QAエンジニアが「きつい」、「やめとけ」と言われる背景と将来性とは？キャリアパスもあわせて紹介

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改めて確認！QAエンジニアとテストエンジニアの違いとは

QA（Quality Assurance）とは「品質」を意味し、QAエンジニアは完成したシステムやサービスの品質を保証するためにテストを実施します。ユーザー目線に立ってテストをおこない、使いやすさや耐久性があるかをチェックするのが役割です。品質担保だけではなく、今以上に品質を良くしていくにはどうすればいいのかという提案も実施します。

一方、テストエンジニアは、開発中のシステムに「バグが発生していないか」「正常に動作するか」を確認します。テストエンジニアはQAエンジニアに内包されると考えると良いでしょう。

テストエンジニアがシステムに問題ないことを確認し、QAエンジニアが最終的にクライアントに渡せる品質であるかをチェックする流れが一般的です。会社によってはテストエンジニアとQAエンジニアを区別しない場合もあります。

QAエンジニアはいらない？需要や将来性について

QAエンジニアの仕事内容がよくわからず、「必要な仕事なのか？」「将来性はあるのか？」と不安になる方も多いようです。

QAエンジニアの需要や将来性について、下記で解説します。

前提：QAエンジニアは必要不可欠で需要は高い

結論、QAエンジニアは開発側とクライアント側の橋渡しの役割を担うため必要不可欠であり、需要も高いです。テストエンジニアがどれだけバグがないかや正常に動作するかを保証しても、品質やユーザーにとっての使い勝手がよくなければ意味がありません。

QAエンジニアの需要が高いとされる具体的な理由は以下の2つです。

• 問題を早期に発見することができる
• ソフトウェア品質の担保は今後もあらゆるプロダクトにおいて重要

問題を早期に発見することができる

QAエンジニアの需要が高いとされる理由として、ユーザーが使い始める前にテストをおこなうため問題を早期に発見できることが挙げられます。

完成したシステムをそのままクライアントへリリースした場合、誤動作や耐久性などの不具合が数ヶ月後〜数年後に浮き彫りになり、企業の信用が失われる可能性も。すでにユーザーが使用し始めているシステムを改修するにはコストや時間がかかり、ユーザーに迷惑をかけることにもつながります。システム開発において、品質保証は必要不可欠です。

ソフトウェア品質の担保は今後もあらゆるプロダクトにおいて重要

QAエンジニアが担うソフトウェア品質担保は、今後もあらゆるプロダクトで必要とされるため、まだまだ需要は伸び続けるでしょう。

近年では、AIやIoT技術の発展や、企業におけるDXの推進、ビッグデータの活用が注目を集めています。このような最新技術のプロダクトにおいても、QAエンジニアの存在が必要です。

QAエンジニアの将来性は？

QAエンジニアの需要が高いため、将来性も安定しているといわれています。しかし、将来性があるからといって「現状維持でいいや」という考え方を持つのは危険です。自身の成長意欲がないと、QAエンジニアとして残っていくのは難しい側面もあります。

QAエンジニアの将来性について、以下で詳しく解説します。

AIによるテスト自動化ツールが採用されてきている

近年、システム開発におけるテスト工程は、AIによる自動化ツールが採用されてきています。自動化ツールには、WEBやモバイルで使用できる「Autify」や「MagicPod」、非エンジニアでも操作可能な「T-DASH」などがあります。

テスト自動化ツールの登場により「QAエンジニアの仕事もAIにとられてしまうのでは？」と思うかもしれませんが、今の段階ではすべての仕事がとられることは予想されません。

QAエンジニアは、ユーザーにとって使いやすい操作性を追求し、ときにはユーザーに開発内容の改善提案やアドバイスをおこなうこともあります。システムをリリースするには対人関係や信頼度が重要視されますので、「人間だからこそ提供できる価値」を追求していくことが大切です。

テストのみ対応できるテストエンジニアの需要は縮小していき、テスト設計など上流工程およびツール活用スキルが重要になる

テストのみに対応できるテストエンジニアは今後需要が縮小していくことが予想され、テスト設計などの上流工程やツール活用までできる人材が残っていくでしょう。これは、QAエンジニアにも同様のことがいえます。

QAエンジニアとして将来成長していくためには、単純な作業部分に自動化ツールを使用し、その他の作業のパフォーマンスを上げられると良いでしょう。開発者側へのフィードバックや、クライアントに満足してもらえるような提案をおこなうための準備に時間を費やせるのがベストです。

QAエンジニアは「やめとけ」、「きつい」と言われている5つの背景とは

QAエンジニアに対してネガティブな印象を持っている方もいるでしょう。なぜQAエンジニアは「やめとけ」「きつい」と言われているのか、次の5つの理由を紹介します。

• 単純作業が多く長時間労働になる傾向にある
• トラブルや納期に追われ精神的に疲れる
• 他の工程・チームメンバーとの関わりが薄い
• 年収が低い
• 自己裁量権が小さい

