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AWSの料金を構成する3つの要素とは。損しないための節約方法を紹介

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AWSの料金はどう決まるか・AWSの料金体系

AWS(Amazon Web Services)は、Amazonが提供するクラウドコンピューティングプラットフォームです。AWSでは、クラウド上での仮想サーバー構築やリレーショナルデータベースの管理、機械学習、ビッグデータの処理など、幅広いサービスに対応しています。一方で「AWSの料金体系がいまいち分からない」「安く利用する方法が知りたい」という方は多いでしょう。

この記事では、AWSの利用を検討している方のために、AWSの料金体系の仕組みや損しない使用方法について説明します。

使用した分だけ料金を払う「従量課金制」が基本

AWSは「従量課金制」を基本としています。従量課金制とは、例えば顧客が実際に使用したサービスに対してのみ料金を支払う仕組みを指します。

AWSの料金体系の中でも非常に人気があるのがペイアズユーゴー(Pay-as-you-go)です。なぜなら、この料金体系では実際に使用した分だけに対してのみ料金が発生し、長期的な契約や最小利用量の制約が少ないからです。

AWSのペイアズユーゴーは、ビジネスの規模やニーズに応じて対応できるため、スタートアップや中小企業から大企業まで幅広い層に適しています。使用料の変動が大きい場合や短期的なプロジェクトにも適しており、利用量に応じて柔軟に料金をコントロールできるため、非常に人気があります。

なお、ペイアズユーゴー以外の料金体系は、以下の通りです。

料金体系 内容
リザーブドインスタンス 定期的な利用が予想される場合に、長期的な利用契約を結び割引料金で利用できる
スポットインスタンス 割引価格でインスタンスを利用できる一方、価格が変動するリスクもある

AWSには様々な料金体系が存在し、利用に応じてそれぞれメリットがあります。最適な料金体系は利用目的や予算によって異なるため、要件に合わせて選択することが重要です。

利用したいサービスによって料金が変わる

AWSのサービスは様々で、有名なサービスは以下の通りです。

AWSのサービス 内容
Amazon S3(Simple Storage Service) オブジェクトストレージサービスで、ファイルや画像、動画データの保存と取得が可能
Amazon RDS(Relational Database Service MySQL、PostgreSQL、Oracleなどのデータベースエンジンに対応したリレーショナルデータベース
Amazon DynamoDB 高いスケーラビリティとパフォーマンス性があるNoSQLデータベースサービス
Amazon VPC(Virtual Private Cloud) カスタマイズ可能な仮想ネットワークを構築し、AWSリソースを安全に接続する
AWS Lambda イベントに応じてコードを実行するサーバーレスコンピューティングサービス
インフラストラクチャの管理が不要
Amazon SNS(Simple Notification Service) メッセージや通知を簡単に送信できるメッセージサービス
Amazon SQS(Simple Queue Service) 分散アプリケーションのコンポーネント間でメッセージを送受信できるメッセージキューサービス
Amazon Route 53 インターネットトラフィックのルーティングや管理が可能
AWS CloudFormation AWSリソースをデプロイ・管理できるサービス

「無料利用枠」を利用できるサービスもあるから要チェック

「無料利用枠」を利用できるサービス

AWSには無料利用枠が用意されています。これは主にAWSの新規ユーザーに対して、一定のサービスを一定期間や利用量まで無料で利用できるサービスです。

無料利用枠の対象となるサービスや内容は変わる場合がありますが、一般的に以下のような特典が含まれます。

AWSの無料利用枠例
EC2:一定時間や一定量のインスタンス利用が無料。
S3:一定量のデータ保存やデータ転送が無料。
RDS:一定時間のデータベースインスタンス利用が無料。
Lambda:一定量のリクエスト処理が無料。

AWSの無料利用枠は、専用アカウントを新規作成すると利用可能です。

AWSの料金を構成する3つの要素とは

AWSは主に従量課金制ですが、具体的にどのような要素が利用料金として発生するのでしょうか。

AWSの料金を構成する要素は3点あり、具体的には以下の通りです。

  • コンピューティング
  • ストレージ
  • データ転送

ここでは、上記3つの要素がどのように料金に関係して来るのか説明します。

コンピューティング

AWSではサーバーの数やCPCなどのスペックによって料金が変化します。主な例として、EC2(Elastic Compute Cloud)は仮想サーバーを提供するサービスですが、CPUやメモリ、ストレージのサイズなどサーバーのスペックによって料金が設定されます。

