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知らないと損する。生成AIを活用するリスクと危険性とは


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生成AIとは?概要を紹介

生成AIについて概要を説明していきます。

「生成AI」の概要

生成AIとは、データから新しい情報やコンテンツを生成する能力を持つAIのことを指します。この技術は、特定のデータセットを基にして、そのデータセットに存在しない新しい情報やデータを生み出すことができます。

特に注目されているのが「生成的敵対ネットワーク(GAN)」という技術で、これは2つのネットワークが競合する形で学習を進めるものです。

具体的には、生成ネットワークがデータを生成し、識別ネットワークがそのデータが本物か偽物かを判断します。この相互の競合を通じて、生成ネットワークは徐々に高品質なデータの生成能力を向上させていきます。

生成AIの応用範囲は非常に広く、高解像度の画像生成や、OpenAIのGPTのようなテキスト生成、さらには音楽や動画の生成など、多岐にわたります。この技術の利点としては、大量のデータがなくても高品質なコンテンツを生成できる点や、人間が作成するのが難しいコンテンツも手軽に生成できる点が挙げられます。

しかし、一方で生成されたコンテンツの品質のばらつきや、不適切な内容を生成するリスク、さらには著作権や倫理的な問題も考慮しなければならない課題が存在します。

エンターテインメントから広告、デザイン、研究など、多くの分野での利用が期待される生成AIですが、その使用に際しては、生成内容の品質や倫理的な側面をしっかりと考慮することが不可欠です。

機械学習・ディープラーニングとの違い

機械学習は、コンピュータがデータから学習し、その学習結果を基に予測や決定を行うための広範なフレームワークです。これに対し、ディープラーニングは、機械学習の一分野であり、ニューラルネットワークの特定のタイプ、特に多層構造を持つものに焦点を当てています。ディープラーニングは、2000年代後半から2010年代にかけて、大量のデータとGPUの進歩により、急速に発展しました。

機械学習モデルは、一般的に特徴量エンジニアリングに依存します。これは、モデルが「理解」できる形式でデータを提供するプロセスですが、ディープラーニングは、生のデータから直接特徴を学習する能力を持ちます。これは、画像、テキスト、音声などの複雑なデータに対して特に有効です。

機械学習は、統計的手法を用いてデータのパターンを識別し、新しいデータに対する予測を行います。これに対して、ディープラーニングは、データ表現の階層的な抽象化を通じて、より複雑なパターンや特徴を捉えます。これにより、ディープラーニングは、人間の介入を最小限に抑えながら、非常に複雑なタスクを実行できます。

またディープラーニングは、通常大量のデータと計算リソースを必要とします。これは、複雑なネットワーク構造と大規模なパラメータ空間を持つためです。一方で、伝統的な機械学習アルゴリズムは、比較的少ないデータと計算リソースで効果的に機能する場合があります。

これらの違いを踏まえると、ディープラーニングは、画像認識、自然言語処理、音声認識などの複雑なタスクに特に適しています。一方、機械学習は、データセットが小さい、または予測問題が比較的単純である場合に有効であることがわかります。

生成AIに関する「ガイドライン」とは

生成AIに関する「ガイドライン」について解説していきます。

日本ディープラーニング協会が制定

日本ディープラーニング協会の新たな取り組みとして近年、Bing Chat、ChatGPTやBardといった対話型生成AIの進化と普及が目覚ましいものとなっています。これらのAIは、深層学習技術を活用していて、人々の質問や要望に対して統計的に適切な返答を生成することが可能となっています。

このような技術の進展に伴い、利用に当たっての注意点や課題が浮き彫りになってきたため、日本ディープラーニング協会は、企業や団体が生成AIを安全に導入・活用するためのガイドラインを策定し、公開することとなりました。

このガイドラインは、多くの組織や団体が生成AIを効果的に利用するための基本的な枠組みを提供するもので、各組織のニーズや背景に合わせてカスタマイズして使用することが推奨されています。

また、技術の更新や市場の変動に合わせて、ガイドラインも定期的に見直されることが予定されているとのことです。

文部科学省も教育現場でのガイドラインを検討

生成AIの技術進展と普及を背景に、教育現場でもその活用のメリットが指摘されています。

教育界における文部科学省の新しい方針 生成AIの技術が進む中、教育現場においてもその利点が注目されています。しかし、学生や教育者がAIの提供する情報を盲信することのリスクや、教育の質への影響に関する懸念が高まっていると言われています。

このような背景を受け、文部科学省は、教育現場での生成AI利用に関するガイドラインの策定を始めました。このガイドラインは、国や専門家の意見を取り入れながら、教育関係者が生成AIを適切に活用するための基準や方針を示すものとなります。

公開後も、実際の教育現場からのフィードバックや新たな研究結果をもとに、ガイドラインは随時更新される予定です。さらに、生成AIの将来的な展望や教育におけるその役割について、中央教育審議会をはじめとする関連機関での議論が進められることが期待されています。

