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組み込みエンジニアが資格を取得するメリットとオススメな資格一覧

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組み込みエンジニアには資格が必要?

組み込みエンジニアとして働くには資格はいりません。ただし組み込みエンジニアの仕事には一般のエンジニアとは違ったスキルや知識が求められます。

本記事では組み込みエンジニアとして自身のスキルを客観的に証明するために有効な資格や資格を取得するメリットを解説します。

組み込みエンジニアが資格を獲得する5つのメリット

組み込みエンジニアとは家電や携帯電話、自動車などさまざまな機械に内蔵されているソフトウェアの開発を行います。先ほども示したように、組み込みエンジニアとして働くための資格は必要ではありません。資格を取るには時間と労力が必要なので尻込みする人も多いでしょう。ここでは資格を獲得するメリットを5つ紹介します。

スキルの証明になる

組み込みエンジニアに限らず、エンジニアはそれぞれスキルを持っています。資格をとると、いまあなたが持っているスキルを客観的に証明できます。会社のプロジェクトで、「これができる」という主観的なアピールよりも「この資格を持っているのでプロジェクトに参加したい」という人が選ばれやすいです。

資格手当が出る

組み込みエンジニアが資格を取ると給与に資格手当がつくこともメリットです。会社は社員が資格を取ると個々のスキルアップに繋がり、生産性が向上するので資格を取ってほしいと考えています。会社によっては資格受験料を補助し社員が資格を取ることを積極的に勧めています。

転職の際に有利

資格を取ると、転職時には一定以上のIT知識や技術を持つ人材として理解してもらえるので有利になります。会社の人事としても主観的に「今までこのようなことをしてきました」「このような事ができます」と言われるよりも、「◯◯の資格を持っています」「●●の試験に合格しました」と提示されたほうがスキルを客観的に把握できるので雇いたいと感じるでしょう。

年収アップにつながる

資格を持っていると管理職へ昇進できる、つまり年収アップにつながるというメリットがあります。年収がアップすると仕事に対するモチベーションも上がりますよね。難易度が高い資格もありますが自分のスキルを客観的に会社に提示するためにも、また自分のキャリアアップのためにも積極的に挑戦しましょう。

組み込みエンジニアにオススメしたいベース資格

この記事では組み込みエンジニアの業務に活かせるベース資格を3つ紹介します。ベース資格なので今もっているスキルの証明になりますし、スキルアップのためにも受けたほうがいい試験です。まず何から受けようかと悩んでいる人は是非参考にしてください。

基本情報技術者試験(FE)

基本情報技術者試験とは独立行政法人IPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験です。情報処理技術者のなかで高度な知識と技能が必要な試験の1つです。この試験の受験勉強をすることでしっかりとした基礎を身につけ、その次に必要になる応用力の幅が広がります。

  • 資格内容の紹介概要

令和2年度からCBT(computer Based Testing)方式で実施されています。

科目A 科目B
試験時間 90分 100分
出題形式 多肢選択式(四択択一) 多肢選択式
出題数 60問 20問
回答数 60問 20問
  • 公式URL・試験日・料金など基本情報

試験は春期試験と秋季試験で年に2回実施されています。

試験日 料金
春期試験:令和5年4月16日 7,500円(税込み)
秋期試験:令和5年10月8日

応用情報処理技術者試験(AP)

応用情報処理技術者試験とは独立行政法人IPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験です。試験勉強に挑むことで技術から管理、経営まで幅広い知識と応用力を身につけることができます。

  • 資格内容の紹介概要

技術的な問題に対して自分で考えた解決方法を提案できるレベルの人材を育成します。基本情報技術者試験の上位に位置づけられています。基本情報技術者試験の合格者がスキルアップのために受験したり、高度情報処理技術者試験の受験の一部免除申請をすることができます。

応用情報処理技術者試験

  • 公式URL・試験日・料金など基本情報

試験は春期試験と秋季試験で年に2回実施されています。

試験日 料金
春期試験:令和5年4月16日 7,500円(税込み)
秋期試験:令和5年10月8日

ITパスポート(IP)

ITパスポートとはITを利用するすべての職業人や職常人となる人が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識を証明する国家試験です。ITに携わる業務に就くか、担当業務に対してITを活用しようとする人に最適です。合否だけでなく総合評価と分野別評価がわかるので自分の特徴を知ることができます。

  • 資格内容の紹介概要

すべて4肢択一問題で、ストラテジ系(経営全般)、マネジメント系(IT管理)、テクノロジ系(IT技術)の3つの分野から出題されます。

ITパスポート(IP)