単純作業が多く長時間労働になる傾向にある

QAエンジニアの作業は単純なものが多く、テスト計画の策定とテスト実施など、同じ作業の繰り返しになりがちです。テスト作業も単調なことが多く、バグが見つからない場合はひたすらテストを実施する作業が続くため、辛いと感じる人もいます。

システムリリースは納期が決められている場合が多く、間に合わせるために長時間労働になることもあります。もくもくと作業できる方であればいいのですが、同じことの繰り返し作業が辛い人は「きつい」と感じるでしょう。

トラブルや納期に追われ精神的に疲れる

QAエンジニアの目的はテストの実施ではなく、スピーディーに品質保証することです。テスト工程に時間はかけられないため、納期に追われることも多くなります。

また、クライアントから急な変更指示が出される場合もあります。トラブルにならないように開発者側とクライアント双方の意見を取り入れながら調整するスキルが必要です。

他の工程・チームメンバーとの関わりが薄い

QAエンジニアは他の工程やチームメンバーとの関わりが薄いため、人との関わりをモットーにしている人からすると「きつい」と感じる要因になっています。

反対に、なるべく人との関わりを減らしたいと考えている場合は、仕事がしやすい環境でしょう。

年収が低い

QAエンジニアの年収が低いことも、ネガティブなイメージをもたれる原因のひとつです。理由としては、QAエンジニアはシステムの開発部分に携わっていないことが挙げられます。

年収が仕事の大変さに見合っていないことが、QAエンジニアは「やめとけ」といわれてしまう要因となっているのでしょう。

自己裁量権が小さい

QAエンジニアは他のエンジニアと比較して自己裁量権が小さい傾向にあります。品質が保たれていることを証明することが目的の業務のため、一度スキルを習得したあとはスキルアップが難しい傾向にあります。

決められた業務範囲の中でQAエンジニアとして着実に成長したいと考える人には、向いている職業と言えます。

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QAエンジニアに求められる6つのスキルとは

QAエンジニアに求められる6つのスキルを紹介します。

プログラミング言語の理解とスキル

QAエンジニアはプログラミング言語の理解が必須条件になります。システムはプログラミング言語で構成されており、システムの改善や品質向上を提案するにはプログラミングの構造を理解しておくことが必要です。

会社によっては、システムの修正が必要な場合にQAエンジニアが直接プログラムを修正する場合もあるため、最低限のプログラミングスキルが求められます。

今後QAエンジニアを目指す方に向けて、取り組みやすいおすすめの言語は「Python」です。初心者にもわかりやすく、使用人口も比較的多い傾向にあります。また、近年ではWEBサイト作成やWEBアプリの開発が進んでいますが、よく使用される言語が「JavaScript」です。用途が広い言語のため、習得しておいて損はないでしょう。

ソフトウェア開発全般の知識とスキル

QAエンジニアはプログラミング言語だけではなく、ソフトウェア全般の知識とスキルが必要です。QAエンジニアはシステム全体の品質を保証しなければならないため、システムの要件定義から設計・プログラミング・テストまでの開発工程全般の知識とスキルが求められます。

中でもシステムにおける開発手法の種類は複数あり、開発するシステムの規模やシステム会社によって使用する種類が異なるため、知識として身につけておくと良いでしょう。代表的な開発手法に、「アジャイル開発」と「ウォーターフォール開発」があります。

アジャイル開発は、設計、開発、テスト、リリースのサイクルを機能ごとにまわして開発する手法です。小〜中規模のシステム開発に適しており、開発途中での仕様変更にも柔軟に対応できる特徴があります。

ウォーターフォール開発は、要件定義工程から、リリース、運用まで一連の流れに沿って進める手法です。大規模開発に適しており、一度進めた工程は後戻りしづらい特徴があります。

テスト技法やテストツールの知識やスキル

QAエンジニアの主な業務はテストを通じて、バグが無いことや品質が担保できるかを判断することです。テスト項目に漏れがなく、適切に実施できるように、テスト技法を身につける必要があります。

テストを実施する際は、会社独自のテストツールを使用する場合があります。ツールを使いこなしながら、テストを実施するスキルも必要です。

品質保証・品質マネジメントの知識やスキル

QAエンジニアの最大の目的は、完成したシステムの品質を保証することです。品質が保てているかの判断スキルが必要になります。

品質はすべての開発工程を含めて保証されるものなので、各工程を踏まえながら全体の品質マネジメントの向上に務めることも重要です。

製品やサービスを標準化させる規格であるISOの知識があると良いでしょう。

分析スキルおよび資料作成とプレゼンテーションのスキル

QAエンジニアはテストをおこない品質を保証するだけではなく、製品を分析してより良い品質向上を目指すスキルが必要です。

クライアントに対して品質向上策や動作改善の提案をおこなうこともあるため、プレゼンテーションのための資料作成やコミュニケーション能力が求められます。

開発側のシステムエンジニアや、ユーザー側のクライアント双方とコミュニケーションを取りながら仕事を進める必要があるため、社会人としてのマナー習得も必要です。

プロジェクトマネジメント・チームマネジメントスキル

QAエンジニアはプロジェクトマネジメントやチームマネジメントのスキルも求められます。QAエンジニアは納期が細かく決められていることが多く、テスト工程の進捗管理やテスターの人員管理が必要です。

