iOSエンジニアの年収ってどれくらい?市場価値を上げるスキルや経験も合わせて紹介
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目次
はじめに
iOSエンジニアの仕事内容や年収、未経験からでも目指せるのか、という疑問を抱いている人はとても多いです。
本記事では、iOSエンジニアのこれらの疑問に対して、実際の業務事例を通して詳しく解説しています。
エンジニア未経験の方でもすんなりと読めるように、専門用語や難しい言葉はなるべく使わずに、誰でも5分もあれば全て読み切れる内容になっています。
これからiOSエンジニアを目指そうと考えている方から、iOSエンジニアとして更なるキャリアアップを目指している方まで、きっと役に立つ内容になっていますので、是非とも最後までご覧になってください。
iOSエンジニア の年収を左右する3つの条件
iOSエンジニアとして高い年収を得るためには、どうすればいいのでしょうか?
ここでは、iOSエンジニアの年収を左右する3つの条件を紹介します。
企業業績や企業規模
企業に所属しているiOSエンジニアの場合、その企業の業績や規模によっても年収が左右されます。
iOSで提供されているサービスはAndroidと比較してアプリの審査基準が厳しいため、クオリティが高く、非常に競争の激しい分野です。
2022年6月最新のiOS市場規模調査では、国内で64.8%ものシェアをiOSが占めており、今後も国内でのiOSの需要が衰えることは考えづらいでしょう。
年収を高く維持するためには、このような時代の変化に対応できる、安定したiOSサービスを提供している企業に勤めることも大事な要素です。
(参考:【2022年6月】日本とグローバルのスマホOSシェア|SHIFTASIA)
業務の経験年数
日本のIT企業では、「何ができるか」よりも「何をしてきたか」を強く求められます。そのため、業務の経験年数によって年収が左右されてきます。
iOSエンジニアの場合、他のエンジニアと比較してその傾向は弱いですが、専門性の高い分野の仕事をするためには、どうしても過去の経験は必ず問われることになります。
iOSエンジニアとして活躍していくのであれば、できるだけ上流工程から下流工程の業務を満遍なく積めるようなキャリアを形成することが重要です。
自分のスキルセットと対応できる範囲
自分のスキルセットと対応できる業務の範囲を常に把握しておくことも、年収を高く維持するために必要になってきます。
先述したように、iOSアプリサービスは数多くの種類が提供されています。企業によって、使用している開発プラットフォームや言語も多岐にわたります。
開発のみを請け負っているベンダーも多いため、その企業でできる業務範囲も限られてくるでしょう。
iOSエンジニアとしてキャリアアップするのならば、自分の目標としている企業で積めるスキルセットと業務範囲は、しっかり把握しておきましょう。
フリーランスのiOSエンジニアの平均年収とは。会社員とフリーランス両方で紹介
会社員の場合:iOSエンジニア全体の平均年収
(参考:2023年2月アプリエンジニアの仕事の年収・時給・給料|求人ボックス)
iOSエンジニアの属するモバイルエンジニアの平均年収は543万円です。また、スマホアプリエンジニアの平均年収は574万円です。
ITエンジニア全体の平均年収が500万円であることから、給与水準は比較的高いといえるでしょう。求人数に関しても、常に増加傾向にあり需要は安定しているといえます。
最も多い年収帯の平均値については、ITエンジニア全体で469万円なのに対し、iOSエンジニアは580万円と、1人前といえる領域ではその年収にかなりのひらきがみられます。
総じて、iOSエンジニアの給与は高水準といえるでしょう。
フリーランスiOSエンジニア全体の平均年収
(参考:2023年2月iOSエンジニアのフリーランス求人・案件/月額単価相場|エンジニアスタイル@東京)
フリーランスiOSエンジニアの平均月額単価は69万円です。年収に換算すると、828万円になります。
iOSエンジニアの最も多い案件単価帯は70〜80万円で、フリーランスエンジニア全体では60〜70万円が最も多くなっています。
フリーランスにおいても、iOSエンジニアの平均年収は総じて高い傾向にあるといえます。
フリーランスiOSエンジニアの具体的な案件
フリーランスiOSエンジニアの案件はどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、実際の案件を参考にどのような仕事があるのかを詳しく解説していきます。
案件例①:教育系プロダクト開発支援(UI/UXデザイナー)
教育系サービスを展開している企業の開発支援を行う案件です。
主な業務内容は、UI / UXの最適化を目的としたアプリの設計から開発です。なので、iOSエンジニアとしてのスキルはもちろんのこと、リサーチ能力が求められます。
UI/UXとは、ユーザーインターフェース(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX)のことを指します。UI/UXはiOSエンジニアにとって、切っても切り離せない密接な関係にあるので、iOSエンジニアとして経験を積むには非常に魅力的といえる案件です。
また、「スクラム開発」と呼ばれる開発手法を採用しているので、チーム内で円滑なコミュニケーションをとり、互いに足りないところを補いあって業務に当たらなければなりません。
iOSエンジニアの案件全体に言えることですが、このような高いコミュニケーションスキルを求める企業はかなり多い傾向にあります。
(※スクラム開発とは?)
