CADオペレーターがフリーランスになる際の5つのポイント。年収と合わせて紹介

2023.06.29(公開: 2023.06.29)

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CADオペレーターの仕事内容

CADとはComputer-Aided（コンピュータを使って） Design（製図・設計を行う）の略です。CADソフトウェアを使うことで、手作業で製図するよりも正確で、デザインの修正や変更も簡単に行えます。設計図は2Dまたは3Dで表現できるため、視覚的にも分かりやすいというメリットがあります。

CADオペレーターの主な仕事は、設計者やエンジニアの指示に基づき、CADソフトウェアを使って製図・図面を作成することです。具体的には、図面の修正や更新、レイアウトの調整、データの管理を担当しています。製図には高い精度と正確性が求められるため、CADオペレーターにはCADソフトウェアの使用スキルはもちろん、設計に関する知識が重要です。

また、CADオペレーターとしての働き方は、建築業界や印刷業界などの企業に所属する以外にも、フリーランスとして業界をまたいで働く方法もあります。この記事では,

フリーランスCADオペレーターとして働く際のポイントを5つ紹介します。

CADオペレーターがフリーランスになるには？5つのポイントを紹介

フリーランスのCADオペレーターになれば、様々な業界のプロジェクトに関わることができることに加え、時間や場所に縛られないというメリットがあります。

一方、フリーランスになるには環境や経験などの準備が必要です。以下の5点について確認しておきましょう。

CADオペレーターの実務経験を積む
CADオペレーターとしての強み・得意分野を作る
自分の強みは何か・足りないことは何かを言語化する
リモートワークでも対応できる環境を作る
フリーランスになる際のリスクを把握しておく

前提としてCADオペレーターの実務経験を積む

CADオペレーターとしてフリーランスになるには、実務経験が非常に重要です。なぜなら、クライアントからの仕事を受けるためには、実際のプロジェクトでの経験や実績が求められるからです。

例えば図面作成であれば、建築プロジェクトでCADソフトウェアを使用した間取り図や断面図の作成経験、機械設計においては部品やアセンブリの図面の作成経験などが挙げられます。

実務経験はフリーランスとしての自信をつけるためにも重要です。1つの案件に応募する場面を考えても、「どのように貢献できるか」の伝え方が実務経験の量によって大きく左右されます。また、技術的な実務経験のほか、クライアントとのコミュニケーションやプロジェクト管理などの実践的なスキルも必要です。つまり、実務経験はフリーランスとしての信頼性を築く上で不可欠な要素です。

CADオペレーターとしての強み・得意分野を作る

CADオペレーターだけでなく、一般的にフリーランスになるには、強みや得意分野を持つことが重要です。特定の分野や業界に特化して専門知識やスキルを磨くことで、他フリーランスとの差別化を図れます。

専門分野での深い知識と経験があると、クライアントに対する信頼性が上がるだけでなく、質のよい価値を提供できます。CADオペレーターが活躍する分野であれば建築や機械、電気回路などについて、図面作成だけでなく業界自体の基本情報やトレンドについての知識を取り入れましょう。例えば建築分野であれば、基礎や梁、壁、床などの構造や、間取り図、断面図、立面図などの図面の解釈が求められます。また、建築は地域によって基準や法規制が異なるため、建築物の耐震性や防火性などの要件について理解しておくことが重要です。

実務経験や趣味を通じて自身の強みを確立することで、フリーランスとして成功する道を切り拓けます。

自分の強みは何か・足りないことは何かを言語化する

CADオペレーターとしてフリーランスになるには、自身の強みを言語化して明らかにし、足りないスキルや知識を把握することが重要です。

強みの例としては、CADソフトウェアの熟練度や業界の専門知識などが挙げられます。自己分析し、他のオペレーターとの差別化ポイントとして活かすことが必要です。

同時に、足りない要素やスキルを認識したうえで、克服する努力も重要です。例えば特定のCADソフトウェアのスキルを向上させたり、コミュニケーション能力やビジネススキルを強化したりすることが挙げられます。

