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データサイエンティストに求められるスキルマップをカテゴリ別に紹介


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目次

データサイエンティストの仕事内容と役割

まず、データサイエンティストの仕事内容と役割について説明します。仕事内容を理解することで、必要なスキルも分かりやすくなります。

課題抽出と課題定義

データサイエンティストは、データの分析前にクライアント企業の課題を洗い出し、解決すべき課題を定義します。

課題の洗い出しや達成目標の設定、その目標を達成するための仮説立てなどにはデータの活用が不可欠な時代になりました。

そのため、課題抽出と課題定義はデータサイエンティストの業務になっています。

データの収集、分析

課題を抽出した後は、その課題の解決に向けて必要なデータを収集し分析します。

収集には、システムからAPIを通じて取得したデータを収集するプログラムの作成やMySQLやNoSQLを使用したデータベースの構築・運用が含まれます。

分析段階では、AIなどを用いて有意なデータの法則性を見つけ出し、課題の解決に活用できるデータを特定します。

データのクレンジング、加工

収集したデータには、不適切なデータや必要ないデータが含まれている場合があります。そのため、そのようなデータを除去するクレンジングや、空欄を0で埋めて加工を施すといった作業もデータサイエンティストの仕事の一つです。

不適切なデータや不要なデータが入ってしまうとAIの精度が落ちてしまいます。精度を向上させるためにも、この作業はデータサイエンティストの重要な仕事だと言えます。

分析内容との照合

必要なデータだけに絞った後は、そのデータ群の中から課題解決につながる可能性のあるデータを見つけ出す段階になります。

そのため、クライアント企業の課題と収集したデータの関連性を見つけ出す必要があります。つまり、データサイエンティストにはIT関連だけではなく、クライアント企業の業界についての幅広い知識が必要です。

レポーティングと課題解決に対する提言

これまで行ってきたデータ分析や照合の結果を踏まえ、クライアントにどのような提言ができるかを検討する段階です。

クライアントにただ分析結果を伝えるだけでなく、そのデータを活かしてどのように課題が解決できるかや進むべき方向性を示すことが重要です。

そのため、データサイエンティストには、結果と課題解決への方向性を分かりやすく説明するレポーティング力やプレゼン力が求められます。

データサイエンティストに求められるスキルカテゴリ

では、データサイエンティストにはどのようなスキルが求められるのでしょうか。大まかに分けると、ビジネス力・データサイエンス力・データエンジニア力の3つのカテゴリに分けることができます。

ビジネス力

データサイエンティストはクライアントが抱えている課題に対し、データを用いて解決策を導き出す職業です。したがって、経営に関する知識や他分野への理解が必要になります。

このスキルがあることで、クライアントの課題背景の理解や適切な解決策の提言に繋げることができます。

その提言をより効果的にするプレゼン力やドキュメンテーション力も必要です。

データサイエンス力

データサイエンティストを名乗るなら当然データサイエンスのプロでなくてはなりません。データ解析や収集に用いる数学や統計学の知識、データの分析に用いるAIを活用するための機械学習やディープラーニングの知識は身につけておきましょう。

目的に沿った正しいデータ分析をするための分析手法や、抽出したデータを分かりやすく可視化するスキルも、データサイエンティストには求められます。

データエンジニアリング力

データサイエンティストは、AIを使ってデータの抽出や分析を行います。したがって、AIの機械学習やディープラーニングに用いる PythonやC++のスキルが必要です。

また、データサイエンティストはビッグデータを扱うため、ビッグデータを管理するデータベースの知識も身につける必要があります。

データサイエンティストはデータの分析だけではなく、分析に必要なエンジニアリング力が求められます。

参照:データサイエンティストに求められるスキルセット

データサイエンティストが持っておきたいスキル:ビジネススキル

データサイエンティストが持っておきたいスキルセットの一つ目は、ビジネススキルです。

データサイエンティストは企業の課題を洗い出し、データを用いて解決を目指す職業ですので、幅広い分野の経営の知識やデータを分かりやすくまとめるスキルが求められます。

経営に関する知識

経営に関する知識は、データサイエンティストが企業の課題を見つけたり解決策を提案したりする際に使用します。

どのような点が課題で、どのようなデータを分析すれば解決できそうか、という点が分からなければ仕事になりません。

また、膨大なデータから分析した法則性をどのような面で活かすかといった提案も経営に関する知識があってはじめて伝えることができます。

マネジメント能力

企業の課題を洗い出し、データを用いて解決に導くというプロジェクトはチーム単位で進めていくことが多いです。したがって、他のデータサイエンティストだけでなく営業やエンジニアなどプロジェクト全体の進捗管理を任される場合もあります。

データを用いるプロジェクトでは、データサイエンティストが中心となって進めていきます。他メンバーや予算、リソース管理などのマネジメントのスキルがあると、さらに価値のあるデータサイエンティストと見なされます。