案件例②:バンキングアプリ開発のテックリード支援
メガバンクのスマホアプリ開発支援業務を行う案件です。
主な業務内容は、新規口座開設や入金などが行えるスマホアプリの開発・設計であり、開発方式はアジャイルを採用しているため、CI/CXの能力も求められています。
近年のスマホアプリ開発には、アジャイルやスクラムなどのユーザーの利便性を重要視した開発手法が採用されることが多く、その経験があるだけでも単価を大きく伸ばすことが出来ます。
特に、以前までの一般的開発手法である「ウォーターフォール型」に慣れたベテランエンジニアは、このような開発手法についていくことが難しいと言われています。なので、iOSエンジニアをこれから目指す人は「アジャイル」や「スクラム」などの新しい開発手法には目を光らせておきましょう。
(※アジャイル開発とは?)
案件③:ビジネスチャットアプリのサーバアプリの保守・改修
ビジネスチャットアプリのサーバー側の対応をする案件です。
主な業務内容は、基本設計〜詳細設計やドキュメンテーションの更新です。また、バグの対応なども含めた保守業務にも対応することになります。
iOSエンジニアのフリーランス案件としては、比較的下流を担当することになるのが特徴といえるでしょう。
業種にもよりますが、下流工程でも比較的高い水準の報酬が期待できるのも、iOSエンジニアのメリットです。
iOSエンジニアが年収を上げるために必要なスキルや経験とは
iOSエンジニアが年収を上げるために必要なスキル
iOSエンジニアとして高い年収を得るためには、具体的にどのようなスキルや経験が必要とされているのでしょうか。
ここでは、具体的に必要とされるスキルや経験を5つ厳選してご紹介します。
要件定義・設計・保守まで上流から下流まで一貫して対応できる実務経験とスキル
iOSエンジニアとして高い年収をもらうのであれば、上流工程から下流工程の一連の経験を積んでおくことをおすすめします。
モバイルアプリの開発は、従来までのシステム開発と違い、開発速度が非常に速いのが特徴です。先に挙げた「アジャイル開発」や「スクラム開発」は、そのような非常に速い開発速度に対応する為に考えられた開発手法といえます。
なので、経験のない領域を一から学んで実際の業務に反映するのは、時間の制約的に現実的ではありません。この為、上流工程から下流工程の全ての工程を事前に経験しているiOSエンジニアが優先的に採用される傾向があります。
高い年収をもらうためには、開発や運用保守段階だけではなく、積極的に要件定義や設計などの上流工程に参画できるように工夫することが大事になってくるでしょう。
Swiftの専門性を上げる
iOSアプリ開発で主流になっているのが「Swift」と呼ばれる、Apple社がリリースしたオープンソース言語です。
それ以前までの主流は「Objective-C」と言われていましたが、習得難易度が比較的高く、文法も簡単で拡張性もあるSwiftが開発言語として採用される傾向が高くなっています。
現在では、SwiftはiOSアプリだけでなく他のアプリ開発にも採用されることも増えてきたため、アプリ開発全般にとっても、習得して損のない言語といえるでしょう。
Objective-C・Kotlinの習得をする
Objective-CやKotlinと呼ばれるプログラミング言語を習得しておくことも大事な要素です。
先述したように、iOSアプリ開発の主流はObjective-CからSwiftに移りつつありますが、歴史の古い企業などではObjective-Cで構築されたアプリはまだまだ多く存在します。そして、そういった企業は比較的大企業が多いです。
今後は、Swiftの習得を志すiOSエンジニアが多くなることが予想されるので、Objective-Cを理解できるエンジニアは少なくなってくるはずです。しかし、大企業を中心としてObjective-Cの需要は変わらないはずなので、必然的に報酬は高く設定されることになるでしょう。
Kotlinは、主にAndroidアプリの開発に使われる比較的新しいプログラミング言語です。