リモートワークでも対応できる環境を作る

リモートワークは現代の主要な働き方として浸透しつつあります。CADオペレーターとしてフリーランスになるには、リモートワークに対応できる環境を整えることが重要です。ソフトと技術があれば、リモートでも十分仕事ができるのはCADオペレーターのメリットです。

リモートワークに対応できる環境作りには、例えば高速かつ安定したネット環境や、CADソフトウェアのライセンス、処理速度が早いパソコンなどが必要です。必要に応じて、クラウドストレージやファイル共有サービスの活用、バーチャル会議ツールの使い方を習得するなど、リモートでの効果的なコミュニケーション手段を確保しておきましょう。

リモートワークに対応した環境を整えることで、自宅や旅先でもクライアントとのやり取りをスムーズに進行できます。

フリーランスになる際のリスクを把握しておく

CADオペレーターとしてフリーランスになる際には、リスクを把握しておくことが重要です。フリーランスとして働く場合、収入の安定性や税金、経理業務などのリスクが考えられます。

収入が安定しない可能性や、仕事のない期間が発生するリスクはフリーランスを目指す方であれば最初に思いつくリスクです。また、保険や福利厚生の負担、税金の自己申告、契約書の適正な管理などもリスクとなります。体調も大事なので、適切な運動や食事管理など自己管理能力の必要性も忘れてはいけません。

収入や税金、経理の手間といったリスクはフリーランスを目指す方にとって足枷になる場合が多いですが、予備費を適切に準備することで対策できます。

フリーランスのCADオペレーターに必要なスキルとは

フリーランスのCADオペレーターに必要なスキルは、以下の5点です。

実務経験
CADソフトウェアを扱うスキル
コミュニケーションスキル
Office製品を扱うスキル
Adobe製品を扱うスキル

CADオペレーターの実務経験を積む

フリーランスのCADオペレーターにとって、実務経験を通じてCADソフトウェアの使い方や図面作成のテクニックを習得することで、設計や製図の知識が深まります。

実務経験が足りないと感じる場合は、まずは実績が浅くても可能なフリーランスプロジェクトやオープンソースプロジェクトに参加しましょう。クライアントの要求に応える実践的なプロジェクトで経験を積み、スキルを向上させます。また、業界の最新動向やCADソフトウェアのアップデートにも積極的に関心を持ち、学習することも大切です。

AutoCAD、VectorWorksなどを扱うスキル

フリーランスのCADオペレーターにとって、AutoCADやVectorWorksなどのCADソフトウェアのスキルは非常に重要です。AutoCADは汎用性の高いCADソフトウェアであり、業界を問わず広く使用されています。一方でVectorWorksは建築やデザインに特化したCADソフトウェアで、3Dビジュアライゼーションや建築情報モデリング（BIM）機能などを含んでいます。

AutoCADやVectorWorksは業界で広く使用されており、クライアントからの仕事に対応するためには必須です。使用経験がないCADソフトがある場合は、オンラインのチュートリアルや公式ドキュメントを活用して基本操作を学びましょう。

コミュニケーションスキル

CADオペレーターは技術職ですが、クライアントとZoomや対面で打ち合わせがある場合が多く、コミュニケーションスキルが問われる職種です。

コミュニケーションが苦手という方にとっては、とにかく積極的に対話して意思疎通の機会を多く設けるのがおすすめです。プロジェクトの目標や要件を理解し、こまめに情報共有を行うことを心がけましょう。コミュニケーションスキルを磨くことで、クライアントとの信頼関係を構築し、長期的でやりがいがあるプロジェクトを獲得できます。

Office製品を扱うスキル

Word、Excel、PowerPointなどのOffice製品は、文書作成やプロジェクト管理、プレゼンテーションなどで頻繁に使用されるため、フリーランスのCADオペレーターにとっても重要なスキルです。

使用経験が浅くて不安に思う方は、実践的な経験を積むために自身のプロジェクトや練習用の課題を設定し、Office製品を活用して文書やデータを作成・管理してみましょう。例えば、プロジェクトの進捗状況をガントチャート化してExcelで管理したり、プレゼンテーションを作成して発表したりすることが挙げられます。

