フリーランスが業務委託契約書をかわすことが重要である6つの理由とテンプレートを紹介
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目次
フリーランスが業務委託契約書をかわす際に明確化する内容
フリーランスは企業に雇用されている労働者と立場が異なります。
企業に雇用されている労働者には雇用契約書や労働条件通知書等が公布され、自身がどのような契約で、どのような業務に従事すべきか等が明確に定められていますが、フリーランスにはそのような書類がありません。
なのでフリーランスとして仕事をする際は、業務委託契約書をかわして契約内容を明確化することが必須です。
具体的には以下内容を明確化する必要があります。
- 委託された仕事内容
- 納期
- 報酬
- キャンセル料について
- 着手金について
- 著作権について
業務委託契約書にてこのような内容を明確化することで、トラブルの発生を防ぐことが可能です。
当記事では、業務委託契約の種類から、契約をかわすことが重要である理由、契約の交わし方等をご紹介します。
フリーランス業務委託契約の種類
フリーランスの業務委託契約の種類は以下3つです。
- 請負契約
- 委任契約
- 準委任契約
それぞれ詳しくご説明いたします。
請負契約
請負契約は、企業から依頼される仕事を「完了」することを約束する契約です。
成果物が完成せず途中で作成を終えてしまったり、完成した成果物が企業の求めるレベルに満たなかったりすると、契約時の報酬は支払われません。
例えば、企業がフリーランスのWebライターに対して記事を作成してもらうような仕事を発注する際に、その記事を完成し納品してもらうように依頼する契約が請負契約となります。
この場合、企業が求めている記事と内容がかけ離れていたり、求められている文字数が少なかったり、誤字脱字が散見されたりすると、企業の要求を満たしていないため、企業は支払い義務が発生しなくなります。
このように、請負契約は成果物の「完成」を目的とした契約となります。
もし誤った情報や内容によって企業が不利益を被った際は、企業側がフリーランスに対して損害賠償を請求することが可能ですので、案件を請け負って成果物を納品する際は細心の注意が必要です。
また、案件の依頼元はフリーランスに対しての指揮命令権がありません。なので、業務委託契約書の内容を遵守していれば、いつ成果物を作成し、納期より早めに成果物を納品しても問題ありません。
委任契約・準委任契約
委任契約・準委任契約は、企業から依頼される仕事を「遂行」することを約束する契約です。
それぞれの契約はほぼ同じ内容となっており、以下点のみに違いがあります。
- 委任契約は法律に関係すること
- 準委任契約は法律に関係しないこと
例えば、確定申告を税理士に依頼する場合や、自身の裁判の弁護を弁護士に任せる場合は、法律行為ですので委任契約となります。
次に、医師に診療を頼む場合や自社のPR記事のビラ配りを誰かに行ってもらう場合は、法律行為に当たらないので、準委任契約となります。
いずれも業務を「遂行」することが目的であり、それを約束する契約が委任契約・準委任契約となります。
また、委任契約は基本的に無償で行うものとなります。上記で挙げた例は全て報酬を支払わなければならず、これは別途契約が必要となります。
業務委託契約書が重要である6つの理由
フリーランスとして仕事を受注する場合、業務委託契約をすることは非常に重要です。
業務委託契約書が重要な理由としては、以下6つが挙げられます。
- トラブル回避するためのリスクヘッジ
- そもそも何を委託・受託したかを明確化し、共通認識を作るため
- 納期を明確にするため
- 報酬額・支払方法・支払い時期などを明確にするため
- 秘密保持義務を明確にするため
- 知的財産の帰属・利用形態を明確化するため
契約に当たりわざわざ契約書を交わすのは手間に感じるかと思いますが、フリーランスとして仕事を受注する以上、自身の身を守るのは自分自身となります。
それぞれ順番に詳しく解説しますので、参考にしてください。
トラブル回避するためのリスクヘッジ
業務委託契約を結ぶことは、トラブルを回避するためのリスクヘッジとなります。
業務委託契約時に内容を明確にしておかなければ、トラブルが発生した際、内容次第では案件を受注するフリーランス側で不利益が生じる可能性があります。
あらかじめ業務委託契約書を作成にしておくことで、トラブルが発生した際にも当初どのような内容の業務を委託され、いつまでに納品すればよいか等が明記されているため、どちらの認識が誤っているかなどがすぐに分かります。