  • 公式URL・試験日・料金など基本情報

47都道府県で随時実施をしています。会場ごとに日程が違うので申込時に確認が必要です。最短で翌日、最長で3ヶ月後の受験申込ができます。料金は7,500円(税込み)です。

組み込みエンジニアにオススメしたい7つの資格

本記事では組み込みエンジニアが現状にとどまらず年収アップやキャリア形成を考えるときにおススメしたい資格を7つ紹介します。難易度の高い資格や基本的なものまでさまざまです。

自分の進みたい方向を考えた最適な資格を選んで資格取得に挑戦しましょう。

ETEC(組み込み技術者試験制度)

ETEC(組み込み技術者試験制度)とは、JASAが行っている試験で、組み込み技術者向けの資格です。

  • 資格内容の紹介概要

「クラス1」と「クラス2」に分かれており、「クラス1」は中級者レベルの能力を認定し、「クラス2」とは上級者の指導下で作業を行えるレベルを認定します。試験結果は合否ではなく、A・B・Cで評価されます。クラス2は大学生や専門学校生など学生も対象にしているので組み込みシステム未経験でもトライしやすい資格です。

  • 公式URL
  • 試験日・料金など基本情報
レベル 受験料 再受験のルール 試験日程
組み込み技術者試験クラス2(エントリレベル) 15,000円(税別) 2回目以降の受験
1回目の受験日翌日から起算して30日目以降
3回目以降の受験
最後の受験日翌日から起算して60日以降
全国の会場で随時開催
組み込みソフトウェア技術者試験クラス1(ミドルレベル) 20,000円(税別) 前回の受験日から180日以降 全国の会場で随時開催

ETSS(組み込みスキル標準)

ETSSとは経済産業省の独立行政法人IPA(情報処理推進機構)が提供している、エンジニアのスキルを「見える化」したものです。

  • 資格内容の紹介概要

スキル基準:エンジニアの持つ、組込みソフトウェアに関する技術スキルを「技術要素」「開発技術」「管理技術」にカテゴライズし、それぞれのスキルに対して「初級」「中級」「上級」「最上級」などの診断を行います。

キャリア基準:組込みソフトウェア開発に必要な職種の名称と職掌を10種類に分け、各職種ごとに必要な関連要素を明確化し、それぞれレベル1〜7でキャリアレベルを表します。

教育研修基準:スキルアップやキャリアアップを支援する教育カリキュラムの雛形を提供しています。

  • 公式URL・試験日・料金など基本情報

OCRES(OMG認定組込み技術者資格試験)

OCRES(OMG認定組込み技術者資格試験)とは、国際標準化団体OMGが実施する世界標準の技術者試験です。

  • 資格内容の紹介概要

この試験は組み込みシステムの開発を行うアーキテクト・開発者・プログラマーを対象  としています。合格するとそれぞれのスキルを持っているとアピールできます。試験は  ファンダメンタル・インターエディメント・アドバンスに分かれており、すべてファン  ダメンタルから始める必要があります。

  • 公式URL・試験日・料金など基本情報

料金は為替変動による見直しが1回/年あります。

試験(コース)名称 日程 料金
OMG認定BPM技術者資格試験 BPM初級基礎 随時 全コースそれぞれ32,750円
BPMテクニカル【中級】
BPMテクニカル【上級】
BPMビジネス【中級】
BPMビジネス【上級】
OMG認定SysML技術者資格試験 SysMLモデルユーザー
SysMLファンダメンタル【初級】
SysMLインターメディエイト【中級】
SysMLアドバンス【上級】
OMG認定UML技術者資格試験 UMLファンダメンタル【初級】
UMLインターメディエイト【中級】
UMLアドバンス【上級】

LPIC・LinuC

LPIC・LinuCとは、Linux技術者として必要なスキルを認定する資格です。LPICは世界共通の認定資格、LinuCとは日本の認定資格となっています。

  • 資格内容の紹介概要
LPICのレベル 内容 合格必要試験
LPICレベル1 実務で必要なLinuxの基本操作とシステム管理が行えることを認定する資格 101試験/102試験(5年以内に両方取得すること)
LPICレベル2 Linuxのシステムデザインなどにおいて、企画、導入、維持などができることを認定する 101試験/102試験(5年以内に両方取得すること)
LPICレベル1に合格していること
LPICレベル3
各分野の専門家レベル
Sambaを利用し、Linux、Windows、Unixが混在するシステムを設計等ができることを認定する 300試験合格
LPICレベル2に合格していること
セキュリティレベルが高いコンピュータシステム(サーバ)の設計等ができることを認定 303試験合格
LPICレベル2に合格していること
仮想化技術や高可用性システムの設計等ができることを認定 304試験合格
LPICレベル2に合格していること
※305試験:仮想化とコンテナ(英語試験のみ)
※306試験:高可用性(HA)とストレージ(英語試験のみ)