フリーランスは効率性が重視されるため、Office製品のスキルを身につけてプロジェクトの文書作成やデータ管理の効率性を向上させましょう。

PhotoshopやIllustratorなどのAdobe製品を扱うスキル

PhotoshopやIllustratorなどAdobe製品を扱うスキルがあると、図面の編集やグラフィックデザインに役立つため、フリーランスのCADオペレーターには有益です。

PhotoshopやIllustratorの使用経験がない場合は、まずはオンラインチュートリアルを活用して、Adobe製品の基本操作や機能を学びましょう。特にPhotoshopの画像編集やIllustratorのベクター画像作成などのスキルは、CADでの図面作成に役立ちます。また、CADで作成した図面をPhotoshopやIllustratorで加工するのも良い練習になります。

フリーランスのCADオペレーターのメリット・デメリット

フリーランスCADオペレーターのメリットとデメリットについてまとめました。

メリット	デメリット
働き方が柔軟新しい横のつながりを増やすことができる年収が上がるケースが多い	自己管理能力が問われる確定申告など経理作業を自分でやる必要がある

メリット

フリーランスCADオペレーターのメリットについて紹介します。

働き方が柔軟

働き方が柔軟になることは、フリーランスのメリットと感じている方は多いのではないでしょうか。フリーランスとして働くことで、自身の生活スタイルに合わせて仕事を調整することが可能です。

また、フリーランスとして活動することで、仕事を受けるクライアントを選ぶ自由が生まれるため、得意分野や興味に沿ったプロジェクトを選択できます。フリーランスCADオペレーターの案件には、建築やインテリア、土木、電気など、さまざまな分野でのニーズがあります。幅広いクライアントとの取引を増やすことで、仕事の受注量と収入の機会を増やせます。さらに、フルリモートの案件を選択すれば、場所や就業時間に縛られず効率的に仕事ができます。

新しい横のつながりを増やすことができる

CADオペレーターがフリーランスとして働く場合、さまざまなクライアントやプロジェクトに携わる機会が増えるため、新しいつながりを作る機会が増えます。例えば建築家やインテリアデザイナー、エンジニアなどと協力して、大規模な建築プロジェクトや製品開発に取り組むことで、会社員の時よりも多くの分野でネットワークを広げられます。

新しいつながりを持ち、他の人々の仕事やアイデアに触れることで、自身の視野が広がり、新たなアプローチを見つけることもできます。

年収が上がるケースが多い

CADオペレーターがフリーランスとして働く場合、自身で報酬を設定することができるため、自分のスキルや経験に見合った適正な料金を設定することで、収入を増やせます。フリーランスであればプロジェクト単価が高い業界の図面作成を担当できるのは大きなメリットです。会社員時代は建築業界のCADオペレーターだった方が、フリーランスになってから需要と単価が高い土木分野の図面を担当する場合もあります。

また、フリーランスは複数のクライアントとの案件を受け持つことができるため、収入の柱が増えて、安定した収入を得ることができます。受けた仕事の成果に応じて報酬を受け取れるため、能力次第で品質や納期を満たすことで追加の仕事依頼が増え、収入が増加する可能性があります。

デメリット

一方、CADオペレーターがフリーランスとして働く場合、デメリットも考えられます。

自己管理能力が問われる

フリーランスは良くも悪くも自分が主体であるため、自己管理能力が問われます。例えば報酬を増やそうと多くの案件を獲得してしまい、作業時間が足りず納期に間に合わないというトラブルもあります。仕事やプロジェクトの優先順位を設定し、適切なスケジュールを立てることで無理のないスケジュール管理をしましょう。

また、仕事をする上での管理も重要です。CADオペレーターであれば大量の図面やデータを取り扱うことが多いため、普段から適切なフォルダー構造を作って管理を行い、必要なデータを迅速に見つける習慣を身につけましょう。

自己管理は責任やプレッシャーも伴いますが、自己管理能力を高めることで仕事の効率や品質を向上できるため、社会人としての成長に役立ちます。

確定申告など経理作業を自分でやる必要がある

CADオペレーターをはじめ、フリーランスの多くは確定申告や経理作業を自分で行っています。確定申告や日々の経理作業には時間と手間だけでなく、手続き方法や税法・会計ルールの理解も必要です。