プレゼンテーション・ファシリテーション能力

データ分析をして得られた結果をクライアントに伝える場合、情報を正確に分かりやすく伝えるためにはプレゼンテーション能力が必要です。データに詳しくない人にも分かるように伝えるまでがデータサイエンティストの仕事になります。

また、正しいデータを用いて正しい分析を行うためにも、社内会議やクライアントとの課題定義の会議でのファシリテーション能力は必要です。

データサイエンティストが中心のプロジェクトでは、データサイエンティストがチームを正しい方向へと導いていく必要があります。

ドキュメンテーション・レポーティング

データサイエンティストは、データ分析の結果を報告する機会も多いです。そのため、データに詳しくない人でも理解できるような資料作成や報告書を作成する、ドキュメンテーションスキルやレポーティングスキルが求められます。

ただデータを分析して解決策を見つけるだけでなく、それを伝えるのもデータサイエンティストの仕事です。

関連するビジネス分野への理解

データを活用して課題の解決に取り組みたいというクライアントは、業界や分野を問わず多岐に渡ります。したがって様々なビジネス分野への理解が必要になります。

先述した通り、データサイエンティストはクライアントの課題を抽出し解決策を導き出す職業です。したがって、課題は何か、どういったデータが解決策になり得るか、を考える際にその分野の知識が必要になるのです。

データサイエンティストが持っておきたいスキル:データサイエンス力

データサイエンティストが持っておきたいスキルセットの2つ目は、データサイエンス力です。

これはデータサイエンティストのメインの仕事とも言える、データ分析に関わるスキルです。統計学やマイニングで正しくデータを見定める力や、解決したい課題に合った分析手法で分析するスキルが求められます。

数学力

データサイエンティストにとって数学力は身につけておきたいスキルです。データサイエンティストがデータの分析を行う際には、AIを使用する場合があります。そのAIの精度を高めるための機械学習やディープラーニングに数学の知識が必要になります。

また、収集したデータやAIが出したデータにエラーがある場合にその原因を特定することができます。また、得られたデータが本当に正しいかという判断するのに役立つのが数学の知識です。

そのため、データサイエンティストがデータの分析をする際に、数学力は欠かせないスキルと言えます。

統計学・データマイニングに関する知識

データサイエンティストは、データを収集し分析しますが、その際に必要なのが統計学やデータマイニングの知識です。

一見、分析に役立つと判断するのが難しいデータを、分析しやすい状態に整える際に統計学を使用します。具体的には、統計学を駆使することで、そのデータの特徴を掴んだり、未来の予測ができる状態に整えたりすることができます。

また、データの収集時に不要なデータや無効なデータが混ざってしまう場合があります。正確に分析するために、そのようなデータを取り除くデータマイニングの知識が必要です。

機械学習・ディープラーニングの知識

データを正確に分析し課題の解決に向かうためには、機械学習やディープラーニングの知識をつけ、AIの精度を高める必要があります。

データサイエンティストは、AIを用いてデータから規則性や法則を見つけ出し分析します。そのため、AIの精度を高めることは分析の精度を高めることに繋がります。

データサイエンティストは、データの特徴を人間が理解するのが機械学習、機械が理解するのがディープラーニングであるという両者の違いを理解し、適切な方法でAIを使用するスキルが求められます。

データ分析手法

データサイエンティストは、機械学習やディープラーニングを用いてAIを活用し、データを精査し、クライアントが直面する課題に対処します。そのため、多様なデータ調査手法に精通している必要があります。

分析手法を理解し、正しい分析を行うことで結果の予測やデータの分類、データ同士の関連性に気づくことができます。

具体的には、データを分類する手法であるクラスター分析、関係性の分析に用いるマーケット・バスケット分析、発生確率の分析に用いるロジスティック回帰分析は、よく使われる分析方法なので、データサイエンティストであれば覚えておきましょう。

データビジュアライゼーション

データサイエンティストは大量のデータを扱い分析します。分析した結果はクライアントやデータに詳しくない人にも伝わるように、分かりやすく可視化する必要があります。

また、分かりやすくビジュアライズすることによって、重要なことを見落としたりミスに気づかないといったデータ分析時のヒューマンエラーを減らすことができます。

そのため、AIを用いて得られたデータを分かりやすく可視化して表すというスキルがデータサイエンティストには求められます。

データサイエンティストが持っておきたいスキル:データエンジニアリング力

データサイエンティストが持っておきたいスキルセットの3つ目は、データエンジニアリング力です。

データエンジニアリング力には、データサイエンティストが使用するプログラミング言語やデータベースに関する知識、ビッグデータの扱いが含まれます。

PythonやR言語などのプログラミングスキル

データサイエンティストは、データ分析の場面でPythonやR言語を使用することが非常に多いため、身につけておきたい言語になります。

Pythonは、データ分析のためのAIの精度を高める機械学習やディープラーニングに必要です。また、R言語は統計解析に特化して開発された言語であり、機械学習や統計の分析などに使用されます。

どちらも似た性質がある言語ですが、他の業務にも汎用性のある Pythonと統計解析特化で、データサイエンス分野で非常に使用されるR言語はどちらも習得しておきましょう。

