導入するメリットもあるため、プログラム言語はライブラリも含めて職務経歴書に記載してください。ライブラリの知識や経験があると有利です。
ライブラリは、プログラム言語に合わせて選ぶ必要があり、すべてのプログラミング言語に対応可能な汎用的ライブラリなどはありません。ライブラリの選択を誤ると効率が悪くなるため、細心の注意を払って選択する必要があります。適したライブラリが見当たらない場合は、自分で作ることもあります。ライブラリは必須ではないにしても導入する企業は多いため、職務経歴書には言語のみならずライブラリ経験の記載もおすすめです。
情報が足りない職務経歴書
現場の状況をよく把握していない人が書類選考に関わる場合、スキルにおいてそれ相応の判断しか出来ません。募集するポジションの詳細がよく分からないため、次に紹介する4項目は下記に絞られるでしょう。
プログラミング言語
Java やPHPなどが有名ですが、プログラミング言語は多数あり、各言語に得意不得意や難易度があります。さまざまな場所で使われ、目的や用途により使用するプログラミング言語が異なるため、求める言語の経験有無やスキルを採用側はチェックします。
プログラミング言語のスキルも評価ポイントとなるため、忘れずに書き出しましょう。例えば、下記のように経験やスキルを具体的に記載してください。
「容易なプログラミング可能」
「環境に合わせて最適コードの記述可能」
「指示や指導可能」
詳細を記載することで採用側はテクニカルスキルを把握できます。プログラミング言語にバージョンがある場合は、その詳細も書きましょう。
参加したプロジェクト
携わったプロジェクト名、プロジェクトの概略や環境、プロジェクトで自分が担当した業務内容をすべて明記してください。プロジェクト全体の規模は「要員3人、全体20人」など具体的に数字で表わすとわかりやすいでしょう。プロジェクトの詳細をただ書くだけでなく、プロジェクトを経て学んだことや成果なども記載すると、仕事に対する姿勢や人間性も知ってもらえます。
担当工程
経験したプロジェクトごとの担当工程を職務経歴書に記載することで、採用側が求めるスキルや立場と、自分が希望する仕事内容との食い違いを防げます。
例えば、上流工程の場合、上流工程のどの工程を担当したのか、すべての工程に対応したのかよくわかりません。上流工程には「要件定義」「機能定義」「構成管理」「計画立案」などの工程があり、その中で自分の役割や担当を明確に記載してください。
同様に下流工程の場合は「コーディング」「テスト」「導入」などがあるため、どの工程作業の経験があるかを明記すればいいでしょう。
経験年数 キーワードと数字でのフィルタリングしか出来ないことになります。
決して経験年数だけで能力やスキルを知ることはできませんが、目安にはなります。一定の経験年数があれば、エンジニアとしての実力がある程度推測できます。担当工程では各工程の経験年数を、OSや言語などは使用期間を書くことで、どの程度の業務量をこなしてきたかもわかります。
また経験年数がなくても有能なエンジニアも多く存在するのも事実です。経験年数が短い人は、担当工程や自己PRで自分のスキルや能力をしっかりアピールしましょう。
エンジニアが職務経歴書時に記載する内容のポイント
これまで、エンジニアの職務経歴書について、構成や記載すべき内容、ボリューム、
フォーマットなどを説明しましたが、この章は、職務経歴を書くときの大事な点を紹介します。
プロジェクトの概要や担当フェーズ、担当業務の内容を簡潔に記載すること
これまでどのような業種の開発に携わり、何を担当したのか、どのようなプログラミングができるかなどを書きましょう。採用側が知りたいのは、応募者が「これまでどのような経験をし、入社し何が出来るのか、また何をしたいのか」です。このため、職務経歴書の作成時には、プロジェクト名や概要だけでなく、担当フェーズ、担当業務などを簡潔にわかりやすく記載してください。
担当業務を行う上で普段から意識・工夫していることを記載