生成AIを使用する際に認識しておきたいリスクとは

生成AIを使用する際に認識しておきたいリスクについて解説していきます。

著作権・商標権などの各種権利の侵害

生成AIは、膨大なデータをもとに学習し、新たなコンテンツを生み出しますが、学習データに基づいて、元の情報の著作権や商標権を意図せずに侵害することが考えられます。特定のブランド名や知られているフレーズを許可なく使用するリスクがあります。

人間が普段把握している常識もAIにとっては非常識となっていることが考えられ、生成する場合のプロンプトにもそのようなリスクがないような文言を入れていかなくてはなりません。

例えば、特定のブランドや著名なフレーズを無許可で使用してしまうことが考えられます。このような行為は、権利侵害となり、法的なトラブルの原因となり得ます。

対策としては生成AIの出力を常に確認し、著作権や商標権を侵害する可能性のある内容を削除または修正することが必要です。また、生成AIの学習データには、著作権や商標権で保護されている情報を使用しないように注意することが求められます。

誤情報が含まれ、信憑性に欠ける

生成AIは、提供されたデータに基づいて情報を生成しますが、その結果が常に正しいわけではありません。特に、学習データに偽情報や先入観が含まれている場合、出力される情報もそれらを反映する可能性が高まります。

どれが本当でどれが偽物の情報かまではAIでも判断できません。世の中に出ている情報が全て正しいものとして扱ってしまう場合もあるため、一概にも信頼できるとは言えないのです。

対策としては生成AIの出力を確認し、誤情報や偏見を含む内容を修正または削除することが必要です。また、学習データの質を高めることで、より正確な情報を生成することが可能となります。

第三者への情報漏洩の可能性がありサイバー犯罪につながる

生成AIを活用する際、ユーザーの入力情報やAIが参照するデータベースに、秘密情報や個人情報が含まれることが考えられます。これらの情報が外部に漏れると、サイバー犯罪のリスクが増大します。

企業の持つ顧客管理情報や個人でもつ個人情報、これらを意図せず入力してしまい情報が漏れてしまう可能性も大いにあります。

全ての人にネットリテラシーやセキュリティ意識が備わっているというわけではないため、これらの情報やツールを扱う個人や組織は状況に応じた対応策を講じていかなければなりません。

対策としては生成AIの利用環境を安全に保つためのセキュリティ対策を強化することが求められます。具体的には、ファイアウォールの設定や暗号化技術の導入、アクセス制限の設定などが考えられます。また、ユーザーが入力する情報には、機密情報や個人情報を含まないように注意を促すことも重要です。

フェイクニュースの生成と悪用

生成AIの技術進化に伴い、フェイクニュースの生成が容易になってきました。これらの情報は現実的に見えるため、多くの人がそれを真実として受け入れるリスクがあります。

フェイクニュースに使用されるフェイク画像や誤情報も今やAIの手にかかれば最も簡単に作成できてしまうため、知識がなくても素人でも悪用できてしまいます。

SNSが発達している昨今ではあらゆる情報に混じってこれらのフェイクニュースが表立ってしまうため注意が必要です。

生成AIを使用することで、これらのニュースは非常にリアルに見えるため、多くの人々がそれを事実として受け取ってしまう可能性があります。

例えば、政治的な動きや経済的な動向を操作するために、意図的にフェイクニュースを生成・拡散することが考えられます。これにより、社会的な混乱やパニックを引き起こすリスクが高まります。

フェイクニュースの生成と悪用を防ぐための対策として、情報の真偽を確認するスキルの向上が求められます。特に、SNSやニュースサイトで情報を受け取る際には、その情報源の信頼性を確認することが重要です。

また、疑わしい情報に出会った場合は、複数の情報源から確認を行うことで、真偽を見極めることができます。さらに、教育機関や企業は、情報リテラシーの向上を目指すべきです。

製造物責任

生成AIによる出力結果に関する製品の責任は、現在も大きな議論の対象となっています。AIが生成した不適切なコンテンツや誤情報によって生じる損害の責任所在は、明確ではありません。

AIが作り出したものの全てが有効で活用できるものとは限りません。生成したものによって不利益を被る可能性もないとは言い切れないからです。

製造物責任のリスクを低減するためには、生成AIの利用規約や契約内容を明確にすることが重要です。具体的には、AIの出力に関する責任の所在や、損害賠償の範囲を明確に定義することで、トラブルを未然に防ぐことができます。

また、生成AIの出力をそのまま信用せず、必要に応じて人間のチェックを行うことも重要です。

雇用の減少・知的能力の衰退

生成AIの普及により、多くの業務が自動化の対象となり、雇用の機会が減少する可能性が考えられ、AIへの過度な依存は、人々の思考力や判断力の低下を招く恐れがあります。特に、若い世代がAIの出力を鵜呑みにすることで、批判的思考力や独自の判断力を失う可能性があります。

AIが便利な一方で考える時間を私たちから奪い、思考力の低下につながる懸念は議論されてきました。便利に使える場面とそうでない場面の切り分けを適切に行っていく必要がありそうです。