LinuCとは現場で求められている技術要素に対応しています。

LinuCのレベル 内容 合格必要試験
LinuCレベル1 物理/仮想環境のLinuxサーバーの構築・運用 101試験/102試験の両方2合格する必要あり
LinuCレベル2 Linuxシステム、ネットワークの設計・構築など 有意なLinuCレベル1を保有し、かつ201試験/202試験に合格する必要あり
LinuCレベル3
各分野の専門家レベル
システムの設計などができる 有意なLinuCレベル2を保有し、300試験に合格
サーバーの設計、構築などができる 有意なLinuCレベル2を保有し、303試験に合格
クラウドの設計、構築などができる 有意なLinuCレベル2を保有し、304試験に合格
  • 公式URL・試験日・料金など基本情報
申込み受付期間 随時
試験日 祝日を除く、月〜土曜日
試験会場 全国のピアソンVUE公認試験会場
受験料 すべて16,500円(ただし、100番台及び200番台は2科目受験する必要があるので必要な費用は33,000円です)
申込み受付期間 随時
試験日 受験日前日まで(予約枠に注意)
試験会場 全国のピアソンVUE公認試験会場
受験料 すべて16,500円(ただし、101試験と102試験は2つ合格する必要があるので必要な費用は33,000円)
LinuCレベル3の再受験のみ同一試験を受験する場合に1度だけ5,500円(税込み)で受験できます。

エンベデッドシステムスペシャリスト試験

エンベデッドシステムスペシャリスト試験とは、独立行政法人IPA(情報処理推進機構)が実施する組み込みエンジニア向けの国家試験です。試験の対象とされる人は、組み込みシステムの開発基盤の構築や設計・製造におけるリーダーとされているだけあり難易度は高いです。

  • 資格内容の紹介概要

資格取得に向けて勉強することで組み込みシステムの設計・構築・運用・保守に関する広い知識を得ることができます。試験は午前が選択式で午後は記述式となっています

  • 公式URL
  • 試験日・料金など基本情報
試験日 2023年4月16日
2023年10月8日
料金 7,500円(税込)

JSTQB認定テスト技術者資格

JSTQB認定テストとは日本のソフトウェアテスト技術者資格認定の運営組織「JSTQB」が実施する試験で国際資格です。

  • 資格内容の紹介概要

Advanced Level(テストマネージャ)資格を取得すると「Full Advanced Level Professional」という資格が与えられます。

資格内容 試験内容 費用
Advanced Level(Foundation Level合格者あるいは業務経験が3年以上) テストマネージャ 65問出題 180分 22,000円(税込)
テストアナリスト 40問出題 120分 22,000円(税込)
Foundation Level 複数の選択肢から正解を選ぶタイプ 40問出題 60分 22,000円(税込)
  • 公式URL・試験日・料金など基本情報
資格内容 試験日程
Advanced Level 2023年度にPBT(ペーパーベーステスト)からCBT(コンピューターベースドテスト)に以降したため現在準備中
Foundation Level

組み込みエンジニアとして差別化できるスキル

組み込みエンジニアとして他の組み込みエンジニアと差別化できるスキルがあります。ここでは他と差別化したい組み込みエンジニアが習得すべきスキルを紹介します。

需要の高いプログラミング言語の習得

プログラミング言語はたくさんありますが、そのなかでも組み込みエンジニアとして需要の高いプログラミング言語について説明します。

C言語

C言語は多くの組込みシステムの開発でよく利用されています。今でこそ組み込みシステムにはさまざまなプログラミング言語が使われていますが、40年前から使用されているC言語が一番多く使われています。「組み込みソフトウェア開発にはC言語」といわれるほどの基礎の言語なのでしっかりと習得しておく必要があります。

C++

C++はC言語の拡張として新たに開発されたプログラミング言語です。C++は汎用性が高いので、組み込みシステムとしては自動運転開発などに使われています。組み込みシステム以外にもスマホのアプリケーションなど広く扱えることから、C++を扱えるエンジニアの需要は高い状態です。

アセンブラ

アセンブラ(アセンブリ言語)とは、プログラム可能な機器を動かすために必要な機械語を、人間にわかりやすい形で記述した代表的な低水準な言語のことを指します。組み込みシステム開発ではアセンブラが使われているので習得しておきましょう。

Python

Pythonは開発・メンテナンスがしやすく学習コストが低いなどさまざまな特長があり人気のプログラミング言語です。組み込みソフトウェア開発でも利用されるので知っておくに越したことはありません。