Amazon EC2でリージョンを東京・OSをWindowsにした場合、例えばt2.micro インスタンス(1 vCPU、1 GiBメモリ)の場合は$0.0198 USD/時間、t5.large インスタンス(2 vCPU、8 GiBメモリ): $0.1364 USD/時間です。(2023年7月時点)

AWSはさまざまなインスタンスタイプを提供しており、それぞれ異なるスペックと価格があります。また、インスタンスの実行時間やネットワークトラフィック、データ転送などを使用したリソースの量に応じて料金が変動します。

ストレージ

AWSは、サーバーを使用する際に使ったストレージの容量に応じて料金が変わります。

例えばAmazon EC2であれば、EC2インスタンスが使用するEBSボリュームのストレージ容量、Amazon S3はS3バケットに保存したオブジェクトの容量によって料金が変動します。

東京リージョンのS3ストレージ料金の場合は、以下の通りです。(2023年7月時点)

Standardストレージ 最初の50 TBまでのデータ: 約0.037USD/GB/月
50 TBを超えるデータ: 料金は階層によって異なる(低い階層になるほど料金が割安)
Intelligent-Tieringストレージ 最初の50 TBまでのデータ: 約0.037USD/GB/月
50 TBを超えるデータ: 料金は階層によって異なる(低い階層になるほど料金が割安)

料金はS3バケットに保存したデータの容量に応じて計算されるので、必要な容量に応じて適切なストレージクラスを選択することが重要です。

データ転送

AWSはデータ転送量に応じて料金がかかります。データ転送とは、主にインターネットを介してAWSサービス間やAWSとインターネット、AWSとオンプレミス環境との間で行われるデータの送受信を指します。

EC2インスタンスのデータ転送料金の具体例は、東京リージョンに設定した場合は以下の通りです。(2023年7月時点)

EC2からインターネットへのデータ転送 データ転送出(データ送信): 約$0.09 USD/GB(1TB未満の場合)、約$0.085 USD/GB(1TB以上10TB未満の場合)、その他階層あり
AWSサービス間のデータ転送 同一リージョン内のデータ転送: 無料※一部例外があるため要確認

リージョン間データ転送やインターネットデータ転送はデータ転送量が多いほど料金が増えるため、特に注意が必要です。また、同一リージョン内のAWS内データ転送は通常無料ですが、一部サービスに関しては料金がかかる場合があります。

基本的に決済方法はクレジットカード

AWS利用料の請求は、基本的にクレジットカードでのみ決済できます。利用したサービスの料金やデータ転送料金などは、月末にクレジットカードから請求されます。

ただし、与信枠を超えるくらいの請求額が発生するなどクレジットカードでは支払えない場合、銀行口座からの支払いや請求書などの決済方法も可能です。

AWSの「簡易見積もりツール」をうまく活用する

AWSの「簡易見積もりツール」

AWS Pricing Calculatorは、AWSの利用料金を詳細に計算するためのオンラインツールです。このツールを使用すると、AWSのさまざまなサービスの利用量や設定を細かくカスタマイズし、見積もりを行えます。

AWS Pricing CalculatorはAWSの主要なサービスに対応し、各サービスの利用量やタイプ、リソース構成などを詳細に設定できます。複数のAWSサービスを組み合わせた一括計算も可能です。また、料金オプションを指定して、リザーブドインスタンス(長期利用)やスポットインスタンス(短期利用)の料金効果を評価できます。

AWS Pricing Calculatorを使用すると将来のAWSの利用料金を詳細に把握し、予算を立てる際に便利です。

ざっくりAWS

ざっくりAWS

ざっくりAWS」は非公式のAWS料金計算サイトで、AWS Pricing Calculatorでの料金計算を複雑に感じる方や、英語・ドル表記に苦手意識を感じる方、大まかで良いから料金が知りたい方におすすめです。