雇用の減少・知的能力の衰退への対策 雇用の減少を防ぐためには、新しい職種やスキルの開発が求められます。AIと共存するための新しい業務や、AIの管理・運用に関するスキルの習得が重要となります。

また、教育機関や企業は、AIの導入に伴うスキルシフトの必要性を認識し、適切な教育や研修を提供することが求められます。知的能力の衰退を防ぐためには、AIの利用を適切に制限し、人間の判断力や批判的思考力を養う教育が必要です。

実際に生成AI使用に関して禁止された事例

実際に生成AI使用に関して禁止された事例についていくつか紹介していきます。

ディープフェイクを利用した詐欺事件

中国福建省で発生した事件では、IT企業代表の男性が通信アプリ「微信(ウィーチャット)」のビデオ通話を受け取りました。

通話相手の顔と声は男性の友人と瓜二つで、「入札の保証金を貸してほしい」という依頼を受け、男性は430万元(約8400万円)を振り込みました。

しかし、後に本物の友人に連絡を取ったところ、それが詐欺であることが判明したこの事件は、AI技術を使用して写真や動画、音声を本物そっくりに加工する「ディープフェイク」という技術が悪用された可能性が高いとされています。

ディープフェイクを使った悪用事例は極めて恐ろしいものと言えます。知らない第3者から自分の偽の情報を使われて社会的に不利益を被ってしまうこともあるからです。

これらの取り締まりなどAIのあり方に疑問が投げられる事例となっています。

将棋の学生名人戦でのAIアプリの不正使用

東京都内で行われた「学生名人戦」という将棋の大会で、優勝した男子学生が対局中にスマートフォンで将棋AIアプリを使用していたことが発覚し、失格となりました。

対局中に何度も離席していたため、他の参加者が不審に感じて調査を求めた結果、この不正が明らかになりました。

将棋に限らず盤上のゲームはAIの得意分野とも言えます。アプリ開発やゲーム開発で使用されるのは当たり前になってきましたが、人対人の大会におけるこのような事例はオフラインでこそ発覚するものの、オンライン対戦となると制御できなくなる可能性もあり、難しい問題とも言えます。

ChatGPTを使用した偽の判例の提出

米国のある民事裁判で、資料として提出された判例の中に実在しないものが6件含まれていることが発覚しました。

提出した弁護士は、これらの偽の判例を対話型AI「ChatGPT」を使用して作成したことを認めました。

この事例は、AIが高度に文章を生成できる能力を持つ一方で、それが不正や詐欺に利用されるリスクもあることを示しています。

複雑化すればするほど事件の真偽も確かめづらくなるため、その母数が増えてしまう懸念もあります。

生成AIを活用する際に企業がとるべきリスク管理

生成AIを活用する際に企業がとるべきリスク管理について解説していきます。

CASBの活用

CASBは、クラウドサービスの利用状況を明確にし、その上で適切な制御を行うためのツールです。

特に、企業内で公式に認められていないクラウドサービス、通称「野良クラウド」の利用が問題となることがあります。

CASBを適切に設定することで、これらのサービスの利用を検知し、必要に応じてアクセスを制限することが可能です。

また、DLPの機能を活用することで、データの外部への流出を防ぐこともできます。これは、特に生成AIを使用して機密情報を扱う際に重要となります。

さらに、DLP(Data Loss Prevention)というデータ保護の機能も持っており、企業が設定したポリシーに基づき、クラウドサービスのデータにアクセスできる従業員を限定したり、クラウドサービスから別の場所にデータを移すことを禁止したりすることができます。

CSPM・SSPMの活用

生成AIをクラウド環境で利用する際、セキュリティ設定の不備がリスクとなることがあります。CSPMは、主にIaaSやPaaSのセキュリティ設定を監視し、不備やガイドラインの違反を検出するツールです。

一方、SSPMはSaaSのセキュリティ設定に特化しており、特定のガイドラインに基づいて設定の最適化をサポートします。これらのツールを組み合わせることで、クラウド上での生成AIの利用をより安全に行うことができます。

DLPの活用

生成AIを使用する過程で、従業員が誤って機密情報を入力することが考えられます。

DLPは、このようなヒューマンエラーから生じる情報の流出を防ぐためのシステムです。

具体的には、企業が定めたポリシーに基づき、扱われる情報が機密かどうかを判断し、必要に応じて情報の送信やコピーを制限します。これにより、生成AIを安全に、そして効果的に利用することが可能となります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は知らないと損する生成AIを活用するリスクと危険性について解説してきました。

生成AIはあらゆる業務を効率化できる便利な技術ですが、便利するが故に悪用されてしまうケースもあります。

文科省やディープラー二ング協会が提示している資料にもありますが、各個人で認識齟齬がないようにしておく必要があります。

使う人によっては間違った使い方をしてしまう場合もあるため、リスクと危険性は把握しておくようにするのが大切です。

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