データベースに関する知識やスキル

データサイエンティストが分析するデータは、データベース内で保管します。そのため、データを取り出す際に必要なデータのみを取り出すスキルが求められます。

具体的には、データベースを操作する言語であるSQLや、MySQL、Oracleと言ったデータベースの知識、SQLを使用せずとも操作できるNoSQLのデータベースに関する知識が必要になります。

ビッグデータ処理

データサイエンティストは、ビッグデータと呼ばれる大容量のデータを扱うこともあります。ビッグデータはデータの蓄積や処理に特別な操作が必要であり、このスキルがデータサイエンティストに求められます。

具体的には、大容量のデータを高速で処理するソフトウェアであるHadoopを中心にHBaseやHive、Pigの知識が必要です。

大容量のビッグデータを効率よく処理するためにもぜひこのスキルは身につけておきましょう。

データサイエンティストは知っておきたいスキルチェックの方法とは

自分がデータサイエンティストとしてどれくらいのスキルを持っているのか確かめるスキルチェックの方法があります。

自分の現状を把握しておくことは今後のスキルアップのためにも重要ですので、紹介するスキルチェックを行うことをおすすめします。

一般社団法人データサイエンティスト協会

データサイエンティスト業界には、一般社団法人データサイエンティスト協会があり、セミナーやシンポジウムを開催して会員同士の交流を深めています。このようなイベントに参加することで、自分が今どのような立ち位置にいるかを確認することができ、スキルを伸ばすことができます。

また、データサイエンティスト検定を主催しており、検定に挑戦することで自分の実力を確認できるでしょう。

一般社団法人データサイエンティスト協会

「データサイエンティスト スキルチェックリスト」第3版

データサイエンティストとしてのスキルを自己確認できるスキルチェックリストというものがあります。これは、先ほどのデータサイエンティスト協会が監修した内容になります。

チェックリストは「ビジネス力」「データサイエンス力」「データエンジニア力」の3分野に分かれておりそれぞれ、①業界を代表するレベル、②棟梁レベル、③独り立ちレベル、④見習いレベルの4段階で評価できるようになっています。

項目が自分に当てはまるかどうかを考えるだけで簡単に自分のスキルレベルが把握できる内容になっており、現状の把握に非常におすすめです。

データサイエンティスト スキルチェックリスト 第3版

データサイエンティストが取得したい資格

データサイエンティストは資格を持っていることで、スキルを証明することができます。スキルが証明されると、信頼や社内の評価に繋がります。

そこでここからは、データサイエンティストが取得しておきたい資格を紹介します。

統計検定

一般財団法人統計質保証推進協会では、受験者の専門性に応じて難易度を分けた「統計検定」を実施しています。

4級はデータ、グラフ、表、確率などの基本的な知識を、1級は大学で習うような内容を出題しています。

この試験を受けることで、データサイエンティストは統計・データ解析の分野での専門性を証明することができます。したがって、データエンジニアにとって実力を証明し、この分野で広く認知してもらうために有益な資格です。

統計検定

データスペシャリスト試験

データベーススペシャリスト試験は、データベースの知識やスキルに関する最高レベルの国家資格であり、この試験に合格すると、非常に高いスキルや知識を有していると見なされます。

データサイエンティストは、ビッグデータを扱い、分析するためビッグデータに関する知識が求められます。そのため、データベースに関する知識やスキルが証明できれば高いレベルでの仕事ができるようになるでしょう。

将来、データサイエンティストとして生き残っていくためにも、合格しておきたい資格です。

データスペシャリスト試験

G検定・E資格

G検定・E検定は一般社団法人日本ディープラーニング協会が主催する資格です。G認定を取得することで、ディープラーニングを業務で活用できることを証明します。また、E認定は、ディープラーニングを実装する能力があることを証明するものです。

G検定はディープラーニングを活用するスキルを証明する資格であるのに対し、E資格はディープラーニングを実装するスキルを証明する資格であるという違いがあります。

データサイエンティストにはディープラーニングを駆使しAIの精度を高めることで、正しい分析に繋げることができます。クオリティの高い仕事をこなすためにも取得することをおすすめする資格です。

データサイエンティストが取得しておきたいその他の資格は、以下の記事にて紹介しています。

まとめ

本記事では、データサイエンティストに求められるスキルセットとして「ビジネス力」「データサイエンス力」「データエンジニア力」についてまとめてきました。

ビジネス力があることで企業の課題やその背景が理解でき、データを用いて最適な提案ができるようになります。そして最適な提案のためには、数学力や統計学、分析手法などのデータサイエンス力が必要です。それだけでなく、その知識を活かすためにプログラミング言語やデータベース、ビッグデータに関するデータエンジニアリング力が必要になります。

つまり、今回紹介したスキルセットのうちどれか一つあればいいという訳ではなく、3つのスキルを持っている必要があります。

データサイエンティストとして活躍するために、スキルチェックや資格の勉強を通じてスキルを高めていきましょう。

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