例えばEC2であれば、インスタンスや台数、ストレージ、データ転送量を選択すると日本円で料金を表記してくれます。ドル円換算は毎朝10時に更新されるため、最新の情報を確認できます。OSはAmazon Linux前提で計算しているため、他のOSを使用している場合は料金が異なる場合がありますが、あくまで大まかなAWS料金を知りたい方には便利です。

AWSの料金コストを削減する3つの方法

AWSは従量課金制であるため、課金される要素や仕組みを十分に理解していないと、コストパフォーマンスが悪くなる場合があります。

ここでは、AWSの料金に関係する要素を、コスト削減につなげるための方法について3点紹介します。

リザーブドインスタンスを活用

リザーブドインスタンスは、AWSのサービスにおいて、長期間にわたって一定の割引料金で仮想サーバー(インスタンス)を予約できる料金オプションです。

通常、AWSの料金は従量課金制であるため、利用したリソースに応じて料金が発生します。一方、リザーブドインスタンスでは1年間または3年間にわたって事前にインスタンスを予約する代わりに、従量課金よりも割安になります。長期的な利用を予定している場合や安定したリソース需要がある場合に使用されます。

リザーブドインスタンスには、以下のタイプがあります

リザーブドインスタンス 内容
Standard Reserved Instances 特定のインスタンスファミリーとオペレーティングシステムに対して割引が適用される
Convertible Reserved Instances インスタンスファミリーとオペレーティングシステムを変更できる
Scheduled Reserved Instances 週または日ごとの固定スケジュールで予約する

リザーブドインスタンスは、長期間の利用が予想される場合や予算を管理するために活用されることがあります。ただし、購入したリザーブドインスタンスの期間中は、そのインスタンスが利用可能な時間帯に限定されるので注意が必要です。

不要なインスタンスやリソースの整理

不要なEC2インスタンスを停止または削除することで、インスタンスにかかる料金を節約できます。リザーブドインスタンスを有効活用することで、長期的なインスタンスの料金削減も可能です。また、不要なデータや古いデータを削除することで、S3やEBSなどのストレージサービスの料金を削減できます。

バックアップ頻度や保持期間を見直すのも、インスタンスにかかる料金を節約するのに役立ちます。

AWS料金が割引になるサービスを利用

AWSには、料金削減のためのサービスや料金オプションがあります。例えば、長期的な利用を予定している方にはリザーブドインスタンス、1年または3年のコミットメントでインスタンスまたはコンテナタスクを支払うセーブドインスタンスがあります。料金削減オプションを適切に活用することで、AWSの利用コストを最適化できます。

また、AWSの請求代行サービスを利用するのも良い方法です。AWSの請求代行サービスは、AWSの請求や料金の分析、予算の設定、コスト最適化のアドバイスなどを代行してくれるため、AWSの利用状況を把握し、無駄なコストを特定して削減できます。

AWSの料金でよくある質問

AWSの利用や料金支払いに関する、よくある質問とその回答を紹介します。

AWSの料金は日本円でも払えるのか

AWSの料金は日本円でも支払えます。クレジットカードを使用して支払うことが一般的ですが、ビジネス上で使用する場合は、銀行振込などの決済方法も条件を満たせば可能です。

AWSの公式ウェブサイトで料金支払いに関する詳細な情報やサポートを確認できるため、必要に応じて利用方法を確認してください。

AWSの料金は請求書払いできるのか

AWS公式HPでは、過去3ヵ月のAWS利用料金が月額平均2,000ドル以上である場合は、請求書払いへの変更も可能です。請求書払いを希望する場合、AWSは十分な支払い履歴と信用情報を持つことが求められるため、信用情報が不十分な場合は初めはクレジットカードで支払う場合があります。

まとめ

今回は、AWSの料金を構成する3つの要素と節約方法について紹介しました。AWSは世界的なインフラストラクチャであり、豊富なサービスやスケーラビリティ、高い拡張性を利用してビジネスの成長やアプリケーション開発・運用をスムーズに行えます。

料金体系は主に従量課金制で利用量に応じて支払うため、リザーブドインスタンスやスポットインスタンスの利用を検討し、不要なリソースの削除やストレージ最適化はできているか、定期的に確認するのがおすすめです。

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