COBOLエンジニアの年収はどれくらい?需要と将来性も紹介
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目次
COBOLというプログラミング言語について
さまざまなコンピューターのシステムやアプリケーションでは、それらを開発するためにプログラミング言語が使われています。一定の使用頻度があるプログラミング言語の種類の総数は、250以上といわれています。では、プログラミング言語のCOBOLをご存じでしょうか。プログラミング言語の1つであるCOBOLは、1959年に開発された歴史のある言語です。コンピューターの世界では古くからあるプログラミング言語ですが、現在でも広く利用されている言語の1つです。
この記事ではCOBOLというプログラミング言語について、COBOLを扱えるエンジニアの年収事情や将来性、COBOLエンジニアとして年収アップさせる方法を中心に解説します。これから何かしらのITエンジニアを目指す人や、COBOLエンジニアを目指す人におすすめの記事です。まずはCOBOLというプログラミング言語について学んでいきましょう。
特徴
ここからはプログラミング言語のCOBOLの特徴について、詳しく説明します。COBOLは、英語の「Common Business Oriented Language」の頭文字を取った言葉で、事務処理向けに開発されたプログラミング言語です。
COBOLが開発される以前は、アセンブラやFORTRANといったプログラミング言語が存在していました。しかしアセンブラやFORTRANなどのプログラミング言語は、人間には理解が困難である点とOSごとに仕様が異なるというデメリットがあります。そこで英文法に近いコードのCOBOLが開発されることにより、世界中に広まり、さまざまなシステムに利用されるようになりました。
COBOLの特徴は、主に事務処理のために開発されたプログラミング言語であること、英語の文法に近いコードなので判読しやすく、習得しやすいことです。事務処理のための言語であるため、データの大量処理が可能で、バッチ処理などに適しています。習得しやすい言語のため、開発当時から急速に利用が広がり、開発から半世紀が経った現在でも、行政機関や金融業界などで幅広く利用されています。またCOBOLは、国際的に標準化されたプログラミング言語のため、現在ではWindowsやLinux、UnixなどのさまざまなOSで利用可能です。
しかしCOBOLの誕生以降次々と新たなプログラミング言語が誕生し、既存のCOBOLエンジニアが高齢化したこともあり、COBOLを扱えるエンジニアが少なくなりつつあります。逆にいうと、COBOLを使えるエンジニアは貴重な存在といえます。COBOLを扱えるエンジニアが少なくなることで、COBOLが関わる開発案件の単価も高くなっており、再注目の言語です。
COBOLでできることとは
ここからは、COBOLでできることを3点挙げて説明します。
事務処理
COBOLは事務処理をするためのプログラミング言語として開発された経緯があるため、現在でも主に事務処理をするプログラムとして利用されていることが多いです。大量のデータ処理が可能で、さまざまな業界の基幹系システムに利用されています。データの書き込みや並べ替えを高速に処理可能です。
計算処理
COBOLは、計算処理を得意とするプログラミング言語です。10進数のデータを取り扱えるため、四則演算も容易に実行できます。高速な計算処理ができるため、現在でも金融業界で重宝されています。
帳票
COBOLは、事務処理に伴う帳票の作成や出力も容易に実行できます。印刷の際の設定の調整も可能です。帳票処理が多い行政機関の基幹系システムにおいても、現役で活躍しています。ただペーパーレス化が進みつつある現在では、帳票処理自体が減少傾向であるといえるかもしれません。
COBOLが主に使われる業界とは
ここからは、COBOLが主に使われる業界について説明していきます。
金融業界
COBOLが主に使われる業界の1つに、金融業界が挙げられます。銀行などの金融機関の基幹システムでは、メインフレームが使われることが多いです。汎用機とも呼ばれるメインフレームでは、COBOLが多く利用されています。COBOLは計算処理を得意としているので、さまざまなお金の計算が必要な金融業界において重宝されています。特に地方銀行の基幹系システムで、COBOLが利用されている割合が高いです。
行政機関
行政機関においても、メインフレームは現役です。オープン系のシステムも増えていますが、行政機関の基幹系システムでメインフレームが使われており、COBOLが数多く活躍しています。行政機関の基幹系システムの多くが事務処理に関わっているため、COBOLが使用されるシステムも別の業界と比べると多い状況です。COBOLは歴史のある古い言語ですが、他言語よりも優れた高速処理など、ニーズはまだまだあるといえます。
COBOLエンジニアの年収事情
ここからは、COBOLエンジニアの年収事情について説明します。
エンジニア全体の平均年収
まず、日本全体の平均給与を見ていきます。国税庁の民間給与実態統計調査によると、2020年に1年間通じて勤務した給与所得者の平均年収は、433万円でした。一方、求人ボックスの調査によると2022年のITエンジニア(正社員)全体の平均年収は、489万円となりました。ITエンジニアといっても、システムエンジニア・プログラマー・インフラエンジニアなどさまざまなエンジニア職があるため、職種によって年収も異なります。ただ、全体の平均年収に比べるとITエンジニアの平均年収は、高い傾向にあるといえます。これからエンジニアを目指す人にとっては、嬉しい情報です。
フリーランスのCOBOLエンジニアの場合
エンジニアスタイルの調査によると、フリーランス案件から見たCOBOLエンジニアの平均年収は、684万円でした。これは、ITエンジニア全体の平均年収と比べると高いといえます。最近では現役のCOBOLエンジニアの人数が減少傾向にあることも、平均年収が高いことの原因となっているようです。フリーランスのエンジニアを目指す方は、高い年収を得るためにCOBOLを習得するのも1つの方法といえます。
会社員のCOBOLエンジニアの場合