Androidアプリ開発だと、iOSエンジニアには関係ないのではないか、と思う方もいるかもしれません。しかし、iOSとAndroid両方でのリリースを検討している企業は多くあります。その場合、iOSとAndroid両方の知識と経験を有したエンジニアが必要とされるのは言うまでもありません。
このように、時代のニーズを読み取って必要な言語を習得していくのも、年収をあげるためには必要なスキルといえます。
Flutter・Firebaseの知識と実務経験
FlutterとFirebaseの知識や経験も、iOSエンジニアには必要なスキルといえます。
Flutterとは、Googleが開発したモバイルアプリ開発のフレームワークのことです。Flutterを利用すれば、iOSとAndroidアプリを同じ開発環境・開発言語で行えるようになります。
他にも、WindowsやMac・Linuxといった主要プラットフォームに対応していて、非常に利便性の高いフレームワークとして、現在注目されています。
Firebaseとは、Googleが開発したモバイル・Webアプリ開発のプラットフォームです。
先述したFlutterと同じく、Googleのインフラ技術によって構築されているため、Firebaseで進めたプロジェクトを、Flutterで作成したアプリと連携させることが可能です。できれば、Flutterとセットで習得しておきたいスキルといえるでしょう。
iOSエンジニアとしての価値が上がるスキル
iOSエンジニアとしての価値を更に上げるためのスキルには、どのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、さらに価値をあげることができるスキルとして、3つを厳選してご紹介します。
プロジェクトマネジメント能力
プロジェクトマネジメント、つまりPM(プロジェクトマネージャー)としてのスキルは是非とも欲しい
スキルといえます。
スマホアプリ開発は、クライアントからの納期が短く設定されることが多いです。そのため、プロジェクト全体を管理して統括するPMの手腕によって結果が左右されてきます。
このような背景から、プロジェクトマネジメント能力の高いiOSエンジニアは、全体の生産性向上に大きく寄与するので、市場価値が高まります。
経験や実績はもちろんのこと、情報処理推進機構(IPA)が主催している「プロジェクトマネージャー試験」の資格も併せて保有していると、かなり優位にたてることは間違いないでしょう。
ビジネスコミュニケーションスキル
ビジネスコミュニケーションスキルも、iOSエンジニアとして価値を上げるための要素の一つです。
モバイルアプリ開発にとって、最も重要とされるのはUI/UXなどのユーザーの利便性です。どれだけ高機能なアプリを開発したとしても、対象としているユーザーが使いこなせなければ全く意味の無いものになってしまいます。
顧客満足度向上のためには、クライアントのニーズを的確に読み取るビジネスコミュニケーションスキルが必要不可欠になってきます。
ITエンジニアは、他の職業に比べて「コミュニケーション能力」が低いとみられがちです。実際に、ITエンジニアの社内トラブルのうち約7割が、コミュニケーション能力が原因のトラブルです。そして、このようなトラブルは仕事に大きな支障をきたします。
そのため、ビジネスコミュニケーションスキルが高いiOSエンジニアは、相対的に市場価値があがり、上流の工程に参画しやすくなります。
FigmaやAdobeXDなどのデザインツールの実務経験
FigmaやAdobeXDなどのデザインツールの実務経験は、iOSエンジニアにとって有利なスキルです。
FigmaとAdobeXDは、両方とも用意されたプラットフォーム上でUI(ユーザーインターフェース)のデザインができるツールです。この2種のツールは、仕様が比較的簡単で誰でも利用することが可能ですが、意外に触ったことがないiOSエンジニアも多いです。
実際に、iOSエンジニアとして転職活動やフリーランス案件を探したことがある方はわかるかもしれないですが、現在出回っているiOSエンジニアに関する求人やフリーランス案件のほとんどが、UIの知識や経験を求めています。