Java

JavaはC言語をベースに開発された言語です。Javaも組み込みエンジニアとしては非常に使う頻度が高い言語なので習得しておいたほうが良いでしょう。

ソフトウェアの知識と経験

組み込みエンジニアは組み込み系OS、つまりソフトウェアについても習得と経験が必要です。特によく使われるソフトウェアと特徴を挙げました。

  • TRON

高いリアルタイム性を持ち、必要のない機能は削除し、最低限の機能で機器を動かすことができます。

  • T-Kernel

トロンフォーラムが開発・公開しているリアルタイムOS。TRONと違う点は強い標準化やシリーズ化(μT-Kirnel、MP T-Kirnel)などが挙げられます。

  • VxWorks

VxWorksは高度な信頼性を必要とする航空宇宙や防衛システムでも使われており、もともとは比較的大型の機器で使用されてきましたが、最近ではデジタル家電製品などにも使用されつつあります。

  • OSEK

OSEKとは自動車制御を行うECUで用いるプログラムの業界標準作成を目標としているプロジェクトです。割り込み処理機能やタスク管理機能などが特徴的です。

  • Rt-Linux

Rt-LinuxとはLinuxがリアルタイムな性能を保証しない欠点を補うために、Linuxにリアルタイムに必要な制御を加えたものです。

ハードウェアの知識と経験

組み込みソフトウェアを開発する上で、組み込みエンジニアにはハードに関する知識や経験があったほうが非常に便利です。ハードウェアの知識があると、ハード担当者と発展的な会議ができるため全体的な機器の開発にも役立ちます。

  • CPU

組み込みエンジニアが作ったソフトウェアを動かすのがCPUです。組み込みで使うCPUにはいくつかのメーカーやシリーズがあります。また各社からさらに性能の高いCPUが開発されてくるので日々の勉強が必要です。

  • 回路図

組み込みエンジニアは何をどのように動かせるのか、回路図をもとにプログラミング   をするので回路図を知っておく必要があります。優秀な組み込みエンジニアは回路図   の間違いに気がついたりより良くなるような指摘ができ、機器の開発にとって重要な   組み込みエンジニアになれます。

  • 電子デバイス

組み込み系でよく使われるのは、「センサー」「スイッチ」「モーター」などの電子デバイスがあります。それらに関するデータシートを読み、電子デバイスの知識をもつのも組み込みエンジニアの仕事と言えます。データシートにはどのピンのシグナルがマイコンの入力ポートに入力されるのかなどが書いてるので理解できるようになっておきましょう。

ヒューマンスキル

組み込みエンジニアにはヒューマンスキルも必要です。どのエンジニアにも言えることですが一人でプログラミングをくみシステムを作り、一人で機器を動かす、というわけにはいきません。システム開発や機器の開発には何人もの人間が携わります。自分が任された仕事がからこそよいよい仕事を行うためには以下のような、「プロジェクトマネジメント」「マネジメントスキル」が必要です。

プロジェクトマネジメント

プロジェクトマネジメントとは決められた期間内にプロジェクトを遂行するために、人材やコストの管理をすることを言います。プロジェクトを円滑に進めるために「プロジェクトマネージャー」という管理者を置くほど重要なポジションです。

初めは自分のことで精一杯かもしれませんが徐々にプロジェクトの進み方やマネジメントについても目を向けましょう。プロジェクトマネジメントができる組み込みエンジニアは珍重されます。

マネジメントスキル

上記のプロジェクトマネジメントでもいいましたが、人材やコストを管理することを「マネジメントする」といいます。駆け出しの組み込みエンジニアは自分の仕事をマネジメントする必要があります。また経験を積んでいくと一緒に働く人の仕事の進捗状況に合わせることも必要となります。

マネジメントスキルは地道に磨くことが必要です。初めは先輩がどういったことをしているのか、何に気を配ればプロジェクトがうまく進むのかを見習っていきましょう。マネジメントスキルを高めると、プロジェクトマネジメントができるスキルに繋がります。

まとめ

ここまで組み込みエンジニアが持っておいたほうがいい資格とスキルについて説明してきました。それぞれ資格を持つと資格手当が出たり、年収があがるなどのメリットも説明しました。

資格はそれぞれ比較的簡単なものから、国際的に通用するものまでさまざまです。あなたのスキルをアピールするためにも、また持っている技術を伸ばすためにも、資格を積極的に取るようにしましょう。

またプロジェクトに参加する以上、効率的に仕事を行う必要性があります。マネジメントスキルはすぐに身につくものではありませんが、自分が参加することでプロジェクトが円滑に進むようなプロジェクトマネジメントスキルをもつ貴重な組み込みエンジニアを目指してください。

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