会社員のCOBOLエンジニアの平均年収は、500万円から600万円です。フリーランスエンジニアに比べると100万円程低い状況ですが、ITエンジニア全体の平均年収に比べると高いといえます。会社員のCOBOLエンジニアも貴重なエンジニア人材です。現在企業に在籍しているエンジニアの方も、COBOLを習得してスキルアップを目指してみてはいかがでしょうか。
COBOLのニーズや将来性とは
正社員のCOBOLエンジニアの求人数からみるニーズ
求人ボックスで「汎用機 COBOL」で検索をかけて、正社員の求人に絞り込むと2,208件の求人がヒットしました。一方、Indeedで「COBOL」で検索し、正社員の求人に絞り込むと18,418件ヒットしました。求人媒体によって求人件数が異なるのは当たり前のことですが、全国的にみるとCOBOLエンジニアのニーズは高いといえます。ただし求人の内容を確認すると、単にCOBOLエンジニアを求めているというよりも、COBOLプラス他言語も併せて開発経験があることを求めている案件が多いです。これから企業に入ってエンジニアを目指す方は、COBOLだけでなく、いくつかのプログラミング言語を習得するとよいでしょう。
フリーランスのCOBOLエンジニアの求人数からみるニーズ
エンジニアスタイルで最近の案件を調べると、COBOLの案件が3,018件ありました。対象は全国なので、エリア別にみると案件数は少なくなりますが、全国ではニーズが高いといえます。ただ他の言語と比べた場合には、特にニーズが高いというわけではありません。
言語別に見るCOBOLのニーズ
フリーランスエージェントの言語別の案件数を調べると、COBOLエンジニアのニーズは他のメジャーなプログラミング言語に比べ、あまり高くありません。COBOLが1959年に開発された経緯を考えると、仕方のないことかもしれません。他言語に比べると縮小傾向にあるといえます。しかし、縮小傾向とはいえCOBOLエンジニア自体が少なくなっている状況であるため、COBOLエンジニア1人に対する案件の数は多い状況です。
COBOLエンジニアの将来性
ここでは、COBOLエンジニアの将来性について説明します。近年COBOLエンジニアの数は減少傾向です。減少傾向の理由は、メインフレームのニーズが減少しているためといえます。メインフレームを含めた汎用系システムは、無くなってしまうといわれ始めて久しいです。実際にシステムのオープン化の波は、2000年代以降加速しています。しかしながら、COBOLが使われるシステムは、多数現役で活躍しています。
いつか無くなってしまう可能性があるシステムであるとはいえ、それはまだ先の話かもしれません。COBOLエンジニアが不足している現状を踏まえると、COBOLエンジニアの将来性はあるといえるでしょう。ただし、COBOLのスキルだけでなく、複数のプログラミング言語スキルを身につけることがおすすめです。COBOL以外の複数のプログラミング言語を習得することで、システム移行といったニーズの高い案件をこなすことができる可能性が高まります。
COBOLエンジニアとして年収アップさせる方法
ここからは、COBOLエンジニアとして年収アップさせる方法を2点挙げて説明していきます。現在エンジニアをしている方にもおすすめの内容です。
その他COBOL以外の言語の習得
COBOLエンジニアとして年収アップさせる方法の1点目が、その他COBOL以外の言語の習得をすることです。当然のことかもしれませんが、COBOL以外のプログラミング言語を習得することで、業務の幅が広がる可能性があります。近年では、COBOLのシステムからの改修や移行といった案件が増えています。COBOLエンジニアとしてCOBOLを使った開発経験を積むことはもちろん必要ですが、他言語の開発経験は年収アップの条件として必須です。
そのような開発経験を積むために、まずはCOBOL以外の言語の習得をする必要があります。また言語の習得以外にも、Windows・Linux・UnixなどOSのスキルや金融業界などの業界知識を得ることで、年収アップできる可能性が高いです。これからITエンジニアを目指す方は、COBOLと最近のシステムで利用されるプログラミング言語をマスターすることで、年収アップを狙うとよいでしょう。
上流工程・マネジメントの経験
COBOLエンジニアとして年収アップさせる方法の2点目が、上流工程・マネジメントの経験を積むことです。COBOLエンジニアに限ったことではありませんが、ITエンジニアの開発業務には要件定義から設計など上流工程の業務や、プロジェクト案件をマネジメントするマネジメント業務が存在します。COBOLエンジニアにおいても上流工程の経験やマネジメント業務の経験を積むことは、年収アップの良い材料です。
ただし、上流工程やマネジメント業務を経験するためには、それまでの開発経験やスキルアップが必要です。COBOLエンジニアというだけで貴重な存在といえますが、将来的にさらに希少性が高いエンジニアとなるために、着実にスキルアップしていきましょう。そして、ある程度の経験を積んだ段階で、上流工程やマネジメント業務に挑戦するとよいでしょう。
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まとめ
この記事ではCOBOLというプログラミング言語について、COBOLを扱えるエンジニアの年収事情や将来性、COBOLエンジニアとして年収アップさせる方法を中心に解説してきました。COBOLエンジニアの数が少なくなっている現在、COBOLを使った開発ができるエンジニアは貴重な人材といえます。そして、他言語の習得や上流工程・マネジメント経験で年収アップする可能性が高いです。
いつかCOBOLを使ったシステムが無くなってしまう可能性は否定できないものの、エンジニアとして希少価値を高めるために、COBOLを習得することはメリットといえます。特に現役のCOBOLエンジニアが高齢化し、少なくなっている今こそチャンスとなるでしょう。これからITエンジニアを目指す方や、既にエンジニアをしている方は、COBOLの習得を目標にしてみませんか。
- COBOLでできることを理解する
- COBOLエンジニアは貴重な人材である
- 他の言語習得とマネジメント経験で年収アップ
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