ほかにも記載したほうがいい内容としては、業績や評価はもちろんですが、効率よく仕事するためにおこなったことや顧客に満足してもらうために努力したことなど、仕事への考えや取り組み方なども付け加えると熱意が伝わりやすく好印象を与えるでしょう。
経験・知識・技術の中で特に強みだと考えるスキルを記載
エンジニアは、絶えず進歩するシステムに対応できるための能力と柔軟性のほか、経験の豊富さも必要です。
すでに述べたとおり、応募条件としてエンジニアの経験を重視する企業が多いため、職務経歴書には経験した業界や経験期間は全て列記する必要があります。特に中途採用のエンジニアの求人は、経験の豊富さを伝えるためにも経験した業界はしっかりと書きましょう。複数のプロジェクトの経験がある場合は、活かせる経験や知識、技術などを書き並べて洗い出し、整理してまとめておくとよいでしょう。
システム開発の目的に合わせ、最も適したシステム構築をおこなうために工夫した経験は、単に仕事をこなすだけでなく、マクロ的立場から仕事をするセンスがあることを伝えます。また自分の強みになる経験でもあり、他の応募者との差別化にもなるでしょう。
ほかに強みとなるのが、顧客との対外折衝や社内でのコミュニケーション能力です。会議の内容や仕事の進捗状況をすぐに把握できるキャッチアップ力も、採用側に売り込む際の武器になります。
担当していた開発フェーズや経験業界、マネジメント経験を記載できるとなお良い
特にアピールポイントと考えるテクニカルスキルや、開発での担当可能フェーズ、詳しい業界または得意な業界、管理職やリーダーの経験などを明記のうえ、保有している資格もすべて書き出し、経験量と業務知識をしっかりアピールしてください。
自己PRには以下を記載できると良い
セールスポイントとして自己PRに記載すると良い経験を3つ紹介します。 それでは順番に解説しましょう。
上流工程に携わった経験
要件定義など上流工程に携わった経験があった際には、自己PRに必ず書いてください。上流工程には、顧客やシステム関係者とのコミュニケーション能力やヒアリング能力が必要となるため、上流工程の経験があれば、これら能力が高いとアピールができ、強みになります。
開発上で業務効率化や意識して取り組んだ経験
業務効率化に取り組んだ経験を具体的に記載するのも自己PRには欠かせません。
例えば、下記のような経験は効果的です。
- エラー解消のため、綿密なテスト設計に取り組んだ
- システム導入後の改修を考慮しソースコードを書き換えやすいようにした
- 納期順守のために業務を見直し効率化した
生産性を意識して仕事に徹する人は、業務の全体像を把握できる人と評価されます。
マネジメント経験
エンジニアではチームマネジメントを任される場合があり、メンバーが仕事をしやすいように調整やスケジュール管理、業務の進捗管理など全体をまとめて目標達成に向けチームを指導する役割です。リーダーシップが必要となるため、管理経験のほかに部下や後輩の育成などの経験もあると有利です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。エンジニアが転職するときに役立つ職務経歴書の書き方について解説しました。自分の経歴、能力をアピールして、相手に自分のことを知ってもらうための重要な書類が職務経歴書ですので丁寧に作成しましょう。
採用担当者の興味や関心をひく職務経歴書を作成するには、これまでのキャリアの棚卸しをする必要があるため、転職回数の多い人には大変な作業です。しかし、棚卸しすることにより自分自身のキャリアやスキルなどの整理、自己分析もでき、自分の強みに気づくでしょう。また転職回数の多い人だけでなく、転職回数の少ない人にもキャリアの棚卸しをすることで、今まで気づかなかった自分のスキルや長所に気づくこともあります。
この記事で紹介したポイントをおさえて、クオリティの高い職務経歴書を書いて、ぜひ書類選考を突破してください。では、最後にポイントをまとめます。
- 経験したプロジェクトの詳細や使用ツールは全て記載
- 仕事に対する取り組み方や熱意をアピール
- わかりやすく、読みやすい文章を心掛ける
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