QAエンジニアの平均年収を会社員とフリーランス別に紹介

QAエンジニアの平均年収と、フリーランス向けの案件を紹介します。

会社員のQAエンジニアの場合

会社員におけるQAエンジニアの平均年収は300万円から500万円程度です。未経験であればさらに低い年収となり、役職につけば600万円〜800万円程度となるでしょう。

フリーランスのQAエンジニアの場合

フリーランスのQAエンジニアとして活動している場合の、仕事の案件と平均年収を紹介します。

QAエンジニアの案件数：458件

現在、QAエンジニアに関するフリーランス案件は458件です。今後フリーランスとして独立したいと考えている方も、参考にしてみてください。

QAエンジニアの平均年収：

フリーランスのQAエンジニアの月額平均単価は58万円、年収に換算すると696万円です。最高月額単価は140万円という結果もあるため、スキルや努力次第では会社員よりも高い年収が期待できます。

QAエンジニアの具体的案件

HRSaaSプロダクトのQAエンジニア募集案件です。フルリモート勤務可能。想定年収 10,800,000円。

業務内容は以下のとおり。

• 仕様書のレビュー
• テスト設計書の作成
• テストの実施と不具合報告
• 上記以外の品質向上に必要な業務

また、以下のスキルが必須です。

サービス開発部の場合

• Webアプリケーションやソフトウェアに関するテスト計画/設計/実施経験
• テスト設計に関する専門的な知識と経験

SRE部の場合

• 性能テストやE2Eテストで利用するデータ設計
• 各種E2Eテストシナリオの品質担保

AWSなどの大手自動車ドラレコAI診断システム開発におけるQAエンジニア募集案件です。想定年収6,000,000円。JMeterによる負荷テストのスクリプト作成及び実行をおこないます。

求められるスキルは以下のとおり。

• AWS上にJMeter環境を構築
• スクリプト作成経験
• 各種ログの分析等が行える、また分析するために必要なプラグインなどを提案できる
• NewRelicの使用経験
• セキュリティに対するリテラシーがあり、PJTのルールを守れる方

自社モビリティシェアリングサービスのQAエンジニア募集案件です。想定年収7,800,000円。

業務内容は以下のとおり。

• iOS/Androidネイティブアプリおよび社内ツールの、企画・仕様のレビュー・フィードバック、プロダクト品質の向上を目的としたQA業務の遂行（含むfield検証）
• テスト自動化の設計や実装、運用
• サーバーサイド、IoTチーム、iOS/Androidチームとの協業を通じたシステムの統合に必要なチーム開発業務
• 開発プロセス全体の改善業務（スクラムマスターとしてのキャリアも可能）
• 品質改善・担保のための分析業務
• QAベンダーマネジメント及びコミュニケーション

また、以下のスキルが求められます。

• iOS/AndroidアプリでのQA経験（自社プロダクト開発会社でのご経験だと尚可）
• スタートアップ環境における自走スキル
• アジャイル開発におけるテスト業務スキル

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QAエンジニアは知っておきたいキャリアパスの選択肢

これからQAエンジニアを目指したい人や、現QAエンジニアに向けて、知っておきたいキャリアパスの選択肢を4つ紹介します。

QAコンサルタント（QAエンジニアのスペシャリスト）

QAエンジニアとしてのスキルをさらに高めたい場合は、QAエンジニアのスペシャリストにあたるQAコンサルタントを目指すと良いでしょう。

QAプロジェクトを進める最上流工程で品質管理に努め、品質向上のための戦略や改善ポイントの提案をおこないます。

シニアQAエンジニア（マネージャー・PM）

QAエンジニアのテスト工程のスペシャリストとして成長したい場合は、シニアQAエンジニアがおすすめです。

テスト計画やテスト設計の知識をきわめて、チームリーダーとして活躍できます。

セキュリティエンジニア

これまでのQAエンジニアとしての知識を活用し、セキュリティ関連にシフトする選択肢もあります。

セキュリティエンジニアでは、セキュリティに配慮したシステム開発や、情報漏えいやサイバー攻撃を防ぐための調査・改善をおこないます。

プログラミング言語を身につけ、Webエンジニアへジョブチェンジ

プログラミング言語を身につけてWebエンジニアにジョブチェンジすることも可能です。

QAエンジニアはシステム開発工程全体をみわたして品質向上に努める仕事のため、開発者側にまわってもこれまでの知見を活かせます。

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まとめ

QAエンジニアは必要不可欠の職業であり、今後も需要は伸び続けることが予想されています。

きつい業務だと思われがちですが、QAエンジニアの働き方に適した人であれば将来性も安定しており働きやすい環境と言えるでしょう。

キャリアパスの選択肢も豊富で、フリーランスとして独立することも可能なので、ぜひ検討してみてください。

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