企業側もフリーランス側も、お互いに不要なリスクを負わないために、業務委託契約を結ぶことが必要であると言えます。
そもそも何を委託・受託したかを明確化し、共通認識を作るため
契約内容を口頭でのみ話した場合、委託・受注した業務内容について、言った・言ってない、聞いた・聞いてない等のトラブルが発生する可能性があります。
例えば、プログラム開発の案件を企業から受注した際、受注したフリーランス側ではプログラムの納品のみ依頼された認識で居たとします。
しかし企業からソースコードまで納品してほしいと言われた場合に、業務委託契約書に納品する成果物が何かを明記されていないと、トラブルに発展する可能性があります。
業務委託契約書にて、そもそも何を受注したかを明確に記載することで、このようなトラブルを未然に防ぐことが可能です。
納期を明確にするため
あらかじめ納期を明確にしておくことも必要です。
いつまでに案件を完了させればいいかの目標になるのもメリットですが、企業から案件を受注した後に、納期の変更を強いられて、できなければ契約を打ち切る等不当な要求をされるようなトラブルを未然に防ぐことが可能です。
納期を業務委託契約書に記載していれば、いつまでに成果物を納品すればいい契約かが明確になるので、そのような不測の事態は無くなります。
業務委託契約時に納期は明確にし、しっかり記載しておきましょう。
報酬額・支払方法・支払い時期などを明確にするため
最も重要と言えるのが、報酬額や支払い方法・支払時期の明確化です。
報酬額が明確になっていないと、想定していたより報酬が少なかったなどのトラブルが起こる可能性があります。
業務委託のような契約時に一番問題になる可能性が高いのが金銭関係のトラブルですので、契約時に確認しなければならない最も大切なポイントです。
また、支払時期も明確になっていなければ、報酬がいつ入ってくるか、本当に支払われるかなど不安になります。
特に支払い方法については、クラウドソーシングサービスのシステム経由なのか、銀行への直接振り込みなのかで手数料にかなり差が出てきますので、これらのどちらを使用するかをあらかじめ明確にしておかなければなりません。
その手数料も相手方が負担してくれるのか、それとも報酬額から差し引かれるのかによって、最終的に手元に入ってくるお金が変わってくるので、クラウドソーシングサービス経由でも銀行振込でも、手数料を委託側・受注側のどちらが負担するかは、非常に重要なポイントです。
秘密保持義務を明確にするため
企業が委託する案件の中には、機密情報を渡さなければ遂行できない案件もあります。
フリーランスとしてそのような案件を受注した際に、秘密保持義務を知らされておらず、あやまって機密情報を流出させてしまった場合、企業側へのダメージが大きく、その損害賠償を請求されてしまう可能性があります。
これは案件を依頼する企業側にも、受注するフリーランス側にもダメージが大きいので、業務委託契約書の中で秘密保持義務は明確にしましょう。
知的財産の帰属・利用形態を明確化するため
成果物が業務を委託した企業側にあるのか、案件を受注したフリーランス側にあるのかを明確にしておくことは非常に重要です。
例えば、システム開発の案件を受注したとして、成果物として納品してもらうのはプログラムだけで良いのか、それともプログラムのソースコードなどの知的財産についても納品してもらうのかでは話が変わってきます。
もしプログラムだけの納品だった場合、企業が仮にそのプログラムを使っていて少し中身を変更してほしいとなった際にも、ソースコードはこちらの手元にあるので、システム改修案件の受注が見込めます。
しかしソースコードまで納品する契約となると、軽微な修正であれば受注者側でできてしまう可能性があるので、案件の再受注が見込めない可能性があります。
このようなケースを踏まえ、知的財産の帰属・利用形態は明確にしておく必要があります。
業務委託契約を結ぶ流れは
業務委託契約は、以下の流れで結ぶことになります。
- 契約内容の議論
- 業務委託契約書の作成
- 契約内容の確認及び修正
それぞれ順番に解説します。
契約内容の議論
まずは案件を委託する企業側と、受注するフリーランス側で契約内容を議論します。内容については以下6つのポイントが挙げられます。
- 委託された仕事内容
- 納期
- 報酬
- キャンセル料について
- 着手金について
- 著作権について
これらのポイントを踏まえ、企業側とフリーランス側で議論をすると良いでしょう。