自分で経理作業を行う場合、ミスや不備があった場合の責任は自身で負わなければなりません。税務申告は正確性が求められるため、万が一誤った申告が発覚した場合には、罰則や追加の税金が課される可能性があります。

ただし、自身で経理作業を行うことで、費用を節約できるだけでなく、経理作業に関する知識やスキルも身につくため、将来的にはビジネス力の向上につながります。

フリーランスのCADオペレーターの単価・年収

厚生労働省HPによると、全国で23万人以上がCADオペレーターとして仕事をしています。平均年収は461.8万円で、月給は平均24.9万円です。

CADオペレーターはフリーランスよりも企業の正社員や契約社員として就業している方が多い傾向にあります。また、キャリテHPによると、フリーランスCADオペレーターの平均年収は約300万円前後です。

CADオペレーターの将来性と需要

CADは建築、製造、エンジニアリングなどのさまざまな分野で広く利用されていることに加えて、技術の発展とデジタル化の推進により、需要は持続的に高まっています。リクルートエージェントHPによると、現在は土木分野で老朽化した建築物の改修工事案件が多く、案件が多い傾向にあります。

CADオペレーターとして需要が高い人材になるためには、AutoCADやVectorWorksなど主要なCADソフトウェアを使いこなす能力が求められます。特に3Dモデリングや視覚化技術に精通することは、今後を見据えると重要です。クライアントに対して、効果的なビジュアル表現を提供できるようになりましょう。

また、CADオペレーターはチームでの作業やクライアントとのコミュニケーション能力、CAD以外の作業もこなせる人材が求められます。コミュニケーションスキルやOffice製品のスキルも高めて、事務作業もできるCADオペレーターを目指しましょう。

フリーランスのCADオペレーター案件はどうやって探す？

フリーランスのCADオペレーターとして、案件はどのように獲得していけば良いのでしょうか。ここでは、具体的な案件の探し方について紹介します。

クラウドソーシングサービスを活用

フリーランスとして活躍しはじめた頃は、クラウドワークスやランサーズなど広い分野の案件を扱っているクラウドソーシングサービスを活用すると良いでしょう。

クラウドソーシングサービスはオンライン上で仕事を受注し、プロジェクトに参加するためのプラットフォームです。さまざまな業界や規模のプロジェクトに応募することができ、自分に合った案件を見つけることができます。例えばクラウドワークスの場合、電気や土木、インテリア関連の図面作成案件など、幅広い分野で募集がされています。報酬も時間単価や固定給、要相談など好みの形態を選べます。

また、クラウドソーシングサービスではガイドに沿って自身のプロフィールを作成し、過去の実績やスキルをアピールできます。また、クライアントからの評価やレビューを受けることで信頼性を高められるので、効率よく実績を積みかさねることができます。さらに、プロジェクトの契約や支払い管理をサポートしており、安心できるのもクラウドソーシングサービスで案件を探すメリットです。

フリーランスエージェントを活用する

フリーランスエージェントは、クライアントとフリーランスをつなぐ仲介業者です。クライアントの要件や予算に基づいて、フリーランスに最適な案件を提供します。エージェントから提案された案件を受けることで、効率的に仕事を獲得できます。

例えば、クライアントがAutoCADやVectorWorksなど、特定のCADソフトウェアの使用経験を求めている場合、フリーランスエージェントはその要件に合致するCADオペレーターを紹介しています。また、特定の業界や、図面作成やパーツ設計など、プロジェクトの種類ごとにCADオペレーターを提案する場合もあります。

また、フリーランスエージェントはキャリアや仕事内容に関する相談にも応じてくれます。経験豊富なアドバイザーからのアドバイスは、フリーランスとしての成長やキャリアの発展に役立ちます。

また、さまざまなフリーランスエージェントの案件をまとめたサイトもあり、エンジニアスタイルもその1つです。実績のあるフリーランスエージェントを通じて、優良な案件を獲得しましょう。