そのため、UIへの知識を有していると判断されるFigmaやAdobeXDなどのデザインツールは、iOSエンジニアとしての市場価値を上げるのに役立つことになるでしょう。
無料版もすぐにインストールして試すことができるので、iOSエンジニアとしての価値を上げるにはおすすめのツールです。
UI/UXの理解と実務経験
UIとUXへの理解と実務経験が豊富であれば、iOSエンジニアとしての市場価値は高くなります。
先述したように、モバイルアプリ開発においてUIとUXは、設計段階でも優先的に考えられる項目です。
どれだけ多くのスキルを有していても、UI/UXの考慮ができないiOSエンジニアの市場価値はあがりません。
常にUI/UXのことを念頭においてキャリアを構築していくことが、iOSエンジニアとして活躍する近道といえます。
iOSエンジニアが選択できるキャリアパスの種類とは
iOSエンジニアにはどのようなキャリアパスがあるのでしょうか?
ここでは、iOSエンジニアが選択できるキャリアパスを3つ厳選してご紹介します。
スマホアプリエンジニア
スマホアプリエンジニアは、iOSとAndroid両方のアプリ開発ができるエンジニアです。
iOSエンジニアからスマホアプリエンジニアにキャリアチェンジする場合、対応できる案件数が非常に多くなる、ということが大きなメリットといえるでしょう。
求人数でみても、iOSエンジニア単体では9833件ですが、スマホアプリエンジニアの求人数は18119件と、2倍近い求人数があります。高単価案件の割合もスマホアプリエンジニアの方が多く、iOSアプリだけではなくAndroidアプリの開発も経験して、スマホアプリエンジニアへキャリアチェンジするのはおすすめといえます。
(参考:2022年2月 エンジニアスタイル フリーランス案件)
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャー(PM)は、プロジェクト全体の進行状況やクライアントとの折衝を担当するエンジニアです。
平均年収は635万円と、かなり高い水準の年収を得ることができる職業です。
iOSエンジニアとしての経験を積んでプロジェクトマネージャーへとキャリアチェンジする場合、設計・要件定義などの上流工程の経験をしておくことは必須となります。
(参考:プロジェクトマネージャーの仕事の年収|求人ボックス)
Webアプリケーションエンジニア
Webアプリケーションエンジニアとは、その名の通りWebアプリの開発をするエンジニアのことです。
Webアプリの開発は、フロントエンドとバックエンドの2種類に分類することができます。
iOSエンジニアとしての経験を積んでいけば、フロントエンドとバックエンドのどちらか、あるいは両方を担当することになっていきます。
フロントエンドとは、Webサイトで実際に文字を入力する画面など「直接ユーザーの目に触れる」機会があるシステムのことを言います。主に使用される言語としては、HTML・CSS・Javascriptなどが代表的です。
対してバックエンドとは、データベースやサーバーなどの「直接ユーザーの目に触れない」システムのことを言います。主に使用される言語としては、Java・PHP・Python・Rubyなどが代表的です。
iOSエンジニアとして働いて、フロントエンドかバックエンドのどちらか得意な方のWebアプリケーションエンジニアにキャリアチェンジできるのも、iOSエンジニアのメリットといえるでしょう。
まとめ
iOSエンジニアは、ある程度の需要の上がり下がりはあれども、比較的将来性のあるエンジニアといえます。特に日本では、iOSの需要が大幅に落ちることは考えづらいです。
本編でも紹介したように、最近ではiOSとAndroid両面に対応できるプラットフォームの開発も進んでおり、適切なスキル形成をしていけば移り変わりの激しいアプリ市場でも、十分に高い年収を得ることが可能なのが、iOSエンジニアの魅力といえるのではないでしょうか。
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