また、企業側ですでに業務委託契約書がほぼ作成されているケースがあります。その場合は、口頭で委託された仕事内容と差はないか、実現が難しい納期となっていないか、報酬額や手数料の負担側等を確認し、問題がある場合は企業側へ申し出るようにしましょう。
一般的には受注側より発注側のほうが強く、多少の無理も受け入れてしまいがちですが、できないことを受注しても、結局実現できず信用を落としてしまうだけになりかねないので、強い意志を持って議論することをおすすめします。
業務委託契約書の作成
一般的にはフリーランス側発信で業務委託契約書を作成することは少なく、案件を委託した企業が業務委託契約書を作成するケースが多いです。
また、案件を委託する企業側ですでに業務委託契約書の大枠が作成されており、それを基に契約するケースが多いです。出された契約書にあまり目を通さず契約するのではなく、しっかり上記ポイントを確認した上で、契約するようにしましょう。
フリーランスの方が業務委託契約書を作成する際は、上記で説明した企業との議論内容を踏まえた上で、法律を順守したレイアウトの契約書で作成するようにしましょう。
法律を順守したレイアウトでないと、法的な効力が発揮できず、せっかく契約書を作成しても無駄になってしまうこともありますので、使用する契約書のレイアウトはしっかり確認しましょう。
契約内容の確認及び修正
業務委託契約書が作成されたら、受注者側と委託者側で内容の確認をします。契約内容の議論で出た内容の漏れがないか等の観点で確認すると良いでしょう。
もし内容に不備や不足があれば、お互いの合意が得られるまで修正・確認をする必要があります。もし些細な不備だとしても、その不備の場所で後々トラブルが発生する可能性もありますので、細かいことであっても修正をすることをおすすめします。
業務委託契約締結
互いに業務委託の契約の内容に納得ができたら、業務委託契約を締結します。
業務委託契約書は2枚発行し、企業側もフリーランス側もそれぞれの紙に押印して、ひとつは案件を委託した企業側で、もうひとつは案件を受注したフリーランス側で保管します。
フリーランスが活用できる契約書のテンプレート
フリーランスとして活動する際に、活用できる契約書のテンプレートを2つご紹介します。
このように法律に順守したフォーマットを使用しなければ、トラブル発生時にも契約書の効力を発揮することができない可能性があります。
しっかりと正しいフォーマットのテンプレートを使用し、契約書を作成しましょう。
Web系フリーランスをモンスタークライアントから守る契約書
http://websae.net/contract_document/
労働契約書の書き方見本ダウンロード
https://www.bizocean.jp/doc/category/81/
フリーランスを考えているエンジニアが把握しておきたいこと
副業から始めてみる
いつかはフリーランスを考えている人や本職以外にも収入を得たい方は、ぜひ副業案件から始めてみてください。
いきなりフリーランスになるのも良いですが、副業案件でクライアントとの信頼関係を築けていれば、
フリーランスとして独立をする際も案件に困ることはないでしょう。
そこから新たな案件を紹介してもらうことも多いです。
具体的な案件はエンジニアスタイルにも掲載しているので、ぜひ一度ご覧ください。
案件情報と自分のスキルは照らし合わせておく
自分が参画できる案件がどれくらいあるのかを把握しておくことで、
自分に今足りないことや、身につけておきたいスキルが明確になります。
その際、ポートフォリオを作っておくことが実は役に立ちます。
ポートフォリオ作成は自身のスキルの証明になるだけでなく、作成の過程で自分のスキルをあらためて棚卸することができるからです。
具体的なメリットや作成方法はこちらをご覧ください。
フリーランスになるメリットやリスクは知っておく
フリーランスになると、会社員と比較しても大きく環境が変わります。
例えば、ローンの審査や保育園の審査に通りにくくなることや、帳票をつける必要があるなどです。
特に社会保障面で会社員と異なることが多いので、これらを事前に把握して対策をしておきましょう。
フリーランスの方は、こちらの記事もオススメです。
まとめ
フリーランスは企業に雇用されている労働者とは違い、案件によって行うべき業務や報酬額が変わります。
業務委託契約をかわすことが手間であっても、フリーランス側がご紹介したような不利益を被らないために、契約をかわすことは必須であると言えます。
当記事でご紹介した内容・ポイントをしっかり確認した上で、契約するようにしましょう。
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